「今週のSaaS×AIニュース」ピックアップ!
*SaaS×AI Weeklyは、ALL STAR SAAS FUNDが毎週ピックアップした記事を日本語で要約し、一部メンバーからのコメントを入れてお届けしています。

情熱だけでも、規律だけでも勝てない。SequoiaのAlfred Lin氏が説く「ファイア」と「アイス」の組織論
「Fire and Ice」 by Alfred Lin on X
Sequoia CapitalのAlfred Lin氏が、起業家への「1つだけのアドバイス」として、情熱(ファイア)と冷静な実行力(アイス)を組織内で両立させる重要性を解説しています。技術志向やプロダクト愛が強い一方で、事業化・実行の仕組みづくりに課題を抱えがちな日本のAI・SaaSスタートアップにとって、創業チームの設計を見直す視点を与えてくれます。
スーパーヒーローの弱点から得た着想
Alfred Lin氏は幼少期にコミックを愛読していましたが、なぜヒーローは特定の能力しか持たず、その並外れた強みがやがて最大の弱点になるのか、いつも疑問に思っていたといいます。もしヒーローが相反する力を使いこなせたなら。これが出発点です。
起業家へのアドバイスは「ファイアとアイス」
Lin氏は、新しいアイデアを探す起業家から「会社をはじめる人への1つのアドバイス」を問われた際、2018年にSequoiaのニュースレター「Seven Questions」で答えたのと似た回答をしています。それが、卓越した会社やチームには「ファイア」と「アイス」の両方が必要だという考え方です。時を経ても変わらない、彼の一貫した信念といえます。
ファイアは「世界が見誤っている課題を解く情熱」
ファイアとは、情熱や推進力、そして重要な課題を解決したいという燃えるような欲求を指します。その源泉は、意味のあるインパクトを生み出したいというパーパスと決意です。この情熱こそが創造性を刺激し、既存の限界を押し広げる原動力になると述べています。
アイスは「冷静な戦略と確実な実行」
アイスとは、落ち着き、明晰な戦略、そして効果的なエグゼキューションを意味します。困難な局面でも冷静さを保ち、計算された意思決定を行い、タスクやプロジェクトを完遂することに集中する力です。野心的なアイデアや素材を、具体的な成果とアウトプットに変える規律こそがアイスの本質だと語っています。
ファイアだけ、アイスだけの組織の失敗パターン
新しいアイデアや可能性に常に熱狂していても、プロジェクトを形にできない組織は「ファイア」はあるが「アイス」がない状態です。逆に、スイスの鉄道のように正確に回っていても、次のステージへ進むための独創的なアイデアがもはや生まれない組織は、冷え切ってファイアを失っています。
個人ではなく「チーム全体」で両方を備える
メンバー一人ひとりはどちらか一方に寄っていることもある、というのがLin氏の考えです。重要なのは、<yellow-highlight-half-bold>組織として両方の力を持ち合わせていること<yellow-highlight-half-bold>だとLin氏は考えています。DCコミックスのヒーロー「ファイアストーム」とヴィラン「キラーフロスト」のように、相反する力を社内に共存させることが繁栄の条件だとしています。
創業者が目指すべきは「起業家精神」と「経営の規律」の両立
結論として、創業者は自社に2つのスーパーパワーを備えるべきだと説いています。それは、燃えるような起業家精神と、氷のように冷静なマネジメントの規律です。創業チームの組成や採用において、自分とは異なる力を持つ人材をいかに迎え入れるかが問われているといえます。
Harvey vs Legoraにみる、AIスタートアップの「悪い粗利」が許される条件
「Harvey vs Legora | When Are Terrible Gross Margins OK?」 by OnlyCFO on OnlyCFO's Newsletter
リーガルAIで急成長するHarveyとLegoraを題材に、AIアプリケーション企業の低い(またはマイナスの)粗利がどんな場合に正当化され、どう改善すべきかを解説した記事です。シート課金のままAI利用量が急増して粗利が崩れるという問題は、バーティカルAIを手がける日本の起業家にもそのまま当てはまり、プライシングと原価管理を考える実践的な指針になります。
爆発的成長の裏にある「Thin AI Wrapper」への疑念
HarveyとLegoraは、いずれも設立数年でARR 1億ドル・2億ドルに最速クラスで到達したアプリケーション層のAI企業です。Legoraは100万ドルから1億ドルまで18ヶ月、さらに2億ドルまでわずか6ヶ月で伸ばしました。
一方で、両社は大型調達を重ねながら現金を燃やして成長しており、「薄いAIラッパー(Thin AI Wrapper)にすぎない」「粗利が低く、この先も黒字にならない」「フロンティアモデルが直接参入してくる」といった懐疑的な声も根強くあります。
Harveyの粗利がマイナス50%まで悪化した構造的な理由
Harveyの粗利は6月にマイナス50%まで落ち込んだと報じられています。主な原因は、利用量に連動しない定額のシート課金が中心であること、フロンティアモデルの性能向上で顧客の利用が増えたこと、自社の新機能がさらに利用を押し上げたことです。追加利用が顧客にとって実質無料であるため、プロダクトが良くなるほど原価が膨らむという矛盾が起きていました。
「粗利がプラス」だけでは不十分
LegoraのCFOは、NRR300%、GRR95%といった指標は具体的な数字で示した一方、粗利については「プラス」と述べるにとどめました。著者は、ここから粗利水準はかなり低いと推測しています。長期的に粗利0%の企業の価値はゼロであり、R&D・S&M・G&Aといった多額の営業費用を賄うには、粗利がわずかにプラスという程度では持続しないと指摘しています。
低粗利を正当化しうる3つの論拠、正当化できない1つの理由
一時的な低粗利を長期的な優位につなげる論拠として、著者は次の3つを挙げています。
1つ目は、無料・低価格プランで導入を広げ、大口顧客を収益性の高いプランへ移行させること。2つ目は、利用者とデータを獲得し、モデル単体を超える付加価値を積み上げること。3つ目は、フロンティア水準の知能を惜しみなく提供してプロダクトの質を保ちながら、利用実態を学び、ファインチューニング・ハーネス改善・モデルルーティングなどでコストを下げることだといいます。
一方、「推論コストは下がり続けるから大丈夫」という理屈は、低粗利の理由としては不適切だとしています。薄いAIラッパーのままでは、モデルが安くなれば、顧客はモデルを直接使うようになるからです。
Harveyは自社モデルで1四半期のうちに粗利を50ポイント以上改善
著者は、現在のプロダクトのまま粗利を改善する選択肢として、プライシングモデルの変更、LLMコストの解決、AI利用量の上限設定の3つを挙げています。
Harveyは従量課金への移行を進めていますが、顧客の移行を急がせず、まずLLMコストの削減に取り組みました。8月には中国Moonshotのオープンウェイトモデル「Kimi K3」をポストトレーニングした自社モデルをリリースしています。
同社は、この自社モデルが多くの場面でフロンティアモデルより良い回答を出せると主張しています。必要な場面だけフロンティアモデルを使う構成に加え、ハーネスとオーケストレーションも改善した結果、コストはフロンティアモデルのみを使う場合の最大10分の1にまで下がりうるとされます。これにより、1四半期で粗利はプラスに転じました。
Legoraは従量課金と「全モデル活用」のモデルルーティングで対抗
Legoraは数ヶ月前から一部の顧客セグメントで従量課金を導入し、価格を利用量に連動させはじめました。
Harveyとは異なり、現時点では自社モデルを開発せず、特定タスク向けのポストトレーニング、ハーネス改善、モデルルーティングに注力しています。同社のCTOは、公開リーダーボードでは見えない「モデルアービトラージ」(モデルを切り替えることで性能・コスト・レイテンシを改善できる余地)を、バーティカルAI企業は社内の専門知識と実際の利用データを持っているため見つけやすいと主張しています。
正しいCOGS分類と「Thin AI Wrapperテスト」
著者は、よくある誤った会計処理として、AIモデルのサブスクリプション費用を全額G&Aに計上する、無料トライアルのコストを分けずにCOGSに入れる、ベクターDBなどを全額R&D扱いにする、といった例を挙げて警告しています。粗利はプロダクト単位、さらには機能単位で細かく把握すべきだとしています。
最後に、<yellow-highlight-half-bold>粗利を0%から40%へ上げた途端に需要が急減するなら、その会社はおそらくまだ薄いAIラッパーにすぎない<yellow-highlight-half-bold>、という判定基準を示しています。そのうえで、いまの赤字が将来の優位を築いているのか、それとも調達を繰り返した末にバリュエーションが崩れる道なのかを見極めるべきだと締めくくっています。

AIモデルを、顧客の仕事を完了するサービスに変える
「AI, Infrastructure, and the Next Investment Cycle」 by a16z on YouTube
a16zのGrowthチームに所属するDavid George氏、Sarah Wang氏、Alex Immerman氏、Santiago Rodriguez氏の四人が、AI投資とソフトウェア市場の変化を解説するYouTubeです。アプリケーション層の価値が問われるなか、AIを企業固有の情報や業務フローにつなぎ、モデルを使い分けて、実際に仕事を完了するサービスへ変える方法がわかる内容です。あわせて、上場ソフトウェア企業の成長率の分布と、カテゴリごとの差にも触れています。
AI導入は69%、成果を継続して測っているのは2%
紹介されたS&P 500企業のデータでは、69%がAIを本番導入していますが、定量的な効果を示しているのは30%、指標を継続して追っているのは2%です。AIによる成果はすでに出ているものの、組織のなかで活用を深め、結果を追う余地は大きいと語っています。
a16zが実際に話している企業でも、AIとの接点が主にMicrosoft Copilotにとどまるケースが多いといいます。次の段階は、個別の導入から、日々繰り返される業務フローへAIを組み込むことです。
世界を知るモデルも、あなたの会社のことは知らない
AIは世界について多くを知っていても、個々の会社についてはほとんど知らない、というAli Ghodsi氏の指摘を紹介しています。その差を埋めるのが、アプリケーション層の仕事です。たとえば、高度なエンジニアリングチームを持つRevolutも、ElevenLabsと連携し、音声モデルを顧客口座や銀行業務のフローへ安全に接続しています。
現在の大きな機会は、モデルの能力を使って、顧客の問題を効率よく、安全に解決できるサービスにすることだと語っています。
AIのヘビーユーザーは、月額サブスクの先に進んでいる
AIベンダーへの支出中央値を比べると、上位1%のグループは上位10%のグループの約8倍です。また、a16zの投資先で見られる個人の利用状況では、ヘビーユーザーの支出は月7,500〜9,000ドルに達する一方、中央値は月200〜400ドル程度だといいます。
AIを積極的に使っている企業のなかでも、利用の深さにはこれだけの差があります。CursorやCognitionのツールを購入して試すことは出発点であり、全面的に活用するまでには長い道のりがあると指摘しています。
最強のモデルを毎回使わずに、性能を上げてコストを下げる
DatabricksのSmart Routerは、タスクごとに適切なモデルを選ぶことで、比較対象となる最も高性能な単一モデルより多くの問題を解きながら、コストを35%下げたと紹介しています。EliseAIでは、小型のモデルをファインチューニングし、コストを60%削減するとともに、応答の遅延も減らしてリアルタイムの音声用途に対応しています。
<yellow-highlight-half-bold>アプリケーション企業にとって見るべき単位は、顧客の仕事を完了するためのコスト<yellow-highlight-half-bold>だと語っています。各ステップで最も高価なモデルを使わずに仕事を完了できれば、顧客への提供価値と処理コストを切り離し、利益率を改善できると見ています。
SaaS企業に必要なのは、継続率の維持と成長の再加速
紹介された上場ソフトウェア企業のサンプルでは、約75%が黒字ですが、20%以上成長している企業は30%にとどまります。企業がAIへの支出を増やす際は、新しいSaaSプロジェクトへの追加支出を抑えて原資にしやすいと指摘しています。
既存企業が向き合うべき問いは、強い顧客基盤と販売網を使って、新しいAI製品を届け、売上成長をどう引き上げるかです。98%といった高い売上継続率や効率改善に加えて、成長の再加速を示す必要があると語り、その目標として「10%以上の加速」を挙げています。
「SaaSは終わる」では説明できない、カテゴリごとの差
上場ソフトウェアの市場データでは、サイバーセキュリティとオブザーバビリティが際立ち、業界特化型ソフトウェアも横断的なアプリケーションより堅調だと紹介しています。違いを捉える軸は、AIによって顧客がその製品を必要とする度合いがどう変わるかです。ソフトウェアやエージェントが増えれば、セキュリティと監視の需要も増えるのに対し、アプリケーションでは業務フロー自体が変わる影響を受けます。
また、StripeのSaaS顧客データでは、若い企業と成熟した企業の両方で、2026年にかけて成長が加速していると紹介しています。

優秀なVP of Salesは、ミスを隠さない
「Great VPs of Sales Never Hide from a Miss」 by Jason Lemkin on SaaStr
VP of Salesの採用が失敗だったかを見極める最重要シグナルは、四半期の目標を落とした(ミスした)とき、それを隠すか正面から向き合うかだとLemkin氏は述べています。採用判断に迷う創業者にとって、「もう少し様子を見よう」という先送りを防ぐための判断軸になります。
ミスハイヤーの早期シグナルは2つ
優秀なVP of Salesの元には、入社後30日以内に優秀な人が合流します。前職から一緒に来たがる人が必ず一〜二人いて、それとは別に、新しい職場に迎える優秀な人材を数人、静かに口説いてもいます。経験を一段超える役割に挑むストレッチなVPであっても、いまと先に必要なチームを作るため、常に人脈を広げています。
加えて、1セールスサイクル以内に何らかの改善が見えるはずです。売り上げが倍増する必要はありませんが、「良くなっている」という手応えがなければ、それ自体がシグナルです。
VP of Salesが失敗する最大の兆候は「ミスを隠すこと」
四半期の目標を達成できないこと自体は問題ではありません。問題は、それを隠すことです。
優秀なVP of Salesは四半期の終了前に状況が厳しくなりそうだと早めに伝え、ミスした場合は明確なアクションプランとともに自分から報告します。ほかの人のせいにしすぎず、たとえマーケティングも未達だったとしても、責任の大半を自分で引き受けます。何より、ミスにオーナーシップを取ります。
「隠す」VP of Salesは、解決策を持っていない
ミスを隠すVP of Salesは、怖くて動けない状態にあります。どう立て直すかわからず、時間稼ぎをしているのです。Lemkin氏は、四半期を落とした優秀なVP of Salesが組織を大きな成功に導いた例は数多く見てきた一方、<yellow-highlight-half-bold>ミスにオーナーシップを取らなかったVP of Salesが成功した例は一度も見たことがない<yellow-highlight-half-bold>、と述べています。
ボードミーティングでは、VP of Sales自身がミスに触れるかを見る
厳しい月や四半期が終わったあとの次のチームミーティング、特に次のボードミーティングで、VP of Salesが自らミスを取り上げなければ、それは少なくとも警戒すべきサインです。オーナーシップを取らず、次はもっと良くする道筋も共有しないなら、おそらく、この先も自分からミスを語ることはありません。

「代えのきかない人」をどう見極め、どう残すか
「The Irreplaceables. The Employees to Never Let Go. Even If You Have to Invent a Role.」 by Jason Lemkin on SaaStr
SaaStrのJason Lemkin氏が、スケールの過程で創業者が後悔しやすい「代えのきかない人材(Irreplaceable)」の見極め方と、役割を新設してでも残す条件をまとめました。評価制度が捉えにくい資質や、組織再編で居場所が消える構造が整理されています。AIエージェントが業務量を担うほど人に求められる役割は変わり、「誰を残し、どう処遇するか」の基準を引き直す重要性が見えてきます。
評価制度は、代えのきかない人の資質を拾いきれない
Lemkin氏は、代えのきかない人材の特徴を3つ挙げます。許可を求めず仕事を完遂すること、監督の有無で品質が変わらないこと、修正が安い1週目に自分に不利な内容でも問題を報告することです。
通常の評価が測るのは1つ目の一面だけで、残る2つはまったく測れません。そのため、直近の評価が「期待以上」でも、代えのきかない人材は離職してしまう、と説明しています。
「役割がなくても予算を探すか」で見極める
判定の基準は、その人から「30日後に空く」と連絡が来たとき、役割を定義する前に、創業者が48時間以内に予算を見つけにいくかどうかです。現在の役割で再雇用したい人はトップ人材、存在しない将来の役割でも再雇用したい人は代えのきかない人材とされます。「役割を問わず採用したい人」の名簿は五〜十人が上限で、特定に5分もかからないと言います。増えすぎる場合は別のリストが混ざっていると述べています。
離職の5つの要因
Lemkin氏は、新任役員による階層の積み重なり、再編による複数機能の統合、報酬バンドの上限、退屈の見落とし、買収後の居場所の消失を挙げています。
役割の新設には5つの条件が付く
<yellow-highlight-half-bold>役割を新設するほうが、外部の採用より安く速い<yellow-highlight-half-bold>と述べています。外部VPの採用は4〜6ヶ月かかり、初年度の失敗率は約50%(同氏の経験則)です。
役割を新設する条件は、期限付きの測定指標、市場基準で降格にならない肩書き、実際の予算またはP&L権限、社内への理由の公開、半年後の見直しです。市場基準で格下げになる肩書きは、むしろ引き抜かれやすさを高めるとしています。
AIエージェント時代の役割は、四半期ごとに変わる
SaaStrは人間三人と20以上のAIエージェントで運営されています。この構造では一人あたりのレバレッジが以前の10倍になり、確認や軌道修正が要る人のコストも増幅されると述べています。一方で、誤った出力や不満を持つ顧客を人が拾う価値も上がります。固定の職務記述書で採用すると、四半期ごとに仕様が陳腐化し、良い人が辞めるとしています。
資金調達ニュース
[海外]
🏢 エンタープライズ
- Instinct
テキストや電話で依頼を受け、エージェント自身がPCやスマホを操作して旅行計画、食料品購入、予約、解約手続きなどの日常タスクを最後まで代行するパーソナルAIエージェント。シリーズCで10億ドルを調達。評価額は100億ドル。投資家はSequoia Capital、Benchmark Capital、Coatueなど(TechCrunch) - Supabase
オープンソースのPostgresベースのバックエンド開発基盤。AIエージェント向けDBのTursoの買収も同時発表。グロースラウンドで1億5,000万ドルを調達。投資家はGIC(リード)、CapitalG、IronArcなど(SiliconANGLE) - Metaview
採用業務向けのエージェント型AIプラットフォーム。候補者のソーシング、応募書類の審査、構造化されたスクリーニング面談、レポート作成までを自動化。利用企業は7,000社超。シリーズCで6,000万ドルを調達。投資家はInsight Partners(リード)、GV、Seedcampなど(FinSMEs) - OuterSignal
消費者ブランド向けのエージェント型カスタマーインテリジェンス基盤。ECプラットフォームやCRMの顧客リストを取り込み、公開情報から各購入者のプロフィールを補完し、マーケティングのパーソナライズに活用。シリーズAで2,200万ドルを調達。投資家はLong Journey Ventures(共同リード)、Abstract Ventures(共同リード)、BAM Venturesなど(Tech Startups) - Restate
モダンアプリケーションとAIエージェント向けのデュラブル実行基盤。障害やネットワーク断が起きても、多段階ワークフローを止めずに実行し続けるエンジン。シリーズAで2,000万ドルを調達。投資家はSingular(リード)、Redpoint Ventures、Capital One Ventures(TechCrunch) - Ascerta
企業のAI支出・利用状況・事業成果を一元的に可視化する「Enterprise AI Management」プラットフォーム。旧社名はPay-i。シリーズAで1,800万ドルを調達。投資家はDell Technologies Capital(リード)、Hitachi Ventures、BGVなど(Yahoo Finance) - Atomic
元Teslaのサプライチェーン責任者らが創業したAIネイティブの需給計画プラットフォーム。既存のERPを置き換えずに併用でき、約30日でS&OPレイヤーを導入できる設計。顧客はDoorDashのDashMartなど。シリーズAで1,250万ドルを調達。投資家はKlass Capital、Madrona(FinSMEs)
🏗️ バーティカル
- EliseAI
住宅管理会社と医療機関向けのAI業務自動化プラットフォーム。内見予約、入居者対応、修繕依頼、患者のスケジューリングや保険確認などを自動化。米国の賃貸住宅の約6戸に1戸で利用されている規模。シリーズFで3億5,000万ドルを調達。評価額は40億ドル。投資家はAndreessen Horowitz、Bessemer Venture Partners、Ontario Teachers' Pension Planなど(FinSMEs、HIT Consultant) - Flow Engineering
ハードウェア開発向けのエージェント型プラットフォーム。CAD図面と製品要件、シミュレーション結果、試験データの整合をAIエージェントが自動で取るツール。シリーズBで5,000万ドルを調達。評価額は7億5,000万ドル。投資家はValor Equity Partners(共同リード)、Atreides Management(共同リード)、Sequoia Capital(TechCrunch) - Miter
建設業界向けのAIワークフォース管理プラットフォーム。給与計算、現場オペレーション、原価管理、経費精算を一つのシステムに統合。米国の建設労働者の約2%がMiter経由で給与を受け取っている状況。シリーズBで4,000万ドルを調達。投資家はBattery Ventures(リード)、Bessemer Venture Partners、Coatue(PR Newswire) - Outmarket AI
保険代理店向けのAIプラットフォーム。代理店管理システムと連携し、契約更新、ベンチマーク、提案書作成、補償の抜け漏れ分析などを自動化。導入代理店は300社超。シリーズBで3,450万ドルを調達。投資家はSignalFire(リード)、Fika Ventures、Permanent Capital Venturesなど(Yahoo! Finance) - Daptic
製造業向けのプロダクトコンプライアンス管理プラットフォーム。規制要件を製品の設計・開発段階から組み込む仕組み。シリーズAで1,500万ドルを調達。投資家はCanvas Ventures(リード)、IA Ventures、8VC(FinSMEs)
🔒 サイバーセキュリティ
- Armadin
Mandiant創業者Kevin Mandia氏による新会社。AIエージェントのスウォームが常時攻撃側として複数の脆弱性を連鎖させ、侵入経路を検証するプラットフォーム。シリーズBで2億5,550万ドルを調達。評価額は25億ドル超。投資家はAndreessen Horowitz(共同リード)、Accel(共同リード)、Bain Capital Venturesなど(TechCrunch) - Reco
AIエージェント向けのセキュリティプラットフォーム。企業内のエージェント、アプリ、ID、権限の関係をグラフで可視化し、過剰なアクセスや危険な連携を検出・是正する仕組み。OpenAI、Anthropic、Microsoft Copilot、Salesforceなど280以上のアプリやAIサービスと連携。5,500万ドルを調達。投資家はAT&T Ventures、Forestay、Quadrille Capital(Fintech Global、CTech) - doxx.net
個人・企業とそのAIエージェントが、中間サーバーを介さずにプライベートなネットワークを構築・通信できる「Agentic Defined Networking」基盤。DNSレベルの脅威防御も内蔵。シリーズAで3,800万ドルを調達。投資家はAndreessen Horowitz(リード)、Animo Ventures、Focal.vc(Business Wire) - Modulate
音声をテキスト化せずに直接解析する「オーディオネイティブAI」の開発企業。ディープフェイク音声による詐欺の検知、ハラスメント検出、音声AIエージェントの品質監視などが用途。2,500万ドルを調達。投資家はFuture Ventures(リード)、Hyperplane、Lakestar(SecurityWeek)
🛰️ ハードウェア×AI
- SiMa.ai
ロボット、ドローン、カメラ、自動車などのデバイス上でAIを直接動かすためのエッジAIチップとソフトウェアのフルスタックプラットフォーム。シリーズCで1億5,000万ドルを調達。評価額は14億5,000万ドル。投資家はFidelity Management & Research(共同リード)、Amplify(共同リード)、Dell Technologies Capitalなど(TechCrunch) - AMP
AIカメラ、ロボティクス、空気噴射で未分別の一般廃棄物から資源を回収する選別ソリューション。プロジェクトデットで7,000万ドルを調達。投資家はGalvanize(リード)(Recycling Today) - IPercept
スウェーデン王立工科大学(KTH)発のスピンアウト。CNC工作機械の可動部に後付けするセンサーで、機械の制御装置や社内ITネットワークに接続せずに部品レベルの劣化を診断する物理AIプラットフォーム。顧客はAirbus、Bosch、Volvoなど。シリーズAで1,650万ドルを調達。投資家はIsogon Ventures、2150、Luminar Venturesなど(FinSMEs)
🏥 ヘルスケア
- Ortet
ヘルスケア特化のフロンティアAIラボ。生物学、臨床、業務、財務のデータを横断する患者中心の基盤モデルを、計算基盤からモデル開発・展開まで一貫して構築。CEOはNYUのKyunghyun Cho。Thoreauから5億ドルの出資コミットメントを得てローンチ。投資家はThoreau(Yahoo! Finance)
フィンテック
- Jeeves
グローバル企業向けのステーブルコイン基盤のバンキングプラットフォーム。法人カード、支払い、財務管理をステーブルコインのレールで提供。190カ国への送金に対応する独自のステーブルコインウォレットも発表。エクイティで1億1,000万ドルを調達。投資家はCoinFund(リード)、Andreessen Horowitz、Coinbase Venturesなど(Fintech Global) - Halluminate
投資銀行・PE業務向けのAIエージェント強化学習環境とベンチマークを提供。シリーズAで3,000万ドルを調達。投資家はOak HC/FT(リード)、Y Combinator、Orange Collectiveなど(Fortune)
そのほか
- Helix Digital Infrastructure
KKRが設立したAIインフラ企業。ハイパースケーラー向けにデータセンター、発電・送配電インフラ、光ファイバー網を一体で開発。元AWS CEOのAdam Selipskyが率いる体制。サムスンから、長期資本ファンドを通じて10億ドルの出資コミットメントを獲得。投資家はSamsung Electronics、Samsung C&T、Samsung SDSなどのサムスングループ各社(CNBC) - GMI Cloud
AI学習・推論向けにGPUインフラと推論サービスを提供するAIネイティブクラウド。シリーズBで2億2,300万ドルを調達。投資家はARCHIV(リード)、NVIDIA、Trend Microなど(SiliconANGLE) - General Intuition
ゲームクリップ共有プラットフォームMedalからスピンアウトしたAIラボ。行動ラベル付きの膨大なゲームプレイ動画で基盤モデルを学習し、ロボティクスやシミュレーションなど物理AIへの応用を目指すアプローチ。2億2,000万ドルを調達。評価額は62億ドル。投資家はValor Equity Partners、Atreides、Point72など(SiliconANGLE) - PaleBlueDot AI
自社保有GPUクラスター、GPUマーケットプレイス、サーバーレス推論を統合したAIインフラ基盤。シリーズCで2億ドルを調達。評価額は32億ドル。投資家はComputeCore(リード)、B Capitalなど(Unite.AI)
[国内]
- Leafea
中小企業でも導入しやすい福利厚生サービス「福利厚生アプリ」の開発・提供。シリーズBの1st closeで10億円を調達。プロダクト開発体制の増強とパートナー連携のオペレーション基盤への投資、来年に向けた食事補助サービスの開発。(PR Times) - mutex
AIレセプト業務支援SaaS「Reze(レゼ)」を開発・提供。既存のレセコンや電子カルテのデータを取り込み、加算の算定漏れや請求内容の不備をAIが検出し、医事課スタッフの点検・修正作業を支援。シリーズAで2億8160万円を調達。投資家はエムティーアイ、MEDIPAL Innovation 投資事業有限責任組合(メディパルホールディングスのCVC)、日本経営。(PR Times) - DriveX
ERP・MESなどの基幹システムと連携し、生産計画の立案から実績反映までを一貫して支える製造業向け生産計画AI「スマート生産計画」の開発・提供。約1.5億円を調達。投資家は事業会社、個人投資家など(PR Times) - LEBO ROBOTICS
風力発電機のブレードに吸着して移動し、研磨・洗浄・塗布などの補修を行うブレードメンテナンスロボットを開発。AIを活用したブレード外観点検では国内で累計1,000基以上の実績。シリーズBの1st Closeを完了。投資家はAbies Ventures、あいざわアセットマネジメント。(PR Times) - WAYFARER
ホテル運営AI基盤「Materia Connect」を開発。既存のPMSを置き換えず、ホテルのシステム、業務データ、外部AIエージェントをAPIで接続し、ダイナミックプライシング、予約・チェックイン、清掃・シフト管理などを自動化。自社で国内13施設を運営し、現場で検証しながらプロダクトを改善。シリーズA(ファーストクローズ)で資金調達。リードはCanon Marketing Japan MIRAI Fund(PR Times) - knewit
商社・メーカーの仕入れから納品までの取引実行オペレーションを、業務設計、自社プロダクト「ニューイット」シリーズ、AIエージェント、BPO/Opsの組み合わせで変革。まず鉄鋼流通領域に注力。プレシリーズAで資金調達。リードは既存投資家のKUSABI。(PR Times) - AIBORN
医療記録AI「カタナシ」の開発・提供。診察やカンファレンスの会話を文字起こしし、AIがSOAP形式などに要約して記録の下書き作成を支援。資本業務提携に伴う出資。投資家はメディカル・データ・ビジョン (PR Times)



