「今週のSaaSxAIニュース」ピックアップ!
*SaaSxAI Weeklyは、ALL STAR SAAS FUNDが毎週ピックアップした記事を日本語で要約してお届けしています。

20年分のデータに基づく「ユニコーン企業を生む創業チームの真実」
「The Billion-Dollar Founder Study」by Andy Chen & Amy Lin on Outcast Ventures
Outcast VenturesのAndy Chen氏とAmy Lin氏による調査レポート。過去20年に10億ドル以上で上場・買収されたアメリカのテック企業344社の創業チームを徹底分析し、「優れた起業家像」にまつわる通説をデータで検証した内容です。日本でも「共同創業者選び」「創業者の年齢・学歴」など迷いやすいテーマを客観データで整理しており、シード期の意思決定に直結する示唆が詰まっています。
チーム構成
- 「気心知れた仲間」より「補完性の高いチーム」が大きな結果を出す
以前同じ職場で働いていた共同創業者チームの中央値EXIT評価額は23億ドル、そうでないチームは29億ドルと約21%低い結果が出ています。同じ学校出身でも同様の傾向が確認されました。過去の関係性は摩擦を減らしますが、スケールを決定づける要素ではありません。最良の共同創業者は「最も便利な人」ではなく、「最も役割が補完しあえる人」です。 - ソロ創業者はトップ水準のEXITからほぼ消える
10億ドル以上のEXITのうち、82%は複数の共同創業者によるチームが創業しています。特に上位5%(240億ドル〜980億ドル)の超大型EXIT 16社のうち、ソロ創業者が率いるのはわずか1社。さらにソロ創業者は、流動性イベント(IPO・M&AなどのEXIT)までに、共同創業者がいるケースよりも約3年長くかかっています。AIツールの進化でソロ創業は急増していますが、超大型アウトカムとの相関は低い点は重要な認識です。 - テクニカルCEOが超大型EXITを圧倒的に主導している
上位5%のEXIT企業において、75%の創業CEOが技術的バックグラウンドを持ちます。非テクニカルCEOでも大きな企業を作ることは可能ですが、最大規模の結果はエンジニアリング的素養を持つ創業者が率いる場合に集中しています。AI時代においては製品・技術の進化が加速しており、この傾向はさらに強まると予想されます。
創業者の背景
- 「スタートアップ経験」と「過去のEXIT経験」が最も強力な予測変数
IPO事例において、創業CEOに起業経験がある場合の中央値評価額は38億ドル(未経験:27億ドル)と41%高く、チームに一人でも過去EXIT経験者がいる場合は50億ドル(未経験チーム:26億ドル)とほぼ2倍になります。採用・ガバナンス・資本市場対応などはすべて学習可能なスキルであり、経験値がスピードと判断精度を大きく向上させます。 - 創業時の最適年齢は35歳前後、ただし「時代との一致」のほうが重要
10億ドルEXIT企業の主要創業者の創業時中央値年齢は35歳です。しかし重要なのは年齢そのものではなく、「大きなプラットフォームシフトと創業適齢期が重なるタイミング」です。1980年代生まれはクラウド・モバイル時代と合致し最大規模のIPOを生み、1990年代生まれはAI時代に創業適齢期を迎えており、プライベートカンパニー評価額のデータはすでにその兆候を示しています。
時間軸・学歴
- 10億ドル企業を育てるには10年以上のコミットメントが必要
データセット全体で、創業CEOがその役職に留まった期間の中央値は約12年、CTOは約11年です。上位5%に絞ると創業CEOは15年以上在任するケースが多い。これは共同創業者選びが「ローンチを乗り越えるパートナー選び」ではなく、「10年以上かけた事業の再発明を共に担う人選び」であることを意味します。 - 学歴はEXIT規模を決めない
スタンフォード大学は創業者の輩出数でトップですが、「5大名門校出身の創業者」と「それ以外の大学出身の創業者」の中央値EXIT評価額は、ともに26億ドルでまったく同じです。名門校はネットワークやアクセスを提供しますが、EXIT規模の上限は市場タイミング・チーム構成・持続力など別の変数が決定します。日本の学歴重視の採用・投資文化において、示唆深いデータです。
「成長率+10%」か「利益率40%」か。SaaSに残された道はもう2つしかない
「There are only two paths left for software」by David George on a16z
AIの台頭によって従来型SaaSの企業価値創出モデルが根本から崩壊しつつあるなか、ソフトウェア企業が生き残るために取るべき2つの経営判断を明快に論じています。日本のAI・SaaSスタートアップにとっても、資金調達・事業戦略・組織設計の判断軸を今すぐ問い直す内容です。
「中間地帯」はもはや死に体である
公開市場はすでにソフトウェアセクターを再評価しており、ターミナルバリューはかつてのものではないというシグナルを発しています。成長が鈍化しているのに真の収益性も出ていない「ぬるい中間」にいる企業は、グロースマルチプルも収益性マルチプルも享受できず、最も危険なポジションに置かれています。日本でも「まずまずの成長・まずまずの利益」という中途半端な経営は今後、投資家から厳しく評価される時代が来ます。
道 1:AIネイティブな新製品で成長率を10ポイント押し上げよ
これはチャットボットや既存SKUへのコパイロット機能の追加を意味するのではなく、12ヶ月以内に会社全体の成長率を10ポイント動かせる真に新しいプロダクトを指します。四人チームのPOD(自律的な少人数チーム)でデザイン・プロダクト・エンジニアリングを一体化し、初日からコードを書くスタイルへの転換が必要です。重要なのは、ビジネスモデルもシート課金からトークン・消費量・アウトカムベースの課金へ移行することであり、<yellow-highlight-half-bold>エージェントが自律的に課金できない構造は時代遅れとなります。<yellow-highlight-half-bold>
道 2:SBC込みで真の営業利益率40〜50%を目指す構造転換
これは10〜20%の人員削減ではなく、マネジメント層の平坦化、実装の標準化、委員会の廃止、ワークフローや乗り換えコストを持つ領域での値上げを意味します。AIを活用してエンジニア一人あたりの生産性を大幅に引き上げ、より少ない人員でより多くのアウトプットを出す組織に再設計することがゴールです。Broadcom(Hock Tan体制)がAI以前にこの強形式を実証しています。
既存のMoatへの過信は危険。データ・インテグレーション・UIの優位は急速に崩壊しつつある
データ単体はもはや十分ではなく、インテグレーションは再現が容易になり、エージェントがシステムを横断して動く中でワークフローやUIの優位性も薄れています。競合は周辺モジュールではなく、コアビジネス自体を狙ってきます。真に持続可能な競争優位(ワークフローの所有、乗り換えコスト、価格決定力)に集中することが急務です。
ボードデッキ(取締役会プレゼン資料)の1ページ目に問いを置け:「我々はどちらの道にいるか?」
「両方を少しずつ」や「選択肢を検討中」という回答に対して、市場は圧力をかけ続けるでしょう。成長+10%か利益率40%か、次のプロダクトウェーブを作るかキャッシュマシンを作るか、中間レーンはありません。

Elon Muskを知る
「The Book of Elon with Eric Jorgenson」by David Senra on Founders Podcast
David Senra氏(Founders Podcast)が、著書『The Book of Elon: Elon Musk's Most Useful Ideas in His Own Words』を出版したEric Jorgenson氏と対談。Jorgenson氏が5年かけてElon Musk氏を研究して得た知見を語る内容です。Elon Musk氏の経営哲学、プロダクト開発における5ステップのアルゴリズム、失敗とスピードへの向き合い方、そして「ものを作ること」がなぜ重要かについて掘り下げました。
- ビジネスモデルより先に、誰も解こうとしていない問題を見つける
Elon Musk氏は「最もリスク調整後リターンの高い事業はどれか」という視点で起業しません。彼の言葉を借りれば「私はリスク調整後リターンを基準に会社を作らない。起きるべきことを見つけて、それを実現しようとするだけだ」。誰も取り組んでいないユニークな問題を追うことが、むしろ成功確率を高める——これがJorgenson氏が伝える逆説だ。コモディティ化した市場に参入するのではなく、人類に新たな能力を付加することになるからです。それがElon Musk氏を宇宙へ向かわせ(「宇宙に挑むほど狂った人間がいないなら、自分がその会社を作るしかない」)、電気自動車へと向かわせました。
起業家への問いはシンプルです。「自分が世界に存在してほしいと思う、本当に役立つものは何か?」 - 文明の制約はお金ではなく、優秀なエンジニアだ
Elon Musk氏が繰り返し語るのは、本当に優れたエンジニアこそが自社と文明全体の根本的なボトルネックだということです。資金は十分ある。足りないのは卓越したエンジニアリングの才能だ、と。
採用プロセスにもそれが表れています。具体的かつ困難な技術的問題を自分自身で解決した経験を探し、詳細な質問で真偽を確かめる。Elon Musk氏自身の深い技術知識があるため、はったりはすぐに見抜かれます。若く実績のないエンジニアを積極的に採用し「驚くほどの責任と権限」を与え、結果を出した者は戦時中の飛び級昇進のように素早く引き上げる。 - 卓越さとは痛みに耐える力のこと。Elon Musk氏にルーティンはない
地球上で最も生産性の高い人物は、瞑想もジャーナリングも朝のルーティンも一切やっていない。Jorgenson氏が伝えるのはそういう事実です。Elon Musk氏は起きたらスマートフォンを手に取り「戦闘状態」に入る。精神的な苦しさへの処方箋もシンプルです。「自分がやっていることを本当に大切にして、痛みを受け入れる」。
Teslaの生産地獄の3年間、彼は工場の会議室の外の床で眠り続けました。苦しんでいる社員たちが、自分のCEOも同じ状況に耐えているのを見られるようにするためです。当時の妻Talulah Riley氏は、夜中に悲鳴を上げながら嘔吐して目覚める姿を証言しています。「正気の限界まで働いた」という言葉は比喩ではありません。 - 退路を断つ。追い詰められたとき、人は別次元のパフォーマンスを発揮する
Elon Musk氏は、TeslaとSpaceXに前の事業で得た2億ドルの全財産を投じました。誰かに出資を求める前に、自分のお金をすべて賭けた。すでに一世代分の富を築いた後で、ゼロに戻り社会的な恥辱を受けるリスクを取ったのです。
Jorgenson氏の解釈では、これは使命への狂信的な献身から来ています。人類を別の惑星に届けることが意識の存続を左右するなら、お金と安楽を失うリスクは当然の代償だということです。
この原則はあらゆるレベルに当てはまります。PayPal構築時、Elon Musk氏は感謝祭の土曜日を初ローンチ日に設定し、チーム全員の出社を求めました。Jeff Bezos氏の言葉が本質を突いています。「プランBはプランAを成功させることだ」。 - 5ステップのアルゴリズム。最も繰り返され、最も重要なフレームワーク
Elon Musk氏はこのアルゴリズムを会議で繰り返しすぎるあまり、出席者が次に何を言うか予測できるほどです。5つのステップはこの通り。
①要件を疑い、より簡素にする
②削除する、削除する、削除する
③シンプルにし、最適化する
④サイクルタイムを加速する
⑤自動化する
重要なのは、この順番通りに実行しなければならないことです。Elon Musk氏自身、逆順で進めてしまったと認めています。削除すべきプロセスをまるごと自動化してしまった、という失敗がありました。最初の2ステップで価値の約80%が生まれる。残りの3つ(シンプル化・加速・自動化)は、ほとんどのエンジニアが自然に飛びついてしまうものですが、「そもそもこれは必要か」を問う難しい上流の作業をスキップした結果でもあります。 - すべての要件を疑い、担当者の名前を一人添えよ
アルゴリズムの第1ステップには多くのエピソードが伴います。SpaceXでは、NASAの要件に高価な航空宇宙サプライヤーの「オムニラッチ」が指定されていました。チームがその要件を疑った結果、本来の機能要件ははるかにシンプルだとわかり、McMaster-Carrで2桁安い汎用部品に置き換えることができました。
Elon Musk氏の主張は明確です。要件には必ず特定の個人名を添えること。「法務部からの要件」ではなく「法務部のJanからの要件」とすることで、Janのところへ行って理由を確認できるようにする。実際、会社を退職したインターンが作った要件や、元の部署でさえ誰も同意していなかった要件が見つかることは珍しくありませんでした。 - 10%を戻さなければならなくなるまで削る。それが十分に削った証拠だ
Elon Musk氏の削減指示は、小さく速い失敗を設計するためのものです。<yellow-highlight-half-bold>「削除したものの10%を戻さないなら、まだ削り方が足りない」。<yellow-highlight-half-bold>Raptorエンジンが複雑な塊からエレガントなシンプルさへと変貌した過程がその象徴です。
Teslaでは、ある部品を持ち上げて次のロボットに渡し、それが回転して3台目に渡す、という無意味な連鎖を発見した後、生産ラインから数百台のロボットを撤去しました。処分を急ぐため、工場の壁まで壊しました。
最も有名な削除の事例はギガキャスティングの決断です。安価で信頼性が高くスケーラブルなおもちゃの車にインスピレーションを受け、Model 3のボディの前3分の1と後3分の1を単一パーツとして鋳造することを決めた。世界で6社あるキャスティング機メーカーのうち5社がNoと言い、1社が「maybe」と答えた。Elon Musk氏はその「maybe」を「yes」と受け取りました。 - 会議や意見ではなく、現実を検証ツールとして使う
Elon Musk氏が実行の核心に置くのは真実の追求です。「希望的観測は多くの間違いを引き起こす。物事が真実かどうかを問わなければならない」。「あなたの信念がロケットの軌道投入と矛盾しているなら、ロケットは軌道に乗らない。物理学は厳しい審判者だ」。
バッテリーパックのある部品について2つのTeslaチームが対立したとき(一方は防音用、もう一方は防火用と主張)、Elon Musk氏の解決策は単純でした。車内にマイクを設置してテストする。誰も違いを識別できず、その部品は6時間後に削除されました。
生産ラインは加速し、数千万ドル規模の価値が生まれた可能性があります。Jorgenson氏はこの点を、Naval Ravikant氏がDavid Deutsch氏の認識論を解釈したフレームと結びつけています。企業の目標は現実と対話することで新たな知識を発見し、それをプロダクトに具現化することだ、と。 - 垂直統合は哲学ではなく、スピードの必然だ
Elon Musk氏が垂直統合を選んだのはイデオロギーからではありません。「レガシーのサプライチェーンに依存すれば、そのスピード・コスト・技術という制約をそのまま引き継ぐことになる。私たちが動くべきペースは、サプライチェーンが動けるペースよりもはるかに速かった」。
初期のロケットコストを分析したところ、コストの98%は原材料ではなく、それぞれが利益を上乗せする下請け業者の多重構造にありました。従来の航空宇宙サプライチェーンでは、実際に金属を切りはじめる前に5社を経由していた。Teslaも今や自社サプライチェーンの内製化を進めており、リチウム精製所の立ち上げや独自チップの製造をはじめています。それがボトルネックになったからです。 - Starlinkの大転換。狂気的な緊迫感で適用した事例
Starlinkのコストが必要水準の10倍、生産量が必要量の10分の1という桁違いのズレが生じていたとき、Elon Musk氏はこれをボトルネックと断定しました。衛星の設計経験がないロケット科学者のMark Juncosa氏と信頼できるエンジニアチームをSeattleに送り込み、Starlink経営陣全員を解雇。
ウォールームを設置し、第一原理から衛星を再設計しました。すべての要件を「なぜ?なぜ?なぜ?」と問い続けた。衛星設計の未経験者たちが数ヶ月で2桁の改善を達成したのです。今日のStarlinkが独立した事業体であれば、数百億ドルの価値を持つでしょう。 - 制約の制約の制約を特定せよ
「槍の穂先」の原則とは、極めて具体的なレベルまで掘り下げることを意味します。xAIがコンピューティングインフラを必要とし「2年かかる」と言われたとき、Elon Musk氏は90日の期限を設けました。ボトルネックはエネルギーでした。解決策は、建物の一方の側にポータブルガスタービンを並べ、もう一方に冷却用の移動式冷凍トラックを配置すること。
しかしElon Musk氏はさらに掘り下げ、タービンの特定の機械加工部品(タービンのフィン)がコンピューティングインフラ全体のボトルネックだと突き止めました。
SpaceXを訪れたNASAのマネージャーはこの文化をこう表現しています。「新しい問題が現れると、廊下にフラッシュモブが出現するようだ」。フラッシュモブは問題が解決されれば解散します。緊急事項が片付いたら、ミーティングの頻度も急速に下げるべきだということです。 - ファイナンスとエンジニアリングは、同じ頭の中に共存しなければならない
Elon Musk氏の見過ごされがちな強みは、Jorgenson氏が「超領域流暢性」と呼ぶものです。学部時代に物理学と経済学を専攻し、すべての会社でプロダクト責任者として機能しているElon Musk氏は、エンジニアリングのトレードオフと財務的影響を同一の意思決定フレームワークのなかで扱えます。
多くの企業ではこれが部門ごとに分断され、意思決定が遅くなります。
Elon Musk氏は発射室に立ったまま、物理的なリスク・経済性・打ち上げウィンドウの市場価値を評価し、リアルタイムでGo/No-Goを判断できる。Teslaでの高品質な思考の1分間が100万ドルの影響を持つと彼は言います。同社の週次売上は20億ドル(1日あたり3億ドル)に達しており、30分のミーティングが会社の業績を1億ドル改善した事例は複数あるからです。

投資家が今、「成長率」より先に確認する「収益の持続性」
「Revenue Durability is Failing in the Age of AI」by OnlyCFO’s Newsletter
AI時代における「Revenue Durability(収益の持続性)」の重要性の高まりと、それを正しく測定するポイントについて解説しています。スタートアップの経営者やCFOにとって、資金調達・M&A・IPOを見据えた「自社の収益が本当に持続可能かどうか」を問い直すうえで極めて重要な視点が得られます。
Revenue Durabilityが2026年最大の問いになっている
VC・PEファンド・上場市場の投資家が共通して抱える問いが「この会社の収益は本当に持続するか」です。この不確実性が評価額を押し下げ、M&Aを凍結させ、資金調達を困難にしています。AIが変化を加速させすぎることで、長期的な持続性の予測がほぼ不可能な状況になっています。
Revenue Growth Enduranceで成長の「減速速度」を測る
Revenue Growth Endurance(今年の成長率÷昨年の成長率)という指標で、成長がどれだけ持続しているかを測定できます。Bill.comは成長率が90%→12%へ急落しバリュエーション順位が大幅下落、一方でPalantirは大型複数年契約を積み上げながら成長加速を実現しており、持続性への評価が明暗を分けています。
集計データに騙されるな。ARRを分解し構造を解剖する
<yellow-highlight-half-bold>新規獲得・Expansion・価格改定など収益の内訳を分解しないと持続性の実態を把握することはできません。<yellow-highlight-half-bold>既存顧客への値上げやExpansion依存の成長は持続しにくく、新規獲得との比率、プロダクト別の成長率推移を丁寧に追うことが大切です。
今日の財務的意思決定が長期的な持続性を決める
Revenue Durabilityは現在の財務データだけでは判断できないほどAIの影響を受けます。だからこそ、正確なデータを持ち、構造を理解することと、短期的な痛みを伴う意思決定を先送りにしないことが、長期的な成長においては重要です。
資金調達ニュース
[海外]
🏢 エンタープライズ
- Granola — 会議内容をデバイス上で録音・文字起こし・要約するAIノートアプリ。エンタープライズAPIやTeam Spacesを通じてナレッジ管理プラットフォームに進化中。シリーズCで1億2,500万ドルを調達。評価額は15億ドル。Index Venturesリードで、Kleiner Perkins、Lightspeed Venture Partners、Spark Capitalが参加。(TechCrunch)
- Dash0 — OpenTelemetryネイティブのエージェント型オブザーバビリティプラットフォーム。AIエージェント(Agent0)が本番環境の問題を自律的に検出・解決。シリーズBで1億1,000万ドルを調達。評価額は10億ドル。投資家はBalderton Capital(リード)、Accel、DTCP Growth など。(SiliconANGLE)
- Isara — 数千のAIエージェントを協調させて複雑な問題(金融予測・科学研究など)を解くマルチエージェント基盤を開発するスタートアップ。シリーズAで9,400万ドルを調達。評価額は6億5,000万ドル。Amity Ventures、OpenAI、Michael Ovitz、Stanley Druckenmillerが出資。(The Next Web)
- Doss — ERP(NetSuiteやQuickBooksなど)と連携するAIネイティブな在庫・調達管理プラットフォーム。AI副操縦士「Dossbot」により在庫・発注・コストを自動最適化する。シリーズBで5,500万ドルを調達。Madrona、Premji Invest共同リード、Intuit Venturesが参加。(TechCrunch)
- Highlight AI — AIエージェントとビジネスチームが横断的に活用できる統合コンテキスト・メモリエンジンと自律型コマンドセンターを備えたインテリジェントOSを提供。シリーズAで4,000万ドルを調達。投資家はKhosla Ventures(リード)、General Catalyst、Valor Equity など。(FinSMEs)
- Deccan AI — AIモデルのポストトレーニングデータ生成・評価・強化学習(RLHF)をアウトソーシングで提供するサービス企業。Google DeepMind・Snowflakeを顧客に持ち、インドを拠点とする100万人以上のコントリビューターネットワークを活用。シリーズAで2,500万ドルを調達。A91 Partnersリード、Susquehanna International Group(SIG)、Prosus Venturesが参加。(TechCrunch)
- Interloom — 企業の日常業務における意思決定を構造化した「コーポレートコンテキストグラフ」としてキャプチャし、AIエージェントが参照できる永続的な企業記憶層を構築するエンタープライズ向けオペレーションプラットフォーム。シードで1,650万ドルを調達。投資家はDN Capital(リード)、Bek Ventures、Air Street Capital。(Tech.eu)
🚦 バーティカル
- Cents — ランドリー業界(コインランドリー・クリーニング店)向けのオールインワンSaaS・ハードウェア・決済統合プラットフォーム。AI搭載の業務管理・POS・デリバリー機能を提供し、全米4,500超の店舗が利用。シリーズCで1億4,000万ドルを調達(同業界最大規模の単独ソフトウェア投資)。Sumeru Equity Partners主導、Camber Creekが参加。(Fintech.global)
- NoTraffic — 既存の交通信号機をクラウド接続されたデジタルインフラに転換し、AIによるリアルタイム最適化と自律管理を実現するモビリティプラットフォーム。シリーズCで9,000万ドルを調達。投資家はPSG Equity(リード)、M&G Investments、Grove Ventures など。(SiliconANGLE)
- Glimpse — CPG(消費財)・小売ブランド向けにAIエージェントが小売業者からの不正控除(deductions)を自動検知・申請・回収する収益回復プラットフォーム。シリーズAで3,500万ドルを調達。Andreessen Horowitzリードで、8VC、Y Combinatorが参加。(TechCrunch)
- Notch — 保険・金融・通信などの規制業界向けに、AIエージェントがコンプライアンスを保ちながらカスタマーサービス・バックオフィス業務を自動化するオペレーティングシステム。シリーズAで3,000万ドルを調達。Headlineリードで、Lightspeed Venture Partners、Jibe Ventures、Illuminate Financial、Phoenix Insuranceが参加。(Yahoo Finance)
🔧 ハードウェア×AI
- Shield AI — 軍用自律AIパイロット「Hivemind」を開発し、ドローン・戦闘機への搭載を手がける国防テックスタートアップ。シリーズGで20億ドルを調達。評価額は127億ドル。投資家はAdvent International、JPMorgan Chase、Blackstoneが参加。(SiliconANGLE)
- Zipline — 自律型ドローンによる配送システム(機体・離着陸システム・物流ソフトウェアを一体提供)。シリーズHで2億ドルを追加調達(合計80億ドル)。評価額は76億ドル。投資家はFidelity Management & Research、Paradigm、Baillie Gifford など。(TechCrunch)
- Gimlet Labs — AIエージェントのワークロードをCPU・GPU・メモリ特化チップなど複数のシリコンにまたがって同時実行する「マルチシリコン推論クラウド」を提供。シリーズAで8,000万ドルを調達。投資家はMenlo Ventures(リード)、Factory、Eclipse Ventures など。(TechCrunch)
🏥 ヘルスケア
- Qualified Health — 医療機関向けエンタープライズAIプラットフォーム。ワークフロー自動化・AIエージェント・コンプライアンス管理を統合し、医療系の行政・臨床業務をAIで変革するパブリックベネフィットコーポレーション。シリーズBで1億2,500万ドルを調達。NEAリードで、Transformation Capital、GreatPoint Ventures、Cathay Innovation、Menlo Venturesが参加。(Yahoo Finance)
- Adonis — ヘルスケアプロバイダー向けの収益サイクル管理(RCM)AIオーケストレーションプラットフォーム。請求拒否の事前検知・自動修正をAIエージェントで実行。シリーズCで4,000万ドルを調達。Quadrille Capitalリードで、General Catalyst、Bling Capitalが参加。(FinSMEs)
🛡️ サイバーセキュリティ
- Above Security — AIエージェントによるリアルタイム行動分析でインサイダー脅威を自律検出・防止するAIネイティブ型マネージドプラットフォーム。5,000万ドルを調達。投資家はBallistic Ventures、Merlin Ventures、Norwest など。(PR Newswire)
- BlueFlag Security — 開発者・AIエージェント・非人間IDを含むSDLC全体のアイデンティティガバナンスと行動リスク分析を提供するセキュリティプラットフォーム。シリーズAで1,650万ドルを追加調達(累計2,800万ドル)。投資家はMaverick Ventures、Ten Eleven Ventures、Pier 88 Investment Partners。(FinSMEs)
[国内]
- ai& — 日本拠点のAIインフラ・クラウドサービス企業(旧Unsung Fields事業基盤を継承)。シードで75億円を調達、加えてデータセンター等のインフラ構築資本として3,000億円超を確保。投資家・出資者は非公開。(時事ドットコム)
- New Innovations — AIロボット・OMOソリューション(飲食・小売向け調理ロボット「root C」「Burger Cooker」など)を展開。シリーズBの追加ラウンドとしてデットファイナンスにより17.5億円を調達(累計85.6億円)。投資家:未来創生3号ファンド(スパークス)、ニッセイ・キャピタル、SBIインベストメント。(PR Times)
- Zevero — AIを活用したカーボンマネジメントプラットフォーム。Scope 1〜3の排出量データを自動算定し、ESG開示・脱炭素戦略を支援。追加ラウンドで約11億円を調達(累計約22億円)。投資家:Spiral Capital、Gazelle Capital、Deep30。(PR Times)
- Booost — 大手企業向けサステナビリティERP「booost Sustainability」を提供。SSBJ基準対応の財務・非財務統合開示プラットフォームを展開し、時価総額5,000億円以上のプライム上場企業を中心に95ヶ国・約6,500社に導入。シリーズCの1stクローズで7億円を調達、シリーズA以降の累計調達額は41.5億円。投資家はOne Capital(リード)、プロネクサス。(PR Times)
- Gaia — 上場企業向けDAT(デジタル資産トレジャリー)運用に特化したAIネイティブファンド。AIアルゴリズムによる暗号資産運用モデルを展開。4億円を調達。投資家:イオレ、ベンチャーラボイノベーション。(PR Times)
- WineBank — ファインワインの売買・管理クラウドプラットフォーム「WineBank」およびマーケットプレイスを運営。シリーズAで総額3.6億円超を調達(エクイティ1.6億円超+みずほ銀行プロジェクトファイナンス2億円、累計約7.2億円)。投資家はマネーフォワードベンチャーパートナーズ(HIRAC FUND2号)、みずほ銀行(デット)。(PR Times)
- AOGU — ぬいぐるみ型認知症ケアAIパートナー「AOGUこころ」を開発。生成AI(LLM)で認知症当事者の状態・経歴に応じたパーソナライズ対話、生活モニタリング、スケジュール案内を提供。シードで5,500万円を調達。投資家:Coreline Ventures。(PR Times)
- Legal Node — M&A法務に特化したAIネイティブサービス。AIエージェントがM&A作業の一次工程を担い、弁護士が対話・事業理解に集中できる体制を実現。プレシードを実施(調達額非公開)。投資家:SSS Capital。(The Bridge)
- Spectee — SNS・気象・衛星などのマルチデータをAIで解析するサプライチェーンリスク管理クラウド「Spectee SCR」および防災・危機管理SaaS「Spectee Pro」を提供。今回はアスエネより戦略的資本参加を受け入れ(出資額非公開)。(PR Times)



