「今週のSaaSxAIニュース」ピックアップ!
2025年にAI開発のゲームチェンジャーになるAIエージェントツール10選
Murat AslanのMedium「10 AI Agent Tools That Are Reshaping the Industry in 2025」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
フルスタックエンジニアのMurat Aslan氏のMedium記事。何カ月もの利用テストと開発者仲間とのディスカッションを経て、2025 年に実際に提供される有望なAIエージェントツールを紹介しています。主にAI開発に向けた支援ツールなので、その観点でも参考になります。
- Pydantic-AI:AIが生成したアウトプットの一貫性を確保し、ハルシネーションなどの予期せぬレスポンスのリスクを低減するAI。スキーマに確実に一致するアウトプット品質の向上が可能
- Pure Python:純粋な Python 実装の際の、最大限のコントロール、柔軟性、および依存関係の肥大化をなくすツール。AIエージェントのアーキテクチャーの制御に強み
- Langchain:エンタープライズAI開発ツール。エコシステムとビルド済みコンポーネントにより、大規模プロジェクトのAIエージェントワークフローを効率化
- CrewAI:マルチエージェントシステムの必須ツール。エージェントの調整とタスクの委任を促進するように設計されており、複数のAIエージェントが共同作業するシステムに最適
- Windsurf:開発者体験の優れたAIコードエディタ。 内蔵の AI サポートにより、開発者が 既存のプロジェクトを修正し、AI ベースのコーディングを効率化
- n8n.io:強力なノーコード/ローコード自動化ツールで、ユーザーは豊富なプログラミング知識なしにAIワークフローを作成できるツール。迅速なプロトタイピングと自動化に最適
- DSPy:データを多用するAIアプリケーション向けに設計されており、高度なデータ処理機能を提供。複雑なデータセットに依存しているAIエージェントが扱いやすくなる点が強み
- Langraph:開発者がAIのワークフローを視覚化することを可能にし、複雑なエージェントロジックをより直感的にすることができるツール
- Flowise:APIと外部ツールの統合に優れており、複数のサービスとやり取りする必要があるAIエージェントに最適
- Custom IDE Tools:AIエージェント開発に特化したIDEツール。AIによるサジェスト、ビジュアル パイプライン、およびデバッグ サポートが含まれ、AIエージェント開発をスムーズに
システム・オブ・インテリジェンス時代の到来
Aaron Levie氏の X を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
- Box創業者のAaron Levie氏は先日、エンタープライズソフトウェアが「システム・オブ・インテリジェンス」の時代に突入したことをXで発信しました。クラウドストレージからスタートし、エンタープライズソフトウェアの進化を体験してきた経営者の見方として、興味深い内容です。以下は、その投稿を翻訳したものです。私たちは今、AIが推進する新しい時代に突入しており、システム・オブ・インテリジェンスの時代の幕開けを迎えています。1980年代半ば、クライアント/サーバーアーキテクチャの発展により、システム・オブ・レコード(記録システム)が劇的に台頭しました。これらは企業のERP、HR、CRM、基幹ITワークフローを支援するバックオフィスソフトウェアアプリケーションでした。これらのテクノロジーは専門性が高く、企業における重要業務の自動化を実現しました。構造化データとバックオフィス自動化が特徴で、企業内の限られたユーザーのみが利用していました。2000年代半ばには、クラウドとモバイルの台頭により、ジェフリー・ムーアが提唱する「システム・オブ・エンゲージメント」の新時代を迎えました。企業でより柔軟かつ即応的な業務が求められる中、システム・オブ・エンゲージメントは、コラボレーション、コミュニケーション、ビデオ会議、業務・プロジェクト管理、社内SNSやイントラネットなどのツールとして機能しました。これらのツールは、企業内の非構造化データ(会話、共同編集文書、各種メディアなど)を扱い、企業全体の働き方改革を推進する原動力となりました。2020年代半ばの現在、私たちは間違いなく新しい企業ソフトウェアの時代に入っており、システム・オブ・インテリジェンスが台頭しています。システム・オブ・インテリジェンスは、企業のデータ、ワークフロー、AIを統合し、組織に対して洞察と自動化を提供します。特筆すべきは、AIが文書、動画、コミュニケーションなどの非構造化データを無制限に処理できる点です。これにより、構造化データと同様のメリットが得られるようになりました。従来のデータベース検索のように、非構造化データに関するすべての作業を、検索、分析、計算、自動化できるようになったのです。情報量が増えるほど機能が低下する傾向にあった従来のシステム・オブ・エンゲージメントとは異なり、AI搭載システムでは逆の現象が起きています。つまり、活用できるデータが増えるほど、ソフトウェアの機能性と有用性が向上するのです。また、AIエージェントがシステム・オブ・インテリジェンスの本質的な特徴であることから、これらのシステムはすべての従業員が活用でき、さらには労働生産性を大幅に向上させることができます。システム・オブ・レコード(記録システム)が個人作業のためのものだったのに対し、システム・オブ・エンゲージメントはユーザー同士の協働を可能にしました。そして今や、システム・オブ・インテリジェンスは人とAIのシームレスな協働を実現しています。これらのシステムは、従来にない方法で相互に連携します。固定的なAPIと厳密なプロトコルに代わり、Agentic AIにより、これらのシステムは人間同士のようにコミュニケーションを取ります。ユーザーが一つのシステムでリクエストすると、必要な情報に関連する様々な類似システムにそのリクエストが展開されます。望む結果が得られない場合は、人間がするように、別のアプローチで再度リクエストを行います。このシステム・オブ・インテリジェンスは、すべての業務分野、ビジネスライン、バーティカル市場で見られるようになるでしょう。既存企業が進化して提供するものもあれば、既存システム間の新たなギャップを埋める新興企業が提供するものも数多く出現するでしょう。私たちは、極めて興味深い時代を迎えようとしています。
ストックオプションに関する最新研究×設計ガイドライン
Data-Driven VCの「Ultimate Guide to Startup Equity #ESOP」一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
最新の研究をベースにしたストックオプションプールに関するポイントを包括的に解説している記事を紹介します。
- 一方で株式インセンティブは慎重に実施することが不可欠。株式プランが適切に設計されていないと、従業員と株主の間に不一致が生じ、報酬の不均衡やモチベーションの低下といった意図しない結果につながる可能性がある。
- これらの落とし穴を避けるために、創業者は、株式の価値に関する透明性のあるコミュニケーション、慎重に検討された権利確定スケジュール、個人と組織の両方の成功とインセンティブを一致させるパフォーマンス指標を備えた、明確で公正な計画の設計に重点を置く必要がある。
- タイミングも重要な考慮事項。アーリーフェーズの株式付与は、会社の基盤構築に役立つ重要な人材を採用するために不可欠。一方でレイター段階での割り当ては、優秀な人材を維持し、会社の成長に貢献した従業員に報いるために不可欠です。
- 創業者は、株式割り当てを動的なプロセスとして捉え、事業の拡大に合わせて構造を適応させ、短期的なニーズと長期的な目標のバランスを取る必要がある。
- 米国のスタートアップ企業は、ESOP への配分をより積極的に行っており、欧州の 10% に対して 15% から開始し、シリーズ D までに 25% にまで増やしている。欧州の一般的な 10~16% と比較しても、この割合は大きいです。
[海外]
エンタープライズ
- Overhaul - サプライチェーンの貨物盗難などのリスク管理を目的に、商品の位置を追跡するのに役立つSaaS。シリーズで$55Mを調達。投資家はSpringcoast Partners、Edison Partnersなど(TechCrunch)
- Float Financial - カナダ市場に特化した経費管理と法人カードを提供する「カナダ版BREX」。シリーズBで$48.5Mを調達。投資家はGoldman Sachs Growth Equity、OMERS Venturesなど(TechCrunch)
- Prophecy - 構造化、非構造化データの両方にクラウド・オンプレミスのどこにあっても簡単にアクセスできるデータパイプライン管理AI×SaaS。シリーズBエクステンションで$47Mを調達。投資家はSmith Point Capital、Insight Partnersなど(Silicon Angle)
- Maki - エンタープライズの採用までの時間短縮、離職率低下など、人材獲得と管理に特化したAIエージェント。シリーズAで$28.6Mを調達。投資家はBlossom Capital、DST Globalなど(Yahoo! Finance)
- Gumloop - GitHub、Gmail、Outlook、Xを含むサードパーティのアプリやツールと統合するワークフローのAI化をノーコードで可能にするSaaS。シリーズAで$17Mを調達。投資家はNexus Venture Partners、First Round Capitalなど(TechCrunch)
- Hyperline - 現代のハイブリッドな収益モデルの複雑さに対応する収益管理SaaS。シードエクステンションで$10Mを調達。投資家はIndex Ventures、など(Fintech Global)
ヘルスケア
- Truveta - 世界最大かつ最も多様な遺伝子情報データベースを構築するため、電子カルテデータベースSaaS。評価額$1B超で$320Mを調達。投資家は Regeneron、Illuminaなど(Yahoo! Finance)
- Qventus - ヘルスケアシナリオ(手術、退院、入院患者・外来患者の検診など)の作業を自動化するAI。シリーズDで$105Mを調達。評価額は$400M。投資家はKKR、Bessemer Venture Partnersなど(TechCrunch)
- Nelly - クリニックが新規患者をデジタルで受け入れるためのSaaS。シリーズBで€50Mを調達。投資家はCathay Innovation、Notion Capitalなど(TechCrunch)
- Bioptimus - ライフサイエンス業界特化の「生物学特化GPT」。シリーズで$41Mを調達。投資家はCathay Innovation、Bpifranceなど(TechCrunch)
- Solera Health - ユーザー好みに合わせたデジタルヘルスソリューションや最適な医療提供者を提案するSaaS。シリーズEで$40Mを調達。投資家はHealth Care Service Corp、Adams Streetなど(FinSMEs)
- Labviva - ライフサイエンス業界特化の資材調達AI。シリーズBで$25Mを調達。投資家は53 Stations、Biospring Partners、B Capital Groupなど(Yahoo! Finance)
バーティカル
- Shippeo - あらゆる輸送形態の貨物のリアルタイム追跡を提供し、企業が持続可能なサプライチェーンを構築できるSaaS。トヨタのグロースファンドWoven Capitalなどから$30Mを調達(Yahoo! Finance)
- Raspberry AI - ファッションデザイナーがテキストから画像への変換プラットフォームによってアイデアをほぼ瞬時に視覚化できるAI。シリーズAで$24Mを調達。投資家はAndreessen Horowitzなど(TechCrunch)
- qbid AI - 建設・不動産業界向けに建築計画作りの自動化AI。シリーズAで$16Mを調達。投資家はInsight Partners、10Dなど(CTech)
- Pipe17 - EC事業者、フルフィルメントサービスプロバイダー向けのコンポーザブル・AIオーダーオペレーションSaaS。シリーズAで$15.5Mを調達。投資家はLFX Venture Partnersなど(Yahoo! Finance)
- Reeco - ホテルなどのホスピタリティ業界向けに調達、在庫、買掛金を単一のシステムに統合するAIプラットフォーム。シリーズAで$15Mを調達。投資家はAleph VC、et Capital Venturesなど(CTech)
サイバーセキュリティ
- Orchid Security - 大規模言語モデル(LLM)を活用して、アイデンティティをコアにしたセキュリティ・オーケストレーションSaaS。シードで$36Mを調達。投資家はTeam8、Intel Capitalなど(CTech)
- BforeAI - サイバーアタック予測インテリジェンス・デジタルリスク保護SaaS。シリーズBで$10Mを調達。投資家はTitanium Venturesなど(PR Newswire)
リーガルテック
- Eve - 訴訟案件のあらゆる段階を通じて法務チームを支援するために設計された包括的なAI搭載プラットフォーム。シリーズAで$47Mを調達。投資家はAndreessen Horowitzなど(Yahoo! Finance)
その他
- Synthesia - リアルなAIアバター作成技術に強みを持つAIビデオプラットフォーム。評価額$2.1Bで$180Mを調達。投資家はNEA、PSP Growthなど(TechCrunch)
[国内]
- mov - 店舗向け集客一元化プラットフォーム「口コミコム」および業界最大級のインバウンドビジネスメディア「訪日ラボ」を運営。日本政策金融公庫、商工組合中央金庫、みずほ銀行、静岡銀行よりデットファイナンスを実施し、シリーズB全体をクローズ(PR Times)
- スマートバンク - 家計管理サービス「B/43(ビーヨンサン)」を提供。シリーズBラウンド2ndクローズで約2.5億円の資金調達を完了。投資家はSMBCベンチャーキャピタルとZVC(PR Times)
- Carelogy - 猫の痛み検知AI「CatsMe(キャッツミー)」を開発。シードラウンドで総額7,000万円の資金調達を完了。投資家はQXLV、ケップルキャピタル、澤田インベストメント、その他個人投資家(PR Times)
1/14/2025