SaaSスタートアップ経営はマラソンのようなものです。株式上場までの平均年数は、おおよそ11年(ALL STAR SAAS FUND調べ)。それだけの距離を走る上で、最も大事なことの一つに「共同創業者」が挙げられます。
多くのSaaSスタートアップは2〜3人の共同創業者で始まる場合が多いです。誰かと事業を始めるのであれば、どういった人を探せばよいのか。大事な順に以下の4点です。
- 信頼
- 価値観
- コミットメント
- スキル
筆頭は「信頼」です。事業が軌道に乗り、株主や従業員などの関係者が増えていくなかで、大きな決断をするときに自分とほぼ同じ目線で考えてくれるのは共同創業者だけとなるケースがあります(たとえば、「会社を売却するか否か?」など)。
そのような局面では、共同創業者を心の底から信頼できなくてはなりません。創業前に、少しでも相手が嘘をついてきたり、信頼できないシーンに出くわしたりすれば、勇気を振り絞って共同創業「しない」ことをおすすめします。
次に大事なのは「価値観」です。どのような会社を作りたいのか?どういったカルチャーを作りたいのか?採用において何を重視すべきか?どんな働き方をしたいのか?……このような大きな方向性を検討するときに、価値観の合致が必要です。
それから「コミットメント」です。SaaS経営は長期戦。最初の顧客を獲得するまで2年、ARR5億円までそこから5年ほどかかるスタートアップが多いです。本当に長期で一緒に経営する覚悟があるのか?「起業したいだけ」という理由で起業していないか?会社のビジョンに心から共感しているか?……などがチェックすべき点でしょう。
最後は「スキル」です。自分の強みではないエリアでの経験は豊富か?組織が拡大したときのマネジメント経験はあるか?といった観点から見ましょう。しかし、一定のスキルは学ぶ姿勢さえあれば、経験とともに身につけられますし、外部からの採用もできますので、優先順位としては4番目に記載しました。
共同創業者選びは不可逆なものです。焦る気持ちを抑え、10年、20年と一緒に戦える相手を選びましょう。