いかにワールドクラスのチームを作り、リーダーシップを発揮するのか?
Bessemer Venture Partners「How to build and lead a world-class startup team」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
優れたチームを作ることは、スタートアップが成功するための最大の将来への投資です。このBVPの記事では、PagerDuty、DocuSign、Jasper、Zapier、SendGridのCEOから学んだリーダーシップの秘訣をまとめています。
- 採用プロセスの設計でバイアスを排除する
PagerDutyのシニアリーダーシップチームは、45%が女性、38%が有色人種で構成されています。これには、採用プロセスでありがちな個人的な偏見や不公平さに対処し、より本質に目を向けた採用プロセスを構築した結果です。例えば、PagerDutyでは、リクルーターを多様な経験者から抜擢したり、あいまいなカルチャーフィットの質問をせずに、行動に基づくバリューの体現度合いを全候補者に共通した質問で聞くなどの工夫をしています。
- エグゼクティブ・リクルーターを早期に起用する
設立1年で9人から180人まで急拡大したユニコーン企業Jasperは、創業初期からエグゼクティブリクルーターを起用し、社長経験者などを採用することで、チームの急拡大をはかった。リーダーシップ経験者から採用することによる、トリクルダウン効果を得た好例です。
- プライベートな会話をあえてする場を作る
完全リモートワークのZapierは、パンデミック下で完全な分散型業務が長期間続いてしまったことで、社内のコミュニケーションが業務のみのドライなものに変わってしまい、その結果、物事がうまく進まなくなったことに気が付きました。そこで、Zapier内で仲間意識を持てるように、ミーティングでチームがどのような生活を送り、仕事しているかを確認する、チェックインを行うようにしました。
- C-classの役割と期待を明確にする
2社のIPOを経験したDocuSign CEOは、機能性の高い経営陣の育成には、経営陣の役割への期待とそれがどのように変化していくかを、信じられないほど明確にするようにする必要があると説いています。それぞれの役割について、短期・長期でのビジョンを率直に語ることで、将来的な対立を減らすことができます。
- ステージによって、リーダーシップの取り方を進化させる
元SendGrid CEOは、スタートアップ初期では、チームに模範を示してリードしていましたが、規模が大きくなると、従業員の大半と交流が難しくなるため、他のリーダーを通してリードする方法にアプローチを変えました。しかし幹部レイヤーとも親密な関係を築けなくなってくるので、その際は、ストーリーを通じてアイディアをチーム全体に伝え、会社の価値観を共有し、従業員がビジョンを実現する意思決定できるようにすることを促しました。
偉大さとはインテリジェンスではない。偉大さとはキャラクターである。
Stanford Institute for EconomicのYoutube「Keynote by NVIDIA CEO Jensen Huang at 2024 SIEPR Economic Summit」の一部を紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
NVIDIAのCEOであるJensen Huangがスタンフォードで講演を行いました。以下はいくつかのポイントと私のお気に入りの引用です。
- 現在、AIには学習と推論があります。AIの未来は連続的な学習であり、一つのアーキテクチャで行われるでしょう。
- 10年後には、JensenはDeep Learningが100万倍安くなると信じています。
- 現在のAIは計画を得意としていません。これが我々がAGIに近づくために取り組むべきことです。
- 高い期待を持つ人はレジリエンスが低いです。成功にはレジリエンスが非常に重要です。
- 「偉大さとはインテリジェンスではない。偉大さとはキャラクターである。」
- Jensenはダイレクトレポートが55人います。彼は組織内の階層を少なくして、すべての人が情報によって権限を持つようにしたいと考えています。また、一切マネジメントを必要とされない人のみをダイレクトレポートにおいています。
- 「私は毎日、組織に私たちのバリューを植え付ける機会を探しています」
SaaS企業はどれくらい利益率を確保すべきか。
OnlyCFO's Newsletter「How Profitable Should SaaS Be?」の一部を紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
OnlyCFOの記事をご紹介します。理論的にはSaaSは25%以上のFCF Marginを獲得できる収益性と急速な成長スピードの前提があり、高いマルチプルが許容されます。しかしどのクラウド企業も高い利益率を生み出す能力が同じというわけではなく、粗利率と営業費用によって利益創出の割合は企業ごとに異なるのが実情です。
本記事ではSaaS企業における営業利益率についての考察が整理されており、事業計画やベンチマークとして非常に参考になります。
エンタープライズ
- Pigment - フランス発の経営管理・予測SaaS。シリーズDで$145Mを調達。投資家は、既存投資家のICONIQ Growth、IVP、Greenoaksなど(TechCrunch)
- Aerospike - AIブームの風に乗るリアルタイムNoSQLデータベースSaaS。シリーズEで$100Mを調達。投資家はSumeru Equity Partners、Alsop Louie Partnersなど(TechCrunch)
- Coalesce.io - SnowflakeのData Cloud特化のデータ変換SaaS。シリーズBで$50Mを調達。投資家はIndustry Ventures、Emergence Capitalなど(TechCrunch)
- Netgain - 財務・会計チームのワークフロー自動化をするNetSuiteネイティブSaaS。$35Mを調達。投資家はSummit Partners(Fintech Global)
- Datavolo - AI開発のためのマルチモーダルデータパイプライン管理SaaS。シリーズAで$21Mを調達。投資家はGeneral Catalyst、Citi Venturesなど(Silicon Angle)
AIファースト
- Anthropic - 元OpenAIメンバーが創業した生成AIスタートアップ。米アマゾンから$2.75Bを追加調達(CNBC)
- Robovision - 機械製造ラインのためのAIコンピュータビジョンプラットフォーム。シリーズAで$42Mを調達。投資家はTarget Global、Astanor Ventures(Shifted)
- Luminance - 契約書やその他の法的文書の作成、交渉、分析を自動化する生成AI。シリーズBで$40Mを調達。投資家はMarch Capital、National Grid Partnersなど(tech.eu)
- Read AI - Gmail、Slackなどと連携可能な会議サマリーAI。シリーズAで$21Mを調達。投資家はGoodwater Capitalなど(Venture Beat)
- Vizcom - 工業デザインに特化したAI。シリーズAで$20Mを調達。投資家はIndex Ventures、複数のエンジェル投資家(FinSMEs)
フィンテック
- Brim Financial - カナダ発の個人・法人向けクレジットカード、決済ソリューション、顧客エンゲージメント・分析ツールを一気通貫で提供するクレジットカード・アズ・ア・サービス。シリーズCで$85Mを調達。投資家はEDC Investments、Vistara Growthなど(Fintech Futures)
- Constantinople - オーストラリア発の金融機関オペレーションSaaS。シリーズAで$50Mを調達。投資家はProsus Ventures、Square Pegなど(The SaaS News)
- Bizplay - 韓国発の出張・経費管理SaaS。シリーズAで$22.5Mを調達。投資家はJB Financial Groupなど(Fintech Collective)
- Aidium - 住宅ローン事業者特化CRM。シリーズAで$19Mを調達。投資家はPeakSpan Capital(Fintech Global)
SMBフォーカス
- Homebase - 小規模事業者向けのHR・チーム管理SaaS。シリーズDで$60Mを調達。投資家はL Catterton、Emerson Collectiveなど(TechCrunch)
- SingleInterface - シンガポール発の店舗などのオフライン事業者がウェブの力を使って売上を成長させるワンストップ。$30Mを調達。投資家はAsia Partners、PayPal Ventures(TechCrunch)
バーティカル
- Seso - 農業特化の従業員管理SaaS。シリーズBで$26Mを調達。投資家はBOND、Index Ventures、NFXなど(Yahoo! Finance)
- Convex - 商業施設向け請負業者特化のセールス・マーケティングプラットフォーム。ServiceTitanが買収(Yahoo! Finance)
- インフキュリオン - 決済・金融とテクノロジーを組み合わせた組込型金融ソリューション。総額19億円を調達。投資家はQRインベストメント、JR西日本イノベーションズ、静岡キャピタル、S Ventures(PR Times)
- ELESTYLE ‐ マルチ決済SaaS。シリーズBで10億円を調達。投資家は三井住友カードとSIG(PR Times)
- Folio - 金融機関が顧客の口座・預り残高を活用して投資一任運用サービスを提供することが可能になるSaaS。10億円を調達。投資家は岡三証券グループ(PR Times)
- MTU - 医療機関向けメディカルセキュリティクラウド。シリーズAで3.8億円を調達。D4V、Iceblue Fund、90sなど(PR Times)
- HMS - ロボティクスやFAなど向けのAIスマートカメラ・スマートクラウド。シリーズA2で3億円。九州広域復興支援投資事業有限責任組合、正興電機製作所、QTnet、佐銀ベンチャーキャピタル(PR Times)