「今週のSaaS×AIニュース」ピックアップ!
*SaaS×AI Weeklyは、ALL STAR SAAS FUNDが毎週ピックアップした記事を日本語で要約し、一部メンバーからのコメントを入れてお届けしています。

「短距離走」から「マラソン」へ──LLM時代にRun-Fastの意味が変わる
「The mile is becoming the marathon」 by Max Abram on Scale Venture Partners
Scale Venture Partners のMax Abram氏による記事で、LLMによってコード生成コストが激減した結果、従来の「スピード」というMoat(参入障壁)がどう変質したかを解説しています。日本のAI/SaaSシードスタートアップにとっては、狭いTAMで満足していると、投資家目線で「どこまで領域を広げられるか」を問われる時代になっています。資金調達戦略上、重要な内容です。
「Run-Fast」Moatの弱体化
LLM登場前は、プロダクトを複製するのに莫大なコストがかかったため、機能を素早く積み上げること自体が競合参入を防ぐMoatになっていました。しかし今はLLMがコードや機能を高速生成できるため、この種のMoatはあらゆるSaaS企業にとって以前より脆弱になっています。
「もっと遠くまで走る」必要性
Run-Fast戦略自体が終わったわけではなく、<yellow-highlight-half-bold>意味のあるMoatを築くために必要な「距離」が伸び続けている<yellow-highlight-half-bold>というのが筆者の主張です。モデルが進化するたびにこの距離要件は伸び、それまでの進捗の価値も目減りしていきます。
バンドリング(機能統合)の必然性
かつて中規模TAMとされた問題領域は、今や隣接カテゴリーの企業が簡単に「一機能」として取り込めてしまう規模になっています。そのため勝者となるアプリケーション企業は、同じ購買者を持つ隣接カテゴリーを束ねて防御領域を広げる必要があり、これが「キングメイキングラウンド」急増の背景にあります。
アーキテクチャも「動く標的」に
優れたアーキテクチャ選択も数ヶ月で陳腐化しうるため、勝者企業は自社の構築物を定期的に見直し、再構築し続ける必要があります。既存企業が、新しいアーキテクチャに素早く到達した新規参入者に打ち負かされるリスクは常にあります。
シリーズAでの見極め基準
筆者は初期投資家が使うべき基準として、次の4点を提示しています。
①現行最先端のアーキテクチャ上で立ち上がる強いディマンド(ARR 100万〜500万ドルが新たな最低ライン)
②バンドリング戦争を戦えるだけの拡張可能なプロダクトロードマップと攻撃性
③旧アーキテクチャを自ら破棄できるレジリエンスと技術トレンドを先読みする力を持つチーム
④スイッチングコストやネットワーク効果など持続的Moatへの説得力あるストーリー
モデル開発企業との競争という新次元
スタートアップは他のスタートアップだけでなく、AnthropicやOpenAIなどの「ラボ」とも競合するようになっています。直接参入は稀ですが、より頻繁なのは、次のモデルリリースが知らぬ間に自社の代替品になってしまう「間接的な競合」です。
モデル改善への耐性
現行モデルの弱点(コンテキストや推論の深さなど)を補うだけの価値提案は、一時的なトラクションは出せても次のモデル世代で洗い流されるリスクがあります。モデルの欠陥を埋めることは戦略の一部にはなり得ても、それ自体を戦略の中心に据えるべきではない、と筆者は強調しています。
ついに到来した「AIスーパーサイクル」 ― SaaS 1.0のプレイブックはもう通用しない
「It's Here: The AI Supercycle Has Arrived, With Profound Market Impacts and Important New Lessons for AI Founders – and We Are Just Getting Started」 by Dharmesh Thakker, Danel Dayan, Jason Mendel on Battery Ventures
Battery VenturesのDharmesh Thakker氏、Danel Dayan氏、Jason Mendel氏の3名による記事で、AIが公開市場・資本投資・企業成長を牽引する「スーパーサイクル」がついに到来したこと、そしてAI創業者に求められる新しいプレイブックを解説しています。バリューベース課金への転換やインフラ選定の重要性など、シード・アーリー期の日本のAI/SaaS起業家が今まさに意思決定すべき論点が凝縮されています。
AIスーパーサイクルは本物
NvidiaやGoogle、Microsoftなど「AI受益企業」は、S&P 500の時価総額の約半分を占めるまでになりました。ChatGPT登場以降のS&P上昇分についても、その約75%をこれらの企業が牽引しています。バブル論も根強いものの、著者らはこれを<yellow-highlight-half-bold>初期インターネット時代以来の需給不均衡に対する合理的な反応<yellow-highlight-half-bold>だと捉えています。
需要はインフラ供給を上回り続けている
AWS・GCP・Azure大手クラウド3社の合算実行ベース収益は、2025年第3四半期に2,850億ドルに達しました。前年同期比では29%成長と、成長率も再加速しています。大手クラウド事業者は合計1.2兆ドルの受注残(バックログ)を抱えており、この需要超過状態はしばらく続くと見られています。
トレーニングから推論へ重心がシフト
2024年はモデル訓練への設備投資が中心でしたが、自律的にワークフローを計画・実行するエージェント型アプリケーションの台頭により、実行時(ランタイム)の推論計算需要が今後の収益を牽引すると見ています。DeepSeekやReflection AIのようなオープンモデルの採用も拡大すると予測しています。
利益構造がGPUからアプリケーションレイヤーへシフト
現在は約75%の粗利率を持つハードウェア(GPU)に価値が集中し、AIアプリケーション側は推論コストで利益率が圧迫されています。しかし、知能のコスト(Cost of intelligence)が低下して供給が追いつくにつれ、この利益構造は逆転します。将来的な価値は、代替する労働力の価値を「成果ベース課金(Outcome-based pricing)」で的確に回収できるアプリケーション企業に蓄積していくと予測しています。
新しいAIスタックの台頭
開発者ツール(Cursor、Cognition、Lovableなど)、データ分析基盤(Databricks、ClickHouse、Supabaseなど)、クラウドインフラ(Baseten、Fireworks、Falなど)、ネットワーキング・半導体層(Nexthop AI、Groq、SambaNovaなど)の各レイヤーで新興企業が旧来の主要プレイヤーに挑戦しており、SaaS 1.0時代よりもはるかに大きな市場機会を切り開いていると指摘しています。
新プレイブック:狭くはじめて拡張
焦点を絞ったウェッジ(切り込み口)からはじめて素早く定着し、水平・垂直の両方向へ拡張することで持続的なMoatを築くべきだとしています。Cursorはコード生成・編集から始まり、開発者ワークフロー全体へ水平展開し、自社モデル(Composer)などインフラ層へ垂直展開した好例として挙げられています。
評価指標と課金モデルの転換
成長率だけでなく、グロスリテンションと利用パターンこそが真に定着した価値提供かどうかを見極める鍵であり、粗利率のモニタリングも不可欠になっています。また座席課金や純粋な従量課金から、成果に連動するバリューベース課金への移行が必要だと述べています。
インフラが前面に出る時代
SaaS 1.0時代はインフラが裏方でアプリケーションロジックが体験を左右していましたが、AIネイティブの世界ではその逆で、モデル選定・実行環境・評価(evals)・ルーティング・データアクセスといったインフラ側の選択が、システムの精度や応答性、プロダクト体験そのものを決定づけると強調しています。

モデルレイヤーはコモディティ化する
「Why OpenAI and Anthropic Won't Win the App Layer | Glean Founder」by 20VC with Harry Stebbings, featuring Arvind Jain, Co-founder of Glean
Glean創業者のArvind Jain氏が、Harry Stebbings氏のポッドキャスト「20VC」に出演。Jain氏は、成功裏にIPOを果たしたRubrikの共同創業者を経て、エンタープライズAI企業Gleanを立ち上げた人物です。本エピソードでは、エンタープライズのユースケースの9割以上がすでにオープンソースを含む多数のモデルで処理できるという現状認識をもとに、モデルレイヤーのコモディティ化、オープンソースへの移行、AIのROI、トークン経済について語っています。
エンタープライズのユースケースの9割以上は、すでにオープンソースを含む多数のモデルで処理できる
Jain氏は「ユースケースの90%以上は、オープンソースを含む多くの異なるモデルで完全に処理できる」と語っています。
これは将来予測ではなく、Gleanが多数のエンタープライズ顧客を通じて見ている現在進行形の観察です。つまり、<yellow-highlight-half-bold>大多数のエンタープライズ業務においてモデルの選択は、もはや性能の問題ではなく、コストとコントロールの問題になりつつある<yellow-highlight-half-bold>と指摘しています。
エンタープライズが本当に恐れているのは、技術依存ではなく「オペレーション依存」である
なぜエンタープライズがフロンティアラボを警戒するのか。Jain氏はここでその理由を捉え直します。ある1社のモデルが動かすエージェントが企業の業務の大半をこなすようになれば、企業は技術だけでなくオペレーションそのものをそのプロバイダーに預けたことになると語っています。
そして、何年もの間ドキュメント化されずに蓄積されてきた業務の微調整や最適化、いわば組織的な学習が、その業務を担うエージェントの中に溜まっていくと指摘します。エージェントを自社で動かさない限り、その積み上がった学習は自社のものになりません。それは本来エンタープライズに帰属すべきだと述べています。
オープンソースは変曲点を迎え、その原動力はコストと膨れ上がったAI予算である
エンタープライズは今、「オープンソースにおける本当の変曲点」にある──Jain氏はその原動力はデータプライバシーではなく主にコストだと説明します。
企業は年間のAI予算を組んでも「1〜2ヶ月でそれを使い切ってしまう」ことが常態化しており、これがCFOの関心を安価な選択肢へと向かわせていると指摘します。データが自社の管理下を離れることへの以前の恐怖はほぼ消え、適切な契約さえ結べばモデル企業が自社データで学習しないと信頼できるようになったと述べています。
Anthropicの各業界への進出は「かなり浅く」、既存ツールを侵食するより市場を広げている
AnthropicがデザインやリーガルやファイナンスでGleanのような領域に入ってくる懸念を問われ、Jain氏はそれらの垂直パックを「かなり浅い」と評し、Figmaのようなツールからワークロードを丸ごとAnthropicに移した人を自分は知らないと語っています。
むしろ既存市場を奪うのではなく差し引きで『純増の新規需要』を生み出しているといいます。デザイナーは引き続きFigmaを使い、デザイナーでない人がClaudeでデザイン業務をこなすようになります。AIは専門家でない人が今までできなかった仕事をできるようにすることで、市場そのものを広げていると指摘します。
エンタープライズのワークロードの大半は、3年でオープンソースモデルに載る
Gleanは顧客に対し、「エンタープライズのワークロードの大半は、3年で確実にオープンソースモデルに載る」と伝えてきた──Jain氏はそう語っています。これは彼のコモディティ化のテーゼから直接導かれる、明確で年限を切った予測です。そしてこの見立ては、土台となるモデルが交換可能になっていくまさにそのときに、Gleanのモデルルーティングとコストコントロールのレイヤーの価値が高まることを意味しています。
コーディングは速くなったが、プロダクトの出荷スピードは上がっていない
カスタマーサポートには明確なROIがある、とJain氏は語っています。サポート担当者が1日に処理する案件が10件から12件に増えるといった形で、生産性の向上が測りやすいからです。
一方で、AI支出の大半はコーディングに向かっており、今やほとんどの開発者が手ではなくAIでコードを書いているにもかかわらず「プロダクトの実際の出荷スピードは上がっていない」と述べています。コーディングはプロダクトを出荷する工程のごく一部に過ぎず、コード生成が速くなっても、それがそのまま出荷の速さにはつながらないと指摘します。
技術コストと人件費が同じ文の中で比べられるのは、歴史上はじめてのことだ
歴史的に、技術コストと人件費が同じ文の中で語られたことは一度もなかった──Jain氏はそう振り返り、「人を減らしてトークンを増やしたい、と聞くのはこれがはじめてだ」と続けます。
彼はこの捉え方に抵抗し、優れた技術は徹底的に安くなる方法を見つけるものであり、推論コストは桁違いに下がるはずだといいます。そのうえで、ここ6〜9ヶ月であらゆるモデルがトークン単価をむしろ引き上げたという奇妙な事実を指摘し、これは単価が下がり続けるという長年の前提を覆すものだと述べています。

「値引きは負け」は本当か? ソフトウェアが陥るNRRトラップ
「Should You Discount to Save a Renewal? The NRR Trap Says No. You Probably Should Anyway.」 by Jason Lemkin on SaaStr
20年来の推奨派であったJason Lemkin氏は、API制限やAIエージェント非対応といったプロダクトへの不満を抱えていました。そこに更新時の理不尽な値上げが重なり、Adobe Marketoの解約を決意します。この体験から筆者は、「NRRを守るために更新時の値引きを渋る」という従来のB2Bソフトウェア企業に共通する構造的な罠を指摘し、目先の指標より顧客維持と製品改善を優先すべきだと論じています。
NRRを守る行動が将来を犠牲にする
NRRが高いほど企業評価は高くなるため、各社は更新時の値引きを避けがちです。しかし<yellow-highlight-half-bold>解約リスクのある顧客を安易に手放すのは、四半期ごとの指標を良く見せるために将来の顧客基盤を切り崩している行為に他ならない<yellow-highlight-half-bold>と筆者は指摘しています。
値引きは「時間を買う」ための投資
値引きは問題の解決策ではなく先送りにすぎません。ただし1年分の猶予を得られれば、その間に製品を競争力のある水準まで改善し、次の更新では値引きではなく契約拡大につなげられる可能性があります。
「誰が救済に責任を持つか」が鍵
カスタマーサクセスを営業組織に統合すると、新規獲得や拡大にインセンティブが偏り、解約に傾いている顧客を引き止める役割が誰の担当でもなくなってしまいます。使用状況の低下など離脱シグナルを把握し、解約阻止の責任者とそれに対する適切な評価体制を明確にすることが不可欠です。

「処理係」から「設計者」へ ── AIは採用チームの仕事とかたちをどう引き直すか
「AI is rewriting the talent playbook – Here's what leading recruiters are actually doing about it」 by Mario Espindola on SignalFire
VCのSignalFireのTalentチームによる記事で、AIが業務の同僚になるなかで採用チームの仕事とチーム編成がどう変わりつつあるかを、Benchling・Clay・Speak・EvenUp・Horizon3.aiなど投資先の採用リーダーの証言をもとに解説しています。採用職の仕事が「実行」から「設計・調整」へ移り、チームが少人数化するなかで、「何を自動化し、何を人に残すか」の再設計が問われていることを示す、採用オペレーション設計上重要な内容です。
リクルーターの仕事
「処理」から「オーケストレーション・設計」へ。ソーシングや日程調整、一次スクリーニングといった反復作業は自動化される一方、部門横断の合意形成やタレントシグナルの解釈、候補者との信頼構築は人に残る領域だと整理されています。
<yellow-highlight-half-bold>実行はオーケストレーション・システム思考・高次の問題解決へシフトする<yellow-highlight-half-bold>とされています。実際にClayでは、リクルーティングコーディネーターの役割を面接準備やAshbyでのスコアカード作成、ソーシングまで広げ、単なる事務担当の枠を超えて位置づけ直しています。
採用チームは小さく賢く
キャパプランニングが「動的」になります。EvenUpは20人の採用チームで社員550名・求人210件を支え、コーディネーター二名+ソーサー三名以外は全員フルライフサイクル型。Horizon3.aiはHRボットで問い合わせを50%削減し、空いた工数を高度な業務へ回しました。EvenUpは「必要人員の85%+15%バッファ」で計画し、AI効率を織り込んだ算定ツールを自作しています。
「AIをどこに効かせるか」を束ねるのがPeople/Talentリーダーの仕事
セキュリティはガードレール、エンジニアリングは速さ、財務はROIと、異なる要求を束ねる役割がますますPeople/Talentリーダーに寄っていると述べられます。「AIはあなたの新しい同僚」というメッセージを正しく文脈づけることが重要だとされています。そのうえで、AIは成果の天井を上げる一方、人への期待はむしろ上がるというスタンスが繰り返し示されています。評価にAIを使わないEvenUpは選考後の振り返りや会食など人的接点を厚くし、人間の関わりそのものを差別化要素にしています。
資金調達ニュース
[海外]
🏢 エンタープライズ
- Skello — 現場労働者(フロントラインワーカー)向けのAI搭載HR管理プラットフォーム。シフト管理・勤怠・給与計算・労務コンプライアンスを一元化し、AIエージェント「Skello Assistant」が残業超過の検知や給与不整合の修正を自動化する。Bridgepointがリード投資家として参加し、既存投資家のPartechとXAngeも再出資。2億ユーロを調達(EU-Startups)
- Prime Intellect — エンタープライズが自社専用のAIエージェントを訓練・構築できるコンピューティング基盤と専用ソフトウェアツールを提供。シリーズAで1億3,000万ドルを調達。評価額は10億ドル。投資家はRadical Ventures(リード)、Nvidia Ventures、Intel Capital(TechCrunch)
- Oxylabs — AIエージェント時代に向けたリアルタイムウェブデータ収集のためのデータインフラプラットフォーム。1億3,000万ドルを調達(評価額36億ドル)。投資家はWarburg Pincus(Yahoo! Finance)
- Ollama — オープンウェイトAIモデルをローカルまたはクラウドで簡単に実行できる開発者プラットフォーム。月間890万人の開発者が利用。シリーズBで6,500万ドルを調達。投資家はTheory Ventures(リード)、Benchmark、8VC(TechCrunch)
- BIZAY — 中小企業向けのAI活用カスタマイズ商品・デジタル調達プラットフォーム。カタログ管理、製造、顧客対応をAIで自動化し、50ヶ国以上でノベルティ・販促品などのカスタム商品を提供。2026年に初の黒字化と売上1億ドル突破を見込む。シリーズDで5,500万ドルを調達。投資家はIndico Capital Partnersがリードし、Lince Capital、Cedrusほかが参加(Tech.eu)
- Vendelux — AI活用型のB2Bイベントインテリジェンス・予測マーケティング分析プラットフォーム。25万件以上のグローバルB2Bイベントを追跡し、営業・マーケティングチームが有力な購買層を特定し、質の高い対面商談の予約を自動化できるようにする。シリーズBで5,000万ドルを調達。投資家はTribeca Venture Partners(リード)、S3、Pelion Venturesほか(FinSMEs)
- Bespoke Labs — AIエージェントの訓練環境を構築するプラットフォーム。フロンティア研究機関やAIネイティブ企業向けに、長時間軸のタスクをこなすエージェントを訓練・評価・改善するための強化学習環境とインフラを提供する。シリーズAをWing VCがリードし、Mayfield、The House Fund、dbt Labs CEOのTristan Handy氏らが参加。4,000万ドルを調達(Yahoo Finance)
- Velocity — AIネイティブアプリケーション向けの広告・マネタイズ基盤を構築するアドテック企業。ironSourceやUnityで培った知見をもとに、サブスクリプションを置き換えるのではなく補完する形でAIアプリの収益化・グロースインフラを開発。シード資金として2,700万ドルを調達。投資家はNFX、Red Dot Capital Partnersがリードし、Stardom Venturesほかが参加(NewsBlaze)
🏗️ バーティカル
- Kling AI — Kuaishou傘下の生成AI動画プラットフォーム。テキストプロンプトから4K高解像度の動画コンテンツを生成でき、独自のワールドモデル研究「Project Eden」ではロボティクス訓練向けの物理シミュレーションにも展開している。28億ドルを調達、評価額は180億ドル(ポストマネー)。Alibabaが参加した本ラウンドにはアブダビのBlueFive Capital、Baidu、Tencentも名を連ねている(Bloomberg)
- inKind — レストラン向けコマース・イネーブルメント・プラットフォーム。飲食店に運転資金を提供する一方、消費者には食事クレジットの還元(最大25%)を提供するモデルで、AIネイティブな来店促進ツールの開発も進めている。Liberty Mutual Investments(LMI)がシニア・メザニン融資として3億2,000万ドル超を提供(Fintech Global)
- Arkenstone Defense — テック企業が米政府と取引する際に必要な人事・給与・コンプライアンス・セキュリティクリアランス等をワンストップで提供する政府調達バックオフィス基盤。シードで3,500万ドルを調達。投資家はJ2 Venturesがリードし、Susa Ventures、Granite Hill Capital Partners、Artis Venturesほかが参加(Yahoo! Finance)
- Agave — 建設業向けの財務・会計自動化AIプラットフォーム。14以上のERP・プロジェクト管理システムと双方向連携し、請求書処理や経費照合を自動化。500社超のゼネコン・専門工事業者が利用し、収益は前年比3倍に成長。シリーズAで1,500万ドルを調達。投資家はAccelがリードし、Y Combinatorが参加(Yahoo! Finance)
💰 フィンテック
- Databento — 金融機関向けマーケットデータプラットフォーム。先物、オプション、株式のリアルタイムおよび過去データを統合APIを通じて提供。シリーズBで9,700万ドルを調達。投資家はNEA(リード)、DRW Venture Capital、Redpoint Ventures、Tribe Capitalほか(Fortune)
- Tangos AI — 金融犯罪調査を自動化する自律型AIプラットフォーム。マネーロンダリングや制裁違反、詐欺などの調査でAIエージェントが証拠収集から仮説検証、監査証跡付きのケースファイル作成までを一気通貫で実行。元米財務省OFAC職員やイスラエル情報機関出身者が参画。シード資金として2,000万ドルを調達。投資家はRed Dot Capital Partnersがリードし、Leaders Fund、SignalFireほかが参加(SiliconANGLE)
🛰️ ハードウェア×AI
- Tripo AI — インタラクティブな3D基盤モデルとワールドモデルを開発。8K解像度のテクスチャ生成やオブジェクトセグメンテーションを実現する「Tripo H3.1」「Tripo P1.0」を展開し、ロボティクス訓練向けの物理シミュレーション研究も推進している。シリーズA3として、自動車系のGeely Capitalやゲーム開発会社の4399 Network、Tanwan、Giant Networkほか幅広い投資家から出資を受けた。1億5,000万ドルを調達(SiliconANGLE)
🔒 サイバーセキュリティ
- Sherpa.ai — 「Blind Federated Learning」技術により、生データを一切共有せずに複数拠点間でAIモデルを協調学習・運用できるプライバシー保護型AIプラットフォーム。金融機関・医療機関・政府機関向けにデータ主権を保ったAI活用を実現する。Forgepoint Capitalが新規投資家としてラウンドをリードし、既存投資家のMundi Ventures、Ekarpen、Allegra Holdings、SETTが参加。1,800万ドルを調達(FinSMEs)
🏥 ヘルスケア
- TJM Labs — 薬局向けAIエージェントプラットフォーム。処方箋の受付、データ入力、リフィル、事前承認サポート、患者とのコミュニケーションなど、反復的な業務ワークフローを自動化。シリーズBで7,500万ドルを調達。投資家はElephant(リード)、Arthur Ventures、Updata Partners(FinSMEs)
⚖️ リーガルテック
- Norm AI — 規制業界向けにAIエージェントを法務プロセスへ組み込む「アジェンティック・ロー」プラットフォーム。自社のAIネイティブ法律事務所「Norm Law」を運営し、シニア弁護士がAIエージェントを監督する体制のもと、成果報酬型の料金体系を採用している。Khosla Venturesがリードし、Bain Capital Ventures、Craft Ventures、Coatue、Vanguardなどが参加。シリーズCで1億2,000万ドルを調達、評価額は12億ドル(TechCrunch)
[国内]
- チューリング — 自動運転AIの開発を手がける企業で、AMD Ventures、三菱商事、三菱UFJ銀行などを引受先とするシリーズAエクステンションラウンドで126.2億円を調達(融資58.0億円を含む)。2025年11月公表の1st Close(152.7億円)と合わせ、シリーズA累計は278.9億円。投資家はAMD Ventures、三菱商事、三菱UFJ銀行(PR TIMES)
- ビットキー — スマートロック・入退室管理サービスを展開する企業で、政府系ファンドJIC VGIが運営するファンドより追加資金調達として40億円を調達。累計調達額は390億円超に到達。投資家はJICベンチャー・グロース・インベストメンツ(PR TIMES)
- クウゼン — 顧客エンゲージメントプラットフォーム(AIチャットボット)を展開する企業で、株式会社ジェイ・グロース運営のRJバリューPlus1号をリード投資家とするシリーズBラウンドにて16.3億円を調達(デットファイナンスを含む)。投資家はRJバリューPlus1号投資事業有限責任組合(リード)、東京大学エッジキャピタルパートナーズ、住商ベンチャー・パートナーズ(PR TIMES)
- MOZU — 建築資材のデジタル問屋「MOZUオーダー」を運営する企業で、Spiral Capitalをリード投資家とするシリーズBラウンドにて13億円を調達(日本政策金融公庫からの借入を含む)。投資家はSpiral Capital(リード)、BRICKS FUND TOKYO(三菱地所CVC)、みずほキャピタル(PR TIMES)
- マネーフォワードプライベートバンク — 超富裕層向け資産管理プラットフォーム・コンサルティング事業を展開する企業で、Spiral Innovation Partnersおよび三井住友信託銀行を引受先とする第三者割当増資にて10億円を調達。三井住友信託銀行とは資本業務提携契約も締結。投資家はSpiral Innovation Partners、三井住友信託銀行(PR TIMES)
- Smooth — モビリティ決済プラットフォーム「Smooth Pay」を運営する企業で、TeamMake Capitalおよび寺田倉庫をリード投資家とするシードラウンドにて累計6,000万円を調達。投資家はTeamMake Capital、寺田倉庫(PR TIMES)
- exmore — AIチャット「SuguDesk」でクリニックの受付・問い合わせ業務を効率化する企業で、Oikaze Venturesをリード投資家とするシードラウンドにて第三者割当増資を実施。投資家はOikaze Ventures(リード)、佐藤裕介氏、高槻洋介氏(PR TIMES)



