「今週のSaaS×AIニュース」ピックアップ!
*SaaS×AI Weeklyは、ALL STAR SAAS FUNDが毎週ピックアップした記事を日本語で要約し、一部メンバーからのコメントを入れてお届けしています。

AIコスト爆増時代に生き残れ──AIトークン予算の作り方
「Token Budgeting: How To Think About AI Cost Control」 by Ben Schaechter on Vantage
クラウドコスト管理ツールVantageのCEO・Ben Schaechter氏による記事で、急増するAIトークンコストをチームや開発者単位で適切に予算配分し、「コスト額」ではなく「費用対効果」で評価・管理するためのフレームワークを解説しています。AIを活用した開発が当たり前となるなか、コスト管理の失敗が競争力を直接毀損するリスクがあり、日本のスタートアップにとっても、見過ごせない経営上の問いになっています。
AIコストはもはやインフラコストと同列
OpenAI・Anthropic・Cursorへの支払いは、AWSやDatadogと同様に「どこで何に使われているか」を分解して管理しなければなりません。COGS(製品提供コスト)とR&D(開発コスト)をAPIキーやメタデータで切り分けることが、その第一歩となります。
COGSトークン配賦はメタデータとタグ管理で対応
大量APIリクエストに対してはAPIキーだけでは粒度が不十分で、リクエスト単位のメタデータを記録し、サービス・チーム・エージェント別に仮想タグで配賦する仕組みが必要です。OpenRouterやLiteLLMといったAPIゲートウェイもこのログ取得に活用できます。
R&Dコストの課題は「効率指標」の定義にある
開発者ごとのトークン消費額だけ見ても、それが良いコストか悪いコストか判断できません。「クローズしたIssue数」「マージされたPR数」「出荷したフィーチャー数」などの生産性指標と掛け合わせて、一件あたりのユニットコストを算出することが肝心です。
ユニットコストで初めて"誰を評価すべきか"がわかる
たとえばトークン消費額が最大の開発者が、Issue解決コストで見ると最も効率が高いケースもあります。逆に消費額が中程度でも生産性が低ければ最もコスト効率が悪い。<yellow-highlight-half-bold>コスト単体での判断は組織を誤った方向に導きます。<yellow-highlight-half-bold>
予算設定には「財務主導型」と「観察主導型」の2アプローチ
財務主導型は一律の月額上限(例:2,000ドル/人)を設定するシンプルな方法。観察主導型は1〜2ヶ月間上限なし・非開示で実態を計測してから中央値を基に予算設計します。後者のほうが実態に即した予算を引けます。
トップパフォーマーには動的予算(または上限撤廃)が有効
効率指標が優れた開発者に対しては予算上限を増やす、あるいは完全に撤廃するダイナミックな予算管理が先進企業で採用されつつあります。制約を外すことで高パフォーマーがさらに速く成果を出せる環境を整えるのが目的です。
コスト可視化それ自体が行動変容を促す
予算進捗を開発者・チーム・マネージャーが常時把握できる状態にするだけで、消費行動は改善します。計測なしに目標達成はできません。IDEへのMCP統合など、可視化のハードルは今や非常に低くなっており、まず計測をはじめることが、行動を変える第一歩になります。
「楽観的なビジョンが現実をつくる」──自己成就予言とスタートアップの野心について
「Self-Fulfilling Prophecy」by Alfred Lin on X
Sequoia CapitalのAlfred Lin氏による記事。社会学の概念「自己成就予言(self-fulfilling prophecy)」を起点に、高い期待と楽観主義がパフォーマンスに与える影響を論じた内容です。
自己成就予言のメカニズム
社会学者ロバート・マートンが定義した「自己成就予言」とは、最初は誤った認識であっても、それを信じて行動することで現実に変えてしまう現象です。信念→行動変容→現実化というループは、スタートアップの「なぜ自分たちが勝てるか」という確信とまったく同じ構造を持っています。
ピグマリオン効果とゴーレム効果
高い期待をかけられた人はパフォーマンスが上がり(ピグマリオン効果)、低い期待をかけられた人は下がる(ゴーレム効果)という心理学的知見があります。現実は固定されたものではなく、自分と周囲の期待値によって変化します。
批判者を否定するより支持者を肯定する
多くの人は「批判者を見返したい」と思いがちですが、実際には支持してくれる人の期待に応える方向に行動が動きます。誰に囲まれるか、どのコミュニティに属するかが、アウトカムを大きく規定します。
楽観主義は才能である
心理学者でノーベル賞受賞者のダニエル・カーネマン氏は、楽観的な人物が発明家・起業家・リーダーとして桁外れに大きな影響を世界に与えると述べています。楽観主義者はリスクを取り、挑戦を求め、失敗にも折れにくいという特性を持っています。
ビジョンは地図である
<yellow-highlight-half-bold>将来への展望と高い期待は、それ自体が自己成就予言になります。<yellow-highlight-half-bold>『大きく夢を描くこと』は精神論ではなく、未来への地図を描く行為そのものです。ストレッチゴールが達成可能だという確信があるとき、高い期待は最大の効果を発揮します。

実装はもう安い。希少なのは「テイスト」だ
「Why OpenAI is merging Codex and ChatGPT and the future of knowledge work」by Andrew Ambrosino on Lenny's Podcast(YouTube)
Andrew Ambrosino氏(OpenAIのCodexアプリのプロダクト/エンジニアリング責任者)が、Lenny's Podcastに出演。Ambrosino氏はデザイナー、エンジニア、プロダクトマネージャー、ファウンダーを経て、いまや世界中がプロダクトづくりに使うCodexアプリを率いる人物です。Codexは1月以降に利用が6倍に伸び、週間アクティブユーザーは500万人超、OpenAI社内ではエンジニアに限らずほぼ100%の社員が週次で使っています。
本エピソードでは、AIがプロダクト開発のプロセスをどう反転させたか、なぜ実装よりテイストとキュレーションが重要になったか、なぜフロンティアモデルはいまだにデザインが苦手なのか、そして役割・計画・チーム編成の変化について語っています。
実装はもうコストではない。高くつくのは「テイスト」になった
長らくプロダクト開発は、実装が高くつくという前提のもと、ドキュメントやリサーチ、プロトタイプで前もってリスクをつぶす設計でした。トークンが無制限になったいま、その前提は崩れたとAmbrosino氏は指摘しています。誰でもあらゆる機能を立ち上げられるため、OpenAIでは同じ機能を90もの非協調なチームが並行してつくっている状態だといいます。<yellow-highlight-half-bold>希少なスキルは「つくること」ではなく「キュレーション」へ移り、90の試作のどれが良いか、何を統合すべきか、どう位置づけるかを見極める力が問われると語っています。<yellow-highlight-half-bold>
「PRDは死んだ、プロトタイプの時代だ」という説をAmbrosino氏は否定する
多くのプロダクトリーダーが「PRDは死んだ、これからはプロトタイプだ」と言うのに対し、Ambrosino氏はまったく信じていないと否定しています。実装があらゆるメディアで安くなったからこそ、伝えたい論点に合わせてフォーマットを選ぶ規律が重要になると指摘します。曖昧な領域でプロダクトの方向性を固めたいならドキュメントが正解になりうるし、インタラクションを検証したいならプロトタイプだといいます。非エンジニアはいきなりプロトタイプに飛びつきがちで、逆にエンジニアは読む価値のない大量のドキュメントを書きがちだと釘を刺しています。
完成度の高いプロトタイプは、チームを間違ったアイデアに縛りつける
Ambrosino氏は、画家が最初に置く一筆「primal mark」の概念を引きます。その一筆にすべてが反応してしまうように、プロトタイプが最初の成果物だと、チームはより大きなアイデアではなくそのプロトタイプに反応してしまうため、最初につくるものとして間違っていることがあると語っています。さらに厄介なのは、いまやプロトタイプが本番さながらに見えるため、まだ探索段階にすぎないのに、リスクはすでにつぶされたものと周囲が思い込んでしまう点だと指摘しています。
テイストとは美的センスではなく、システム思考と「何をつくるべきか」の判断である
Ambrosino氏はテイストを、美的判断に加えて、全体にどう収まるかというシステム思考、どんなテーマの一部かという物語性、そして広い文脈を読む力の総体だと定義しています。自分はアニメーションが意味に対して機敏すぎないかといった細部に注力しすぎていると認めつつ、本当のテイストの問いはもっと上位にあると語ります。「何でもつくれるとしたら、ゴールは何で、そこへどう到達するか」を見極めることこそが核心だといいます。
AIがデザインを苦手とするのは、デザインが「採点しにくい」からだ
コードはコンパイルが通るか、意図どおり動くかで学習ループを組めるのに対し、デザインはフィードバックの仕組みに人間のテイストが入り込むため採点が難しいとAmbrosino氏は説明しています。さらに戦略的な理由として、ラボはAI研究を加速させる能力に投資してきたと指摘します。正しいコードは研究を明確に加速させますが、優れたデザインはそのフライホイールに直接は乗らないといいます。ただしこうした実務的な障壁は時間とともに消えていくと見ています。
より難しいのは、新規性と「見た目の下にある抽象レイヤー」だ
採点しやすさ以上に、デザインにはソフトウェアにはない文化性と新規性の要求があるとAmbrosino氏は語ります。一時期どの新しいサイトもLinearのコピーばかりだった例を挙げ、Linearのサイトを毎回出力するモデルは優れているとは言えない、デザインはエンジニアリングと違って新規性が報われるからだと指摘します。さらに深いのが視覚デザインとコードの間にある抽象レイヤーで、リブランド時の浅い作業は263個のコンポーネントを一つずつ直すことです。深い作業は、見た目の異なる要素どうしの共有された意味を理解することで、そこはまだ手が届かないといいます。
まったく同じプロダクトでも、モデルのタイミング次第で成否は分かれる
2月にリリースしたCodexアプリは、もし11月に同じ形で出していたら市場で完全に失敗していたはずだと、Ambrosino氏は断言しています。違ったのは11月から2月の間のモデルだけだといいます。プロダクトのタイミングとは、機能の設計の良し悪しではなく、モデルがすでに十分賢くなっているかどうかで決まる、という捉え方を示しています。
役割は固定ではなく、「時間を何に使っているか」の平均で決まる
Codex組織は社内の他部門より役割の崩壊が進んでいて、それはデザイナーが「エンジニアの言葉を話し」、PdMがコードを書くからだとAmbrosino氏は語ります(そのうちの一人であるのAlexander氏はコンピュータサイエンスの修士号を持つそうです)。氏はアイデンティティを動く平均値として捉え、ある人のやっている仕事をすべてプロットすれば、その重心が「いまのところ」PdMなのかエンジニアなのかを決めると説明します。なお「member of technical staff」という肩書きはXeroxのような研究志向の企業に遡るといいます。
いまのプロダクトは「ゾーンディフェンス」、密に組むのではなく広く守る
Ambrosino氏はゾーンディフェンスの比喩を使い、プロダクトの人間が二人で近づきすぎて働いていたら、それはたいてい悪いサインだと語ります。むしろギャップを探す力学的な動きをして、互いに距離をとり、会社全体をカバーすべきだといいます。ボトムアップの混沌が絶えないなかで、トップダウンの年間計画はもう機能しないからです。補完する採用方針として、コードがプロダクトの一貫性のためにチーム全員のレビューを必要としないよう、プロダクト思考を持つエンジニアを採ると述べています。

Adobe値上げ見送りを読み解く──分裂する価格市場と、AI時代の課金戦略
「Adobe Just Deferred a Big Annual Price Increase. It's the First Big Crack in B2B Pricing Power Since 2022.」 by Jason Lemkin on SaaStr
Adobeが2026年第2四半期(FY2026 Q2)の決算発表で、後半に予定していた約5億ドル規模のCreative Cloud値上げを見送ると発表。Adobeはソフトウェア業界でも有数の「値上げ力(pricing power)」を持つ企業で、過去4年以上毎年値上げを続けてきただけに、この決定は大きな転換点となります。AIネイティブの競合が登場したことで、ロックインだけに頼った値上げ戦略が崩れはじめています。
決算は好調なのに株価は下落。市場が反応したのは「値上げ見送り」そのもの
四半期自体は売上66.2億ドル(前年比+13%)、ARR 271億ドルと記録的で、通期見通しも上方修正しました。Firefly ARRは前四半期比約50%増で約3億ドルに迫り、AI関連ARRは3倍成長。それでも株価は年初来で約38%下落し、目標株価が264ドルから228ドルに引き下げられました。<yellow-highlight-half-bold>市場は四半期業績ではなく、値上げ見送りが示す「将来の値上げ力の弱さ」に反応しています。<yellow-highlight-half-bold>
「フリーミアム戦略」という公式説明と、その裏にある本当の理由
AdobeはCEOナラヤン氏のもと「無料ユーザーを大量に獲得して後で収益化する(Adobe Readerの再現)」と説明しています。実際、見送り額の半分は値上げ最適化の延期、もう半分はユーザーをフリーミアムに誘導する分とされています。しかし、値上げと無料ユーザー獲得は同時にできない以上、フリーミアムへの転換と値上げ見送りは「同じ一つの決断」であり、競争圧力がその選択を強いたと指摘しています。
Adobeの価格市場は「2つに分裂」している
エンタープライズ/プロ向けはMoatが健在で、.AI / .PSD / .INDDなど独自フォーマットや制作パイプラインへの組み込みで代替が効かず、2026年の更新では8〜12%の値上げを維持(SAP、ServiceNow、Coca-Cola等が顧客)。一方、コンシューマー/プロシューマー/SMB層ではMoatが弱く、まさにこのセグメントで値上げが見送られました。
低価格帯を脅かすAIネイティブ競合の台頭
CanvaはARR 40億ドル超(年30%以上成長)、FigmaはARR 12億ドル(40%成長)。さらにCanvaがAffinityを無料化し、「Canva Pro+無料Affinity」で月約15ドルとなり、Creative Cloud(月55ドル〜)の多くを代替できます。この市場で値上げすれば顧客離脱を加速させるだけなので、見送りは『攻め』であると同時に、低価格帯の脅威に押された『守り』でもあります。
これはAdobe単独の話ではなく、B2B全体の「値上げ黄金時代」の終わりの兆し
2024〜2026年はMicrosoft、Google、Salesforce、ServiceNow、Broadcom(VMware)などが軒並みAIを口実に値上げを実施しました。だがSalesforceでは、将来ARR成長の最大72%が値上げ由来とされます。SaaS価格は2025年に約11.4%上昇(G7インフレ率2.7%の約5倍)と、価格レバーへの依存が際立っています。AIネイティブの代替が現れた瞬間にこのレバーが効かなくなり、価格主導の成長は「緩やかな下降ではなく段階的な急落」を招きかねません。

AIエージェントという"新しい同僚"──Korn Ferryが整理する人×AIの採用設計
「TA Trends 2026: Human–AI Power Couple」 by Korn Ferry
Korn Ferry が採用リーダー1,600名への調査をもとに、2026年の採用を動かす6つの変化を整理した一本です。採用リーダーの84%が来年AIを使う予定と答える一方、最後に差をつくるのは人間の知性だとして、大事なのはAIを導入することではなく、<yellow-highlight-half-bold>AIの出した結果を正しく評価できる人材を確保・育成することだ<yellow-highlight-half-bold>、と論じています。
人とAIエージェントの混成チーム時代、"次の同僚"は人間とは限らない
勝手にタスクをこなす「AIエージェント」が、いよいよチームの一員になります。これを2026年にチームへ加える予定の採用リーダーは52%。人間の社員が年10万ドルに対しAIエージェントは約2万ドルというコスト比較も示されます。MicrosoftがエージェントにセキュリティIDを発行しはじめるなど、人とAIが同じチームで働く基盤は今まさに整いつつあります。ただ本当の難所は技術ではなく「人とAIが混ざったチームをどう率いるか」という文化の問題だ、とされます。採用は"人を埋める"作業から、人と技術を一つの仕組みにつなぐ役割へ変わっていきます。
若手を切ると数年後のリーダーが枯れる、カギはスキルで組むパイプライン
AIで新卒・若手・バックオフィスの仕事を減らすのは、予算上最も通しやすい決断です。ただそこは将来の管理職・リーダーが育つ場所であり、しかも若手は新しい技術をいちばん速く使いこなす層でもあります。今日のコスト削減が、数年後のリーダー不在として返ってくる。AIを見据えた後継者計画を立てている企業はわずか22%で、Korn Ferry は「役割を消すのではなく、ルーティンをAIに渡して人間は判断と関係構築に寄せる」再設計を促しています。仕事ではなくスキルでパイプラインを組み直す、という方向です。
AIの実地経験が、採用を経営の戦略席へ押し上げる
採用部門の立ち位置も動いています。採用リーダーの83%は経営層への一定の影響力を持つ一方、59%はいまだ戦略的な意思決定には十分に関与できていません。ここでAIが効いてきます。AIを使いこなす採用リーダーは経営層への影響力を持つ割合が高く、AIを使う採用リーダーでは85%、使わない採用リーダーでは70%です。AIの実地経験そのものが、「人を埋める係」から「人材変革のアドバイザー」へ昇格する橋になる、と位置づけられています。
資金調達ニュース
[海外]
🏢 エンタープライズ
- AppsFlyer — モバイル・オムニチャネル広告の計測・アトリビューションプラットフォーム。広告主が各チャネルの効果をリアルタイムで測定し、AI活用の自律マーケティングワークフローを支援。シリーズEで10億ドル超を調達。評価額は27億ドル。投資家はMoloco、Google、Meta。(Yahoo! Finance)
- Scaled Cognition — ハルシネーション排除に特化したエンタープライズ向けAIモデルラボ。独自モデル「APT(Agentic Pretrained Transformer)」はFortune500企業の金融・ヘルスケア・通信・保険領域で本番稼働中で、プライベートクラウドまたは完全自己ホスト型での展開が可能。今後12ヶ月で10億件超のカスタマーサポート対話を自動化する見込み。シリーズAで1億ドルを調達。評価額は7.5億ドル。投資家はKhosla Ventures(リード)、Genesys。(SiliconANGLE)
- Engram — エンタープライズ向けAIの組織固有の記憶レイヤーを構築するプラットフォーム。シードで9,800万ドルを調達。評価額は6億ドル。投資家はGeneral Catalyst、Kleiner Perkins、Sequoia Capital。(Yahoo Finance)
- Warp — スタートアップ・高成長企業向けのAIネイティブ従業員管理プラットフォーム。50州の給与計算・州税登録・コンプライアンス申告・福利厚生管理をAIエージェントで自動化し、Workday・Rippling・ADPに対抗する。シリーズBで6,000万ドルを調達。リードはBattery Ventures、Peak XV・Sound Ventures・Y Combinatorが参加。(AlleyWatch)
- Tsuga — 顧客クラウド内に直接デプロイするAIネイティブ・オブザーバビリティプラットフォーム。シリーズAで3,500万ドルを調達。投資家はSingular(リード)、General Catalyst、DST Global。(The Next Web)
- Hang Ten Systems — 元InfosysCEOのVishal Sikkaが創業した企業向けAIサービス会社。AIネイティブなアジャイル開発モデルと再利用可能なスキルライブラリを組み合わせ、大企業がERP等の基幹ソフトウェアを低コスト・短納期で構築・改修・運用できるよう支援する。シードで3,200万ドルを調達。リードインベスターはMayfield、Aramco Venturesが戦略的投資家として参加。(TechCrunch)
- Runlayer — 企業がAIエージェントを組織全体で安全に導入・管理するためのガバナンスプラットフォーム。従業員はあらゆるAIクライアント・エージェント・MCPを一元的に利用でき、セキュリティ・IT・コンプライアンスチームはコントロールプレーンで可視化・ポリシー適用・コスト管理を行う。シリーズAで3,000万ドルを調達。リードはFelicis、Khosla Venturesが参加。(FinSMEs)
- Attention — セールスチーム向けAIプラットフォーム(CRM自動更新・フォローアップ自動送信・パイプライン分析)。シリーズBで3,000万ドルを調達。投資家はRTP Global、Aglaé Ventures、Eniac。(PR Newswire)
- Coval — 元WaymoのエンジニアBrooke Hopkinsが創業した音声AIエージェント向け評価・テストプラットフォーム。自律走行車の安全検証で培ったシミュレーション手法をボイスAIに応用。シリーズAで2,800万ドルを調達。リードはNorwest、Base10 Partners・Twilio Ventures・Y Combinatorが参加。(SiliconANGLE)
- Ploy — WebflowのCo-founderが創業したAIマーケティングプラットフォーム。ウェブサイトを起点に、ページデザイン・コピーライティング・広告運用・SEO/AEO・CRM連携を自律的に実行するAIエージェントを提供。シードで2,700万ドルを調達。First Round CapitalとY Combinatorが共同リード。(Yahoo! Finance)
- Niural — 150ヶ国以上に対応するAIネイティブのグローバル給与計算・福利厚生・コンプライアンス管理プラットフォーム。シリーズA追加調達として2,100万ドルを調達(シリーズA累計5,200万ドル)。投資家はFOG Ventures、NewView Capital。(PR Newswire)
- JustAI — エンタープライズ向けのAIネイティブ・エージェント型マーケティングプラットフォーム。シリーズAで1,700万ドルを調達。投資家はBase10 Partners、Y Combinator、Peak XV Partners。(FinSMEs)
🏗️ バーティカル
- Peregrine Technologies — 公共安全・政府機関向けAIデータ統合プラットフォーム。シリーズDで2.5億ドルを調達。評価額は68億ドル。投資家はFifth Down Capital、Sequoia Capital、OG Venture Partners など。(Yahoo Finance)
- Twenty — 米国初のベンチャー支援型サイバー戦争スタートアップ。AIを活用した攻撃型サイバー能力を米軍・情報機関向けに提供。シリーズBで1億ドルを調達、評価額は10億ドル。Accelがリード、Friends & Family Capital・Point72 Ventures・Caffeinated Capitalが参加。(PR Newswire)
- Redo — D2Cブランド向けのAI搭載ポストパーチェス管理プラットフォーム(返品・交換・マーケティング統合)。シリーズBで8,100万ドルを調達。評価額は12.5億ドル。投資家はSmash Capital、Pelion Venture Partners、Cervin Ventures。(Yahoo Finance)
- Trase — ヘルスケア・防衛等の高規制産業向けAIエージェント運営OSを提供するスタートアップ。数百種のAIエージェントを数週間で導入可能なフルスタックのエージェンティックOSで、Duke大学病院の心臓科では月5,000件以上のFAXトリアージを手動比7.1倍の速度で処理。シードで1億700万ドルを調達。リードはArch Venture Partners、Red Cell Partnersが参加。(Business Wire)
- Partly — 自動車修理サプライチェーン向けAIファウンデーションモデル(マルチモーダル見積・パーツ注文自動化)。シリーズBで5,000万ドルを調達。評価額は5億ドル。投資家はDST Global Partners(リード)。(FinSMEs)
- Probook — 配管・空調・電気などホームサービス事業者向けのAIオペレーティングシステム。ディスパッチ(技術者割り当て)を中心に、顧客対応・スケジューリング・データ管理を一元化。シリーズAで3,400万ドルを調達(リード:Andreessen Horowitz)、別途シード600万ドル(リード:Sequoia Capital)で累計4,000万ドル。(FinSMEs)
- Isometric — AIエージェントを活用し、炭素除去・低炭素エネルギー・素材など産業向け認証プロセスを従来の12ヶ月から数時間に短縮するエージェンティック認証プラットフォーム。シリーズAで4,000万ドルを調達。AVPがリード、Lowercarbon Capital・Pluralが参加。(The Next Web)
- Almetra — ドイツ・ベルリン発の製造業インテリジェンスプラットフォーム。工場の生産ライン上にAIカメラを設置し、IT統合不要でサイクルタイム・稼働率・産出量をリアルタイムデータ化する。Boschの子会社(eBike Systems)・Siemens Energy・ABB等の顧客で生産性を最大20%向上。シリーズAで1,630万ユーロ(約1,900万ドル)を調達。リードはBlisce、NAP・Merantix Capital・Robin Capitalが参加。(Tech.eu)
💰 フィンテック
- Airwallex — 67万社以上の企業が利用するグローバル金融オペレーティングシステム。国際送金・法人カード・口座管理・支払い受付に加え、AIエージェントが財務業務を自律実行するT:0(AIネイティブ財務部門)とエージェンティックコマース向けウォレットAiriを新たに展開。シリーズHで3.2億ドルを調達、評価額110億ドル。リードはAddition、Baillie Gifford・QED Investors・T. Rowe Priceが参加。(Yahoo Finance)
- CRED — 高信用スコア保有者向けのクレジットカード決済・報酬・レンディング・資産管理を統合するインドのフィンテックプラットフォーム。インドのクレジットカード請求書支払いの40%超を処理。シリーズHで9億ドルを調達。評価額は45億ドル(ポストマネー)。投資家はMeta(リード)。(Business Wire)
- Taktile — 金融機関向けのAIエージェント意思決定自動化プラットフォーム。ローン審査・不正検知・AML・保険金支払い等のミッションクリティカルな業務判断を自動化し、B2Bアンダーライティングで95%自動化・AMLの誤検知を75%削減する実績を持つ。シリーズCで1.1億ドルを調達。リードはGoldman Sachs Alternatives(Growth Equity)、Balderton Capital・Index Ventures・Tiger Globalが参加。(FinSMEs)
- Allium — 機関投資家向けのブロックチェーンデータプラットフォーム(150以上のチェーンを標準化・エンリッチ)。シリーズBで4,000万ドルを調達。投資家はAmplify Partners、Kleiner Perkins、Theory Ventures。(Fortune)
- Caplight Technologies — VCや機関投資家向けにプライベートマーケットのデータ・セカンダリー取引インフラを提供するプラットフォーム。シリーズAで1,600万ドルを調達。リードはBlackRock・Fin Capital・LEAP Global Partners(共同リード)、UBS Investment Bankが戦略的投資家として参加。(FinSMEs)
- Tetrix — LP(リミテッドパートナー)向けに、プライベートマーケットのファンドデータをAIで自動収集・正規化・分析する投資インテリジェンスプラットフォーム。1,000億ドル超のAUMを管理。シリーズAで1,500万ドルを調達。投資家はWhite Star Capital、Innovation Endeavors。(Business Wire)
🏥 ヘルスケア
- Assort Health — 医療機関向け患者ジャーニー全体を自動化するAIエージェントプラットフォーム。シリーズCで1.2億ドルを調達。評価額は12億ドル。投資家はMenlo Ventures、Lightspeed Venture Partners、Felicis。(FinSMEs)
- Cadence — 高齢者の慢性疾患をAIエージェントで在宅管理するクリニカルAIプラットフォーム。シリーズCで1億ドルを調達。評価額は12.3億ドル。投資家はSpark Capital、Thrive Capital、General Catalyst。(Yahoo Finance)
- Prosper AI — 医療機関向けに予約・保険給付確認・患者請求をひとつのワークフローで自動化するAI患者ジャーニープラットフォーム。150,000以上のプロバイダーに対応。シリーズAで3,000万ドルを調達。a16z(Andreessen Horowitz)がリード、Base10・Emergence Capital・Y Combinatorが参加。(Tech.eu)
- Hera — AIプラットフォーム「Juno」を活用した高齢者ケアコーディネーション企業。登録看護師・ライセンスソーシャルワーカーで構成されるケアコーディネーター「Heroes」が、退院後の専門医予約・メディケイド申請・地域リソース活用などの非臨床ニーズを一元管理。シリーズAで2,700万ドルを調達。投資家はBain Capital Ventures(リード)、Accel、IA Ventures。(FinSMEs)
🛰️ ハードウェア×AI
- Upscale AI — AIクラスター向けのフルスタック型ネットワーキングインフラを開発。シリコン・システム・ソフトウェアを統合したオープンスタンダードのAIファブリックを提供し、大規模AIワークロードのネットワークボトルネックを解消する。シリーズA-1で1.9億ドルを調達、評価額は20億ドル。Premji Investがリード、NVIDIA・Salesforce Ventures・Temasekが参加。(Yahoo! Finance)
- Runpod — 100万人超の開発者が利用するAI開発者クラウド。モデルの実験・学習・ファインチューニング・推論・スケーリングを単一プラットフォームで提供し、秒単位の従量課金・最低コミットなしでセルフサービスアクセスを実現。1億ドルの成長ラウンド、評価額10億ドル。リードはSummit Partners。(SiliconANGLE)
- Sail Research — 長時間稼働するAIエージェント向けに特化したAIインフラ企業。スループット最適化の独自推論エンジンと、エージェントが数時間〜数日連続稼働できるステートフルなサンドボックス環境「Sailboxes」を提供し、競合比最大10倍の低コストを実現。シード+シリーズAで8,000万ドルを調達、評価額4.5億ドル。シリーズAリードはKleiner Perkins、シードリードはSequoia Capital、Redpoint Ventures・Theory Ventures・CRVが参加。(FinSMEs)
🔒 サイバーセキュリティ
- Nebulock — AI時代の脅威に対応する「ハント・ファースト」型コンテキストセキュリティプラットフォーム(ボストン)。エンドポイント・アイデンティティ・クラウド・ネットワーク・SaaS全域にわたる行動グラフとAIエージェントによる自律的な脅威ハンティングを実行し、ステルス後9ヶ月で3億件以上のエージェント調査を完了。シリーズAで2,500万ドルを調達。リードはFirstMark、Bain Capital Ventures・Decibel・Zetta Venture Partnersが参加。(SiliconANGLE)
そのほか
- Patronus AI — 元Meta AI研究者が創業したAIエージェント向けシミュレーション・評価インフラ企業。ウェブサイトや社内システムのレプリカ環境「Digital World Models」でエージェントを本番投入前にストレステストし、世界主要AIラボやハイパースケーラーの大半が採用。過去1年で売上が15倍成長。シリーズBで5,000万ドルを調達(累計7,000万ドル)。投資家はGreenfield Partners(リード)、Notable Capital、Lightspeed Venture Partners。(TechCrunch)
[国内]
- Kotoba Technologies — 東アジア言語(日本語・韓国語・中国語)に特化したリアルタイム音声AI基盤モデル「Koto」を開発。AIエージェント・コンタクトセンター・ウェアラブル向けに音声対音声(S2S)翻訳・ASR・TTSを提供。シードラウンド追加クローズで1,000万ドルを調達。Kindred VenturesがリードしSalesforce Ventures、Sony Innovation Fundが参画。(PR Times)
- Qureka — 書籍データに基づきAIがユーザーの質問に即答する書籍知識Q&Aサービス「Bookleverage」を提供。法人向けナレッジ活用ソリューションとしても展開。シードで1億円を調達。ON&BOARDがリードし、クレストスキルパートナーズ、mintが参画。(PR Times)
- Andes — 日本・韓国発のブラジル越境EC「J-Planet」を起点に、LATAM向けAgentic Commerceプラットフォームを構築。AIエージェントによる越境ECの自動化・最適化を推進。シード累計2.4億円を調達(セカンドクローズ)。デライト・ベンチャーズがリード、複数エンジェル投資家が参画。(PR Times)
- アカンパニーテクノロジーズ — 官公庁・自治体向けの受託開発および公共調達領域に特化したAIソリューションを提供。入札・調達プロセス効率化AIエージェントの開発も推進。50超の自治体・行政機関、累計200件超の受託実績を持つ。J-KISS型新株予約権発行により8,000万円を調達。引受先はXTech Ventures。(PR Times)



