「今週のSaaS×AIニュース」ピックアップ!
*SaaS×AI Weeklyは、ALL STAR SAAS FUNDが毎週ピックアップした記事を日本語で要約し、一部メンバーからのコメントを入れてお届けしています。

上場SaaSは「全体4.8倍」、「トップ5は33倍」:成長率で評価が分かれる構図
「Clouded Judgement 10.23.26 - AI Goes Vulnerability Hunting」 by Jamin Ball on Clouded Judgement
Altimeter CapitalのJamin Ball氏が配信する週次ニュースレターのうち、上場SaaS企業のバリュエーション・マルチプル動向のパートです。米国上場SaaSの評価水準と、成長率による評価の差。この2つは、日本のAI・SaaS起業家が資金調達の評価額やIPO後の時価総額を考えるときの基準になります。
売上マルチプルの全体中央値は4.8倍、トップ5は33.1倍と大きな差がある
上場SaaS全体のEV/NTM売上マルチプルの中央値は4.8倍、上位5社の中央値は33.1倍です。<yellow-highlight-half-bold>市場は上場SaaSを一律に評価しておらず、一部の勝ち組にプレミアムが集中しています。<yellow-highlight-half-bold>ただし、原典の全体中央値(4.8倍)は、後述の成長率別の各中央値をすべて下回っています。集計対象の違いや記載ミスの可能性があるため、引用する際は原典のチャートをご確認ください。
成長率別では高成長21.0倍、中成長13.8倍、低成長7.1倍
NTM成長率が22%超の高成長企業の中央値は21.0倍、15〜22%の中成長企業は13.8倍、15%未満の低成長企業は7.1倍です。高成長と低成長では約3倍の評価差があります。
「高成長」の基準は22%に調整されている
Ball氏は高成長の基準を調整しています。22%という線は恣意的だと認めたうえで、統計的に意味のあるサンプル数にするため、高成長グループに約10社が入る線を選んだと説明しています。つまり、22%超の成長を見込める企業は、Ball氏の対象企業のなかで約10社にとどまります。年率20%台の成長でも、この分類では「高成長」に入ります。
長期金利は5.0%と高い水準
米10年債利回りは5.0%です。金利が高いと将来の利益の現在価値が下がるため、成長株のマルチプルには下押し圧力がかかります。全体中央値が一桁台にとどまっている背景の一つとして、押さえておきたい指標です。
評価の物差しは「EV÷今後12ヶ月の予想売上」
SaaS企業の多くは黒字化やまとまったFCFの創出に至っていないため、業界全体を横並びで比較できる指標として売上マルチプルが使われています。EVは時価総額に負債を足し、現金を引いて算出されます。あわせて、マルチプルを予想成長率で割った「成長調整後マルチプル」も示されており、たとえば20倍で100%成長の企業は0.2倍になります。同じ倍率でも、成長率と並べれば割安か割高かが見えてきます。
上場SaaSの中央値は成長13%、NRR110%、CAC回収31ヶ月
オペレーティング指標の中央値は、NTM成長率13%(LTMは16%)、FCFマージン21%、粗利率76%、営業利益率4%、NRR110%、CAC回収期間31ヶ月、売上に占めるセールス・マーケティング費34%です。過去実績より将来見通しの成長率のほうが低く、上場SaaSの成長は全体として減速する見込みです。
一方で、FCFマージンは2割を超えています。成長と収益性の両立が上場企業の標準になりつつあります。
AIはSaaS契約から相場取引へ。OpenRouterのトークン量は300倍超、単価は約8割安
「The Current State of AI Tokenomics | What CFOs Should Know」 by Peter Walker on OnlyCFO
OpenRouterのHead of InsightsであるPeter Walker氏が、同社プラットフォームを流れる膨大な利用データから「AIトークンの経済性はどう変わったか、CFOは何を知るべきか」を解説しています。AI機能による粗利圧迫が最大の論点になりつつある日本のAI・SaaSスタートアップにとって、モデル選定と調達の仕方そのものがユニットエコノミクスと投資家評価を左右する時代に入ったことを、具体的な数字で示してくれる内容です。
トークン利用は300倍超、単価は約8割下落という異例の市場
OpenRouterの週間処理量は2025年1月の約0.5兆トークンから、2026年9月下旬には164兆トークンまで拡大しました。同期間に100万トークンあたりの平均支払単価は0.77ドルから0.14ドルへ下がっています。<yellow-highlight-half-bold>利用量の急増とコストの急減が同時に起きるのは珍しく、筆者はAI支出がほとんどの企業で最大のコスト項目になる<yellow-highlight-half-bold>と見ています。
そのため、AIを通常のソフトウェアと同じように扱い、ベンダーを選び、場合によっては年間契約を結んで買うのは時代遅れだと筆者は指摘しています。単価は下がり続け、最適な供給者も数ヶ月ごとに入れ替わるため、コモディティとして扱うべきだと述べています。
モデルの供給が爆発し、オープンウェイトがトークンの約6割を占める
2024年以降OpenRouterに登場したモデルは862本で、2026年は10月を待たずに362本と、2025年通年を上回りました。週1兆トークン超を処理するモデルは直近半年で3本から27本に増えています。
オープンウェイトモデルはトークン量の約60%を担う一方、支出に占める割合は26%にとどまり、分類・抽出、コーディングの補助タスク、エージェントの各ステップといった日常業務が安価なモデルへ移っています。
「どこで作られたか」と「どこで動かすか」は別の判断
オープンウェイトのトークンの約3分の2は中国系ラボのモデルです。ただし、中国製モデルのトークンの44%は米国本社のプロバイダーが提供しており、モデルは価格と品質で選び、ホスティング先はプライバシー要件で選ぶという切り分けが可能です。
ほぼすべてのモデルが複数のプロバイダーから提供されるようになり、モデル×プロバイダーの組み合わせ(エンドポイント)は今年初めの約330から1,342に増えました。
エージェントが人間を上回り、キャッシュが最重要の価格要素になった
2026年2月6日にソフトウェアエージェントが人間を抜いて、最大のトークン消費源になりました。9月下旬には、エージェント由来が週約131兆、人間由来が約18兆トークンです。エージェントは毎ステップで同じ長いコンテクストを再送するため、プロンプトキャッシュの有無がコストを大きく左右します。
今四半期に登場したモデルはエージェント通信の88%をキャッシュしており(2025年春のモデルは55%)、キャッシュ率90%超のプロバイダーも1月の35社中2社から9月には54社中11社に増えました。
首位のラボは頻繁に入れ替わり、今後も変わり続ける
OpenRouterでトークン量首位のラボは8四半期で5回交代し、首位のシェアも約40%から21%に低下しました。2026年初めにはAnthropicとOpenAIの合計支出のうち約8割をAnthropicが占めていましたが、9月にはほぼ半々になっています。一方で、市場全体のパイは急拡大しており、小さなシェアでも経済的に意味のある規模になりうると筆者は補足しています。
使用量と支出は切り離せる。比較すべきは表示価格ではなく、待ち時間と再試行まで含めた「着地コスト」
OpenRouterで2025年9月に100ドル以上を使っていたAIネイティブ・スタートアップでは、トークンが18倍に増える一方で支出は5.1倍にとどまりました(大企業ではトークンが5.1倍に増え、支出は2.4倍でした)。背景には、安価なモデルの性能向上、キャッシュ最適化、フロンティアラボによる低価格モデルの投入があります。人気のオープンウェイト3モデルでは、支払額が表示価格換算より43〜89%安くなっていました。また、表示価格が最安のプロバイダーが、実際には最安でないケースも多く見られました。
着地コストとは、キャッシュ割引後の実効価格に、待ち時間のコストと再試行のコストを加えたものです。1ドルのリクエストの成功率が80%なら、成功1回あたりのコストは1.25ドルになります。
CFO(と経営陣)への示唆は「ガードレールを敷き、変化を前提に計画すること」
提言しているのは、トークン増が支出増に直結するとは限らないことと、同じオープンウェイトモデルでもプロバイダーごとに速度・品質・信頼性が大きく異なることです。そのうえで、リージョン内ルーティングや部門別の支出上限、障害時のフォールバックといったガードレールを整え、半年で前提が覆るほどの変化に備えて計画を柔軟に組み替えることを挙げています。

AIがぜい弱性を見つけても、技術的負債が修正を遅らせる
「AI Cyber Panic, Ken Griffin’s Bubble Warning, The Fall of France?」 by All-In on YouTube
Palo Alto NetworksのNikesh Arora氏が、ポッドキャスト「All-In」でAI時代のサイバーセキュリティを語りました。AIの性能が上がればセキュリティの問題も解決するという期待に対して、という期待に対して、より強力なモデルは新たなぜい弱性を見つけ続けています。さらに、企業に蓄積した技術的負債が修正を遅らせています。
先送りしたアップデートが、緊急時にはサイト停止に変わる
収録当日の朝にArora氏が話したというCIOは、PHPのぜい弱性への対応を迫られていました。最新バージョンで動くサイトには、修正パッチを適用できます。
一方で、古いバージョンのサイトには、そのままではパッチを当てられません。いったん停止してアップグレードし、パッチを入れてから再稼働させる必要がありました。古いバージョンが放置されていたのは、それまで重要だと見なされていなかったからです。
Arora氏は、技術的負債は先送りせずに早く返さなければならないと言われてきたのに、多くの企業が手を付けてこなかったと指摘しています。
コードを直す防御と、攻撃を入口で止める防御を持つ
ぜい弱性への対応として、Arora氏は2つの方法を挙げています。1つは、PHP側から提供された修正パッチを適用して、問題のあるコードを直す方法です。
もう1つは「仮想パッチ」です。たとえばPalo Alto Networksの製品やCloudflare、そのほかのファイアウォールといった境界防御に、パッチを置く方法です。攻撃者が何を狙っているかがわかっているので、そのぜい弱性を突こうとする通信を境界で止められると説明しています。
修正パッチの公開は、攻撃者へのヒントにもなる
今回のPHPの問題は、Arora氏によれば、計算資源を投じて粘り強く探索させたことで突破口が見つかったものです。その突破方法が公開されたり、リバースエンジニアリングされたりすると、あらゆる攻撃者が攻め方を知ることになります。攻撃者はパッチを見て、何を直そうとしているかを読み取り、そこから逆算します。パッチを当てていないシステムが残っていれば、そこから侵入できるからです。
今日のAIが見つけられない穴を、次のAIが見つける
ほとんどの大企業が、すでにAnthropicのMythosや同等のモデルを使って自社の防御を突破できるか試し、見つかった穴をふさごうとしていると、Arora氏は説明しています。ただし、次のモデルはさらに強力になり、インフラに入り込む新たな経路を見つけます。モデルが進化するたびに発見と修正を繰り返す、いたちごっこが続くと指摘しています。
侵入を前提に、どれだけ早く見つけて排除できるかを問う
ぜい弱性があまりに多い以上、侵入されることを前提に考えるべきだと、Arora氏は述べています。すべてにパッチを当てようとすれば、多額の費用がかかります。大事なのは、どのぜい弱性から侵入されたかよりも、入り込んだ攻撃者をどれだけ早く見つけ、排除できるかです。
そのためにArora氏が勧めているのが、あらゆるシグナルとデータを集約し、異常な振る舞いを探せる基盤です。この基盤は今日すでに構築できるもので、構築すれば、防御側が持つ豊富な計算資源を異常な振る舞いの検知に向けられると説明しています。
「コストを抑えて止めるな」という動機づけが、更新を遅らせる
CIOが動機づけられているのは、最新のインフラを維持することではなく、コストを抑え、システムを常に稼働させることだと、Arora氏は指摘しています。アップグレードのたびに障害や停止のリスクが生じ、利用者は不満を持ち、費用もかかります。それでいて、アップグレードを理由に予算が増えることはまずありません。
Chamath Palihapitiya氏も、誰もが次の新しいものに取り組みたがり、保守作業をやりたがる人はいないと語っています。<yellow-highlight-half-bold>更新の必要性を理解していても、実行すれば短期的な負担が生じるため、技術的負債が残り続ける構造<yellow-highlight-half-bold>です。
AIを安全に使う前に、社内の全エージェントを把握できているか
「AIを導入して、安全も確保してほしい」と言うのは簡単でも、実行は難しいとArora氏は語っています。たとえば、社内で動いているエージェントをすべて見つけるにはどうすればよいのか、という基本的な問いにもまだ答えがありません。Arora氏は、ライト兄弟が飛行機を発明したとき、TSA(米運輸保安庁)を作ろうと言う人はいなかったと例えています。
AIでは悪い事態が避けられない以上、いまセキュリティを作るべきときだと続けています。企業は熱心にAIを導入していますが、AI向けセキュリティの仕組みづくりは、まだはじまってもいないと指摘しています。

SalesforceによるBraze買収──株式市場は3.7倍、買い手は6.8倍と値付けした
「5 Interesting Learnings from Braze at $910 Million in Revenue: A $5.66B Sale to Salesforce, 26% Growth, and Operating Expenses Up Just 6%」 by Jason Lemkin on SaaStr
SalesforceによるBraze買収(約56.6億ドル)を通じて、「株式市場の投資家が3.7倍で評価した会社」を6.8倍で買った、という2026年のBtoB M&A市場の構造を解説しています。
HubSpotとKlaviyoがPSR約3.1倍で取引されるなか、Salesforceは、26%成長・FCF黒字で約2,770社のエンタープライズ顧客を持つBrazeを6.8倍で買収しました。株式投資家は、AIエージェントがシート数やキャンペーン業務を減らすリスクを、売り上げに表れる前から価格へ織り込んでいます。
一方、Salesforceは顧客ベースへのクロスセル(Data 360・Agentforce)を見込み、同じ会社に約2倍の価格をつけました。マーケティングテックの創業者にとって、EXITの選択肢の比べ方が変わります。同業の株価が3倍前後ならIPOでも3倍前後、顧客基盤を必要とする買い手は約2倍を払い得るからです。
好決算の週に株価25%下落、6週後に58%プレミアムで売却
9月8日にBrazeは好決算(売り上げ2億2,720万ドル・26%成長・EPS超過・通期ガイダンス引き上げ)を出しましたが、株価はその週に25.1%下落しました。
投資家が見たのは、成長の鈍化と、まだ業績に響く規模ではないAI収益でした。利益率とキャッシュフローの改善は、割り引いて受け止められました。その6週後にSalesforceが58%のプレミアムをつけて買収しました。<yellow-highlight-half-bold>「好決算」でも株価が下がる構造が続く限り、M&Aは株式市場より合理的なEXITになります。<yellow-highlight-half-bold>
OpExが6%増のなかで売り上げ26%成長──買収前の財務規律が買いやすさにつながった
売り上げが26%成長するなかで営業費用の増加を6%に抑え、FCFは四半期最高の2,170万ドルを記録しました。この20ポイントの差を生むには、意図的なヘッドカウント抑制と、人が担っていた仕事をAIが引き受けることが必要です。キャッシュを生む企業は買いやすく、Brazeはこの財務規律を買収前に整えたことで、56.6億ドル・全額現金の買収対象になりました。
AI付加率は約3分の1でも株価の追い風にならない──投資家が求めるのは「新規予算の創出」
大口顧客の約3分の1がBraze AIに料金を払っており、Q1から約9ポイント上昇しました。数四半期でここまで伸びたのですから、意味のある導入率といえます。しかし全体の成長率が変わらなかったため、株価の追い風にはなりませんでした。2026年の投資家は、AIが既存顧客に売れているかではなく、AIが「これまで存在しなかったバジェット」を生んでいるかを、成長率や案件規模の拡大で確認しようとしています。
AIをコアプロダクトに組み込むと、効果を証明しにくくなります。別SKUとして価格をつければ、付加率、案件規模の上昇幅、成長への貢献を報告できます。Brazeは付加率を示せたものの、成長への貢献はまだ示せず、株価もそれを反映しました。
そのほかの注目点
2021年のIPO価格65ドルに対し、今回の買収価格は47.50ドルで依然として下回っています。2021年に上場した多くのBtoB企業が、公開価格を下回ったまま買収される事例が続いています。「上場したこと=勝利」ではないという現実を示しています。また、創業者のBill Magnuson氏とJon Hyman氏は、2011年創業から15年間会社を率い続け、いまも売上ランレートが10億ドル近い会社を経営しています。

Anthropicの社内データが示す「採らない枠」と「増える仕事」
「How employment is changing at Anthropic」 by Nathan Wilmers, Regina Catipon, Maxim Massenkoff, Peter McCrory on Anthropic
Anthropicのエコノミクスチームが、人員・採用・エージェントの稼働ログ・面接スコアカードといった社内データを使い、AI活用が自社の雇用と働き方をどう変えたかを分析した記事です。
売上や出力が伸びるなかで、採用の比率が下がったのはジュニア技術職の枠であり、人の仕事はエージェントの出力を読み、監督する側へ移っています。採用基準も同時に変わっています。人員を一律に絞るのではなく、『どの枠が減り、何が新しい仕事になるのか』を見極める重要性が浮かび上がる内容です。
採用抑制が表れたのは、ジュニア技術職の枠
同社発表によると、技術部門に占めるジュニアの比率は、2025年初から21%→14%に下がりました。ジュニア技術職の採用比率は、27%→9%です。技術部門が全社員に占める割合も61%から56%に縮小しました。ただし技術職の採用は人数では増え続けており、営業・財務・採用部門の採用がそれを上回って伸びています。
2026年4月の社内調査では、MLマネージャーの約3分の1、ソフトウェアエンジニアリングのマネージャーの約5分の1が「AIを理由に採用を減らした」と回答しました。採用の抑制がデータにはっきり表れているのは、ジュニア技術職の枠です。
エージェント稼働は人間の6倍、律速は注意力
同社の集計では、自律稼働も含めたエージェントの稼働時間が人間を初めて上回ったのは2026年3月です。社員が個別に動かす対話型だけで見ても、8月には人間1時間に対しエージェント6時間となりました(人間の時間は人員×週40時間で算出)。エンジニア1人あたりのコミット数は6ヶ月前の約5倍です。
一方、対話型セッションの時間の約80%は人間の入力待ちで、非技術職では出力をすべて読むだけで週の半分以上かかる計算です。<yellow-highlight-half-bold>ボトルネックはエージェントの処理能力ではなく、人間の注意力<yellow-highlight-half-bold>にあります。著者らは留保として、エージェントを導入した社員がもともと出力を伸ばしていた可能性と、同社自身の急成長の影響を挙げています。
仕事の重心は、作ることから監督することへ
エージェント用ツールの構築やパイプライン監視といった「メタ仕事」は、対話型セッションの10%(2025年秋)から22%(2026年春)に増えました。エージェントへの常設指示は2025年7月の数百件から1年後に8,500件へ、非技術職によるコーディングエージェントのセッションは2025年8月の月2回から2026年5月に月90回へ拡大しています。
一方、人同士のやり取りは減っていません。会議時間は、中央値の社員で前年から約20%増えました。会社の成長や、会議の多い非技術職の増加も含む数字ですが、技術職の個人貢献者でも16%増えています。エージェントの設計・監督・調整が、新たな仕事として積み上がっています。
面接の評価軸は、自律性・判断力とAI活用へ
2024年以降に採用した数千人の面接スコアカードを分析すると、AIツールの活用実績に触れた評価の割合は、技術職では2024年の約5%から2026年に約3倍へ、非技術職では約7%から約4倍へと増えました。技術職では自律性と判断力への言及が最も増え、専門知識への言及は減っています。
非技術職では顧客・ミッションへの志向が増え、実行力への言及は減りました。評価軸は、専門知識や実行力よりも、自律性・判断力・顧客やミッションへの志向と、AIを使いこなした実績に寄っています。著者らは、早期警戒システムによる社内再配置や従業員の株式保有といった同社の取り組みでも、ジュニア採用の減速には直接対処できていないと認めています。
資金調達ニュース
[海外]
🏢 エンタープライズ
- Otter.ai
AI議事録・会議アシスタント。General CatalystのCustomer Value Fundから3億2,000万ドルを調達。投資家はGeneral Catalyst(TechCrunch) - Pigment
AI搭載のビジネスプランニング・業績管理プラットフォーム。シリーズEで2億5,000万ドルを調達。評価額は23億ドル。投資家はScaleup Europe Fund、World Innovation Lab、NVIDIAなど(Tech.eu) - doubleAI
稼働中のソフトウェアを自動最適化し計算コストを削減するAIモデル「Maxwell」。シリーズAで2億ドルを調達。評価額は10億ドル超。投資家はLightspeed、Bessemer Venture Partners、NVIDIAなど(SiliconANGLE) - Town
社員ごとにAIアシスタント「Townie」を提供するチーム向けAIワークアシスタント。シリーズBで1億800万ドルを調達。評価額は10億ドル。投資家はForerunner Ventures、Menlo Ventures、a16zなど(SiliconANGLE) - Blacksmith
AI生成コードの増加に対応するCI(ビルド・テスト)インフラ。シリーズCで6,600万ドルを調達。評価額は10億ドル。投資家はSequoia Capital、Premji Invest、Peak XV Partnersなど(Dealroom) - Daytona - AIエージェント向けサンドボックス型クラウドインフラ。シリーズBで6,000万ドルを調達。評価額は10億ドル。投資家はFirstMark、Qualcomm Ventures、Samsung Nextなど(Tech.eu)
- Different
少人数のBtoBマーケティングチームのデマンドジェネレーションを一気通貫で実行するAIシステム。シードで4,800万ドルを調達。投資家はGeneral Catalyst、Lightspeed Venture Partners、Together Fundなど(Pulse 2.0) - RapidCanvas
AIエージェント基盤と自社のフィールドAIエンジニアを組み合わせた企業向けマネージドAI実行サービス。シリーズBで2,900万ドルを調達。投資家はVertex Ventures SEA & India、Hitachi Ventures、Accelなど(TNW) - Qualitate
AIインタビュアーで専門家やBtoBバイヤーの一次調査を継続的に収集・構造化するインテリジェンス基盤。シリーズAで2,500万ドルを調達。投資家はInsight Partners、IA Ventures、Crew Capital(Business Wire) - AuxoAI
戦略家とエンジニアを大企業に常駐させ、本番AIシステムを構築するフォワードデプロイ型AI企業。シリーズAで2,070万ドルを調達。投資家はNTTVCなど(Tech Funding News)
🛰️ ハードウェア×AI
- Arda
製品CADデータから組立ラインを設計する製造業向けAIエージェント。シリーズAで1億6,000万ドルを調達。評価額は15億ドル。投資家はAltimeter、Accel、Khosla Venturesなど(TNW) - Eka Robotics
力覚センサー付きグリッパーとVision-Force-Actionモデルによるロボット操作基盤。シリーズAで1億5,000万ドルを調達。評価額は14億5,000万ドル。投資家はa16z、F-Prime、Obvious Venturesなど(TechCrunch) - Tractian
センサーとソフトウェアを統合した産業設備向けAI予知保全プラットフォーム。シリーズDで1億3,000万ドルを調達。評価額は14億ドル。投資家はSapphire Ventures、M&G Catalyst、N47など(Pulse 2.0) - Reliable Robotics
既存機体に後付けする自律飛行システム。シリーズDエクステンションで1億1,500万ドル(うち2,500万ドルは融資)を調達。評価額は10億ドル超。投資家はNimble Partners、Gideon Capital、RockCreekなど(Tech Funding News) - Dream Labs
人の動画から学習し、多様なロボットを制御するロボット基盤モデル「Dream-1」とそのAPI。シードで9,000万ドルを調達。投資家はB Capital、Kindred Ventures、A.Capitalなど(SiliconANGLE) - Formic
製造業向けRaaS(Robots-as-a-Service)型の自動化プラットフォーム。シリーズBと負債による資金調達で5,000万ドルを調達。投資家はMercato Partners、Light Ray Ventures、Lightscape Partnersなど(TNW) - Nirva
日常を自動でジャーナリングするジュエリー型AIウェアラブル。2,500万ドルを調達。投資家はLightspeed、South Park Commonsなど(SiliconANGLE) - Firefly
カメラ・無線などの既存設備と専用ハードを統合する物理安全向けフィジカルAIプラットフォーム。シリーズAで2,000万ドルを調達。投資家はDefinition Capital、BoxGroup、Susa Ventures(SiliconANGLE) - High Lander
ドローンフリート運用・低高度空域管理の自律航空ソフトウェア。シリーズAで1,600万ドルを調達。投資家はEDGE Group、STEP、Protegoなど(CTech)
🏗️ バーティカル
- ASI(Air Space Intelligence) - 航空管制・電力網など重要インフラを予測・最適化するAI。シリーズCで3億2,500万ドルを調達。評価額は30億ドル。投資家はSpark Capital、Citadel Securities関連会社、Meritech Capitalなど(SiliconANGLE)
- Kevel - 小売・コマース企業が自社メディアネットワークを構築するためのAPIファーストな広告配信インフラ。5,200万ドルを調達。投資家はFulcrum Equity Partners、dunnhumby Ventures、ORIX USAなど(ExchangeWire)
- Mach9 - 測量データから設計図面のドラフトを自動生成する土木エンジニア向けAI CAD。シリーズAで3,400万ドルを調達。投資家はFirst Round Capital、Bessemer Venture Partners、Prudenceなど(NewsBytes)
- Hive - ライブイベントの会場・主催者向けに、チケット購買データと連動するマーケティング基盤。シリーズBで2,700万ドルを調達。投資家はFrontier Growth(BetaKit)
🔒 サイバーセキュリティ
- Blackwall - ホスティング事業者経由で提供するボット・AIトラフィックの管理・防御基盤。シリーズCで1億ドルを調達。評価額は22億ドル。投資家はAVP、Dawn Capital、MMC Venturesなど(TechCrunch)
- Mave - AIエージェントで脅威の検知・調査・対応を自動化するエージェント型SecOpsプラットフォーム。シリーズAで2,800万ドルを調達。投資家はRed Dot Capital Partners(リード)、Lumir Growth Partners、Dell Technologies Capitalなど(PR Newswire)
- iVerify - 企業向けモバイルEDR。1,700万ドルを調達。投資家はSands Capital、Entropy Ventures、NAventuresなど(FinSMEs)
- Modelyo - 処理中のデータも暗号化する機密コンピューティング型データセキュリティ基盤。1,700万ドルを調達。投資家はOlivTree(リード)、Seth Merrin、David Phelpsなど(CTech)
フィンテック
- Cognitive Credit
社債・ローン発行体向けのクレジットデータ・分析基盤。戦略的グロース投資で4,000万ドルを調達。投資家はSummit Partners(リード)、ETFS Capital(Yahoo! Finance) - Slingshot Insurance
組込み型保険プラットフォーム。シードで2,700万ドルを調達。投資家はRally Ventures、Skyward Group(共同リード)(Crunchbase News) - CapitalOS
BtoBプラットフォームがカード・ウォレット・請求書払いを組み込めるマネーオーケストレーション層。シリーズAで2,190万ドルを調達。投資家はLGVP(リード)、WEX Venture Capital、Group11など(The AI Journal) - Prism Data
銀行取引データを用いたキャッシュフロー与信スコアリング基盤。シリーズAで2,000万ドルを調達。投資家はStory Ventures(リード)、FINTOP、Core VCなど(FF News)
リーガルテック
- Legora
法務専門家向けのエージェント型OS「Legora aOS」。シリーズEで5億5,000万ドルを調達。評価額は88億ドル。投資家はAtreides Management(リード)、Baron Capital、Capital Groupなど(TechCrunch)
🏥 ヘルスケア
- Coherence Neuro
脳腫瘍の電気信号をAIで解読し、刺激による治療を目指す脳インプラント。シリーズAで4,500万ドルを調達。投資家はOpenAI Startup FundとFounders Fund(ともに共同リード)(WIRED、FinSMEs)
そのほか
- Tolan
日常管理や感情面をサポートするAIコンパニオンアプリ。3,000万ドルを調達。投資家はUnion Square Ventures、Khosla Ventures、Homebrew(TechCrunch)
[国内]
- ナレッジワーク
営業業務向けセールスAIエージェントの構築・運用支援、セールスAIプロダクト、エージェント基盤「セールスAIエージェントOS」を提供。シリーズCの2ndクローズでデットファイナンス48億円(融資枠含む)を調達し、1stクローズのエクイティ35億円と合わせシリーズC完了。融資元はみずほ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行など(PR TIMES) - カミナシ
工場・倉庫・店舗向けの現場DX SaaS「カミナシ」シリーズを展開し、写真・動画などの現場データをAI活用につなぐ「現場オペレーションHub」構想を推進。シリーズCで約22.1億円を調達。投資家はインキュベイトファンド(リード)、アルテミスベンチャーズ、NTTドコモ・ベンチャーズなど(PR TIMES) - ugo
警備・設備点検向けAIロボット「ugo」シリーズ、セミヒューマノイド「ugo Nova」、ロボット基盤モデル開発までを一気通貫で手がけるフィジカルAI企業。デットファイナンスで10億円を調達。借入先はみずほ銀行、横浜銀行、日本政策金融公庫(PR TIMES) - クロスセクター
ニコン初のスピンオフ。建設現場の鉄骨柱計測を自動化するセンシングサービス「Frame Finder」を提供し、1本あたりの測定時間を15分から15秒に短縮。シードからシリーズAまでの累計で出資・融資合わせ7.7億円を調達。投資家はアニマルスピリッツ(リード)、ニコン、Coral Capitalなど(PR TIMES) - CockPitホールディングス
リファラル採用支援、リファラル型人材紹介、セールスHR「セールスPit」を展開し、AIを活用したリファラル採用サービスや求職者データプロダクトを開発中。複数の金融機関からデットファイナンスで累計4億円を調達(PR TIMES) - DJ Insight
映像・音声から表情・声・視線・動作などの非言語情報を解析し、人の反応の変化を可視化する「TsutaeAI」を開発。日本政策金融公庫から2,000万円の融資。2026年5月にTHE SEEDからシードで3,000万円を調達済みで、累計調達額は5,000万円(PR TIMES)



