成長フェーズのスタートアップ企業にとって、限られたリソースで効率的かつ丁寧に採用活動を進めることは事業成長の要とも言える課題です。昨今は生成AIの進化によって、採用市場にもさまざまなHRのプロダクトが登場し、選考プロセスや候補者とのコミュニケーションが変わりつつあります。しかし、最先端のAIソリューションを導入するには高額な投資が必要なケースも多く、「どこから手をつければ良いのか」と悩む経営者や採用担当者も少なくありません。そこで今回は、200社以上のスタートアップ企業の採用支援に携わり、採用ナレッジの型化を進めてきたポテンシャライト代表の山根一城さんに、スタートアップ企業が“今日から実践できる”AI活用のポイントと具体的なプロンプト例を教わりました。ALL STAR SAAS FUNDのシニアタレントパートナー・楠田司が、採用市場におけるAI活用の現在地から、大きなコストをかけずに導入できる実践的な活用法まで、その知見を伺います。
採用市場におけるAI活用の現在地
楠田:AI活用は急速に進み、業務効率化はもちろん人材獲得の方法まで少しずつ変わってきています。一方で、このトレンドにどうついていくべきか、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。実は、私もその一人です(笑)。
山根さんは、ベンチャー企業に特化したHR支援をなさっていますが、早い時期からAI活用に注目し、採用活動に取り入れてこられましたよね。
山根:そうですね。採用ブランディング、マーケティング、そしてそれらの実務を中心に、これまで約400社を支援してきました。そのうち約半数がシード期からシリーズAの企業ですが、シリーズBやCのフェーズのスタートアップ、そして上場企業や中小企業も顧客にいます。AIについても当初から「無視できない」という認識はありましたが、徐々にその可能性を強く感じるようになりました。
楠田:山根さんの目から見て、AIが採用市場に与えている影響や現状についてどのように感じていますか?
山根:率直に言うと、AIを大々的に活用している企業はまだ少ないです。IT企業での法務・労務系の求人票作成など、専門知識が必要な場面でChatGPTに素案を作ってもらうといった基本的な活用は、三人に一人程度が実践しているというイメージです。まだまだAIの可能性や活用方法について認知が広がっていない段階だと感じています。
人事業務のわかりやすい課題については、HRMOS、カオナビ、HRBrainといったSaaS企業がすでにソリューションを提供しているので、現状では求人表の作成やスカウト活動に関するAIプロダクトが進んでいる傾向があります。たとえば、求職者のキャリアシートをAIに読み込ませ、カスタマイズした文章を作る。そういった人事職の経験年数を問わず、常に直面する課題への打ち手です。
一方でノウハウが必要な内容や、トレンドによって変化する領域もあって、これらは固定的なプロダクトでは対応しきれない部分をAIが補完しているのです。
AIによる採用活動の発展は3段階あると考えています。フェーズ1は基本的なAI活用、フェーズ2はより専門的に、フェーズ3は人間では成し得ない思考速度やノウハウ転換の実現。現在はフェーズ1からフェーズ2への過渡期にあると見ています。
AI活用がもたらす2つの変化「効率化と意思決定の高度化」
楠田:私も2つの観点で大きな変化を感じています。1つ目は業務効率の向上。求人票の作成やスカウト文などの作成において、以前はAIが作る文章はどうしても無機質で「ロボットっぽい」ものでした。しかし今では、人間が書いたものとAIが作成したものの区別がつかないこともあるほど質が向上しているように感じています。
2つ目は意思決定の高度化。私自身、転職エージェントとして8年ほど経験がありますが、人材評価では感情が入りバイアスがかかりがちです。AIがフラットに「見極め」をサポートしてくれることで、より的確な判断ができるようになってきていると感じます。山根さんはこの点についてどうお考えですか?
山根:まさにその通りです。知人のコーチング専門家や組織コンサルタントと話すと、AIの活用について議論が起きているようです。コーチングでは、個人の主観を取り除いて客観的なアドバイスをすることが重要ですが、人間はどうしても自分の考え方や価値観を投影してしまいます。AIはそういった偏りがない点で優れたサポーターと言えるでしょう。
面接での評価も同様で、特定企業の出身者に対して先入観を持ってしまったりする傾向がありますよね。こうしたバイアスの除去は人間にとってときに難しいものです。
AIは私たちの文脈や背景も理解したうえでジャッジを提供してくれますし、あえてそれらを排除したジャッジも可能です。その点でもAIは非常に有用だと感じています。
スカウトメールも「小説風」や「映画のエピローグ風」に
楠田:採用活動の現場では具体的にどのような変化が起きていますか?
山根:ミクロの例で言うと、採用広報の領域で興味深い変化が起きています。2016年ごろからメドレーやマネーフォワードが採用コンテンツを多数リリースし、「5,000人の大手企業から五人のスタートアップに入社した理由」のような記事が注目されましたよね。
しかし、2020年ごろからそういったコンテンツが乱立し「採用広報疲れ」のような現象も見られました。
そこで私たちはAIを活用して、入社ヒストリーなどの採用コンテンツを小説風やドキュメンタリー風に変換するプロンプトを開発しました。これにより、読み手の興味を引くような新しい表現方法が可能になっています。
たとえば、スカウトメールも「小説風」や「映画のエピローグ風」にアレンジすることで、従来とはまったく異なるアプローチが実現できます。中途採用者へのインタビューコンテンツなら、王道の「入社理由を教えていただけますか?」といった入り口ではなく……
夜の窓を、冷たい雨が打ちつけていた。面接で通された部屋に、楠田は所在なく立っていた。そこへドアをノックし、面接官が入ってくる。彼は椅子に腰掛けるなり、楠田が思ってもみない一言を発した──。
こんなふうな書き出しからはじまるスカウトメールがあっても良い。実際、受け取った側の印象にも残りやすいのです。
楠田:面白いですね。AIを活用することで、その人の魅力や良さを想像を超えた角度から伝えられる可能性が広がるということですね。
山根:その通りです。これまで「黒の色鉛筆」だけで表現していたものが、赤や青、黄色などさまざまな色を使って表現できるようになったイメージです。小説風、ドキュメンタリー風、ポエム調など、テキストだけでも多彩な表現が可能になり、さらには「楠田司になったつもりで」といった2次体験のような記事も作れます。
これまでは10種類の表現方法を習得するには10倍の学習が必要だったとしたら、AIを活用すれば1.2倍程度の努力でも効果が得られるようになりました。だからこそ活用のしがいがある、とも思うのですが、なぜかまだまだ腰が重い人が多いようです。
プロンプト公開の反応から見えてきた活用の課題
楠田: 山根さんは昨年、プロンプトを一部公開し、支援先企業にも提供されていたと思いますが、そのときの反応はいかがでしたか?
山根: 率直に言うと、好反応だった企業とサイレントな企業がありました。好意的な反応をくれたのは主にIT企業ですね。彼らからは2種類のフィードバックをいただきました。
1つ目は「今まで負担が大きかった業務をAIがやってくれるので非常に助かった」という業務効率化に関する評価。2つ目は「プロンプトを通じて、山根さんがどのように物事を考えているかがわかった」という点です。
たとえば、私たちが提供しているプロンプトの一つに、企業の魅力をより深く掘り下げるものがあります。「製造領域に特化したSaaS企業」という事実をプロンプトに入れると、AIは「製造業は日本の産業において最大の領域であり、特化することの意義」や「従来型オンプレミスのソフトウェアとSaaSを比較した際の革新性」などを自動的に展開してくれます。このように、最先端のノウハウをAIを通じて学べるという点で高評価をいただきました。
一方で、プロンプトを提供してもサイレントだった企業が複数あったのは、私にとって意外な発見でした。これを分析してみると、仕事には「エッセンシャルな業務」と「質を高めるための付加的な業務」があります。候補者へのメール連絡は必須ですが、スカウトメールの文章改善はやらなくても業務は成立します。実際、1年間文面を変えないこともある。
HR担当者が時間をかければできる業務ですが、多くの場合、その時間を捻出できないのです。AIプロンプトで業務の質を上げる可能性を提供しても、そもそも新しい取り組みに時間を割けない企業では活用されないという現実がありました。この気づきはAIプロンプト活用を考えるうえでとても重要だと感じています。
AIは食わず嫌いせずに。忍耐のコミュニケーションを!
楠田:今のお話を聞いても感じますが、素晴らしい可能性を前に、多くの人がAIを積極的に活用していないのはなぜだと考えますか?
山根:一番の理由は「食わず嫌い」だと思います。指示の出し方がわからず戸惑ってしまう。AIに対してどう指示すれば望む出力が得られるのか、数回試してみて理想的な結果が得られないと心が折れてしまうケースが多いのです。
これは人間関係に似ています。私はマネジメントは「忍耐」だとチームメンバーに伝えていますが、AIとのコミュニケーションも同様です。一度の指示で完璧な結果を得られることは少なく、対話を重ねながら理解を深めていく必要があります。
ここで具体的なTIPSを一つ。スマートフォンの音声認識を使うことをお勧めします。私はChatGPTをブラウザで使用し、スマートフォンのアプリと同期させています。文字を打つのが面倒ならば、スマートフォンで音声認識を使って指示を出し、それをPCに同期させて作業するという方法が非常に効率的なんです。
楠田:私も「忍耐」の話に共感します。ChatGPTをうまく使えたときは、なんと言いますか……「入社したての後輩」のように感じることがあります(笑)。もっと噛み砕いて伝えて理解してもらうために努力する、そしてまた返答が来て、さらに咀嚼して伝え直す……このような対話のラリーが重要なんですね。
山根:さらにChatGPTに関する重要なTIPSを共有しますと、ChatGPTは利用者の情報を蓄積していきますが、現段階ではそのメモリには上限があるようです。ある程度使用すると、過去の対話履歴が100%に達し、それ以降の情報を記憶できなくなるのです。
ここで重要なのは、ChatGPTのナビゲーションバーにある「セクション」機能です。セクション内の会話内容はGPTが記憶し続けるので、特定のテーマごとにセクションを分けて使うと非常に便利です。たとえば、経理関連はこのセクション、組織開発はあのセクションというように使い分けると、毎回の前提情報を説明する手間が省けます。
企業ごとに最適なプロンプトを見極めるための「4つの変数」
楠田:採用ファネル全体で、特にAI活用の効果が高いポイントはどこにありますか?
山根:2つの角度から考えるべきでしょう。1つ目は「イメージしやすいところから」というアプローチです。求人票の自動生成やスカウトメールのカスタマイズなど、誰でもイメージがつきやすい領域から着手することで、成功体験を積みやすくなります。
2つ目は「ファネルのなかで何を改善するか」という視点です。特に面接周りは、従来のSaaSシステムでは十分に対応できなかった領域です。面接は人間が行うべきだという固定観念がありますが、AIが面接内容を分析し、人間のバイアスを排除した評価を提供するような活用方法は有効です。要は、ハイブリッドな活用に光があるのではないかと。
私たちがAIプロンプトを作成する際に重視しているのは、「月間でその業務をどれくらいの頻度で実施するか」と「1業務あたりのインパクトの大きさ」です。月に5件しか面接がない企業よりも、月間500通のスカウトメールを送る企業のほうがAI活用による効果を実感しやすいでしょう。
楠田:頻度という観点では費用対効果、インパクトという点ではレバレッジ効果を考慮するということですね。
山根:私たちが最初に100個ほどのプロンプトを作った際も、頻度とインパクトを数値化して掛け算し、高い順から取り組みました。結果的に、スカウトメールのカスタマイズが最もレバレッジの効くAI活用法だという結論に至りました。
ただし重要なのは、企業ごとに最適なプロンプトは異なるという点です。私たちの分析では少なくとも4つの変数があります。
- 採用人数:年間の採用者数が10人なのか、100人なのかで焦点が変わる
- 募集職種:難易度の高い職種か、未経験者採用か
- 人事担当者の経験年数:経験が浅いほど基本的な内容からはじめる必要がある
- 企業独自の課題感:社長自身の訴求力など企業ごとの特性
これらの変数を掛け合わせてみると、理論上は3,000通り以上のパターンが存在することになりました。つまり、AIプロンプトは数も質も多様であることが重要です。
楠田:各企業が3,000通りのプロンプトを作るのは現実的でないにしても、今の4つのポイントを意識して何から着手するかを整理することは有効ですね。採用ポジション、採用数、人事担当者のスキルレベル、そして自社の課題感。この整理法はとてもわかりやすいです。
山根:業界におけるエッセンショナルな課題は必ずあるものですが、それらはすでに先人たちが解決を試みているものです。AIのプロンプトが解決する課題は、そこからこぼれた、まだ残っているものなのですよね。
では、なぜその問題が残るのかと言えば、これは課題難易度が高いからではなく、変数が流動的に変わるせいなんだと気づきました。そして、会社も生き物なので、進化していく過程で「刺さるプロンプト」も変わります。
楠田:今後、自社の独自プロンプトが存在することは大きな価値があるのではないか、と聞いていて感じます。
山根:一つ注意点としては、「昨日作ったプロンプトが3ヶ月後も使えるか」は、実はそうとも言い切れない可能性もあることですかね。「プロンプトを継続的に改修する」というのが、人事のみならず一つのスキルとして、あらゆる職種で持たなければならない時代が来るのだろうと、私は予測しています。
プロンプト作成のコツは「業務設計と同じ発想で」
楠田:プロンプトを初めて作る人にとって、どのようなアプローチが有効でしょうか?最低限含めるべき要素はありますか?
山根:プロンプト作成は基本的に「業務設計」と同じ考え方です。たとえば、スカウトメールのカスタマイズプロンプトを作る場合、まず人間がスカウトメールを書く際のプロセスを整理します。
私の場合は、①年齢を見る、②所属会社を見る、③学歴や転職回数をチェック、④現職の経験・役職・具体的な職務内容や実績を見る、といった流れで候補者を評価します。こうした人間の思考プロセスをそのままプロンプトに記述するのです。
具体的には「提示された求職者のデータを読み込み、下記の手順でその求職者のデータを読み取ってください:①年齢を見る…」と指示し、「読み取ったうえで、求職者に対してカスタマイズする文章を300字で出力してください。出力の際は以下のポイントに注意してください」といった形で詳細を伝えます。
これは人間に対する指示とまったく同じです。マネジメント経験やリーダー経験がある方は、部下への指示の出し方をそのままプロンプトに活かせるので有利だと思います。
楠田:つまり、レジュメをチェックする際に自分が無意識に行なっている判断プロセスを言語化し、それをAIに指示するということですね。
山根:その通りです。さらに効率化のTIPSとして、プロンプト自体もAIに作ってもらうことをお勧めします。先ほど説明したレジュメ確認のプロセスをスマートフォンの音声認識でテキスト化し、それをChatGPTに「このプロセスをプロンプトにして」と指示するだけで、効率的にプロンプトを作成できますよ。
自分で一からプロンプトを書くとなると10分以上かかりますが、音声認識とAIを組み合わせれば、数分で完成させられるはずです。
今日から使える「スカウトメールカスタマイズ」プロンプト例
楠田:実際のプロンプト例を見せていただけますか?特にスカウトメールのカスタマイズは多くの人が活用できそうですね。
山根:こちらが実際に活用しているスカウトメールカスタマイズのプロンプトです。

山根:プロンプトの構成要素としては、まず「前提条件」があり、プロンプトのタイトルや依頼者・制作者の条件を設定します。次に「実行指示」として、求職者のキャリア情報をどのような優先順位で抽出し、どのようなルールで出力するかを指定します。
プロンプト例では「全業界全職種の知見を持っていると同時に、特にIT/Web業界に絶対的に強みを持っているとして出力して」と指示をしています。
山根:さらに「参考フォーマット」として出力例を示し、「必須表現」や「記載のルール」としてスカウトメールに適した言い回しや社名表記の規則などを細かく指定しています。

山根:参考フォーマットも重要です。つまり、AIには「キャリアの各情報を抽出する優先順位をもとに、記載のルールを守り、参考フォーマットを参考に出力しなさい」と指示しているわけです。あとは、それぞれの見方やルールもしっかり記述する。そうなれば、欲しいアウトプットから過度にはズレません。
楠田:ある程度のプロンプトの型を独自に作り、参照情報を精度高く入れておけば、パターン分けして効率的にカスタマイズ文を作成できると。
山根:そうです。さらに企業ごとの特性も反映できます。実績主義の企業なら「求職者の実績だけを褒めてほしい」、感情に訴える文化の企業なら「キャリアシートに記載された感情的なポイントを必ず抽出してほしい」といった要望にあわせてプロンプトを調整します。
楠田:このような設計をするようになった理由は何でしょうか。
山根:まず、このプロンプトでは、求職者の個人情報を省いたレジュメ情報を入力し、カスタマイズした文章の前半部分を3パターン作成してもらうよう設計しています。
大きいところでは、職種によって褒めるポイントが異なります。営業経験者であれば、営業のプロフェッショナリティを強調するパターン、営業と企画など職種の幅広さを強調するパターン、マネジメント経験を褒めるパターンなど、複数の切り口を用意しています。
エンジニアの場合は、プログラミング力を褒める、バックエンド・フロントエンドなど職域の幅広さを強調する、VPoEなど将来性を示唆するなど、職種ごとに異なるアプローチが必要です。そのため、職種や採用媒体ごとに計30種類ほどのカスタマイズプロンプトを用意しています。
日々の生活や仕事で「AIの成功体験」を積むことが大切
楠田:AI活用の未来展望について伺いたいと思います。採用市場はこれからどのように変化していくとお考えですか?
山根:時間軸によって大きく変わっていくと思います。現在感じているのは、AIに対する「敵対的な目線」です。多くの方が「AIより自分のほうが賢い」と思いたい気持ちがあり、AIの能力を認めるまでに時間がかかっています。
当社にも2〜4年かけてスカウト文のカスタマイズを磨いてきたスタッフがいますが、すでにAIのほうが上手いケースもあるのです。これを「合理的にはわかるが、情理的には認めたくない」という葛藤が、多くの人に生じている。この心理的障壁を乗り越えるには、あと2〜3年ほどかかるかもしれませんね。
SaaS導入時にも同様の心理が働きましたが、AIではその傾向がさらに強いように感じます。そしてこれもSaaSと同じく、AIを活用している企業とそうでない企業の間には、やがて雲泥の差が生まれるでしょう。
ポテンシャライトとしては、日本の法人企業が同じようなAIプロンプトを作るのではなく、私たちのような企業が開発したプロンプトを活用していただきたいと考えています。もちろん企業ごとのカスタマイズは必要ですが、基本的な枠組みは共有可能ですから。これからは「プロンプトを公開する企業」も増えていくと予想しています。
スタートアップ企業にとってのAI活用は、もう「選択肢」ではなく「必須」だと思います。人手不足のなかで効率化を図るだけでなく、HR領域のノウハウが少ない経営者でも、AIを活用することで専門的な採用活動を展開できるようになるからです。
楠田:AI活用を考えている方や自分のスキルアップを目指す方へ、最後にアドバイスをお願いします。
山根:何よりも「成功体験を積むこと」が大切です。私自身、日々の業務でChatGPTを活用していますが、たとえば、企業とのミーティング後に感じたことをスマートフォンの音声認識で入力し、それをAIで整理してNotionに転記するといった使い方をしています。従来のやり方と比べて業務時間は4分の1程度になりました。
また、日々の業務振り返りにもAIは非常に有効です。社会人3〜4年目になると日報などをつける習慣がなくなりがちですが、音声認識とChatGPTを組み合わせることで、振り返りの質を保ちながら効率化できます。
つまり、いきなり大きなことからはじめるのではなく、日常業務の一部にAIを取り入れることからはじめるのがお勧めです。小さな成功体験を積み重ねていくことで、自然とAI活用の幅が広がっていくでしょう。
楠田:そういった生活や仕事の一部にAIを溶け込ませていくことの重要性を感じました。山根さんの実践知を共有いただき、ありがとうございます!
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