AIエージェント・Copilotで激変するホワイトカラーの働き方
andreessen horowitz「Every White-Collar Role Will Have An AI Copilot. Then An AI Agent.」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
ヒトの業務を代替するAIエージェントや、業務を横で支援するAI Copilotを提供するスタートアップはアメリカで爆発的に増加しており、日本でも新興の生成AIスタートアップや既存のSaaSスタートアップで取り組みが徐々に増えつつあります。このAndreessen Horowitzの記事では、このAIエージェントやCopilotでホワイトカラーの働き方がいかに変化し、スタートアップにどのような機会があるのかを解説しています。
- a16zの予測
今後、すべてのホワイトカラーの人々にAI Copilotが導入され、一部の役割はAIエージェントによって完全に自動化される可能性がある
- 既存SaaS企業の優位性
既存の記録システム(System of Record)は、データアクセスとユーザーインターフェース統合のため、AI Copilotとエージェントの自然な配置場所となる
- スタートアップの競争戦略
スタートアップがこの領域で競争優位を構築するには、大きく3つ重要なポイントがある- データ収集段階の上流に参入する
- 既存システム外の煩雑なワークフローを改善する
- 分散したデータソースを統合して新しいマルチモーダルな記録システムを作成する
- 市場機会
この記事では、業務の50%以上をAIが実行できる上位50のを特定しているが、ロングテールの職種にも同様の可能性がある
ヘルスケアAIの現状
Bessemer Venture Partners「Roadmap: Healthcare AI」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
米国の著名なソフトウェア投資家であるBessemer Venture Partnersが、ヘルスケアAIの課題と機会について見解を示しています。以下が主なポイントです。
- ヘルスケアAIは転換点を迎えている
AI技術の進歩とヘルスケアにおける革新的ソリューションへの需要の高まりにより、業界に前例のない機会が生まれています。 - ヘルスケアはデータが豊富だが非効率
ヘルスケア業界は世界のデータの30%を生成していますが、そのデータの大部分は未使用のままです。EHR導入とクラウド採用によるヘルスケアデータのデジタル化により、このデータがAIアプリケーションにとってより利用しやすくなっています。 - マルチモーダルAIがヘルスケアを変革している
ヘルスケアAIは単一のデータタイプを超えて、臨床記録、医療画像、患者報告アウトカムなど多様なデータタイプを分析できるマルチモーダルアーキテクチャを活用するようになっています。 - モダリティ・ビジネスモデル・市場適合性がヘルスケアAIスタートアップにとって重要である
AIプロダクトの提供方法(モダリティ)と企業のビジネスモデルは、市場規模(TAM)と収益性に大きな影響を与える可能性があります。 - 垂直統合型ソリューションがより大きな価値を提供する
ワークフローの複数のポイントに対応する垂直統合型ビジネスモデルを採用するヘルスケアAI企業は、より大きな収益源にアクセスし、アドレッサブル市場を拡大することができます。 - ヘルスケアAIは固有の課題に直面している
これには、複雑な規制への対応、変化への抵抗の克服、データのプライバシーとセキュリティの懸念への対処が含まれます。 - 規制の変更がヘルスケアAIスタートアップにとって機会を生み出す可能性がある
規制は参入障壁となる可能性がありますが、DatavantやCollective Medicalのような企業で見られるように、新しいソリューションの必要性を促す可能性もあります。 - ヘルスケアAIにおけるプラットフォームの可能性
この記事は、成功するヘルスケアAI企業は、コアワークフローに統合され、価値あるデータを取得し、下流のプロセスに影響を与えるプラットフォームになる可能性が高いと示唆しています。 - ヘルスケアAIへの投資が増加
この記事の著者であるBessemer Venture Partnersは、AI企業への投資に10億ドルを投じており、ヘルスケアAIの未来に強い自信を示しています。 - バーティカル特化型インフラの必要性
この記事は、サイバーセキュリティ、データ管理、ベンチマーキング、モデルモニタリング、ガバナンスなどの分野で、ヘルスケアにおけるAIの安全かつ効果的な実装をサポートするための堅牢なインフラの必要性を強調しています。
ARR 12.6 億ドルの Samsara から学べる5つの教訓
Saastr「5 Interesting Learnings from Samsara at $1.26 Billion in ARR」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
マクロな経済環境に影響を受けず、EV/NTM multipleが×19.3をつけて高く評価されている1社がIoT SaaSのSamsaraになります。ARRは12.6億ドルに到達し、年度成長率は36%と上場後も高成長を維持できています。
- 成長の減速が見られない
- Samsara は 3四半期連続で37%成長を実現
- SMB、Midのお客様も確実にカスタマーサクセス
- 10K〜100Kドルの顧客は収益の39%を占め、10Kドル未満の顧客は 8%
- エンプラマーケットへ市場を拡大しているが、それでも収益のほぼ半分はmidマーケットから。
- マルチプロダクト戦略
- コア顧客の50%が2つ以上の製品を使用し、確実にARPAを向上させている
- 新規顧客の87%が当初のICP以外から流入している
- Samsaraは次世代の車両追跡・管理SaaSとしてスタート。現在もその領域で優位に立っており、そこからTAM を拡大が実現。現在、新規予約の 87% は、当初のエントリーマーケットである輸送以外からのもの。
- 力強い成長率と適度な効率性
- Samsara は株式市場の変化を捉え、効率性を大幅に向上させたが、極端にEfficiencyに振り切っているわけではない。現在、キャッシュフローはプラスで、non-GAAP 営業利益率は 6%。この数値自体は効率的だが、他のSaaSリーディング起業ほど効率的ではない。ただし、成長率は36%でこれは他を圧倒している。
- したがって、市場は効率性を求めているが、優れた成長 + 優れた効率性よりも、トップクラスの成長 + 適切な効率性を重視している。大まかに言えば、どちらも今日では重要だが、成長は2倍重要。そして、Samsara はそれを実証しており、ARRのほぼ20倍で取引されています。
エンタープライズ
- Observe - ビジネス・データの保存、管理、分析方法の改革を支援する、SaaS特化のオブザバビリティSaaS。シリーズBで$145Mを調達。投資家はEvolution Equity Partners、Madrona Venturesなど(SaaS News)
- Whatfix - 企業向けにアプリ内で使い方をガイドし、DXを促進するデジタル・アドプション・プラットフォーム。シリーズEで$125Mを調達。投資家はWarburg Pincus、Softbank Vision Fund 2など(TechCrunch)
- UJET - AIを活用したクラウド・コンタクトセンター・ソリューション。シリーズDで$76Mを調達。投資家はSapphire Ventures、Kleiner Perkinsなど(SaaS News)
- Gladly - 高度なAIを搭載した画期的な統合カスタマーサービス・プラットフォーム。$40Mを調達。投資家はAXA Venture Partners(PR Newswire)
- LiveFlow - インテリジェントな予測、業界ベンチマークなどの機能を兼ね備えた、財務・会計ワークフロー自動化SaaS。シリーズAで$13.5Mを調達。投資家はValar Ventures(PYMNTS)
- Jet HR - イタリア発の給与計算を自動化し、隣接する管理業務も高速処理するSaaS。シードで€12Mを調達。投資家はPicus Capital、Exor Venturesなど(Tech.eu)
- DeepOpinion - オーストリア発のエンタープライズ向け生成AI。シリーズAで€11Mを調達。投資家はRed River West、AIpha Intelligence Capitalなど(Tech.eu)
バーティカル
- Mews - ホテル業界特化のSaaSユニコーン。Vista Credit Partnersから$100Mを調達(Hotel Business)
- Crisp - 消費財(CPG)企業向けの小売/サプライチェーン・データSaaS。シリーズBで$72Mを調達。投資家はWellington Management、東芝など(SaaS News)
- Campfire Interactive - 製造業特化の販売予測、原価計算、価格設定、見積もりなどのモジュール型SaaSプラットフォーム。$37Mを調達。投資家はInvictus Growth Partners(FinSMEs)
- Prepared - 911センターの緊急通報を、AIを使って住所や緊急事態の説明など、重要な可能性のある項目を抽出することを支援するAI×SaaS。シリーズBで$27Mを調達。投資家はAndreessen Horowitz、First Round Capitalなど(TechCrunch)
- Wrapbook - 米ハリウッド発の映画・TVなど、エンターテイメント業界特化の給与計算と制作会計を支援するSaaS。シリーズで$20Mを調達。投資家はBessemer Venture Partners(Fintech Global)
フィンテック
- M2P Fintech - インド発の銀行特化APIインフラSaaS。シリーズDで$101.8Mを調達。投資家はHelios Investment Partners、Bank Muscatなど(ENTRACKR)
- InDebted - オーストラリア発の融資督促回収SaaS。シリーズCで$60Mを調達。評価額はA$350M。投資家はAirtree、Carthonaなど(Fintech Futures)
- K1x - 資本市場向けのデジタルK-1データ集計・レポーティングを支援するAI×SaaS。$20Mを調達。投資家はEdison Partners(Business Wire)
サイバーセキュリティ
- Torq - 企業のセキュリティチーム向けノーコード自動化SaaS。シリーズCで$70Mを調達。投資家はEvolution Equity Partners、Bessemer Venture Partnersなど(TechCrunch)
- Tamnoon - クラウドセキュリティの修復に特化した人間とAIのハイブリッドマネージドサービス。シリーズAで$12Mを調達。投資家はBright Pixel Capital、Blu Venturesなど(Fintech Global)
開発者支援
- Supabase - GoogleのFirebaseの代替サービスとしてスタートした、PostgresデータベースSaaS。シリーズCで$80Mを調達。投資家はPeak XV、Craft Venturesなど(TechCrunch)
M&A
- Salesforceが非構造データ管理SaaSのZoominを買収合意(TechCrunch)
その他
- 3D Cloud - 3Dプロダクトのビジュアライゼーションとアセット管理を支援するSaaS。グロースラウンドで$20Mを調達。投資家はArnie Bellini of Bellini Capital(FinSMEs)
- Arcade - 生成AIアプリのマーケットプレイス。$17Mを調達。投資家はLinkedIn創業者のリード・ホフマン氏、Offline Venturesなど(PR Newswire)
- Fathom - AI議事録SaaS。シリーズAで$17Mを調達。投資家はTelescope Partnersなど(TechCrunch)
- Convergence - 長期記憶に強みを持つAIエージェント。プレシードで$12Mを調達。投資家はBalderton Capital、Salesforce Venturesなど(TechCrunch)
- ダイニー - 「ダイニーPOSレジ」「ダイニーモバイルオーダー」を提供し、All in One Restaurant Cloud.の構築を目指すスタートアップ。シリーズBで総額74.6億円を調達。投資家はBessemer Venture Partners、Hillhouse Investment Management、Flight Deck Capital、Eclectic Management(PR Times)
- Mawari - 次世代の空間コンピューティングを先導するDePIN (Decentralized Physical Infrastructure Network)であるMawari Networkを提供。Anfield LTD、Borderless Capital、1kxが主導する戦略的資金調達ラウンドで1080万ドル(15.6億円)の資金調達を実施。その他投資家として、Accord Ventures、Animoca Brands Japan、Blockchange Ventures、Draper Dragon、iAngels、Mulana Ventures、Parami Investors、Samsung Next、Waldo Holdings、および著名なエンジェル投資家であるIvan Brightly、Joshua Frank、Pete Townsend、Sean Careyが参加(PR Times)
- タンプ - ギフト専門EC事業TANP(タンプ)を展開。デットも合わせて、総額約10億円の資金調達を実施。投資家はニッセイ・キャピタル、CYG Fund、JFR MIRAI CREATORS、CRGインベストメント、ANRIなど(PR Times)
- Haul - 採用イネーブルメントSaaS『RekMA(リクマ)』を提供。既存株主Archetype Ventures、ジェネシア・ベンチャーズより、総額5億円の資金調達を実施(PR Times)
- Flucle - 社会保険労務士向けのプロダクト「HRbase PRO」に搭載された労務相談AIなどを提供。プレシリーズAで約2.3億円を調達。投資家はジェネシア・ベンチャーズ、SMBCベンチャーキャピタル、三菱UFJキャピタル、サイボウズ、フューチャーベンチャーキャピタル、弁護士ドットコム、RICOH Innovation Fund、テラスカイベンチャーズ(PR Times)
- TwinSense - 超低消費電力で、人の脳に匹敵するAIの実現を目指すAIスタートアップ。シードで環境エネルギー投資家ら1億円を調達(PR Times)