2022年 SaaSプロダクトベンチマークレポート
Openview Venture Partners「2022 PRODUCT BENCHMARKS」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
米VC Openview Venture PartnersによるSaaSプロダクトのプロダクト指標のベンチマークレポート。SLG(セールス主導)型やPLG(プロダクト主導)型に関わらず、発見(Discover)→利用開始(Start)→活用(Activate)→有料化(Convert)→拡大(Scale)の各フェーズにおけるベンチマーク数値だけでなく、各フェーズのコンバージョンを改善するためのヒントがあります。SaaSスタートアップ経営者やPdM、マーケティングの方におすすめです。
スタートアップ経営者が完璧を捨てるべき理由
Erez Druk氏「Every Startup is a Little Bit Broken」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
優れたスタートアップが共通して持つマインドセットについての記事。優れたスタートアップほど、完璧だと人は思いがちですが、実際は逆です。優れたスタートアップほど、自らを不完全な存在として捉え、重要なものほど壊れている、常に直さなければいけないと考えています。これは悲観的な考えではなく、「スタートアップとはそういうものだ」と捉えることが、経営者の精神の安定、組織の健全なマインドセット、物事の優先順位付けにも良いと説いています。
パートナーセールス部門を立ち上げ、10ヶ月で100社と契約できた方法
basic「SaaSのパートナー開拓に困ったらみて欲しい話〜パートナーセールスを立ち上げたら10ヶ月で100社と契約できた方法〜」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
株式会社ベーシックのパートナーセールスを担当されている宗形 彩世さんによる記事。顧客へのつながりを持つパートナー(=代理店)のセグメンテーション、イネーブルメントさせる戦略づくり、パートナー開拓の打ち手がまとまっている記事になっています。セールスに関わっている方々におすすめです。
1億円を投資した、プロダクトリニューアルが失敗に終わった理由
山田 修氏「1億円を投資した、プロダクトリニューアルが失敗に終わった理由」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
Micoworks CEOの山田さん(@Osamu_Micoworks)による、非エンジニアの経営者が工数や進め方など根本的な部分を見落とし大失敗した学びが書かれた記事です。すでに数多くの経営者や開発に携わる方に読まれているこちらのnote。改めて読み返すと経営者として気をつけたいコミュニケーションや振る舞いに数多くの学びがあります。今回は特に紹介したい失敗を2つご紹介します。
1. 十分でないリスク勘案により、「できる」前提でのコミュニケーションを敢行
- 当時、リスクを提言しているメンバーは存在していたものの、その声に耳を傾けるのではなく、経営サイドで「どうすればリスクがある中でもリニューアルを実現できるのか?」とリニューアルを進める前提での会話が進みました。
- 以前、THE GUILDの代表でnote株式会社 CXOの深津さんに「私なら開発よりも、開発前の設計に多くの時間をかける」とコメントをいただきましたが、当時の私はこのことの真意を理解していませんでした。
- これは私自身が出来上がったプロダクトの状態しか見たことがなく、プロダクトを作ることの全貌を正しく認識していなかったからこそ起きていたように感じています。
2. プロダクト開発における進め方の理解不足
- 数年前の私自身が機能開発を進めていけないことに対して「何で開発チームってこんなに消極的なんだろう?」とモヤモヤしていたからでした。(中略)そんな思考で仕事を行い、大きな失敗も起こした後に、社内外問わず色々な方のお話を聞く中で「開発チームは開発に消極的なのではなく、必要な工程を飛ばさずに進めたいだけである」と感じるようになりました。
- 単に「言われたから開発します」ではなく、「必要な工程をきちんと踏んで、必要な機能を開発し、お客様に届けたい」という思考が強くなるのだと感じています。
- 逆に言えば、こうした背景を認識していなければ「開発に消極的だ」「思うように動いてくれない」といった感情を引き起こすのだと思います。
企業の脱炭素化を支援するSaaS Envision Digital、シリーズAで$210M(281億円)調達
Sequoia China, GIC back $210m round of SG greentech firm
2014年シンガポール創業のEnvision Digitalは、企業が再生可能エネルギーの生産を管理し、事業全体の二酸化炭素排出量を削減することを支援するAIoT×SaaSスタートアップ。現在までに、全世界で2億台以上のスマートデバイスと4億ギガワットのエネルギー資産を管理しています。本シリーズAはSequoia Chinaがリード。今回の調達資金は、同社が目標とするネット・ゼロ・カーボン目標を加速させるために、グローバル展開、研究開発、新たな戦略的パートナーシップの模索する目的で利用する計画です。
大手銀行向け顧客エンゲージメントSaaS Backbase、シリーズAで$128M(172億円)調達
2013年オランダ・アムステルダム創業のBackbaseは、伝統的な大手銀行向けに既存のデジタル資産からデータを取り込み、円滑な顧客オンボーディング、デジタルバンキングなど、顧客エンゲージメント向上に向けたSaaSを提供するスタートアップ。銀行業は、40年以上デジタル化をしてきた結果、多くのデータベースがパッチワーク状態のため、デジタル資産を有効活用できていません。Backbaseはこの課題に取り組み、150行以上の大手銀行で導入されています。直近の売上は€200M(約290億円)を超え、黒字化しています。本ラウンドはMotive Partnersがリード。バリュエーションは$2.6B(約3,500億円)。
EC向け3Dビジュアルイメージ作成SaaS Nfinite、シリーズBで$100M(134億円)調達
Nfinite bags $100M to give e-commerce 3D flare
フランス発のNfiniteは、ECサイト向けに既存の写真や動画を活用して、美しい3Dビジュアルイメージの作成を支援するSaaSスタートアップ。すでに世界トップ5の小売業者の内、3社に利用されており、昨年のARRは10倍に成長している。またNfiniteはWeb2とWeb3両方のアプリケーションに対応したビジュアルアセットも提供しており、メタバースが将来浸透した時にEC事業者のWeb3への対応も可能にします。本ラウンドはInsight Partnersがリード。
SMB向けユニバーサルAPI×SaaS Codat、シリーズCで$100M(134億円)調達
Codatは、SaaSやフィンテック企業がSMB顧客向けに統合したプロダクト提供を支援するSaaSスタートアップ。例えばネオバンクがキャッシュフロー予測機能を提供したり、決済事業者が取引データを会計SaaSと自動連係させたり、SMB向けのほぼ全てのフィンテック企業で利用されている。本シリーズCは、JP Morgan Growth Equity Partnersがリードの他、Shopify、Plaidなども出資。
急成長のデータガバナンスSaaSの注目株 Immuta、シリーズEで$100M(134億円)調達
Data governance startup Immuta lands $100M to pursue acquisitions
Immutaは、元米陸軍情報部隊出身者が2015年に創業した、企業のデータ保護、アクセスコントロールを支援するSaaSスタートアップ。S&P、メルセデスベンツ、米陸軍などが顧客です。本ラウンドはNightDragonがリードし、Snowflake Venturesなども出資。バリュエーションは$1B(1,340億円)。
エンタープライズ向けオンライン学習SaaS Go1、$100M(134億円)調達
Go1 nabs $100M at a $2B+ valuation to upgrade its curated enterprise learning platform
オーストラリア発のGo1は、エンタープライズの従業員向けにオンライン学習やトレーニングを提供するEdtech SaaS界の新星です。昨年は売上、顧客数共に2倍で成長し、5百万人がGo1を利用。今年4月にはフランス/スイスのB2B EdtechスタートアップCoopacademyを買収し、フランス語圏にも進出している。本ラウンドはAirTree VenturesとFive Sigmaがリード。
企業のSaaS利用による安全性を守るSaaS AppOmni、シリーズCで$70M(134億円)調達
AppOmni raises $70M to find and secure vulnerabilities in SaaS app stacks
企業のSaaS・クラウド移行により、企業活動を保護するための、より高度な技術の必要性が高まっています。AppOmniは、SaaSとの接続とセキュリティ確保だけでなく、異なるSaaSを連動して使用する際に生じる脆弱性の発見、強調、修正を支援するSaaSです。顧客にはアクセンチュアやDropboxの他に、Fortune100の大手金融・ヘルスケア企業がいます。本ラウンドはThoma Bravoがリード。
顧客獲得プラットフォーム「mycsess」を運営するYZ、プレシリーズAラウンドで約1億円を調達
小規模事業者向けシステム伴走型顧客獲得プラットフォーム「mycsess(ミクセス)」を運営する株式会社YZ(イズ)プレシリーズAの資金調達を実施
従業員20名以下の小規模事業者を主なターゲットとした営業支援・顧客獲得システムを提供。サービス開始後約9ヶ月で導入100社越え、1社最大2000万の売上向上を実現。サイバーエージェント・キャピタル、レオス・キャピタルパートナーズ、三菱UFJキャピタル、コムレイズ・インキュベートを引受先とした第三者割当増資を実施。今回の調達資金は、マーケティングやプロダクト開発の強化、人員増強に活用される。
ITインフラ領域でサービスを展開するスリーシェイク、シリーズBラウンドで総額7.48億円を調達
スリーシェイク、シリーズBで総額7.48億円の資金調達を実施
SRE特化型コンサルティング事業「Sreake(スリーク)」やデータ連携プラットフォーム「Reckoner(レコナー)」、フリーランスエンジニア特化型人材紹介サービス「Relance(リランス)」セキュリティサービス「Securify(セキュリファイ)」を提供。ジャフコ グループを引受先とする第三者割当増資を実施。今回の調達資金は、SRE及びセキュリティ領域でのブランディング強化、Securify 、ReckonerのPSFに向けた開発、カスタマーサクセス人員の確保、マーケティング、セールス部門の組織体制と施策の強化に活用される。
電子カルテ・レセコンSaaSを運営するHenry、シリーズBラウンドで7.3億円を調達
中小病院向けに、電子カルテやレセプトコンピュータ(レセコン)の機能を提供する SaaSを開発・提供。2021年3月よりクリニック向けの電子カルテを販売開始しており、現在、眼科や小児科、精神科での導入も進んでいる。グロービス・キャピタル・ パートナーズ、フェムトパートナーズが本ラウンドに参加。今回の調達金額は、中小病院向けの電子カルテ・レセコンシステムの機能開発、営業とサポート体制の強化促進、事業拡大に合わせた採用・組織体制の強化に充てられる。