成長と利益、どちらにフォーカスすべきか? by Y-Combinator
Y Combinator「Should You Focus on Growth or Profit?」の一部を日本語で紹介したものです。全内容はリンク先、または以下動画をご覧ください。
「成長か?利益か?」。マーケットの冷え込みと共に、この問いが早期に問われるようになりました。この問いについて、連続起業家でもあるY-CombinatorのパートナーであるDivya Bhatが解説する3:50の短い動画。要点は以下の2点の通りです。
- 常に成長させる(Always Show Growth):成長は、PMFを真に証明する唯一のものであり、中小企業ではなく、”スタートアップ”であることの証明でもあります。スタートアップは成長から創出した利益をイノベーションに再投資し、顧客をハッピーにし続ける存在です。
- 将来の利益創出を説得力のあるストーリーで語れ(Plausible Profitability):シードであっても、スケールした際の利益創出は予測を、もっともらしい数字で説明する必要がある。マージン比率を固定してはダメ。現実的なシナリオを語るべき。IPOに近づくにつれ重要性は増す。
- 成長は利益より重要(Growth Before Profit):成長が利益より重要。人が欲しがるプロダクトを作っていることは、成長でしか説明できない。利益創出のストーリーは常に磨き続ける。
SaaSのエンタープライズシフトを成功させる7つの重要ポイント
「」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
全てのSaaSスタートアップは、より大きな成長を目指す上でエンタープライズ企業への展開を考えます。特に現在のような景気後退の時には、こちらのSaaStrの記事にあるようにキャッシュフロー観点でも重要です。しかし一方で、企業側の視点で考えると、景気後退の時は、実績のない新しいSaaSに投資は嫌煙されます。従って、エンタープライズシフトには、今まで以上に十分な準備が必要になります。この記事では、これを成功させる7つのポイントを解説しています。
- イノベーションはカギ:SSO、SOC2、GDPR対応等。これはイノベーションではありません。エンタープライズのただの要件です。要件=機能と考えてはいけません。大切なことは、プロダクトがエンタープライズに大きな価値を産むという点です。
- ロードマップはエンプラのニーズに焦点を当てたストーリー:エンプラチームでは、「ロードマップを売る」ことが重要ですが、多くの場合、機能にフォーカスし過ぎています。ロードマップは「会社が将来どこに向かうか?」のストーリーを語るものでなければなりません。
- クロスマーケティング重視へ:SMB主体のSaaSの場合、新規リード獲得数が重視されますが、エンプラでは違います。クロスセル・アップセルがエンプラでの成功には必須。そのためには、プロダクトのマーケティングではなく、成果を重視する必要があります。また買い手と1対1の時間を持つハイタッチイベントを増やすことが大切です。
- バリューセリングの形式化:エンプラ向けでは、買い手がSaaSの価格を正当化するためにビジネスケースを作成・支援することが必須。ROIの算出作業は、買い手が利用できる形式まとめる必要があります。
- CSをマーケ/セールスと連動:エンプラ向けCSはカスタマイズ対応が求められます。またエンプラ向けCSは、マーケとセールスと連動させる必要が出てきます。
- 財務と営業Opsで扱う指標を刷新:エンプラではACV、ARPA、NRRなどの指標が重要になるため、CRM、ERP、BIツールでこれらを計算できるようにする必要があります。
- コスト増による財務悪化に準備:エンプラシフトは、高額なエンプラセールスの採用等、一時的にLTVやCACを悪化させます。これは予想できることなので、切り抜ける準備が肝要です。
向かってくる不況にSaaS CXOは何をするべきか?
Inc.「What the SaaS Collapse Means for Every Leader」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
ドットコムバブルの崩壊を経験したGainsight CEOのNick Mehta氏がSaaS CXOに向けてのアドバイス。以下7つのポイントが要点である。
- CFOは年度のバジェットから月次のフォーキャストに変更するべき:環境の変化がダイナミックで来月またガラッと変わる可能性がある。採用、報酬、プライシング、顧客リテンションがさまざまなシナリオできちんとフォーキャストするべき。
- CCO (Chief Customer Officer)はもっと効率の高い成長方法を検討するべき:CFOからいつ”採用フリーズ”の通達が来るか分からない。そのために効率よくお客様とエンゲージメントを高める方法を検討するべき。リテンションやエキスパンションの優先度を高めた部署間連携、アプリ内やテックタッチの取り組みを増やす、Peer 2 Peerでお客様同士のコミュニケーションの活性化などがスケーラブルなエンゲージメント方法。
- CROはアカウントマネージメントを強化するべき:既存のお客様のサクセスプランニングをセールスとCSで進める。お客様のObjective, ROI, ステークホルダーのマッピングなどでよりお客様のリテンションとエキスパンションを高める。
- CMOはカスタマーマーケティングに力を入れるべき:マーケチームはよりCSチームと連携して既存のお客様へのマーケティングを行うべき。キャンペーンを打つのではなく、お客様の状態やカスタマージャーニーに合わせて施策を打つべき。
- Chief Product OfficerはPLGをもっと意識するべき:PLGの概念や考え方はどんなプロダクトのマチュリティーでも活用できる。例えばGuided Demoを強化して獲得コストの削減したり、アプリ内のエンゲージメントを活用してオンボードコストの削減にも繋げられる。
- Chief People Officerは透明性を高めるべき:インフレや経済の不安定によって不安や混乱をしている従業員もいる。会社の状況や未来どのようなシナリオで乗り越えるのかなどを透明性高くコミュニケーションをするべき。
- CEOはより強くなれる準備をするべき:不況にも強い企業は経済が回復した時にはさらに勢いが止まらない会社になる。今存在している大手SaaS企業は2008~2010年のクライシスを乗り越えてる。不景気でも強い状態を作れば採用、M&A、マーケットシェアの拡大に先手を打つことができる。
Zapier創業者 兼 CTOが「早めに知っておけばよかった」と思う3つの教訓
FirstMark「“What I Wish I’d Known Earlier” Engineering Leadership Lessons with Zapier’s Co-Founder & CTO」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
タスク自動化iPaaSを提供するZapierの創業者 兼 CTOのBryan Helmig氏が学んだ3つの教訓。チームづくりに携わっている方々にお勧めの記事です。
- 幹部層を早めに採用しておくこと
- スタートアップの幹部として採用されるメンバーは、会社のミッションやビジョン、バリュー、体制などを理解することに時間がかかることから、早めの採用を行い理解に努めさせること
- 幹部採用のタイミングを引き伸ばすことで、トップダウンによるカルチャーやリーダーシップのミスアラインメントが課題になる
- 優れた人材を採用するために、将来幹部になってもらいたい人と接点を持ち、会社の事業について知ってもらう機会をつくることが、採用にも寄与する
- コーチを見つけること
- マネジメントに携わっている創業者やリーダー陣などが継続的に成長するためにも、コーチを早期に見つけること
- 仮に優れたコーチを見つけたとしても、1~2ヶ月かけてお互いの信頼関係を構築するトライアル期間が必要になるため、できるだけ早めに見つけること
- コア業務に専念すること
- 同じ仕事内容を持っているCTOは一人もいなかったというBryan氏の経験から、自分の得意領域(Bryan氏の場合は、コアのプロダクトづくりとストラテジー)に特化し、その他の業務は他に任せるような体制を組むこと(日々のテクニカルな領域はVPoEに任せる等)
- 一方でBryan氏は、創業者 兼 CTOとして、戦略やカルチャーを浸透させるために、リーダー陣やエンジニアの主要メンバーに1on1を実施した
人事制度が形骸化する瞬間
kaneda blog「人事制度が形骸化する瞬間」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
スタートアップにおける人事制度とは、事業進捗や組織拡大に伴い、不断に見直されるべきものです。どのような情勢でもパフォーマンスを出し続けられる「レジリエンスの高い組織」というテーマに着目し、金田さん(ALL STAR SAAS FUNDのメンター)のブログを紹介させていただきます。
人事制度は、等級制度、評価制度、報酬制度の3本柱で構成されますが、特に形骸化するのは「報酬」を決定するタイミング。それは多くの場合、等級判定と人事評価の「期間認識のずれ」に起因します。
世界で信頼されるサステナビリティ評価SaaS EcoVadis、$500M(約675億円)調達
フランス・パリ創業のEcoVadisは、エンタープライズ向けに企業活動の環境リスク診断など、サステナビリティ評価で世界で信頼されているSaaSスタートアップ。世界175ヵ国、9万5千社で導入されており、顧客にはJ&J、ネスレ、LVMHなどの世界のトップ企業が名を連ねる。マーケットでの評価でESGへの評価が高まる中で、企業経営者がサスティナビリティ視点で意思決定することを支援。過去12ヶ月で売上は+50%成長。今回のラウンドでは、BeyondNetZero(General AtlanticのClimatech特化ファンド)とPEファーム Astorgがリード。サステナビリティ系SaaSとしては過去最大のエクイティでの資金調達となった。
駐車場特化 決済Fintech×SaaS Metropolis、シリーズBで$167M(約225億円)調達
2017年米LA創業のMetropolisは、駐車場向けの決済インフラを構築するSaaSスタートアップ。駐車場の支払いインフラは、インターネットが普及する現在も、時代遅れになっている。Metropolisは、物理的な世界でも、オンラインで体験するようなシームレスで簡単な取引を可能にする「モビリティコマース」企業を目指している。600以上の駐車場、180万人以上のユーザーを抱えており、周辺の飲食店や小売店への送客支援も行っている。昨年11月にはUBERとの戦略的提携も行っている。本シリーズBでは、3L Capital とAssembly Venturesがリード。その他にDragoneerやSilver Lakeなど著名なグロースファンド/PEも参加。
急成長するスキル評価SaaS TestGorilla、シリーズAで$70M(約95億円)調達
2019年オランダ・アムステルダム創業のTestGorillaは、幅広い職種・業種に対して、履歴書より効果的なスキルスクリーニング評価を可能にするSaaSを提供するスタートアップ。設立2年でH&M、ソニー、ペプシコ、オラクルなどの大企業を含む5,300社の顧客を抱えている。顧客は、プログラミング言語や会計などのハードスキルから、コミュニケーションやカルチャーフィットなどのソフトスキルも網羅した220もの評価ライブラリから選択できる。本シリーズAは、欧州のトップVC2社 Balderton CapitalとAtomicoが共同でリード。
知識労働者向けマーケット・インテリジェンスSaaS AlphaSense、シリーズDで$225M(約304億円)調達
AlphaSenseは、大企業や投資会社などの知識労働者向けにマーケット分析や競合リサーチを支援するSaaSスタートアップ。2021年は顧客数が+110%増加し、3,500社に導入されている。すでにARR $100Mを超えている。Goldman Sachs Asset ManagementのグロースファンドとViking Global Investorsが共同リード。バリュエーションは$1.7B(約2,300億円)。
ECで欲しい商品の発見を支援するSaaS Zoovu、シリーズCで$169M(約228億円)調達
Zoovuは、B2BとB2CのECサイト向けにAIを活用した商品のディスカバリー体験を向上させるSaaSを提供するスタートアップ。企業も消費者も、ECの複雑なカタログと膨大なSKUの中から欲しい商品を選択することが困難になっている。同社はAIを活用し、パーソナライズされた商品の発見を可能する。3M、Microsoft、Whirlpoolなどの大手が顧客。FTV Capitalがリード。
企業のソフトウェア購入を支援するSaaS Vendr、シリーズBで$150M(約202億円)調達
2019年創業のVendrは、ソフトウェアの購入交渉による商取引、更新管理、契約管理を一括して提供するSaaSスタートアップ。$1B以上のソフトウェア支出を処理し、$200M以上の節約を実現しており、力強い成長を遂げている。Craft VenturesとSoftbank Vision Fund2が共同リード。その他にSozo Ventures、Tiger Global、Y Combinatorも参加。バリュエーションは$1B(約1,350億円)。
国際物流特化 Fintech×SaaS PayCargo、シリーズCで$130M(約176億円)調達
PayCargoは、5千以上のグローバル物流業者を検索・決済することができるFintech×SaaSを提供するスタートアップ。すでにKuehne+Nagel、DHL、日本郵船など4万社以上の顧客を抱えている。昨年の決済取扱高は$10Bを超え、今年$20Bに到達する見込み。Blackstone Growthが単独出資。
法人調査プロセスを自動化をサポートするシンプルフォーム、シリーズAで7億円を調達
金融機関が行う法人の調査業務を効率化・自動化できるサービスを提供。大手金融機関を中心に導入を実現。DNX Venturesがリード。加えて、インキュベイトファンドを引受先とする第三者割当増資にて調達。調達した資金は、採用活動に大きく投資予定。
ナレッジ経営クラウド「Qast」を運営するany、シリーズAで総額4.5億円を調達
個人のノウハウやナレッジを引き出し組織全体のパフォーマンスを最大化することを目的に、社内情報やナレッジを一元管理できるクラウドを提供。導入社数は2022年6月時点で5,000社を越えている。DIMENSION、Archetype Ventures、みずほキャピタル、ICMG Partners、新生企業投資を引受先とした第三者割当増資により調達。今回の調達資金は、人材採用とナレッジマネジメントを組織に浸透させる仕組み「Qastサイクル」の開発に充てられる。
採用DXツールを開発するHeaR、1億円を調達
採用コンサルティング事業、キャリア教育事業「シゴトレ」、スキルテストSaaS「ジョブテスト」など採用支援に特化したサービスを提供。「ジョブテスト」は、100種類以上のテストを組み合わせ、目に見えにくい候補者の「スキル」を可視化することが可能。ユナイテッド株式会社より調達。今回調達した資金は、マーケティング活動や採用活動の促進に活用。
人材リスキリングSaaSを提供するテックピット、プレシリーズAで7,500万円を調達
最新技術が学べるCtoCプログラミング学習プラットフォーム「Techpit(テックピット)」を提供。toC向けに加えて、toB向けに「Techpit for Enterprise」も提供。SIer企業などを中心とした大手企業にサービスの導入が開始されている。今回は、ユナイテッド株式会社、株式会社セゾン・ベンチャーズ、株式会社カオナビ、複数名のCTO経験者の個人投資家の新規投資家を引受先とした第三者割当増資を実施。調達した資金は、SaaSプロダクトの開発、マーケティング、人材採用に充てられる。