リーダーに不可欠な「自己認識力」を高める3つの視点
Harvard Business Review「What Self-Awareness Really is (and How to Cultivate It)」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
Harvard Business Reviewより。マネジメントしたての方や経営者の方に非常に参考になる記事です。自分を正しく知ることがメンバーとの関係構築やコミュニケーション力、業務成果を高めることにつながるが、そもそも自己認識能力とは何か?そのために何が必要なのかがわかりやすく解説されています。
自己認識力は2種類に分類できる
①「内面的な自己認識(internal self-awareness)」
自分の価値観、情熱、願望、環境への適合、反応(思考、感情、態度、強み、弱みなど)、他者への影響力について、自身がいかに明確にとらえているかを表す。
②「外面的な自己認識(external self-awareness)」
先に挙げた諸要素について、他者が自分をどのように見ているかに関する理解である。自分が他者にどう見られているかがわかっている人は、共感力と、他者の視点に立つ能力に長けている。リーダーの自己認識と、リーダーに対する部下の認識が近いほど両者の関係は良好で、部下はリーダーに満足を感じ、リーダーを有能視する傾向にある。
これらはどちらが揃えばもう片方の認識も高いと思われがちだが実はそうではない。
経験と権力が自己認識を妨げる
人は、自らの権力が大きくなるにつれて、傾聴することが難しくなる。自分は部下よりも多くを知っていると認識しているため、あるいは意見を求めると、その分、自分の持っている権力が減少することを恐れるからだ。
さらに、より上位の役職者は、率直な意見をくれるさらに上位役職者が少なく、他者(特にメンバー)からは自らのキャリアを損ねることを恐れ、建設的なフィードバックを伝えられることは難しい。
一方で有能なリーダーは果敢に周囲から厳しいフィードバックを求める。また1人からの反応で過剰に反応しないように複数人に反応を求める
内省は必ずしも自己認識能力を高めるとは限らない
驚くべきことの1つに、内省する人は自己認識度合いがより低く、仕事の満足度と幸福感も低めであった。これは、内省そのものが悪いのではなく誤った方法で内省をしていることが問題である。
それは「Why」を多用した内省である。研究によれば、人は自分の無意識下での思考や感情を探ろうとしても、意識的に認識できないものがほとんどであり、間違った答えを作り出すことがしばしばだが、それは往々にして間違っている。また、「なぜ」という内省は特に悪い状況にいる時ほど自己否定的な方向に進んでしまうことが多い。
自己認識力の高いリーダーが内省でよく多用していたのは「What」という言葉であった。「何」という問いは、客観性と未来志向を保ち、新たなインサイトに基づいて行動を起こす後押しをしてくれる。
チームが「不確実な環境」「バーンアウト」「完璧主義」を乗り越えるためのマネージャー向けガイドライン
First Round Review「A Manager's Guide to Helping Teams Face Down Uncertainty, Burnout and Perfectionism」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
米VCのFirst Roundによる記事。部下や会社が健全に回るためにマネージャーが力強くチームをマネジメントするための方法を紹介が紹介されています。
不確実な環境下でチームが稼働する方法
- 今起こっていることをきちんと認識すること
周囲で問題が起こっている中で、それらに対し目を背ける姿勢を見せてしまうと、部下はあなたがそのことを認識していないか、関心を持っていないとみなし、信頼を失うことにつながってしまう
- 不確実性を避けるための計画を立てること
我々は変化に対して抵抗を示すのではなく、何かを失うことに対して抵抗を示すのである。よって、何を失うことを恐れていているのか具体的に認識することと、どうやってその損失を避けられるか、計画を立てること
- チームの”儀式”に投資すること
研究によると、何かの習慣を作ることはストレスレベルの減少に寄与する。どのような”儀式”であれ、同じことを同じ時間に継続して行うことができるものに積極的に取り組むこと(例:毎日15分の休憩時間をカレンダーに入れる等)
完璧主義にチームが対抗する方法
あなたのマネージャーとしてのスタイルを認識すること
下記の質問を問いながら、自身がどれだけ完璧主義者か確認すること。
- 細かい部分に執着してしまい、大きな絵を描くことができない
- 権限移譲をすることが難しくて、全てのことをマイクロマネジメントしたくなる 等
期待値を適正なものに修正すること
自身がどれくらい完璧主義的な考え方を持っているのかセルフレビューを行い、且つ部下とやり取りする中で、下記の質問を投げかけながら、自身が完璧主義から脱却できているか確認すること
- 自分は結果だけではなく、努力も誉めることができているか?
- 失敗や、計画通りに行かなかった状況から学んだことを十分に共有できているか? 等
「失敗の履歴書」を共有すること
失敗したことの多くは表に出されることはなく、それよりも成功したことの方が透明性高く公開されることが多い。完璧主義な考え方や、人との比較によって自身を評価するカルチャーを打開するために、「失敗の履歴書」を作成し共有すること
80%の状態で共有させること
マネージャーの目線で考えると、80%の状態で成果物が共有される方がサポートしやすいこともある。タスクが完了する前に情報共有をさせること
バーンアウトからチームが逃れる方法
警告のサインを見つける
忙しすぎて、大事な活動(エクササイズや1人の時間など)の時間を削減していたり、土曜日に「日曜日の恐怖(=サザエさん症候群)」を意識するようになっていたりしないか、確認する
きちんと向き合う
1on1の機会を最大限活用し、部下の状態をチェックする
明確なゴールを設定し、進展にスポットライトを当てる
バーンアウトで見過ごされるポイントの1つは、努力しているのに前進できていない感覚に陥ってしまうことであること。チームとしてどれくらい進展したか振り返る
チームのために時間を確保する
例えば、もし部下の1人が休みを取る場合、彼/彼女が完全に休めるように、できることを全て行うこと
スーパーの生鮮食品の食品廃棄を減らすAI×SaaS Afresh、シリーズBで$115M(約161億円)を調達
2017年創業のAfreshは、食品店経営者が生鮮食品の売上を追跡し、将来の顧客の需要予測を可能にすることで、サプライヤーからの調達を最適化するレコメンド・食品廃棄を最小限に抑えることを可能にするAI×SaaSプラットフォームを提供している。同社によると、Afreshを採用した店舗は平均25%以上も食品廃棄を削減され、生鮮食品の営業利益率は40%以上向上させる。現在、アメリカ40州の3,000店舗以上に展開されている。本シリーズBは、Spark Capitalがリード投資家。
Fintech・バーティカルSaaS向けFintech垂直立上げ支援 Solid、シリーズBで$63M(約88億円)を調達
Solidは、Fintech/SaaS企業がAPIと数行のコードだけで、決済、法人カード、仮想通貨プロダクトを追加できるFintech×SaaSを提供。同社によると、顧客企業はUI/UXだけではなく、DI/DX (Developer Interface/Experience)により、セルフサーブが可能な協力なダッシュボード機能を兼ね備えた開発者向けインターフェーズを求めているとのこと。この1年間で売上は10倍、顧客社数も100社に倍増。本年度はすでに$2B以上の総取引額を達成し、黒字化。本シリーズBは、FTV Capitalがリード投資家。バリュエーションは非公開だが、シリーズAの5倍。
銀行・Fitnech企業向け不正アクセス防止・コンプライアンス対応SaaS Alloy、シリーズC+で$52M(約73億円)を調達
2015年 米・NY発のAlloyは、銀行やFintech企業向けに新規顧客のID判断、取引監視、信用判断の自動化を可能にするAPIとSaaSを提供するスタートアップ。金融機関がより多くの「良い」顧客を獲得し、「悪い」顧客を排除するのに役立つID管理に対する需要の高まりにより、ARRは直近1年間で2倍に増加。顧客にはAlly Bankなどの銀行の他に、RampやBrexなど300社以上が顧客。本ラウンドは、Lightspeed Venture PartnersとAvenir Growthがリード投資家。既存投資家のBessemer Venture Partnersらの参加。バリュエーションは$1.55B(約2,000億円)。
アプリの顧客エンゲージメント向上SaaS OneSignal、シリーズCで$50M(約70億円)を調達
2015年創業のOneSignalは、モバイルアプリを提供する企業向けにSMS、メール、アプリ内通知・メッセージを自動配信・一元管理をサポートするSaaSスタートアップ。同社によるとモバイルアプリ業界は、テクノロジーと規制の大きな変化により、広告効果の低下とコスト増が課題になっている。OneSignalの競合は、昨年IPOしたBrazeやCleverTapなど。OneSignalは厳しい競争環境にもかかわらず、170万人以上の開発者やマーケターが利用し、6,000社以上の顧客で利用されている。粗利率は90%を超え、急成長を維持しながら黒字化を達成している。本シリーズCは、BAM Elevateがリード投資家。
オープンソース「Apache Pinot」活用型データ分析SaaS StarTree、シリーズBで$47M(約66億円)を調達
2018年 米・サンフランシスコ創業のStarTreeは、ソーシャルメディアのようにB2B・B2C向けの両方の機能を持つソフトウェア向けに、通常必要とされる多大なエンジニアリング・リソース無しでデータ分析を実装可能にするSaaSを提供するスタートアップ。「Pinot 」により、企業はイベントからリアルタイムでインサイトを得て、即座に行動することができる。ユースケースとしては、UberEatsやLinkedInへのリアルタイム・インサイトの獲得がある。SaaSユニコーン Implyなどが主な競合。本シリーズBは、GGV Capitalがリード。Sapphire VenturesやBain Capital Venturesも参加。
メーカー・B2B卸向けHWサブスク提供支援Fintech×SaaS Topi、シリーズAで$45M(約63億円)を調達
2021年 独・ベルリン創業のTopiは、ハードウェアのメーカーや卸売業者がレンタルやサブスクリプションサービスを簡単にスタートすることを可能にするSaaSスタートアップ。保険や物流など、サブスクリプションに必要なコンポーネントをAPI経由でオンラインチャネルに組み込めるようにしている。消費者向けではKlarnaやAffirmなどが前払い無しの決済サービスを提供しているが、TopiはB2B取引において同様のサービスを提供することを目指している。本シリーズAは、Index VenturesとCreandumリードで$15Mのエクイティ調達と$30Mをデット調達により実行。
企業のロングテール調達を自動化するAI×SaaS Fairmarkit、シリーズCで$35.6M(約50億円)を調達
2017年 米・ボストン創業のFairmarkitは、企業の調達支出における少量・多品種(Tail Spend)な調達活動を、AIを活用してベンダー選定を自動化(Autonomous Sourcing)を実現するSaaSを提供するスタートアップ。顧客は、BPや旧British Telecomなどの伝統的なエンタープライズ企業に加え、新興企業であるSnowflakeやServiceNow(本ラウンドの戦略投資家の1社)など100社に上る。過去12ヶ月の総取扱額は4倍に急成長している。本シリーズCでは、OMERS Growthがリード投資家の他、GGV Capital、Insight Partners、戦略投資家としてServiceNowも参加。
バーチャル空間を提供するoVice、シリーズBで総額45億円調達
バーチャル空間「oVice」を開発・提供し、バーチャルオフィスやオンラインイベント、オープンキャンパスなどの用途で活用されている。2020年8月にサービスリリース後、これまで2,200社を超える企業や団体が利用。今回コクヨと業務提携を行い、新たなハイブリッドワーク環境の構築を推進していく。今回の調達資金は、プロダクト強化や海外展開、採用の強化、マーケティング活動に充てられる。本ラウンドに参画した投資家は、下記の通り。
- (第三者割当増資)One Capital、Salesforce Ventures、ジャフコ、Eight Roads、Miraise、DGインキュベーション、海外投資家、SBIインベストメント
- (融資)みずほ銀行、商工組合中央金庫
AI建物管理クラウドシステムを提供するTHIRD、シリーズBで26億円調達
AI建物管理クラウドシステム「管理ロイド」を開発・提供。建物管理の計画、検針・点検・清掃・警備などの実務の効率化、履行管理、不具合報告、報告書自動作成機能など不動産管理業務に必要な機能を搭載。2019年に製品版をリリース後、これまで大手不動産管理会社を含む約1,500社以上が導入。今回の調達資金は、管理ロイドの開発強化、AI技術への投資、人員の拡充、新サービス「工事ロイド」の提供開始などに充てられる。本ラウンドに参画した投資家は、下記の通り。
- ジャフコ、DG Daiwa Ventures、DGインキュベーション、東急不動産ホールディングス、SBIインベストメント、Spiral Capital
美容系事業者ソリューションを提供するAquaAge、プレシードラウンドで1,200万円調達
非接触型AI肌診断アプリ「HADABON」を開発・提供。2022年6月にβ版をリリース。手軽に肌の状態がわかり、効率的な形で多面的に肌解析が可能。また、美容系企業専用の肌診断機能「HADABON Pro」は、2022年6月より200人規模の実証試験を実施中。既存の肌診断機と比較し、設備レンタル料金の削減を狙う。今回の調達資金は、美容系事業者向けアプリ「HADABONーPro」の機能拡充、AIソリューション事業への展開を見据えた人材採用に充てられる。本ラウンドに参画した投資家は、下記の通り。
- Lifetime Ventures、エバーコネクト