生成型AIは、次の「パブリッククラウド」になるか?
ScaleVP「Foundation Models Are the New Public Cloud」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
ここ数年、GPT-3、OpenAI、Jasper AIなど、生成型AI(Generative AI)の話をちらほら耳にするようになった方も多いのではないでしょうか?こちらの記事は、AWSやGCPのようなパブリッククラウドがSaaSを爆発的に増加させ、ソフトウェア業界を飛躍させたように、生成型AIモデルの普及がさらにソフトウェア市場を大きく飛躍させるという内容のScale Venture Partnersの記事。この生成型AIのトレンドに関する詳細な解説記事を、最近Sequoia Capitalも書いてます。SaaS/ソフトウェアに関わる経営者の方々は、ぜひ今後のソフトウェアのマーケットを考える上でも、ぜひ一読されることをオススメします。
米国SaaS企業のIPO時と創業時の平均年齢について
SaaStr「The Average SaaS CEO is 43 at IPO」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
SaaS の創業者にとって「年齢」は重要か?
素晴らしい SaaS スタートアップを始めるのに遅すぎることも、早すぎることもありません。Stripe の創設者は 10 代で億万長者になった一方で、SaaS の起業家の大半は何度かのチャレンジを経て成功しています。SaaS≒クラウドという巨大な市場は、年齢、背景、国籍を問わずより多くの企業を惹きつけており、継続的に事業を続けていることも勇気をもらえます。例えば、Frank Slootman は ServiceNow の CEO を務めた後にSnowflakeのCEOに就任しています。ちなみに、北米で直近IPOしたSaaS 企業のCEOのIPO時と創業時の平均年齢はそれぞれ43歳と32歳だそうです。
リーダーがチームに問うべき「5つの質問」
Matt Schnuck氏のツイートの一部を日本語で紹介したものです。全ツイートはリンク先をご覧ください。
シリコンバレーで活躍する伝説的コーチがこれまでスタートアップのリーダーに伝授してきた、チームに問うべき「5つの質問」を共有します。このTwitterのスレッドでは、AngelList創業者のNaval Ravikant氏やCoinbaseやBoltなどのCEOコーチを務めるMatt Mochary氏という名前が出てきますが、彼らが支援したトップスタートアップやVCなどのリーダーがチームのレベルアップを図る上で参考にしてきた問いを共有してくれています。マネージメントに従事している方々の参考になればと思います。
- 0/ 前提
下記の問いを通してメンバーから意見を聞いた後に、「さらに良くするためにどうするべきか?」とフォローアップの質問をすることが重要。多くの人は、体系的に問いを整理して共有し議論することによって、優れた改善案を共有してくれる。 - 1/ “職場での生活の調子はどうか?”
この問いが効果的な理由は、メンバーを単に従業員としてではなく1人の人間として向き合っている印象を与えるためである。この問いを通して、リーダーとしてどのようなサポートをするべきかを考える上で、重要なコンテキストにも触れることができる。 - 2/ “在宅勤務の調子はどうか?”
この質問を通して、メンバーの生産性の障壁になっているものがないか理解できる。メンバーの生産性が現状よりもアップデートされるように、費用がそれほどかからないアイテムがないか把握することができる。 - 3/ “我々は会社としてどれだけのパフォーマンスを上げられているか”
メンバーの期待値を通して会社の状態をチェックすることができる。メンバーが考える改善案を聞くことから、建設的な会話がスタートすることを忘れない。 - 4/ “他のチームと仕事をすることについて、どう感じるか?”
自分の所属しているチームで日々感じることについて、メンバーから意見を得る機会は多い。他のチームとの連携がもたらすダイナミクスは、時に良いことも悪いことも孕むが、そこに焦点を当てることに価値がある。 - 5/ “私と働くことついて、どう感じるか?”
多くのマネージャーは、メンバー目線でマネージャーにレポートするということがどういうことか、その時にどのように感じるか、理解している人は少ない。あなたと一緒に働くということがどういうことか、メンバーから直接フィードバックを受けること。
好きな仕事で成功する方法
Bill Gurley氏「Runnin' Down a Dream: How to Succeed and Thrive in a Career You Love - Bill Gurley 9/14/2018」の一部を日本語で紹介したものです。全内容はリンク先、または以下動画をご覧ください。
Twitter、Uber等に投資をしているBenchmark CapitalのBill Gurleyが、数々の起業家について勉強をして「好きな仕事で成功する方法」についてテキサス大学のMBA生にスピーチをした。その方法には5つの要素がある。
- パッションを探す
ここで重要なのは仕事と感じないパッションを探すこと。ステータスや報酬関係なしにやり続けたいと思う事を選ぶ。出なければバーンアウトしてしまう。成功したいと思う人はほとんどだが、練習や準備を楽しめるかが肝。 - クラフトを磨く
誰よりも自分のパッションについて知る覚悟が必要。歴史や先駆者を調べまくれ。自分が狙う領域で一番頭が良い人物になるのは難しいが、一番詳しくなるのは十分に可能。 - メンターと関係を構築する
自分のパッションで既に成功している人とできる限り会った方が良い。気になること、思っていること、全部その人に聞けるだけ聞いたほう良い。その人たちをメンターとして巻き込んむのがベスト。 - 同業者とのつながりを大切にする
同業者を敵として見るのではく、一緒に助け合う関係性にした方が良い。一緒に面白いアイディアを発展させ、真似されるのを恐れない方が良い。 - 常に謙虚であること
成果を出した時は自分以外の人に評価を与え、自分をさせてきた周りの人に感謝を伝えること。謙虚な人が長く信頼されて、周りからリスペクトを得られる。
企業の出張予約・経費管理SaaSユニコーン TripActions、シリーズGで$304M(約452億円)を調達
TripActionsは、企業向けに出張予約と経費処理を支援するSaaSユニコーン。パンデミックからの回復で、直近四半期のブッキング総額は500%以上増加したとのこと。SAP ConcurやAmerican Expressの出張予約サービス(Global Business Travel)と競合しており、アメリカと欧州での営業・マーケティングを拡大する。ロイターによると、来年2024年のIPOを既に申請済みとのこと。本シリーズGは、Andreessen HorowitzやCoatueの新ファンドなどから調達した。バリュエーションは$9.2B(約1兆3,700億円)。
中小企業向けオールインワンHR SaaS Factorial、シリーズCで$120M(約179億円)を調達
2016年スペイン・バルセロナ創業のFactorialは、中小企業がエンタープライズ企業同様に、人的資本経営をするためのHRソリューション(シフト管理、入退社管理、業績管理、給与計算、組織図、経費等)をオールインワンで提供するSaaSスタートアップ。欧州だけでなく、スペイン語・ポルトガル語圏の南米も含めて、約7,000社で利用されている。2019年以降、毎年2倍以上の成長を実現しており、成長速度は落ちる兆候は無い。本シリーズCは、欧州トップVC Atomicoがリードし、Tiger Global、GICなども参加している。バリュエーションは$1.0B(約1,500億円)。
グローバル金融支援Fintech×SaaS Airwallex、シリーズEエクステンションで$100M(約149億円)を調達
2015年 香港・オーストラリア創業のAirwallexは、クロスボーダー決済や金融インフラを提供する世界有数のFintech×SaaSユニコーン企業。Airwallexは現在、ビジネスバンキング(銀行口座、送金、支払いカード、経費管理、B2B支払いリンク)とプラットフォーム(APIを通じて顧客体験を向上させるEmbedded Finance)の2つに注力している。過去6年間で、50以上との銀行と連携し、95ヵ国での決済・パートナーネットワークを構築した。この1年間で売上は184%成長し、ARR $200Mを達成した。今回のラウンドは2021年9月に行ったシリーズEのエクステンションで、Salesforce Ventures、Sequoia Capital Chinaなどの既存投資家を中心に実施した。
サイバーセキュリティのスキルアップ向上SaaS Immersive Labs、シリーズCで$66M(約98億円)を調達
英・ブリストル発のImmersive Labsは、企業のサイバーセキュリティに必要なスキルを「ゲーム化」して従業員に教えるためのSaaSを提供するスタートアップ。同社はロンドンのアクセラレーターCYLONから産まれ、元GCHQでセキュリティ分野の研究者だったJames Hadley氏が創業。サイバーセキュリティ人材の強化は喫緊の課題であり、CitiやHSBC、Goldman Sachs等の大手金融機関、Pfizer、Daimlerのような大手メーカー、英NHSのような政府機関が利用する予定だ。本シリーズCは、Ten Eleven Venturesがリード投資家。その他にGoldman Sachs Asset Management、Insight Partners、Menlo Venturesなどの有力投資家も参加している。
Web3に特化した高速データインフラSaaS nxyz、シリーズAで$40M(約60億円)を調達
今年2022年に創業したnxyzは、ブロックチェーンに特化した高速でのデータインフラを提供するWeb3×SaaSスタートアップ。今までステルスだったが、今回のシリーズAと合わせて公開された。nxyzの超高速ブロックチェーン API は、200ミリ秒未満でリアルタイムのブロックチェーン データを提供するという。元Googleのエンジニアリーダーが創業。本シリーズAは、Paradigmがリードし、Coinbase Ventures、Sequoia Capital他、Web3系のエンジェル投資家が多数参加している。
セキュリティのコンプライアンス対応自動化SaaS Vanta、シリーズBエクステンションで$40M(約60億円)を調達
2016年創業のVantaは、企業がSOC 2、HIPAA、ISO 27001等のサイバーセキュリティの内部統制に準拠した形で、強力なセキュリティ体制を構築・維持することを支援するSaaSスタートアップ。Uberやソニーなど、大規模な情報漏洩が増加する中、企業側はセキュリティ保護のためのリソースや専門知識を持たないため、増加する脅威やコンプライアンス違反の罰則のリスクは高まっている。本シリーズBは、Crowdstrikeが単独で出資した。バリュエーションは前回同様$1.6B(約2,400億円)。
中小メーカー特化の次世代ERP SaaS Katana、シリーズBで$34M(約51億円)を調達
2017年エストニア・タリンで設立されたKatanaは、中小製造業向けERP(Enterprise Resource Plannning)をSaaS型で提供するスタートアップ。Katanaのプラットフォームは、EC、会計、出荷管理・予測、CRMなど、製造業が使うである多くの共通ツールがあらかじめ統合されている。創業者曰く、D2C(Direct to Consumer)製造や3Dプリント技術の革新によって、中小メーカーと消費者が直接つながる機会が増えたため、新しいERPのニーズが高まっているとのこと。前回シリーズAからARRは4倍、従業員数も30人から140人に増加した。本シリーズBはNorthZoneがリード投資家。
複業マッチングプラットフォームを提供するAnother works、シリーズBで総額約4.6億円調達
SaaS型複業マッチングプラットフォーム「複業クラウド」を開発・提供。サービスリリースから約3年で累計導入数1,000(社/団体/地方自治体)、累計登録タレント数40,000名を突破。ARRは直近2年間の同期間比で約3倍の成長を遂げている。今回調達した資金は、新規事業開発、マーケティング、採用活動に充てられる。本ラウンドに参画した投資家は、下記の通り。
- ペガサス・テック・ベンチャーズ、みずほキャピタル、QRインベストメント、大分ベンチャーキャピタル、柳田 将司氏(株式会社リアライブ 代表取締役)、梅田 裕真氏(株式会社メディカルノート代表取締役CEO)、鈴木 達哉氏(株式会社ギフティ代表取締役)
営業DXツールを提供するブリングアウト、プレシリーズAで2億円調達
オンライン商談・対面商談双方のケースにて、音声認識精度99%で商談内容を自動テキスト化することが可能なツール「Bring Out」を開発、提供。2022年7月よりサービスを提供開始し、リクルートや日本M&Aセンターといった大手企業が導入している。今回調達した資金は、開発するAIの精度向上、クライアントへのサービス提供体制強化に充てられる。本ラウンドに参画した投資家は、下記の通り。
- ジャフコ
B2B特化のマーケティングクラウドを提供するBetaMind、シードで総額8,000万円調達
既存動画コンテンツからリード・商談獲得を実現するマーケティングクラウド「Vidbase」を開発・提供。ウェブサイト、メール等のチャネルで個人単位の視聴データを取得し、CRM・MAツールとの連携によりホットリードを特定し、インサイドセールスの商談獲得率の改善を実現していく。現時点の導入企業はSpiderPlus、PLAID、Yappliなど。本ラウンドに参画した投資家は、下記の通り。
- mint、ユーザベース、茂野明彦氏(株式会社ビズリーチ)
ユーザーコミュニティ形成を支援するプリズムテック、6,000万円調達
プロダクトやサービスを積極活用し、他社に成功体験やナレッジをシェアする「スター顧客」を発掘する「KEEN Manager(キーン・マネージャー)」のβ版を2022年11月にリリース予定。社内で利用する複数のツールやSNSなどに散在するエンドユーザーの行動および発信データの統合、熱量の高いユーザーの発見、スター顧客となる候補者に対するロイヤリティ向上の施策支援等を可能にする。今回調達した資金は、サービス開発体制の構築と採用の強化に充てられる。本ラウンドに参画した投資家は、下記の通り。
- HAKOBUNE、Z Venture Capital、East Ventures、イセオサム氏