SaaSプロダクトを開発する前に有料顧客を得るための3つの教訓
IndieHackers「The Lessons I Learned from Getting My First Paying Customers Before I Built a SaaS Product」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
エンジニア出身のSaaS起業家による記事。いきなりプロダクト開発してPMF、グロースに苦労した実体験を元に、プロダクトファーストからコンテンツファーストにシフトさせたことでの学びを解説しています。多くのB2B SaaSでは、コードより”ストーリー”を顧客にまず売ることが重要であるケースが多いため、参考になる記事だと思います。
- 教訓1.
顧客への価値はプロダクトではなく、コンテンツから始まる。それが顧客の信頼を築く良い方法です。 - 教訓2.
ソリューションではなく、ストーリーで顧客をリードする。それによって、プロダクトを開発する時間を節約することができます。 - 教訓3.
プロダクトを作る前に、まずコンテンツで熱心なオーディエンスを作る。コンテンツは、誰の?どんな課題を解決するのか?を検証するには優れた方法です。
スタートアップの経営執行体制に関するメモ
草原敦夫氏「スタートアップの経営執行体制に関するメモ」の一部を紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
コーポレート・ガバナンスはスタートアップが「企業」へと進化していく中で非常に重要なテーマとなります。このnoteはREADYFOR執行役員CLO・弁護士でもある草原敦夫さんの思考がまとめられています。
特に階層の複層化や社内取締役についての論点は非常に勉強になります。経営体制を見直しはじめるレイターステージを視野に入れている経営者の皆さまにおすすめのnoteです。
サイバーセキュリティの歴史
Contrary Researchのツイートの一部を日本語で紹介したものです。全ツイートはリンク先をご覧ください。
SaaSやクラウドの台頭に伴い、さまざまな経済・社会活動がデジタル化されることによって、避けては通れないサイバーセキュリティに関するまとめのご紹介です。特にBtoBの世界におけるセキュリティ分野の関心度合いの把握や、直近の技術トレンドをキャッチする参考になればと思います。
サイバーセキュリティは必要不可欠な存在でもあり、企業オペレーションを考える際の中心的存在
- 過去5年で個人情報が晒される最悪の事件がいくつか発生。ランサムウェアの台頭やOktaのハッキングなどが原因。クラウドやデータの活用が進むにつれて、サイバー攻撃を受ける面が広がっている
- マクロ経済の動向に関わらず、それぞれの企業においてサイバーセキュリティは優先度の高い事案として取り扱われている
- 米調査会社Enterprise Technology Research (ETR)の調査結果では、2022年9月時点、1500人の経営幹部が考える最も大事な経営テーマとしてサイバーセキュリティが掲げられている
- このモメンタムは民間企業だけではなく、公的機関でも活発。アメリカ政府は国のサイバーセキュリティ強化に必要な資金1,000億円を供給した
サイバーセキュリティ関連の調達活動などは活発
- 2022年から累計で、サイバーセキュリティスタートアップ領域への資金調達額は$17.8B、M&Aの件数は224件(金額規模では$118B)まで昇っている
- PEの活動も活発。Thoma Bravoは昨年のProofpointの買収に加え、Ping Identityを$2.8Bで、 Sailpointを$6.9Bで、ForgeRockを$2.3Bで買収している
- 現在は特定のニッチな課題を解決するソリューションも生まれており、サイバーセキュリティ領域の細分化が進んでいる。今後はよりマルチプロダクトで事業展開し、統合されたソリューションの提供が期待される
機械学習のためのデータ移動を効率化するSaaS Weka、シリーズDで$135M(約く189億円)を調達
データは機械学習モデルの燃料であり、それをA地点からB地点に移動することは、コストと時間がかかる。米・サンフランシスコ発のWekaは、データを仮想化し、このプロセスをより速く、より摩擦の少なく変える技術を開発したSaaSスタートアップ。GPUの利用によりネットワークは加速している一方、ストレージは依然としてレガシーのボトルネックになっている。現在、従業員数は300人で、今後12〜18カ月で倍増する見込み。本シリーズDはGeneration Investment Managementがリード投資家。バリュエーションは、$750M(約1,050億円)
ECの定期購入を支援するSaaS Ordergroove、$100M(約140億円)を調達
米・ニューヨーク本拠のOrdergrooveは、アマゾンで利用されているeコマースにおける定期購入を支援するSaaSを提供するスタートアップ。定期購入は、割引や利便性を求める買い物客を取り込み、リピーターを増やす手段だ。これを実現するには、Salesforce、Magento、Shopify、決済システムなど、顧客のテックスタックとの統合が必要となる。Ordergrooveの顧客は、現在500社近く存在し、その中にはウォルマートやネスレ、ロレアルなどのトップ企業が含まれる。本ラウンドは、Primus Capitalがリードした。
企業向けヘッドレスCMS SaaS Contentstack、シリーズCで$80M(約112億円)を調達
Contentstackは、15年の歴史を持つコンサルティング会社Raw Engineeringが開発したアプリ開発プラットフォームBuilt.ioをベースに2018年に設立されたヘッドレスCMSスタートアップ。ヘッドレスCMSは、バックエンドのインフラを管理しながら、フロントエンドで柔軟にカスタマイズを可能にする。同社は400人以上の従業員を抱え、顧客にはシェル、JPモルガン・チェース、マクドナルドなどを持つ。昨年の夏から顧客数は2倍に増加しており、ユーザー数が5万人を突破した。本シリーズCでは、GeorgianとInsight Partnersが共同でリードした。
銀行のローン・アズ・ア・サービスを支援するLentra、シリーズBで$60M(約84億円)を調達
インド・ムンバイを拠点とするLentraは、銀行向けにデジタルローンを実現する、組み込み型金融を提供するFintech×SaaSスタートアップ。同社のLentra Lending Cloudでは、様々なデータソースへのサードパーティのAPIコネクターや、ローン管理システム(LMS)、ノーコードのビジネスルールエンジン(BREx)、クライアントがすぐに使えるモジュールなどを提供している。HDFC Bank、Federal Bank、Standard Charteredなど、全体で50以上の顧客を抱える。ローンチ以来、130億回以上の取引、$21B(約2.9兆円)相当の融資を処理してきた。本ラウンドは、既存投資家である、Bessemer Venture PartnersとSusquehanna International Group(SIG)が共同でリードした。
インドネシア発eKYC SaaSを提供するPrivyID、シリーズCで$48M(約67億円)を調達
インドネシア・ジャカルタ本拠のPrivyIDは、企業向けにeKYCをコアに口座開設、保険商品の申し込み、ローン申請などをオンラインで完結するためのサービスを提供するSaaSスタートアップ。現在までに3,000万人の認証ユーザーと1800社の顧客企業を抱え、年間4,000万件以上の電子署名を処理している。本シリーズCは、KKRがリード投資家。
軽量クラウド分析プラットフォーム MotherDuck、シリーズAで$47.5M(約67億円)を調達
MotherDuckは、オープンソースの軽量データベースプラットフォーム「DuckDB」を商用化するスタートアップ。Google のデータ分析プラットフォームである Google BigQuery の創業エンジニアである Jordan Tigani 氏が創業者の1人。DuckDBの高い効率性により、MotherDuckはコスト競争力を持ちながら、殆どのデータワークロードに対して、より高いパフォーマンスを発揮することができる特長を持つ。本シリーズAは、Andreessen Horowitzがリードした。
急成長中のセキュリティカメラ画像解析SaaS SpotAI、シリーズBで$40M(約56億円)を調達
2015年以降、セキュリティカメラの台数は2倍に増加し、現在、世界で10億台近くが販売・設置されている。Spot AIは、セキュリティカメラを導入している企業が画像解析を行い、セキュリティ、労働者の安全、プロセス効率に関するより良い判断を可能にするソリューションを提供している。同社は、スタンフォード大学、Meraki、Samsaraのエンジニアによって結成された。2021年秋のローンチからわずか数カ月で急成長しており、売上は前年比5倍に成長し、全米で数千の拠点に導入されている。SMBからフォーチュン500企業まで、幅広い企業で利用されている。本シリーズBはScale Venture Partnersがリードし、既存投資家のBessemer Venture Partners、Redpoint Venturesなども参加した。
企業のウェルビーイング促進を目指すHQ、シリーズAで7億円調達
リモートワーク支援プラットフォーム「リモートHQ」を開発・提供。近年の働き方改革に伴う企業の在宅勤務手当のあり方を見直し、給与報酬扱いとして課税対象となっている点や自由な用途で支給されている点を「非課税かつ成果直結型」に変えていく施策を講じていく。今回調達した資金は、開発および採用・組織体制に充てられる。本ラウンドに参画した投資家は、下記の通り。
- Coral Capital、Spiral Capital、みずほキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル
企業のデータドリブン経営を支援するHogetic Lab、プレシリーズAラウンドで2.2億円調達
API経由によりデータ収集を可能にするデータクローラープラットフォーム「Collectro」やデータ分析特化のDXソリューションを提供。「Collectro」では、顧客環境に応じたデータ収集システムをデプロイすることが可能で、データ取集に加えて独自の育成メソッドと分析ノウハウを企業に導入することで、自律的なデータ分析・運用体制の確立を支援する。現在は小売業界やエンタメ業界での取り組みが増加している。今回調達した資金は、カスタマーサクセス組織の拡大に充てられる。本ラウンドに参画した投資家は、下記の通り。
- mint、FFGベンチャービジネスパートナーズ、CLホールディングス、コムレイズ・インキュベート
EC利用者の購入体験を最大化させるRecustomer、2億円調達
ECカート連携型ワンクリック決済「Recustomer チェックアウト」、自宅で試着を可能にする「Recustomer 自宅で試着」、EC事業者の返品・交換・注文キャンセル業務を自動化する「Recustomer 返品キャンセル」、注文追跡を実現する「Recustomer 配送追跡」の4サービスからなる購入体験プラットフォームを開発・提供。今回の調達に伴いリリースを発表した新プロダクト「Recustomer 自宅で試着」は、EC利用者が試着時には0円で注文を行うことができ、商品が届き試着後、購入しない場合は返送、購入を決定する場合は商品分の金額を自動決済できるという、新しい購入体験を提供する。今回調達した資金は、セールス・カスタマーサクセスチーム強化とプロダクトセキュリティ強化に充てられる。本ラウンドに参画した投資家は、下記の通り。
- ALL STAR SAAS FUND、Coral Capital、Gazelle Capital、グロービス(G-STARTUP)、モバイル・インターネットキャピタル