ユニコーン起業家からの5つのリーダーシップ・レッスン
Bessemer Venture Partners「Wish I Knew: Carolyn Childers」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
女性のシニア・エグゼクティブ特化のソーシャルネットワークサービスを提供する米ユニコーンChief社CEO Carolyn Chlders氏へのインタビュー記事。チームを信頼することがリーダーに最も重要な理由、初期の勝ちを大切にすべき理由、資金調達の際にやってはいけない間違いについて教訓を解説しています。
- 自主性と信頼に勝る教師はいない
- プレイブックが無い時が最も学びが大きくなる
- この世に欲しいものが無いなら作ればいい
- 起業のコンセプト証明となる初期の勝ち(Early Win)を祝おう
- 大量の資金があるからといって、本来解くべき課題から目をそらすな。集中しろ
エグゼクティブ・レビュー(経営陣向け発表)でよくある10の間違い
Perspectives「Ten Mistakes to Avoid in Executive」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
米NASDAQ上場SaaS企業 Intuit社取締役であり、Ancestry.com CEOを務めるDeb Liu氏が、自身が実際に経験・目撃した失敗例を解説しています。テックスタートアップの経営陣や経営陣に提言するマネージャー・従業員にとっても、参考になる内容だと思います。
- 明確な提案が無い
- 問題の全体像が客観的に示されておらず、狭い視野での断定的な提案になっている
- 自分のチーム・プロダクトに対して守りに入った説明をしている
- 木を見て森を見ずで、細かすぎて理解してもらえない
- 明確な比較対象が示されていない
- 重要なデータが抜けている
- トレードオフ/代替案を提示していない
- 悪いニュースを隠す
- 略語や専門用語の使用や初めて聞く人への配慮がなく、観客を失う
- ストーリーが無い(「何を」「どのように」と同じくらい「なぜ」が重要)
不況下におけるセールス組織の運営
OpenView「Leading Your Sales Team Through the Downturn」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
SnowflakeでCROを務めているChris Degnan氏による、ダウントレンドの中で力強く戦うためのセールス組織に関するアドバイスを共有します。ARRを$0から$1B+まで成長させた伝説のセールスが、セールスメンバーに懸けるべき期待やお客さまに対する接し方について、tipsを公開しています。
自身が販売するものを熟知する
- プロダクトの提供価値やユースケースを常に把握すること。そして、見込み客との会話の中で好奇心を持ち続けながら、自社の技術が対象とする新しいペインポイントに常に目を向けること
それぞれのセールスメンバーの生産性をトラックする
- セールスリーダーは、単に人を増やすのではなく、セールスチームが成功するために適切な顧客をターゲットにしているかどうか、厳しくチェックをする必要がある。的確にPMFしている顧客にセールスしていること。そして、その中で(例えば週次ごとに)安定して架電や商談の数を積み重ねられるか、チェックすること
規律を持ちつつ、前倒しで計画する
- どれだけ商談件数などが目標を上回ったとしても、来週を見据える時間がなければ、成功したとは言えない。前もって計画を立てる時間を確保することで、セールスの生産性を週ごとに一定に保ち、ある週だけ大成功して次の週が犠牲になるようにならないこと
顧客の期待する価値を理解する
- 市況が芳しくない状況においては、まずは特に顧客の経済性(収益アップやコスト削減)に焦点を当てつつ、その上で、業務の効率化が実現できていることや、お客さまにとって好ましいプロダクトの仕様になっていることをカバーし、競合他社に差をつけていくこと
小さく始める
- 最初は小さいディールサイズでも、大事なのは如何に顧客とのやり取りの中で圧倒的にポジティブな体験を提供できるかどうかである。どんなに小さい案件でも、非常に具体的でインパクトのあるペインポイントをターゲットにすること
来年必要な3つのファイナンシャルプランニング(C-90、C-60、C-10)
SaaStr「The 3 Financial Plans You Need for Next Year: C-90, C-60, and C-10」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
調達環境が来年どうなるかはっきりしていない中、SaaStrのJason Lemkinがおすすめするのは以下3つのファイナンシャルプランを用意すること。
C-60プラン:
これはあなたが60%の確率で達成できるも。 C=自信で、 これより高いと、十分にハードにプッシュしていないことになる。 これよりずっと低いと、リスクが高すぎて計画が立てられない。 これがベースのプランになる。
C-10プラン:
これはC-60プランのバリエーションで、もしかしたら、もしかしたら達成できるかもしれないと思うもの。通常、SaaSの場合、C-60プランよりも20%程度高く設定されます。 つまり、基本計画が来年100%の成長を目指すものであるなら、C-10計画は120%の成長を目指すように設定する。 これがストレッチプランになる。
C-90プラン:
これは会社全体で使う計画ではない。来年が計画よりも厳しい状況になった場合、現金がどのくらいもつかを知るために必要なプランです。このプランはC-60の計画をもとに、支出はそのままで、収入を20%削減します。 その結果、キャッシュ・バーンとゼロ・キャッシュ・デーが大幅に増加します。 このモデルをサポートするために十分な現金を持っていることを確認する必要がある。
上記3つのプランを用意し、C-60プランを社内の目標として設定し、C-10をストレッチプランとして設定、そしてC-90をキャッシュマネジメントとして使う。
デスクレスワーカー向け外勤サービス管理(FMS) SaaSユニコーン ServiceMaxを、製造業向けソフトウェア上場企業 PTCが$1.6B(約2,000億円)で買収
2017年米創業のServiceMaxは、Salesforceプラットフォーム上に構築されたField Service Management(外回りの技術者の行動管理)SaaSを提供する未上場スタートアップ。今回、製造業などにCAD や製品ライフサイクル管理(PLM)ソフトウェア、IoTなどを提供するNASDAQ上場企業であるPTCが同社を買収することで合意。この2社は、2015年から航空宇宙、工業製品、医療機器などの複雑性の高い産業向けのフィールドサービス管理で何度も協業をしている。この買収によって、PTC社はARR 約$160Mを追加できる。本買収は、2023年1月初旬にクローズ予定。
患者と医療機関の支払いの課題を解決するヘルスケア特化Fintech×SaaS PayZen、グロースラウンドで$220M(約306億円)を調達
2019年創業のPayZenは、患者向け無償融資と医療機関向けに収益サイクルを管理するソリューションを提供する「Affordablility Financing(直訳すると手頃融資)」分野のFintech×SaaSスタートアップ。アメリカでは、医療費の高騰を受け、成人の約10人に1人が医療負債に苦しんでいる。そのため、支払い期間の延長を求める患者が増え、医療機関の財務・収益サイクルを圧迫している。2021年11月のラウンド以降、PayZenは売上を”毎月”2倍に拡大させており、今後も成長軌道が続くと見込んでいる。今回の資金調達は、$200Mの融資枠と$20Mのエクイティ調達。医療技術系特化の老舗VC 7wireVenturesがリードした。
ゼロナレッジ技術による機密情報管理SaaS Akeyless、シリーズBで$65M(約90億円)を調達
イスラエル発のAkeylessは、暗号理論における情報伝達手法の一つであるゼロナレッジ技術を用いた機密情報管理に特化したSaaSスタートアップ。顧客はベンダーのアクセス権を一切持たずに鍵情報を独占的に所有できる。これにより、サイバー犯罪者によって認証情報などが採取されるのを防ぐことでき、企業がサイバー攻撃の対象領域を少なくすることができる。昨年12月にIPOしたHashiCorpが主要な競合の1つ。本シリーズBは、NGP Capitalがリード。
デスクレスワーカーの生産性とエンゲージメントを向上するAll-In-One HR SaaS WorkJam、シリーズCで$50M(約70億円)を調達
カナダ発のWorkJamは、時給シフト制で働くデスクレスワーカーのために、スケジュール管理、シフト管理、勤怠管理、トレーニングを統合して提供するSaaSスタートアップ。2019年に従業員コミュニケーションSaaSのPeerio、2020年にオンデマンド型スタッフィング・プラットフォームForgeを買収。現在、世界35ヵ国、28言語に対応しており、150万人以上のデスクレスワーカーがWorkJamを利用している。本シリーズCはカナダのVC Inovia Capitalがリードした。
スポーツ・エンタメ業界向けスポンサーシップ管理SaaS SponsorUnited、シリーズAで$35M(約49億円)を調達
SponsorUnitedは、2017年に米NFL マイアミ・ドルフィンズで企業パートナーシップ担当VPをしていたBob Lynch氏が創業したスポンサーシップ管理に特化したSaaSスタートアップ。米スポンサーシップ業界は、数千億円規模の産業でありながら、ブランド企業とスポンサーシップの受け手企業の双方にとって、データの欠如は課題です。例えば、受けて企業はスポンサーにいくら請求すればよいのか、スポンサーはスポンサーシップ契約を常に把握していないことが発生しています。SponsorUnitedは、Fortune 500企業、人材・ブランドエージェンシー、メディア企業など、およそ2900ものブランドにサービスを提供。本シリーズAはSpectrum Equityがリードした。
中小企業向けデジタル専業銀行 Novo、シリーズBで$35M(約49億円)を追加調達
2016年に米マイアミ創業のNovoは、中小企業向けデジタル専業銀行。2018年にサービス提供をはじめ、現在18万社以上の中小企業が利用しており、デビットカードにアクセスできる無料のペーパーレスビジネス当座預金へのアクセスを提供し、すべてモバイルアプリ上で管理できる。昨年は、アプリマーケットプレイス、請求書発行、キャッシュフローインサイトツール、最大5つのリザーブを口座に追加できるなどの機能を追加。本シリーズBはGGV Capitalがリードした。
「貨物輸送業界のShopify」GoFreight、シリーズAで$23M(約32億円)を調達
デジタルフォワーダー Flexportは貨物会社として物流業界に革命を起こしている。しかし中小フォワーダーの多くは、時代遅れのERPやエクセルを未だに使っている。2017年に創業したGoFreightは、中小フォワーダーの業務をよりスムーズにするバックエンドSaaSと、数分でオンライン店舗を構えて見積もりを提供できるフロントエンドSaaSで彼らの競争を支援しようとしている。同社は約1,000社の顧客を持っている。本シリーズAはFlex CapitalとHeadlineが共同でリードした。
企業の戦略的な価格設定を支援するプライシングスタジオ、シリーズAファーストクローズで4.3億円調達
価格分析のプロセスを自動化する「Pricing Sprint」を活用し、SaaS・サブスクリプション企業を中心としたコンサルティングサービスを提供。現在約50社の企業、100のサービスが利用しており、食品メーカーやメディア、ジム、クリニックなどの業種・業態へ展開している。今後はコンサルティング事業、ソフトウェア事業に加え、新たに顧問・アドバイザリー事業、プライシング人材のトレーニング事業を展開予定。今回調達した資金は、事業開発と人材採用に充てられる。本ラウンドに参画した投資家は、下記の通り。
- SBIインベストメント、STRIVE、個人投資家、金融機関(デッドファイナンス)
コーポレートガバナンスから企業価値向上を支援するUniforce、プレシリーズAで約2億円調達
決算開示業務の業務改革を促進する「Uniforce 決算開示管理サービス」、IPO準備企業の上場支援を行うクラウドサービス「Uniforce IPOクラウド」を開発、提供。決算開示サービスでは、必要な約1,200のタスク・スケジュールを自動作成できるガイドライン機能やレポート機能、タスク管理機能を搭載。また、IPOクラウドサービスは、上場に向けた自動スケジュール作成やショートレビュー対策機能を搭載している。今回調達した資金は、採用活動や開発体制の強化に充てられる。本ラウンドに参画した投資家は、下記の通り。
- 株式会社MS-Japan・ハヤテグループ(MS・HAYATE1号投資事業有限責任組合)、エアトリ、Iceblue Fund、ベクトル、その他投資家