2023年に注目すべきSaaSのトップ6トレンド
G2「SaaS Trends」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
アメリカ最高峰のソフトウェア/SaaSのレビューサイトG2 Crowdによる来年のSaaS業界のトレンド予測記事。過去7年に渡る500%の成長、未上場SaaSのARRマルチプル7.2倍を正当化する上で、SaaS業界はイノベーションの精神を維持し続ける必要があります。この記事では、クラウド技術と顧客の未来を形作る上で、最も注目すべきSaaSのトレンドを紹介しています。
- SaaSのプライシングはもっと民主化する
SaaSの売上は、2021年以降に年率+27.5%で増加し、2028年には約$716Bに達すると予測されています。そのため、競争が激化し、顧客は選択に困窮しています。結果、「コスパの高い購買から価値の見合った購買へ」シフトしています。サブスクリプション型から利用料ベース型へのシフトもこの1つです。今後は、両者の長所を生かしていくハイブリッド型収益モデルに移行することで、収益の予測性を保ちつつ、季節性や利用頻度の低いユーザーも収益化することを可能にします。 - SaaSとAIの未来は共生的に成長する
SaaSにより、より優れたカスタマイズ性のあるソリューションが提供される一方で、SaaSはAI/MLが学習するためのAIが大規模なデータ量と複雑さを提供します。SaaSの分析ダッシュボードに何らかの形でAI/MLの活用が広がっています。 - APIがSaaSデプロイ期間をより高速化する
SaaS の役割は、ビジネスプロセスを簡素化することです。今日のSaaSの平均デプロイ期間は7時間で、10年前の54時間から大幅に短縮されており、その要因はAPIです。SaaSのAPI化により、機能がノーコード開発され、フロントの効率化、業務運用の時間短縮に役立っています。 - 既存顧客のリテンションがSaaSの成長軸になる
ダウントレンドで、SaaSスタートアップの資金獲得の難化・コスト意識の高まりが起こっています。結果、既存顧客との関係を強化し、LTV重視に移行しています。既存顧客のリテンションは新規獲得のコストの少なくとも1/5です。最新のSaaSのリテンション戦略は、どの顧客が価値があるかを分析するために、AIやアナリティクスを融合した先進的な機能を開発し、顧客リテンション戦略を運用しています。 - SaaS市場の統合により新たなカテゴリーリーダーが誕生する
ここ最近ではSaaS同士のM&Aにより機能追加と市場シェア拡大が起こっています。これはSaaSの”スーパーアプリ化”の道を切り開いています。大規模な競合に対し、小規模プレーヤーは開発投資で制約がかかるため、買収をExitの手段とするケースも増えています。 - コロナで花開いたバーティカルSaaSへの関心が高まる
バーティカルSaaS企業数は、2020年から2021年の間で少なくとも+28%も増加しており、今後も拡大が続くと予測されています。Toast、Procoreの成功に加え、ServiceTitan IPOの噂はバーティカルSaaSの計り知れない可能性を証明するものです。バーティカルSaaSは、競合が少ないため、ホリゾンタルSaaSよりもパーソナライズ性に優れ、顧客とのより強い関係を構築でき、大きな成長の余地があります。
トップレベルに効率的なプロダクトマネージャーの10の習慣
John McDonald氏「10 Habits of Highly Effective Product Managers」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
起業家を含め、プロダクトマネージャーの役割は幅広い。そのため業務に忙殺されがちな役割とも言えます。ここにある10個のリストは、日常的に実践することで、個人の仕事や周囲のチームに大きな影響を与える習慣です。PMのみならず、テクノロジー企業で横断的な役割を担う方には非常に参考になる内容だと思います。
- 深い集中(Deep focus)の時間を確保する
ハイブリットワークでは、予定が以前より50%も早く埋まることと関係があります。多くの成功したPMは、高い効率を得るためには毎日4時間この時間が必要だと言っています。 - 徹底的に会議の時間を管理する
カレンダーと格闘する方法を学ばないと、深い集中の時間を作り出すことはできません。会議の目的は、非同期では達成できない個別の目標を達成するために共同作業をする時間を確保することです。 - 容赦なくタスクに優先順位をつける
Shreyas Desai氏は、「全てのタスクが同じように作られている訳ではない」と考え、「レバレッジ・ニュートラル・オーバーヘッド(LNO)」というフレームワークで優先順位をつけます。レバレッジはニュートラルなタスクの10倍の結果が得られ、オーバーヘッドはその逆です。L、N、Oの順番でタスクに集中することです。 - 自己成長のためのフィードバック・ループを作る
良いフィードバック”ループ”は、フィードバックを受け、すぐに実行に移し、すぐ次のフィードバックを受けることです。これは自己成長の能力を育みます。可能であればリーダーに毎週定期的に15分間でも1on1の時間をもらって下さい。 - 常に質問する
相手が言ってることをきちんと理解できていなければ、「もう一度説明して頂けますか?」と尋ねましょう。もし関係者からソリューション構築の依頼をされたら、時間をかけて「なぜ?」と問いましょう。要求を探れば探るほど、根底にある真のニーズが見えてきます。 - 開発プロセス自体を”プロダクト”のように扱う
PMの仕事は多くが非常に曖昧で、仕事の成果が「海の藻屑」となることがあります。故に、プロダクト開発プロセスやフレームワークに基づいて仕事をすることが非常に重要なのです。 - メトリクスの定義を繰り返し精査する
スコアカード/ダッシュボードを見返し、「何が足りないのか」「この指標の定義は正しいのか」と自問自答を繰り返します。誰かが毎日、毎週、測定基準を見ていなければなりません。PMが見なければ、他の誰も見ていません。 - 最新の市場やテクノロジーの調査時間を取る
毎朝15分、業界のニュースや競合他社の最新情報、テクノロジー全般に関する記事に目を通しましょう。テクノロジーが広い市場でどういう動きを見せてるか感じ取ることができます。 - 開発・デザイナーと早期に関わる機会を作る
プロダクトライフサイクルの初期に、開発者とデザイナーが顧客の問題について考えられる機会があると、彼らはより良い仕事をすることができます。やることはシンプルで、彼らを会話に招くだけです。多くのPMが組織の潜在能力を開放するためにここに気を使っています。 - プライベートの時間を大切にする
PMは労働負荷が高く、バーンアウトしやすい仕事です。「仕事以外の時間」を守らなければ、燃え尽き、最終的にチームや顧客に迷惑をかけることになります。もし、1日12時間働いていて「仕事が多すぎる」という理由で家族との生活を失っているとしたら、それはやり方が間違っています。
ARR25億から50億円を一気に目指すGTM戦略
Bessemer Venture Partners「Scaling GTM from $25 to $50 Million ARR」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
GTM戦略の真髄は学習曲線をいかに高めるかだと思います。名だたるSaaS企業に投資してきたBessemerの新しいこの記事は非常に参考になります。ここではDatabook、LinkedIn、Procore、Salesforce、ServiceTitanなどのGTM戦略からARR50億円まで、長期にわたって組織のスケーラブルな成功を実現できるヒントを紐解いています。
教訓1: 理想的な顧客プロファイルを固めて、GTM のリズムを決定する
教訓2: 標準化されたプロセスとドキュメントへの移行
教訓3: ICP に対応するために、役割の専門化を促進していく
教訓4: 市場開拓戦略全体を、全体的な戦略に広げる
教訓5: 標準化により、メトリクスを非常に詳細なレベルで追跡する能力が求められる
教訓6: フライホイールの推進に役立つインセンティブ構造を調整する
教訓7: 基盤を活用してネットワーク効果を構築する
教訓8: リバース エンジニアリングによる長期的なセットアップ
CROによる、パイプライン・ファーストなカルチャーの作り方
a16z「Pipeline Cures All」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
a16zによる記事のご紹介です。特にダウンマーケットなど厳しい環境下でも力強いセールス活動をする上で、アウトバウンドによるパイプラインづくりを加速させる組織や仕組みについて解説しています。CROやセールス、マーケ組織を率いている方々におすすめの記事となります。
- Proof of Value(PoV)とQualified Business Meeting(QBM)をトラックする
QBMとは(1)明確な顧客のペインポイント(2)チャンピオン、の2つを特定したミーティングと定義される。また、POVは、顧客の要望を把握し、技術的にも財務的にもそれを満たすことができることを実証すること - パイプライン活動を称賛する
Databricks(評価額$38B)では、毎週水曜日を「パイプラインの日」と定め、優秀者には景品が贈られる - リーダーが率先してパイプラインづくりに参加する
Tripactions(評価額$9.2B)のCROは、毎週火曜日にセールスのリーダーとメンバーが共同でお客さまの見込み顧客化と渉外活動を実施。週に4〜8時間をかけ、ダッシュボードでセールスメンバーの活動を測定する - プレイブックを作る
あらゆる観点からGTM戦略の必要なピースを埋めてくれる個人を集めたTiger Team(専門集団)を作り、ターゲット顧客や追うべきKPI、業務効率化を高めるツール、アウトバウンドメッセージ、クオリフィケーションプロセスなどを定義する - パイプラインづくりの運用と改善を徹底する
CROがパイプラインづくりを、マネージャーやメンバーの毎週のルーティンにどの程度組み込めているかが重要。また、チームの士気を高めるために、最初は達成可能なKPIを設定し、チームがそれを達成するにつれて目標値を上げていく。そして、Eメールの送信数や電話の架電回数など、見込み客を獲得するための指標を厳しく追っておくこと
プロダクト観点のGTM 7つの法則
Userpilot「Product Go-to-Market (GTM) and its 7 Laws by Spencer Grover」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
SalesforceでPMMを務めているSpencer Grover氏が、PMM目線で考えるGTMの法則を7つ紹介してくれています。GTM期には事業や組織がさらに複雑化されますが、その中でプロダクトをマーケットに届けるPMMがどう他のチームと連携しGTMの加速に寄与していくか、そのtipsを纏めています
関係者と連携しやすい仕組みをつくる
GTMでは、メッセージング、ポジショニング、セグメンテーション、コンテンツ・キャンペーンなど様々な活動が含まれ、関係者との協調が求められる。GTM活動における信頼できる唯一の情報源(Single Source of Truth)を纏めたり、活動を管理するGTMカレンダーを作ったり、関係者との週次MTGを開いて進捗を確認したりして、連携力を高めること
実現不可能なことをやろうとしない
市場にプロダクトを届けることにフォーカスする。成果物の優先順位付けや顧客のセグメントを徹底し、やらないといけないことに支障をきたさないようにすること
数字を理解する
ステークホルダーの足並みをそろえるには、何が彼らを駆り立てるのかを理解し、彼らのKPIを知る必要がある。また、プロダクトをマーケットに投入するには、ビジネスの目標やリーダーの期待に沿う必要があり、そのためには売上目標などを知る必要がある
メッセージングに時間をかける
多くの企業はコミュニケーションプランがGTM戦略の重要な一部であることを認識していない。多くは成果を上げるためにプランニングされず、即席で実施される。その結果、チャネルやユーザーセグメントに対して一貫性のないストーリーを提供することになる
プロダクトローンチは一時的なものであり、ゴールではない
うまくこのローンチイベントを使ってチームのモメンタムを作り出したり、ローンチ後のフォローアッププランを設けて顧客の関心を惹きつけたり、さらにプロダクトを追加で作っていく作業を徹底する
体系化しスケールする
プロダクトローンチやマーケット開拓は多くの労力が必要で、会社のリソースに大きな負担をかけることになる。プレイブックやGTM活動のtodoリスト作成などを通して活動のテンプレートを作っていきながら交通整理をしていくこと
困った時は、お客さまの声を参考にすること
例えばNotion AIは、アクセスできるユーザーを絞ってプロダクトのα版利用を募集したが、ここでは下記の2点を実施し、ユーザーのフィードバックをうまく集めた
- Notionを利用している人だけに届くメールに募集をかけることで、「限定感」を生み出したこと
- プロダクト利用を待つ機会を作ることで、プロダクトへの期待感や興奮を高めたこと
CMO採用の手引き
OpenView Partners「A Founder's Guide to Hiring a CMO」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
米ベンチャーキャピタルOpenview PartnersによるCMO人材採用のガイドラインのご紹介です。「マーケティング」といっても、関わる分野はリード創出やブランディングなど多岐に渡っています。ターゲットとしている市場や事業のフェーズによって要件をきちんと定義し、適切な人材を採用することがスタートアップのグロースにも大きく関わってきますが、本記事はよくある採用のミスや求められるCMOの要件を丁寧に言語化しています。
創業者がCMOを採用する際に陥りがちな罠
- 自社のフェーズにフィットしない人材を採用してしまう
自社のフェーズによってCMOのタイプは異なる。例えば、事業やプロダクトを作り上げるフェーズにおいては、マルチタスクができるプレーヤーとして、ゼロからマーケティング・モーションを素早く立ち上げられる「ビルダー」が必要になる - 柔軟性の欠けた人材を採用してしまう
アーリーステージで、まだ正しいGTMの動きを把握しようとしている場合、特定の専門性を持っているマーケター選ぶと、活動の頭打ちが来てしまう - きちんと実力のある人材を採用できないこと
採用のプレッシャー下にあると、候補者の人柄や面接のスキルに振り回され、実際の能力や実績を見落としてしまう - 自社のDNAにフィットする人材を採用しない
変化を求められるスタートアップにおいて、自社のDNAと相手のDNAをすぐに一致させるのは難しさがある。例えば、自社がエンタープライズ領域に特化しているのなら、そこにフィットする人材を見つける必要がある
必要なCMOの種類
- カテゴリーマーケター
ターゲットとしている市場、プロダクトの強み/弱み、顧客プロファイル・ペルソナを深く理解し、そのすべてを具体的なGTM戦略、ポジショニング、メッセージングなどに変換することに強みを持つ - エンタープライズ・パイプライン・ジェネレーター
デジタル / フィールド両方のチャネルを熟知し、AEやSDR、BDRと連携して需要拡大に貢献する - プロダクト・レッド・マエストロ
プロダクト主導の成長ファネルを構築し、仮説検証のマインドセットを醸成して成長を促進することに強みを持つに強みを持つ - その他(コーポレートマーケティングやイベントマーケティングなど)
ブランディングやPR、その他SaaSプロダクトがターゲットとする市場に合わせて、そのドメインを理解する人材を採用する
ステージに応じて求められるマーケティングリーダー
- 0 → 1フェーズ
迅速かつ自律的に適応できるマーケターが必要。外部のパートナー企業やコンサルタントとペアを組みながら、満たされていないスキルギャップを補完することも考えること - 1 → 10フェーズ
マーケティング活動が専門化され、その中でも混乱が生まれるタイミング。このフェーズでは、戦略立案に加え、それを迅速に実行に移し、迅速なフィードバックループを構築できるシニアなリーダーが必要 - 10 → 100フェーズ
うまくいっているパターンを標準化し、規模を拡大し、軌道修正し、ビジネス全体の利益のために冷酷に優先順位をつけたり下げたりすることができる人材が必要
2023年の米SaaSはどうなるのかはまだクリアではない
Clouded Judgement「Clouded Judgement 12.2.22」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
上場している米SaaS企業が2023年の数値予想を出すタイミングが近づいている。ほとんどは2023年2~3月ぐらいに出る予定だ。Crowdstrike社が直近出した予想が年度成長率30%前半とのこと。これはアナリストが期待していた37%の予想を下回る。一方、Snowflake社は2023年の予想を47%と設定し、引き続き高い成長率を継続。まだ現時点で2023年の米SaaSがどうなるかははっきりしていないので、引き続き各社のQ4決算と予想の発表に注目だ。
B2B取引のワンクリック決済Fintech×SaaS Balance、$350M(約470億円)の融資枠を獲得
2020年にPayPalの元社員が設立したBalanceは、企業間取引のマーケットプレイスでB2Cのようなワンクリック・チェックアウトと即時融資を提供するスタートアップ。2021年2月の正式ローンチ以来、木材、化学、鉄鋼、小売、食品など、デジタル決済にあまり精通していないレガシーな業界をターゲットに、顧客数を10倍に成長。顧客には、木材市場のMaterialsXchange、化学品供給市場のChemDirect、卸売小売市場のAbound、レストラン注文プラットフォームのNotchなどがある。今回Viola Creditの信用枠提供により、顧客やその先のバイヤーのキャッシュフローニーズに対して応えることを目的としている。Viola Creditは、テクノロジー特化の大手投資グループViola Groupの一員。
医療・福祉業界が予防医療に取り組むためのSaaS Upstream Health、シリーズBで$140M(約188億円)を調達
2018年イギリス創業のUpstream Healthは、医療、福祉、ボランティア向けにコラボレーションツール、患者記録の統合・データ分析を提供し、積極的なバリュー・ベース・ケアを支援するSaaSスタートアップ。医療従事者は慢性的な人材不足で、患者数で報酬が決まるため、バーンアウトの原因となっている。Upstream Healthは、医療従事者のワークフローの一部を肩代わりすることで、医療従事者が患者とより多くの時間を過ごし、より質の高いケアを提供する支援を行っている。本シリーズBはCoatueとDragoneerがリード投資家。
All-In-Oneウェディング・プランニング・プラットフォーム Joy、シリーズBで$60M(約81億円)を調達
Y-Combinator発のJoyは、結婚式の計画(招待者の管理や式場の予約、出欠確認、引出物の準備など)をワンストップで行えるB2C向けSaaSスタートアップ。結婚式の費用は高額であるため、利用者は無料で、B2Bへのトランザクション課金で収益を上げている。JoyのようなAll-In-Oneプラットフォームで結婚式を計画する米国内のカップルの数は3倍に増加している。米国内飲みに留まらう、Joyは現在世界150ヵ国以上で利用されている。今後Joyは、結婚式のみならず人生のあらゆるお祝い事に対応した最高のプラットフォームを目指している。本シリーズBはGeneral Catalystがリードした。
All-In-One購買プラットフォームTeampay、シリーズBで$47M(約63億円)を調達
2016年米・NY発のTeampayは、企業の稟議・決済・支出のリアルタイム・トラッキングを提供するFintech×SaaSスタートアップ。ターゲットは、新興の高成長企業に注力している。過去12ヶ月で従業員数は3倍に増加。今後、買掛金ソリューションやクロスボーダー決済機能、エンタープライズ向け機能の開発に投資する。本シリーズBでは既存投資家のFin Venture Capitalがリードし、MasterCardなども新規投資家に加わった。
Teampay Brings Total Funding to $65 Million with Latest Round Led by Fin Venture Capital
企業向け音声認識AI×SaaS Deepgram、シリーズBエクステンションで$47M(約63億円)を調達
Deepgramは、APIを通じて、企業が自社テックスタックに音声ベースの自動化や顧客体験を向上するソリューションを組み込めるAI×SaaSスタートアップ。音声データは世界最大の未開拓データソースの1つだが、非構造化データのため、このままでは利用できない。Deepgramは、企業向けに高速かつ低コストでテキストとメタデータとして構造化する。医療機関や政府機関など、規制の厳しい分野には、オンプレミス展開オプションも提供。現在では300社以上の顧客を抱えている。今回はシリーズBエクステンションとして、Madrona Venture Groupがリードした。
反復作業でのヒューマンエラーを無くし、自動化するAI×SaaS Applied AI、シードで$42M(約56億円)を調達
英・ロンドン発のApplied AIは、反復的でデータが豊富な、ヒューマンエラーが起こりやすいプロセスを自動化するAI×SaaSを提供するスタートアップ。2021年にGoldman Sachsの20年以上のベテランArya H Bolurfrushanが創業し、シリコンバレーのエンジニア、AIエキスパート、元起業家を中心に構成されたベテランチーム。保険、製薬、ヘルスケア、政府機関向けに事業を展開。本シードラウンドでは、アブダビ本拠のG42やドバイのAI Maktoum家などが出資。
企業のSaaS支出をモニタリングするSaaS Zylo、シリーズCで$31.5M(約42億円)を調達
Zyleは、企業内で利用されているSaaSがどのように利用されているか詳細な内訳を把握し、支出をモニタリングするSaaSを提供するスタートアップ。管理者は企業が契約しているSaaSがどのチームで利用されているか正確に把握でき、重複した契約を特定することができる。Zyle社によると、企業は平均300以上のSaaSを利用しており、年間約15%の過剰支出をしているとのこと。導入企業には、Coupa、Atlassian、Talkdeskなどの大手SaaS企業も名を連ねる。本シリーズCはBaird Capitalがリードし、Bessemer Venture PartnersやMenlo Venturesも参加した。
医療データ利活用の促進を目指すYuimedi、プレシリーズAで4.5億円調達
データクレンジングをプログラミングの知識なく、ノーコードで実施できるソフトウェア「Yuicleaner」を開発、提供。日常の診療行為等で取得される医療データをクレンジングされた状態で利用することができ、病院とそれを利活用する製薬企業等の間でそれらデータが活用されるプラットフォームの構築を目指しながら、患者へのより良い価値提供づくりを実現することを目指す。今回調達した資金は、人材採用、日本におけるプラットフォーム開発および米国展開の基盤構築に充てられる。本ラウンドに参画した投資家は、下記の通り。
- 千葉道場ファンド、ニッセイ・キャピタル、D4V、Coral Capital、DG Daiwa Ventures、Incubate Fund
ソフトウェア開発の自動化を推進するJitera、シードで約3.2億円調達
ソフトウェア開発のプロセスを自動化する開発プラットフォーム「Jitera」を開発、提供。ソフトウェアをリリースするために必要なフロントエンドからバックエンド、インフラ、API連携まで幅広く自動化し、複雑なロジックが必要ないコードは「Jitera」で書くことで開発スピードの向上を目指す。今回調達した資金は、Jiteraの開発、およびJiteraを活用した開発支援事業の体制強化に充てられる。本ラウンドに参画した投資家は、下記の通り。
- ディープコア、East Ventures、個人投資家(エクイティファイナンス)
- みずほ銀行(デッドファイナンス)
不動産売買に特化しサービスを提供するGOGEN、プレシリーズAで3億円調達
不動産売買に特化した電子契約サービス「Release(レリーズ)」、住宅購入支援サービス「ゼロテ」を開発、提供。Releaseは2022年8月にサービスをローンチ。デベロッパーやハウスメーカー、仲介会社など不動産売買に関わる事業者から利用されている。またゼロテは、買主が売主に対して支払っていた売買価格の 10%程度の手付金が不要となるサービスで、これにより新たな住宅購入需要や購入体験の創出を目指す。今回調達した資金は、開発強化・人材採用に充てられる。本ラウンドに参画した投資家は、下記の通り。
- SBIインベストメント
デスクレスワーカーの現場改善DXを後押しするCayzen、プレシリーズAで1.2億円調達
現場業務の改善活動をワンストップで支援するサービス「Cayzen」を開発、提供。脱炭素や安全衛生活動などの活動を現場から推進していく中で、現場課題やデータの集約、一元化が可能になり、改善アクションがシステム的に取れるようになる。今回調達した資金は、プロダクトの開発費、および顧客サポート等の組織体制強化に充てられる。本ラウンドに参画した投資家は、下記の通り。
- ジェネシア・ベンチャーズ、HAKOBUNE、NOBUNAGAキャピタルビレッジ、MTG Ventures
組立工程の効率化を目指すScene、シードで1.1億円調達
3D CADデータを読み込み、立体的な手順書を作成できるツール「Scene」を開発、提供。これまで製造業の中でも課題としてあった品質のバラツキや、作業の手戻り、ノウハウのブラックボックス化などを、3D CADデータをデジタル上でシェアすることで解決していく。今後は設計情報・製造情報を紐づけながら、各部門が横断的に情報をやり取りできるコミュニケーションプラットフォームの構築を目指す。今回調達した資金は、新機能開発を加速させるためのエンジニアチーム拡大に充てられる。本ラウンドに参画した投資家は、下記の通り。
- サイバーエージェント・キャピタル、グリーベンチャーズ、学校法人 瓜生山学園・クロステック・マネジメント(京都芸術大学 Art & Biz ファンド)、グロービス(G-STARTUPファンド)ミナミインキュベート、90s、大冨智弘氏、ナリン・アドバニ氏
知財業務のDXを推進するSmart-IP、シードで5,000万円調達
知財業務をDXするプロダクトおよびコンサルティングサービスを提供。これまでレガシーな業務環境で活動するプロフェッショナルがさらに高い専門性を活かせる労働環境の実現を目指す。現在、明細書作成サポートシステムのα版を2023年1月にリリース予定。また、特許事務所様向けDX支援コンサルティング事業の体制構築も今後図っていく。今回調達した資金は、プロダクトおよびコンサルティング事業の開発に充てられる。本ラウンドに参画した投資家は、下記の通り。
- 本田圭佑氏(KSK Angel Fund)、NGB、iRify国際特許事務所、その他法人及び個人投資家