スタートアップで発生しやすい4つのマネジメント負債とその対応策
Stay SaaSy「Management Debt」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
テックプロダクトで技術的負債を抱えるように、チームも成長し複雑化すると、当然ながら組織上の負債 -マネジメント負債-を抱えるようになります。そのマネジメント負債の解説とその対応策についての記事。記事にもありますが、マネジメント負債にはデメリットだけでなく、メリットもある一方で、将来的に大きな課題に発展するかがよく理解できます。対応策もシンプルなので、組織をスケールさせる際に参考にしてみても良いと思います。ここで取り上げているマネジメント負債の4つの課題は、以下の通りです。
- スパン・オブ・コントロール狭すぎる問題
- ジュニアメンバー過剰問題
- 肩書きインフレ問題
- 報酬インフレ問題
人の性格を見抜くための8つの最適なテクニック
The Honest Broker「My 8 Best Techniques for Evaluating Character」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
戦略コンサルティング(McKinsey/BCG)で大企業のCEOへのアドバイザリー、VCアドバイザー、スタンフォード大学で教鞭をとっていた作家 Ted Gioia氏によるブログ記事。人材採用では、面接だけで人を知ることはとても難しいと思います。特に幹部人材の採用では、候補者の性格をしっかり把握しておくことが、ミスマッチを防ぎ、入社後のパフォーマンスを最大化する上で役立つと思います。
- 相手が何を言ったかを忘れて、代わりに結婚相手を見る
- ウェイターなどのサービスワーカーへの対応の仕方を観察する
- 幼少期から大人になるまでの人格形成に影響した体験を深掘る
- 二つの貴重な資産(時間とお金)を何に投資しているかを知る
- その人が嫌いな他人の欠点を理解する。なぜなら、その人自身が自分自身に対して嫌いな欠点だから。
- 「聞き上手か?」を確認する
- 小さなズルをしないかを探る。大きなことでもズルをする可能性があるので。
- 想定外の課題に対して、どう対処するかを実際に観察する
2023 年の SaaS への期待ーMicrosoftの決算を見ながらー
Tomasz Tunguz氏「Microsoft as a Mirror - What We Can Expect for SaaS in 2023」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
2023年はリセッション局面に入ることが予測されていますが、SaaS企業このような市況のなかでどのような成長ポテンシャルがあるのかについてMicrosoftの決算をベースに分析している記事を紹介します。
エンタープライズのIT支出のスピードは減速→最適化の方向に向かっている
- Azureの成長は1年前のQは45%CAGRで新調していたが、今Qのガイダンスは26%と成長率が鈍化してきている。この市況感で各企業(特にアメリカにおいて)はIT投資に対して慎重な姿勢を見せている
機械学習は長期的なプラットフォームの変化であり、成長ドライバーである
- AI の時代が到来し、Microsoft は強力に後押ししている
- Azure OpenAI サービスのローンチ。KPMG からアルジャジーラまで、すでに 200 を超えるお客様が利用。
- 今後、ChatGPT のサポートを追加し、独自のアプリケーションで初めて ChatGPT を使用できるように
- Azure ML の収益だけでも、5 四半期連続で 100% 以上増加
バンドルによるクロスセルはMSの強さの土台
- GitHub は現在、1 億人の開発者の拠点となった。Atlassianは1000万人のアクティブユーザーに対してGitHubは9000万人
- Power Automate には、AT&T から Rabobank まで、45,000 を超える顧客がおり、前年比で 50% 以上増加。一方でUIPath は10,650社の顧客(2022 年 10 月)
- 過去 12 か月間で、MSのセキュリティ ビジネスの収益は 200 億ドルを超えた。これは世界の情報セキュリティ市場の約 12% に相当します。
大規模なソフトウェア ベンダーは、購入者の行動を反映する。
- 企業側はコスト重視の考え方を持っている。その中でスタートアップが成長を加速するためのポイントが機械学習にある。
企業がプロダクトを導入する上で抱える6つの”ストレス”
Harvard Business Review「Why Customers Don’t Buy」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
顧客がプロダクトやサービスを購買する上で抱えるストレス6つをHarvard Business Reviewが2013年に解説していましたので、今週のpick up記事として参照させていただきます。セールスをする上での相手方のストレス要因を予測、理解、払拭することが、契約の障壁を取り除くことにつながると考えますので、セールスを担当されている方を含め、お客様の導入障壁にお悩みの方の参考になればと思っています。
1/ 予算面のストレス
- 企業の予算編成は、お金を使うべきところに優先順位をつけるだけでなく、お金を使うことへの恐怖心を取り除くために行われる
- 企業が検討しているイニシアチブとそれに関連する支出や投資資金はさまざまであり、それらは競合して予算を要求する。そのような中で、プロダクトやサービスの購買の優先順位は、企業の緊急度や状況の変化に応じて常に変更する。(最悪の場合)セールス担当者は、担当している取引に予算がつかないこともある
2/ 「市民権」を脅かされるストレス
- 経営幹部などプロダクトやサービス導入に責任のある人は、契約になる前に「この買い物は会社の利益になるか?」と問う
- 購買の評価プロセスを経た後でも、推奨されたソリューションが会社の目標や方向性に合致していない場合、購買が見送られる可能性は10倍にも跳ね上がる。このようなケースは、特に組織の下層で検討開始されたものが、検討を経るにつれて指揮系統を上がっていく際によく起こる。ソリューションの購買を推進するための説得力のあるビジネスケースが存在しない場合、シニアレベルの支持を得ることは難しい
3/ 組織のストレス
- 同調圧力は、集団の中で強力な影響を及ぼすものであり、プロダクトやサービスの購買を評価する人は、自身が下す意思決定がどう自分に影響するかを常に気にする。組織の上層部であれ下層部であれ、意思決定プロセスを担う者の行動、成功、失敗は常に評価されている
- プロダクトやサービス導入を検討する人は、正しい判断をするようにプレッシャーを感じており、また、もし明らかな選択肢や明確な方向性が示されない場合には、判断を避けるようにというプレッシャーもかかっている
4/ ベンダー選定のストレス
- セールスサイクルの中で最も大きな問題の1つは、(類似プロダクトがある場合)ほとんどのプロダクトの差は極めて小さいことである。競合のホームページなどが発信している言葉や主張は多くは、基本的に取り替えても同じような意味を孕んでいる。それ故に、購買を評価するチームのメンバーは決断に時間がかかったり、いつまでも延期したりすることがある
5/ 情報のストレス
- 我々は、メディアや専門家によって提示された情報を常に疑おうとする懐疑的な時代におり、また、ほとんどのお客さまが、過去にセールスマンにネガティブな経験をしている可能性がある。そのため、お客さまは常に事実とフィクションを見分けるというストレスのかかる立場に置かれている(一方でセールス担当者は、自身が真実を語ることに責任を負わなければならない)
- (もし競合とコンペになっている場合)セールスサイクルが進むにつれて、競合ベンダーは自社の優位性や他社の劣っている点を提示して、お客さまの心の中にあるFUD(恐怖、不安、疑念)をエスカレートさせようとすることも考えられる
6/ 「評価委員会」のストレス
- お客さまが集団で購買の意思決定を行う場合、そこには私利私欲や政治、そして集団力学が最終的な決定に影響を及ぼす。メンバーが個人的な都合を推すと、意思決定プロセスが停滞、停止することもある。あらゆる不確実性が、決断を阻むことを忘れてはいけない
- セールス担当者は「お客さまはストレスにさらされている」という基本的な事実を心に留めておく必要がある。同調圧力が強く、会社の利益のために正しいことをするのか、それとも自分の利益のために行動するのか、迷っていることもある。そのような中で、ベンダーは自分たちの優位性を主張し、プレッシャーを増大させているということを理解する必要がある
従業員のオンデマンド給与決済Fintech×SaaS DailyPay、$260M(約338億円)の融資を獲得
2015年に米・ニューヨーク創業のDailyPayは、レストランやホテル、小売で働く従業員がプリペイドカードとアプリを介して、働いた日までの給与を給与日を待たずに、無料で使うことができるFintech×SaaSスタートアップ。約70%の労働者が、即時払いサービスを無料で提供している企業に留まる可能性が高いと回答しています。つまり、企業が従業員との関係をより強固にすることができます。顧客には、ホテル大手ヒルトンや米小売大手ターゲットやクローガーなど、フォーチュン500企業が名を連ねています。今回の資金調達では、バークレイズやアンジェロ・ゴードンから$200Mの信用枠とSVB Capitalなどから$60Mのローンによるものです。
企業の経費ワークフローを自動化・リアルタイム管理するFintech×SaaS PayEm、シリーズAで$220M(約286億円)を調達
2019年創業のPayEmは、経費承認の自動化、買掛金の自動化、発注書作成、経費精算、クレジットカード管理のためツールを提供するFintech×SaaSスタートアップです。PayEmを使うことで、CEOやCFOは、子会社、部門、従業員の支出をリアルタイムで管理・可視化することができます。現在、200以上の地域と130以上の通貨で請求書を作成・決済を実施しており、過去1年間で顧客数は300%近く増加。昨年1年間で売上は550%と大きく成長しています。本シリーズAでは、エクイティで$20M、与信枠として$200Mで調達しました。投資家としては、Viola Credit、三菱フィナンシャルグループ、Collaborative Fund、NFXが参加しました。
医療従事者のバリューベースド・ケアを支援するSaaS Pearl Health、シリーズBで$75M(約97億円)を調達
Pearl Healthは、データサイエンスを用いて、医療従事者を最も必要とする可能性の高い患者を特定して、プロアクティブな医療ケアを実行する支援をするSaaSを提供するスタートアップ。この1年間で、全米800以上の病院と提携し、10州から29州に拡大しました。売上も昨年比10倍以上の高い成長を達成している。本シリーズBでは、Andreessen Horowitzがリードした。
「ブロックチェーン版AWS」を目指すブロックチェーン実装SaaS QuickNode、シリーズBで$60M(約78億円)を調達
QuickNodeは、Web2.0のインフラをWeb3.0の世界にもたらすことを目的としたWeb3.0系SaaSスタートアップ。2022年下半期は、Web2.0の大手企業やWeb3ネイティブ企業が顧客として増えたお陰で、売上は300%以上増加した。顧客には、OpenSeaやDone AnalyticsなどのWeb3.0企業のみならず、TwitterやAdobeと言ったWeb2.0の大手企業も名を連ねている。このラウンドは、10Tホールディングスがリードし、Tiger Global、Seven Seven Six Ventures、QED Investorsなどが参加した。バリュエーションは、$800M(約1,040億円)。
QuickNode raises $60M at $800M valuation to become the 'AWS or Azure of blockchain'
サイバーセキュリティ危機対応SaaS CYGNVS、シリーズAで$55M(約71億円)を調達
CYGNVSは、エンタープライズ企業が情報技術インフラに対するサイバー攻撃に対して、迅速かつ適切に対応する支援をするSaaSスタートアップ。セキュリティチームのリーダーは、サイバー攻撃への対応策とチームを数分で作成し、参加させることができます。各チームメンバーに役割に応じたタスクを割り当てると共に、さまざまなユーザーや外部の専門家に対するアクセスルールを管理し、カスタマイズされた対応計画に従って、ユーザーを導くことができます。最近、サイバー保険会社American International Groupと提携し、同社の顧客数百社にCYGNVSのサイバー危機対応SaaSを提供すると発表した。今回のシリーズAは、Andreessen Horowitzがリードした。
エンド・トゥー・エンドのデータ統合・変換・モニタリングSaaS Crux、$50M(約65億円)を調達
Cruxは、外部データと内部データ間からの価値を創出を加速させる、クラウドベースのデータ統合・運用ソリューションのSaaSを提供しています。Cruxは外部データのリード企業として、2022年に260以上のパートナーシップを実現しました。この1年半の間に、Cruxは$75M(約100億円)の契約を獲得し、この期間で260%を超えるARRの成長を達成しました。本ラウンドでは、Two Sigmaとゴールドマンサックス・アセットマネジメントのグロース投資チームがリードしました。
Fintech事業者向けにローン返済や残高移動機能などを簡単に実装できるFintech×SaaS Method、シリーズAで$16M(約21億円)を調達
Methodは、Fintechアプリ開発者が返済や残高移動、請求書支払いの自動化をアプリに簡単に組み込めるようにすることを目指すスタートアップ。共同創業者の2人は、前職のGradJoyに借金返済を組み込むことの難しさを身をもって体験し、2021年にローンチしました。現在までに、35社の顧客と75,000人以上のユーザーを持ち、ARRは約2.25Mです。Plaidなどの大手と競合しているが、クレジットカードのリアルタイム取引、即時残高移動、負債のライブデータ・ポイントの強化といった新機能で、独自の地位を確立できると見ています。本シリーズAは、Andreessen Horowitzがリードしました。
ノンデスク事業者向けプロダクトを展開するX Mile、累計8.8億円の調達を実施
運送業向けに案件管理や請求書管理、監査対策などをDXするサービス「ロジポケ」やノンデスクワーカー向け求人サイト「X Work」など、ノンデスク産業向けのサービスを複数展開。サービス開始以降、取引数は5,000事業所に昇りノンデスクワーカーのデータベースも20万人を突破。今後はマルチプロダクト戦略を推進していき、ノンデスク業界のデジタル化を加速させる。今回調達した資金は、プロダクト開発、採用・組織体制の強化に充てられる。本ラウンドに参画した投資家は、下記の通り。
- UTEC(東京大学エッジキャピタルパートナーズ)、みずほ銀行、りそな銀行、日本政策金融公庫、その他金融機関・VC・個人投資家
AIを活用して経済を予測するxenodata lab、3.05億円調達
経済ニュースや統計データをディープラーニングモデルで学習させ、企業業績や製品市況、需給などの経済状況を予測するSaaS「xenoBrain」を開発、提供。40万社の未上場企業の業績や、市場需給、マクロ経済指標等の予測を提供し、大手事業法人を中心に100社以上の企業に展開。2022年末の月次売上高の成長率は(前年同月比で)+100%を実現。今回調達した資金は、「xenoBrain」の機能強化、及び野村ホールディングスとの連携に充てられる。本ラウンドに参画した投資家は、下記の通り。
- 野村ホールディングス、グローブアドバイザーズベンチャーズ、NCBベンチャーキャピタル、DBJキャピタル、帝国データバンク、時事通信社、AITI
セールスイネーブルメントツールを提供するamptalk、シリーズAで3億円調達
AIを活用して電話やオンライン商談を自動書き起こし・解析をするセールスイネーブルメントツール「アンプトーク」を開発、提供。Web会議システムやIP電話の自動書き起こし・分析・解析を可能とし、自動でSalesforceやSlack、HubSpotに情報が共有されることで、商談の共有や振り返りをすることも可能。企業の「営業活動の属人化」や「営業人材の育成」「インサイドセールス(IS)・フィールドセールス(FS)・カスタマーサクセス(CS)の連携、情報共有」などの課題解決に取り組む。今回調達した資金は、プロダクトの開発や改善、マーケティング、採用活動に充てられる。本ラウンドに参画した投資家は、下記の通り。
- Scrum Ventures、ジェネシア・ベンチャーズ、モバイル・インターネットキャピタル、みずほキャピタル、三菱UFJキャピタル
オンライン商談・電話自動書き起こし解析ツール 「アンプトーク」、シリーズAで3億円の資金調達を実施
ギフトプラットフォームの開発を進めるAnyReach、シードで1.1億円調達
EC・D2Cを運営される企業が、eギフトやオンラインギフトに関連する機能を自社のECサイトに組み込み、提供できるサービス「AnyGift」を開発、提供。EC事業者側はプロダクトやサービスのファン層に対してギフト送付を簡易に実施することが可能。ギフトを受け取った消費者はその商品を認知し、その商品が好み・気に入れば新規顧客として自分用・ギフト用に購入されるというマーケティングの好循環が期待できる。サービス開始から8ヶ月間で、導入企業数は500社を突破。今回調達した資金は、EC・D2C企業への更なる導入、海外展開のための開発準備、採用の強化に充てられる。本ラウンドに参画した投資家は、下記の通り。
- Coral Capital、XTech Ventures、グローバル・ブレイン