IntercomのSaaSに生成AIを組み込む際の5つの学び
Bessemer Venture Partners「How Intercom navigated the AI paradigm shift」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
米カスタマーサービス向けSaaS大手 Intercomは、ChatGPTが有名になる前の2018年からAIの自社プロダクトへの組込みがカスタマーサポートをどう変革するか、を実験し続けています。本記事では、Intercom共同創業者兼Chief Strategy Officer Des Traynor氏と機械学習チームを率いるFergal Reid氏が、SaaSにAIを構築する際に学んだ5つの教訓について解説しています。
- ローリスク×ハイポテンシャルの問題を選ぶ
生成AIの組込みは比較的簡単な一方で、不完全さがまだあるため、どの課題を選択するか?が最も難しい点です。Intercomは、ユーザーが定期的に行い、活発なユースケースを選定した上で、開発コストの予測を行いました。活発であっても、開発コストが高額になれば、ユーザーは使うことができないからです。 - 小規模の専門チームを組成し、早期に成功体験を作る
Intercomでは、学術的な嗜好性が高く、組織横断的に動ける献身的な人材で構成された「Skunk Worksチーム」を組成しました。プロジェクトを高速に回せるように、小規模であることがポイントです。また初期の成功を積むことは、チームの結束を固める上で非常に重要です。 - “Ship-fast-and-learn(サクッとリリースして学習する)”マインドを大切にする
Intercomは、迅速なリリースと学習を重視するカルチャーがあり、これはAI組込みにおいても非常に重要です。最初の機能であるスマートリプライは、社内モデルをベースに2022年6月にリリース。ChatGPTとtext-davini-003の方が、社内モデルより優れていることが判明したので、すぐにピボットさせました。 - 機械学習チームを一元化する
エンジニアがAIやMLの専門家になることは一朝一夕ではいきません。そのため、IntercomではAI導入のベストプラクティスを、プロダクトチーム、エンジニアリングチーム、戦略チーム、経営陣に行き渡らせることを優先し、機械学習の専門チームを組成しました。Intercomの機械学習チームの役割とフォーカスについては、記事本文を参照ください。 - 会話言語をSaaSの新しいUIとして再認識する
企業向けソフトウェアは、不便なUIの歴史です。チャットボットや音声入力のUIは、この不便を革新する可能性があり、長期的な変化をもたらす可能性があります。SaaSとして、デバイスから脱却して、よりリレーショナルで会話的なものになる未来を前提に再構築を目指しています。
顧客の熱狂・白熱ぶりを高め、狙う市場を取り込むには
NfX「Finding the White Hot Center」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
HoneyBookやMarqeta、SimilarWebなどのSaaS企業にエンジェル、プレシードで投資をしてきたNFXによる記事を紹介します。本記事では、プロダクトに熱狂的な顧客を見つける新しい考え方として「White Hot Center」を提唱しています。スタートアップの最初期はターゲットを絞ってニーズに合ったプロダクト開発をしていきますが、同時に未来に向けてどう市場を拡大させていくか考えていくことも求められます。本記事は、事業を取り巻くネットワーク(顧客に加え将来の従業員、投資家など)を惹きつけるパワーを持つ、重要な熱狂顧客に執着し、その“白熱ぶり”を限りなく高めていくことでその市場拡大の狙うことを主張しています。今回は、その顧客の“白熱ぶり”を高めることで成功した事例やPMF / ICPとの違い、White Hot Centerの見つけ方を翻訳の上紹介します。起業や新規事業のアイデア探しの参考になれば幸いです。
White Hot Centerを見つけた事例 - Honeybook
- HoneybookはSMBやフリーランサー向けにビジネス管理プラットフォームを提供する企業です。顧客は自身の事業の管理や決済などがHoneybook上で可能です。当初はイベントサービス業界に特化しており、その後、ウェディングやイベント、サービス業界にさらに焦点を絞りました。その中には、会場、花屋、イベントプランナー、カメラマン、ケータリング、DJなど、さまざまなタイプの潜在顧客が含まれていました。利用状況を調べたところ、ウェディングプランナーが最もホットであることを発見しました。彼らは2年以上にわたって、そのホットセンターに焦点を当て続けました。そのうちに、フォトグラファーが次に良い指標を持っていることに気づき、そのタイプの顧客を増やすことに1年間集中しました。今では、すべてのオフラインでサービスを提供する事業者ののためのプラットフォームになっています
White Hot CenterとPMF, ICPの違い
- PMFはプロダクトをアップデートし続けながら、お客様のニーズを満たすものを開発し続けるプロセスです。一方、White Hot Centerを見つけるということは、指標や顧客フィードバックを参考にしながらプロダクトを気に入っているニッチなユーザーの異常値を探し出し、プロダクトを変えずに熱狂している部分を強化し、掘り下げていくことを指します
- ICPは理想的なユーザーに固執しすぎる場合、プロダクトを特定のプレーヤー向けだけのものとして考えるようになります。一方、自分のICPをネットワークのノードと考え、新しいノードを引き込む熱狂したコアカスタマーがある場合、ネットワークを意識したマルチプレイヤーゲームを構築することができます
White Hot Centerの見つけ方
- 正の外れ値を探すこと:
低いCACやプレスやソーシャルでの言及・バイラリティ、高いリテンション率や購買意欲、評価を参考に、特に抜きん出ている指標を探すこと - これまで関わりのないプレーヤー群を見つけること:
White Hot Centerにはこれまで関わりの薄かった企業やうプレーヤーが集まります。例えば、ある鉄鋼製品を輸送する企業を対象にするスタートアップの場合、既存の業務やプロセスを効率化にするSaaSプロダクトを作る起業家が多いです。一方、考え方を変えて、例えば鉄鋼製品輸送のプロセスに関わっていないプレーヤーを巻き込むにはどうしたらいいか、という発想を持って取り組むことで新しい取引形態や市場拡大の可能性にアプローチできます。
Inside Sales is Art エンタープライズ領域におけるインサイドセールスの価値
印南 貴弘氏「Inside Sales is Art エンタープライズ領域におけるインサイドセールスの価値」のnoteを一部紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
SmartHRで活動されている印南 貴弘さんの記事をご紹介します。BtoBマーケティングや営業活動プロセスに関する分業体制「THE MODEL」によって効率性の高いオペレーションを組むことができるようになりましたが、一方でターゲットとする市場や提供価値によっては「THE MODEL」が完全にフィットせず、その型を柔軟に変えていくことが求められます。本記事では、そのような柔軟性を持ってインサイドセールス業務に取り組むにあたり心がけておきたいポイントがまとまっています。下記、ポイントを抜粋させていただきます。
インサイドセールスの役割は変化する。しかし、セールスであることは変わらない
- マーケティングやフィールドセールスの間に立って「商談創出」をすることが一般的なインサイドセールスの役割として認知・普及していると思いますが、業界・業態や事業フェーズによって変えることが重要です。「セリング」まですることもあれば、商談創出した先の「有効商談数」「パイプライン創出金額」「商談フェーズを前に進めるプログレッション」など、さまざまな役割を設けている組織が存在します。
- 分業体制による課題は部門最適化が進むことです。忘れてはいけないのが、マーケティング・インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセスすべて営業活動の一環であるということです。部門最適化を意識しすぎると、特定の部門だけKPI達成しているが事業成長していないという結果がよく見受けられます。
表層ではなく深層を理解する
- 見ているモノ・情報だけから判断することも大切ですが、見えていないことを想像する、意味を見出すことも重要です。お客様のことを考え抜くべく、顧客は何を求めているのか?どうしてそのようなアクションをしたのか?そのアクションに対して、どのような営業活動を行なっているか、深層を考え抜くことが必要です。
インサイドセールスは、アートである
- インサイドセールスの本来の目的は、受注までのプロセスを滑らかにデザインすること、そしてお客様の目指す方向へ伴走することです。インサイドセールスを追求すればするほど、PM(プロジェクトマネジメント)に近い感覚になります。
PMMの組織設計における論点整理
小林 誉幸氏「PMMの組織設計における論点整理」のnoteを一部紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
弁護士ドットコム執行役員の小林 誉幸さんのPMM組織立ち上げを経たレッスンが、海外文献を下敷きに実例をもとに明瞭に記載されています。PMMという新職種に関する組織設計の論点が、わかりやすく解説されているので、ぜひご一読ください。
PdMとの役割分担
- PMMがプロダクトマネジメントをどこまでが担うかは、新製品/新機能の開発プロセスを下記4フェーズに分けると、
- リサーチ(顧客インタビューやVoCを含む)
- ディスカバリー
- デリバリー
- リリース
- PMMの担当領域は、ビジネスサイドが主に関わる1. リサーチと4. リリースです。
- PMMがこの役割を担うメリットはいくつかありますが、当社の経験から最大のメリットだと感じたのはPdMがモノづくりに集中できる環境を提供できることにあります。
マーケティング戦略にPMMがどこまで関与するか?
- PMMが担当するマーケティング範囲の論点は、コミュニケーション系業務に集中するか、それともプライシングやGTM戦略、さらにはマーケティング戦略にまで役割を拡げるのかに収斂されます。
- コミュニケーション系業務に集中するメリットは、以下の2つです。
→ コミュニケーション系業務は担当が明確に決めにくい。組織立ち上げ直後にQuick Winを達成しやすくなります。
→業務の目的やプロセスが明確であるため、ジュニアメンバーも含めて役割分担の設計の難易度が低く、組織マネジメントがしやすいです。 - プライシングやマーケティング戦略にまで役割を拡げるメリットは、以下の2つです。
- 経営に大きくインパクトする業務であるためモチベーションやキャリア形成に大きくプラスになります。
- 一方で抽象度が高く、CEOを始めとした上位のステークホルダーの影響を大きく受ける傾向にあるため、高い戦略的思考力や調整力が求められます。
初期段階におけるSaaSスタートアップの効果的な価格戦略
SaaStr Insider!「The 3 Types of Day 1 Pricing: Low End of Normal. Identical. And Anchor High.」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
米SaaS VC、Jason Lemkin氏によるSaaSスタートアップ向けの価格戦略に関するアドバイスを記載した記事です。以下が要点になります。
- 通常の低価格戦略:効果的な初期戦略はマーケットリーダーの価格の80%に設定し、顧客に製品を試す動機を提供します。
- 同一価:プロダクトがマーケットリーダーと同等またはそれ以上なら、価格を一致させ、プロダクトの利点を強調します。
- 高値アンカー戦略:プロダクトがマーケットリーダーより価値があるなら、価格を高めに設定します。追加の機能や安全性を評価するお客様に有効です。
- あまりにも安い価格は避ける:低すぎる価格は、プロダクトの品質が低いという間接的なメッセージを送る可能性があります。
- 非標準モデルを避ける:摩擦を減らすために、馴染みのある価格モデルを使用します。
- 初期の導入料は避ける:初期段階での余分な請求は顧客を混乱させる可能性があります。
- 価格設定を複雑にしない:初期段階のSaaSビジネスの目標は、ハッピーな顧客を獲得・維持することです。
All-In-Oneレストラン管理SaaSユニコーン Restaurant365、$135M(約186億円)を調達
2011年創業のRestaurant365は、飲食業向けに会計、財務分析、スタッフ管理、在庫管理(POS除く)を提供しており、現在4万店舗で利用されています。顧客には飲食チェーンの他に、レストランと取引をする会計事務所などが含まれています。現在の年間売上は$100M程度に達しています。今回、KKRとL Cattertonが共同でリードし、新規の資金調達をしました。この他に、ICONIQ GrowthやToastの投資家でもあるBessemer Venture Partnersも参加。評価額は具体的に公表はしていないものの、$1B(約1,400億円)を超えています。
企業の従業員の購買ワークフローSaaS ZipHQ、シリーズCで$100M(約138億円)を調達
ZipHQは、「intake-to-procure」ソリューションを提供し、従業員が購入を開始すると、財務、法務、IT、セキュリティなどのチームで承認され、企業のアセット管理ソフトウェアに接続されます。最近リリースされた "intake-to-pay "は、発注書の発行、請求書の処理、支払いといった拡張機能まで幅を広げています。本ラウンドはY Combinatorがリードし、CRVやTiger Globalも参加しています。評価額は$1.5B(約2,000億円)に達しています。今回の資金調達により、生成AIを活用した新しいSaaSプロダクト開発などに充てるとしています。
Metaに$1Bで買収されたKustomerがスピンアウトして、$60M(約83億円)を調達
Kustomerは、2022年初頭にFacebook親会社Metaが約$1B(約1,400億円)で買収したCRMスタートアップ。Kustomerの特徴は、「オムニチャネル」というコンセプトをベースに、新しいCRMを構築している点です。このコンセプトは、Messenger、Instagram、WhatsAppなどのマルチチャネルを提供するMetaとビジョンと合致していました。今回の資金調達では、Metaがリストラと大幅のコスト削減を進める中で、Kustomerは生成AIを用いた自動化ソリューションの開発を投資するために同社からスピンアウト。過去の投資者であるBattery VenturesやRedpoint Venturesから調達をしました。Metaは少数株主として残っています。評価額は、大幅に下げて$250M(約350億円)。
セールスコミッションSaaS Spiff、シリーズCで$50M(約69億円)を調達
Spiffは、財務チーム向けに営業のコミッション設計・計算を支援するスタートアップ。先日「Spiff Designer」という、数百種類の販売手数料モデルがプリセットされており、プライシングテストを営業担当がエンジニアの力を借りずに実行できる新プロダクトもリリースしています。コロナ禍の3年間で売上は、800%の成長を遂げています。過去12カ月間では、顧客社数は1,000社に迫っており、売上を2倍に伸ばしています。本ラウンドはSalesforce Venturesがリードし、Lightspeed Venture PartnersやNorwestなども参加しています。
自動車修理業界向けマーケットプレイス+SaaS PartsTech、シリーズCで$35M(約48億円)を調達
2012年に米・ボストン創業のPartsTechは、自動車修理業界でB2Bの自動車部品マーケットプレイスを提供するリーディング企業です。自動車修理工場向けに、支出管理や相見積りなどのSaaS機能を3つのプライシング(無料、月額米45ドル、月額85米ドル)でも提供しています。現在15,000以上の修理工場と30,000以上のサプライヤー拠点を結び、部品調達プロセスを加速させ、修理工程を迅速化させています。本ラウンドは、PLG SaaSを得意とする米VC Openview Venture Partnersがリードし、既存投資家であるInsight PartnersとBP Venturesも参加しています。
■ 資金調達
店舗経営を支えるインフラをつくるカンリー、シリーズBで約10億円調達
企業が保有するGoogleビジネスプロフィールやホームページ、SNSの店舗情報を一括で管理できるサービス「カンリー」を開発、提供しています。各メディアのアカウントを最適に管理・運用することで、コストの削減やデータ分析による店舗運営上の課題特定、施策の改善を支援します。2020年6月のリリースから約3年で45,000店舗以上に有料導入されており、飲食やカラオケ、ホームセンターなど幅広い業種・業態の企業に導入されています。解約率は1%未満、YoY200%以上の成長を達成し続けています。これまでは店舗の事業拡大に必要な「来店者の増加」を支援するマーケティング支援を主な領域としてきましたが、これからは採用領域にも拡張していくとのことです。本ラウンドは、UB Ventures、ディープコア、みずほキャピタル、東芝テックを引受先とする第三者割当増資によって実施されました。
建機レンタルや建設のDXを推進するSORABITO、シリーズGで8.4億円を調達
建機レンタルの営業サポートアプリ「i-Rental 注文」や建設機械の点検業務の効率化サービス「i-Rental 点検」、建機レンタルの受注業務の効率化クラウド「i-Rental 受注管理」などの建機レンタルや建設に関わるサービスを複数展開しています。創業以来、建機レンタルを中心にしたサービスを展開していましたが、さらにDXを加速させるべく、建設会社やディベロッパー、総合人材サービス会社など、業界に関わる種々のプレイヤー向けの価値提供も図っています。本ラウンドは戸田建設、住友商事、パーソルベンチャーパートナーズなどを引受先とする第三者割当増資によって実施されました。
アパレルDXを推進するGOOD VIBES ONLY、累計約8.1億円調達
アパレル特化業務効率改善DXプラットフォームDX「Prock」を開発、提供しています。3Dを利用した商品制作やMD(マーチャンダイジング)、需要予測、PRなど、アパレル業界に必要な機能をワンストップで提供しています。元来、アパレル業界の中で社会問題になっている「在庫の大量廃棄」に着目し、アナログで管理されていた業務の効率化とコスト削減を支援するべく、プロダクトを提供しています。本ラウンドはSMBCベンチャーキャピタル、NCBベンチャーキャピタル、新生企業投資、セレス、D2C&Co.、ベクトルを引受先とする第三者割当増資によって実施されました。
タビナカのデジタル化を推進するNutmegLabs Japan、シリーズAで総額約4億円調達
旅行・レジャーにおける現地体験事業者向けに観光DXプラットフォーム「Nutmeg」を開発、提供しています。主にタビナカ事業者 (水族館、動物園などの観光施設、トレッキングやマリンスポーツなどのアクティビティ、ガイドや食事を伴う観光ツアー、現地交通など)を対象に、予約や決済、現場レベルの業務を一気通貫でデジタル化します。観光業界の中でもタビナカのデジタル化は最も遅れており、航空券や宿泊業界の平均であるオンライン予約率50〜60%と比較して、わずか24%というところに着目し、プロダクトを開発しています。本ラウンドはALL STAR SAAS FUND、Coral Capitalを引受先とした第三者割当増資によって実施されました。
コミュニティスペース向けオールインワンソリューションを提供するATOMica、総額約4億8,000万円調達
ATOMicaは、ソーシャルコワーキングスペースやコミュニティの「ATOMica」の運営や、コワーキングスペース運営システム「knotPLACE」の開発、提供をしています。knotPLACEはスペースの予約、チェックイン、契約、請求といった顧客管理を行うことができるSaaSです。管理者向けには細かな利用履歴や売上をグラフ表示して分析することが可能であり、施設ユーザーはLINEで利用できるアプリを提供し、QRコードを表示しながらチェックインやチェックアウトが手軽にできます。また、会議室や空席の予約、LINEを通じた施設情報の受け取りなども可能です。本ラウンドはFFGベンチャービジネスパートナーズをリードインベスターとした、複数社を引受先とする第三者割当増資によって実施されました。
上場企業の取締役会をDXするミチビク、2億円調達
取締役会の運営効率化と意思決定の質向上を実現する取締役会DXプラットフォーム「michibiku」を開発、提供しています。2022年7月に経済産業省が改訂した「コーポレート・ガバナンス・システムに関する実務指針」をはじめ、コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)の改訂や、東証の市場再編、また、相次ぐコーポレートガバナンス起因の不祥事を背景に、コーポレートガバナンス強化の機運が高まっています。michibikuでは、招集通知から議事録作成、電子署名、保管までをワンストップ化し、全工程がオンラインで完結され、役員がどこにいても取締役会の内容を確認できます。本ラウンドは、DIMENSION、みずほキャピタル、有安 伸宏氏などを引受先とした第三者割当増資に加え、日本政策金融公庫、商工組合中央金庫などの金融機関からの融資によって実施されました。
AIの社会実装を目指すSpiral.AI、プレシードで総額1.5億円調達
カスタムChatGPTを作れる高機能AI言語モデルプラットフォーム「Spiral.Bot」、独自LLMの開発と提供を行う「Spiral.LLM」の2つのサービスを提供しています。最近のLLMの発展は人間の可能性を広げるツールとして幅広い活用が始まっていますが、一方でプロンプトエンジニアリング(質問や指示を設計する技術)に一定のノウハウが要求されることや幻惑 (Hallucination) による虚偽の回答を行うリスクなどの課題も孕みます。それらの課題を解消し、企業が適切にLLMを導入、活用することを支援します。
カーボンオフセットのインフラをつくるSustineri、1億円調達
商品やサービスのカーボンニュートラル化を支援する「カーボンオフセットクラウド」を開発、提供しています。API連携などにより、Web上で販売する商品やサービスのCO2排出量を自動算定・相殺することが可能です。特に交通移動や旅行観光、出張業界に関わる企業を中心に、自社商品のカーボンニュートラル化をはじめ、自社Webサービスへの気候変動対策機能の付加、カーボンオフセット付き商品の企画・開発などのニーズが高まっているとのことです。本ラウンドは環境エネルギー投資、インキュベイトファンドを引受先とする第三者割当増資により実施されました。
落とし物のプラットフォームをつくるfind、シードで7,500万円調達
落とし主と、落とし物を預かる施設事業者のマッチングを支援する、落とし物クラウド「find」を開発、提供しています。落とし主は、find内で情報入力をし、自身の落とし物が施設に届いているのかどうかの状況がわかり、受け取りまでの連絡が可能になります。一方、落とし物を預かる鉄道や不動産などの法人はfindを導入することにより、法人は業務効率化・環境負荷削減につながります。今後はデータが集まるプラットフォームとして機能するだけではなく、配送や保険・二次流通などにも機能を拡張していく予定です。本ラウンドは、ドーガン・ベータ、京王電鉄、山口キャピタルを引受先とする第三者割当増資により実施されました。
患者を中心としてプラットフォームを提供するBuzzreach、シリーズAエクステンションラウンドで新株予約権付融資による調達を実施
Buzzreachは治験実施医療機関向けに治験業務管理システム「Study Works」を開発、提供しています。日本では年間800本の新規治験届が申請されていますが、このうち60%〜70%は計画通りに治験を終えることができていない状況です。そこで、関わるステークホルダー(製薬企業・CRO・患者・医療機関内の他部門など)との業務管理をワンストップで行い、治験の計画から承認申請までのプロセスを効率的に進められるようなプロダクトを開発しています。BuzzreachはStudy Worksの他に、患者へ治験情報提供を可能にする治験情報発信プラットフォーム「puzz」や。本ラウンドは、あおぞら企業投資を引受人とし、新株予約権付社債を2.5億円発行して資金調達を行いました。
- MetaがAI学習・推論用の専用チップ開発プロジェクトを発表(Reuters)
- OpenAIがiOS版「ChatGPT」アプリを米国で公開(ITmedia News)
- Googleの生成AI「Bard」が日本語対応を発表(Google Japan Blog)
- Appleが従業員にChatGPTを含む生成AIの使用を禁止(Yahoo! )
- ZoomがAnthropicとプロダクトパートナーシップを発表(TechCrunch)
- Zapierが自然言語入力によるワークフロー自動化等のAI自動化機能を発表(Zapier Blog)
- 日立が生成AI専門組織「Generative AIセンター」を新設(PC Watch)
- Skyland Venturesが生成AIの事業開発支援(Nikkei)
- ヘルスケア特化のAIモデルを開発するHippocratic AIが、シードでa16zやGeneral Catalystなどから$50Mを調達(Reuters)
- オープンソースの生成AIモデルを開発するTogetherが、シードでLux Capitalらから$20Mを調達(TechCrunch)
- FlyteベースのAI・データのワークフロー管理プラットフォームを提供するUnionAIが、シリーズAでNEAらから$19.1Mを調達(TechCrunch)
- 生成AIモデルの訓練、テスト、微調整を支援するVisual Layerが、シードでInsight Partnersらから$7Mを調達(Business Wire)
- 生成AI型テストコーダーを提供するSapientAIが、8VCらから$5Mを調達(SapientAI)
- シンガポール発Locofy.aiが、シード2でGolden Gate Venturesらから$4.25Mを調達(SaaS News)