現役SaaSスタートアップCFOによる「数字でドライブする経営」
中出 昌哉さんのnote「数字でドライブする経営(前編)|Masaya Nakade / テックタッチ株式会社」の一部を紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
資金調達をリードするCFOのみならず、事業の責任者として複数の帽子をかぶっている、テックタッチ社の「スーパーCFO」中出さんによる記事。CFOは投資家と対峙する場面も多いため、市場分析・競合分析を投資家目線で語ることは重要です。しかしながら、市場分析や競合分析は、どの顧客セグメント・市場を狙い、どう勝つか?の戦略マップの基礎であるため、経営戦略的に非常に重要なプロセスでもあります。特に動きの速いテクノロジー業界においては、日を追うごとに市場環境が変化するため、欠かすことができません。この記事では、国内のSaaS企業のCFOの中でも、ハイレベルな市場分析や競合分析をしている中出さんの見方や深さを知る上で、非常に参考になります。スタートアップの創業者・CEO・CFOはもちろん、PMのようなプロダクト戦略を考える方々にも大いなる示唆を与えてくれる記事なので、とてもオススメです。
米SaaSのセールス・インセンティブ設計から見るSaaSの成長を加速させるためのミソ
ICONIQ「ICONIQ | Go to Market Series: Sales Compensation」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
米有数のグロースキャピタル ICONIQ GrowthによるSaaSセールス(BDR/SDR、アカウントエグゼクティブ、アカウントマネージャー)の報酬設計の詳細とトレンドについてのデータ分析レポート。SaaSのARR成長はセールス組織のインセンティブ設計によって大きく変わります。従来、日本では商習慣により固定給中心での報酬設計が一般的でしたが、セールスフォースなどの外資系SaaSの流れを受けたOTE(On-Target Earning)制度を導入するスタートアップも増えてきています。以下の様な悩みを抱えている経営者は、ぜひ参考にしてみて下さい。
- セールスの職種(SDR、BDR、AE、リニューアル営業)別で何を報酬を決める業績指標にするのか?
- スタートアップのステージによって変動給の設計は変わるのか?
- 顧客ターゲット(SMB、MM、エンプラ等)別で固定給:変動給の比率をどの位にすべきか?
- 営業ノルマ/標準報酬のノルマの比率をどう設計すべきか?
- 営業ノルマの達成率はどの位を目指すべきか? など
高成長、高評価SaaSのSnowflakeを支える、セールスマネジメントの考え方
SaaStr「How to Manage 100+ SDRs Across 4 Continents | Snowflake VP, Global Sales Development Lars Nilsson」の動画の一部を日本語で紹介したものです。全内容はリンク先をご覧ください。
Snowflakeは今も変わらず世界で高く評価されている企業の1つであり、成長し続けている優良SaaS企業です。そんなSnowflakeでVP of Global Sales Developmentを担っているLars Nilsson氏が昨年のSaaStrで登壇した動画をご紹介します。彼は新卒でXeroxに入社し、そこでセールスの基礎を身につけつつ、セールスマネージャー業などを経てSnowflakeに入ります。本動画では、20年以上のセールス歴の中で、彼がSnowflakeで実践してきたベストプラクティス(特にSDRを含めたセールスマネジメント)について紹介くださっています。セールス組織を管轄している方、これからセールスマネージャーになろうとしている方におすすめの動画です。
戦略を成果に繋げるための実行力の高め方
麻野耕司さんのnote「麻野耕司 / ナレッジワーク on Twitter」のTwitterを紹介したものです。全内容はリンク先をご覧ください。
ナレッジワークで代表取締役を務められている麻野耕司さんのツイートをご紹介します。セールスイネーブルメントという、日本の市場にはこれまでなかった考え方を浸透させることにチャレンジされており、最近クラウドサービスのリリースと資金調達を発表したナレッジワークさん。スタートアップに限らず、新しい領域でチャレンジしその領域で成功をおさめるためには、「戦略づくり」が大切になってきますが、その戦略を通して成果を挙げるには、戦略自体を複雑にせずシンプルにすることが大事であると同氏は説きます。戦略を理解でき、高い実行力を持って組織が動けるようになるための例は、大変参考になります。
Qualtricsの$800M超えるARRの背景にあった5つの学び
SaaStr「5 Interesting Learnings from Qualtrics at $800m+ in ARR | SaaStr」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
エンタープライズ向けにSaaS×サービスを提供しているQualtrics(2023年3月にPEにより買収された)が、かつてARR$800Mまで到達した時のSaaStrの解説記事になります。エンタープライズ市場へのGTM戦略を考える際に非常に参考になります。
年間契約のみで、プロフェッショナル サービス (収益の 25%) が提供されます
- Qualtricsには 12,000 を超える顧客。その多くはエンタープライズです
- 顧客の 99% は年間契約を結んでおり、収益の 25% はプロフェッショナル サービスによるもの。サービスからの収益の 25% は高いが、エンプラにフォーカスしている企業なら標準的です
- サービスの粗利は35%でブレンドで73%程度
120% の NRR にレバレッジを効かせて急成長を実現
- 2012 年の収益は 3,500 万ドルから、2021 年には 8 億ドルに上昇しました
100 万ドル以上の顧客が 64 社、10 万ドル以上の顧客が 1,200 社 (比率は 1:20)
- 小規模な顧客もその後を維持しており、依然として総顧客のうち12,000 の 90% を占めています
$10Mから$100Mへのスケールアップに必要な変化
SaaStr「What You Need to Change at $10M to Scale to $100M: Sameer Dholakia, Partner Bessemer (Workshop Wed)」の動画の一部を日本語で紹介したものです。全内容はリンク先をご覧ください。
元SendGrid CEOのSameer Dholakiaが、「SaaS企業が$10Mから$100MのARRを達成するために必要な戦略的な変更とリーダーシップスタイルについて」を語るセッションです。ビジネスの成長とスケールアップに関する重要な視点が書かれています。ハイライトは以下のポイント。
- ビジネスのスケーリング
ビジネスを$10Mから$100Mにスケールするプロセスは、オペレーション、コミュニケーション、役割の専門化、意思決定において大きな変化を必要とします。会社のニーズは異なる段階で変わり、それに適応することが重要です。 - 役割の専門化
会社が成長するにつれて、役割はより専門化されます。スタートアップ環境で複数の帽子をかぶることを楽しむ従業員もいますが、スケールする際には特定の領域での深い専門知識が必要です。現在だけでなく、2〜3年先に会社が必要とする専門的スキルや知識を持つ人を採用することが重要です。 - 意思決定
意思決定の機動性を保つことは、会社がスケールする際に重要です。プロセスは成長とともに遅く、より複雑になる可能性がありますが、自身の進歩を妨げないように、機敏さを保つことが重要です。 - カルチャーとバリュー
カルチャーは会社の成功の重要な側面です。意図的に定義されない場合、それ自体が定義され、可能性としては望ましくない方法で定義されます。従業員が会社のバリューを体現し、それぞれがカルチャーの管理者であることが重要です。 - コミュニケーション
特に会社の目標と方向を設定する際には、明確で一貫したコミュニケーションは鍵となります。これにより、全員が同じ目標に向かって進んでいることを確認することができます。 - 成長の計画
複数年の計画を作成する際には、NRR、New ARR、Go-To-Marketの効率性などの主要な変数を考慮することが重要です。また、強力なCFOや、自身の経験に基づいて貴重な洞察を提供できるCXOを持つことも重要です。 - 強力なリーダーシップチームの重要性
成長段階を通じて会社を導くことができる強力なリーダーシップチームが重要です。このチームは、同様の成長ジャーニーを経験した人々と、問題領域と顧客に深く触れている人々の混合体であるべきです。
GPU利用加速による大規模ワークロード向けサーバーレス・オーケストレーションSaaS CoreWeaveがシリーズBエクステンションで$200M(約280億円)を調達
CoreWeaveは、レガシーなクラウドプロバイダーが苦労している演算処理能力の向上のニーズを満たすサーバーレス・オーケストレーション・レイヤーを提供するスタートアップ。生成AIブームにより、AIスタートアップはプロダクトの市場投入を急ぐ中で、ワークロードをわずか5秒で向上することができます。今回のシリーズBエクステンションでは、大手オルタナティブ投資会社Magnetar Capitalから追加の資金調達を実施しました。シリーズBでの資金調達総額は$421M(約589億円)になります。
All-In-Oneバケーションレンタル・Airbnb管理SaaS Hostawayが$175M(約245億円)を調達
コロナが過去のものとなり、観光業や旅行業は大きく復活を遂げました。Hostawayは、Airbnb、Expedia、Booking.com、自社サイトでのバケーションレンタルの掲載を支援するSaaSを提供するスタートアップ。SaaSスタートアップの多くが成長に赤字を掘る中、Hostawayはこれまで外部からの資金調達をほぼしておらず、利益率の高い事業を創っています。現在、約10万件の物件が同社のSaaSで管理されており、売上は2021年から10倍に成長しています。近年では宿泊施設のデジタル化が進み、約80%以上の宿泊施設はOTAなどの代理店を介さずに、オンラインで直接予約されるようになっています。そのため、Hostawayは宿泊施設のオーナーを支援する約40以上の機能を提供しています。今回はPSG Equityが単独で全額出資しています。
不動産分野特化のESGデータ管理SaaS MeasurablがシリーズDで$93M(約130億円)を調達
Measurablは、2013年に大手商業不動産投資会社 CBREでサスティナビリティ・ソリューション担当であったマット・エリス氏が創業した、不動産特化の環境・社会・ガバナンス(ESG)データプラットフォームを提供するスタートアップ。Measurablでは建物レベルから資本市場での活動に至るまで、不動産事業の持続性データを管理、ベンチマーク作成、追跡およびレポーティングすることができます。Measurablの顧客社数は1,000社を超えており、世界の不動産アセットマネージャーの40%が利用しています。ダウ・ジョーンズの調査によると、今後3年間でESG投資は2倍以上に増加し、2025年には世界の投資額の15%を占めると予測しています。今回のシリーズDでは、Energy Impact PartnersとSway Venturesが共同でリードしています。
インド発顧客のロイヤリティ管理SaaS Capillary TechnologiesがシリーズDで$45M(約63億円)を調達
顧客のロイヤリティ管理と顧客エンゲージメントを向上するソリューションを提供するインドの新興SaaSスタートアップである、Capillary Technologiesはグローバル展開とM&Aによる拡大を目指して、今回シリーズDの資金調達を実施しました。Capillaryは、ゲーミフィケーションによる顧客ロイヤリティ強化二重テインをおいており、小売、航空、旅行業界に代表されるホスピタリティの分野で独自のニッチ市場を開拓してきました。すでに30ヵ国250以上のブランドと提携しており、100以上のロイヤリティプログラムを提供しています。有名な顧客企業には、プーマ、シェル石油、ドミノピザなどの大手企業が名を連ねています。これまでM&Aにより成長を牽引しており、Persuade社の買収では売上は数年で3.5倍に拡大。現在ではアメリアkの売上が1/3以上を占めています。本ラウンドは、Avataar VentuersとそのLPであるPantheonなど3社がリードしました。
社内のエンジニアチーム内の開発ポータルSaaS CortexがシリーズBで$35M(約49億円)を調達
Cortexは、企業内のエンジニアリングチームがより優れたソフトウェア大規模開発する際に使う社内開発者向けポータルの構築を支援するSaaSスタートアップ。Cortexは創業当初、開発者がマイクロサービス・アーキテクチャを開発することでシリーズAまで調達していました。それ以降、社内の開発者向けポータルに重点をおくようになり、同社の売上は前年比400%増となりました。顧客にはTripAdvisor、Docker、Grammarly、Unityなどの大手テック企業が名を連ねています。今回のシリーズBでは、IVPがリード投資家の他、既存投資家であるSequoia Capital、Tiger Global、Y Combinatorも参加しています。
■ 資金調達
業界No.1 モビリティSaaSを展開するニーリー、総額16億円調達
モビリティSaaS「Park Direct」および「Park Direct for Business」を開発、提供しています。駐車場管理のDX化を推進し、オンラインで駐車場の契約業務を完結できるシステムとサービスを提供しており、業界でのリーディングカンパニーとして駐車場市場のDX化を促進しています。Park Directは2022年12月に業界トップの「導入社数」と「オンライン契約可能件数」を獲得しています。また、Park Direct for Businessは法人車両向け月極駐車場契約・決済・管理サービスとして、大手企業や中堅・中小ベンチャーをはじめとする多数の企業が導入しています。本ラウンドには、SBIインベストメント、Spiral Innovation Partners(Logistics Innovation Fund)、tb innovations、中国電力、三菱UFJ銀行、SBI新生銀行、三井住友銀行、商工組合中央金庫が参画しています。
エクスペリエンス・マネジメントを支援するエモーションテック、5.8億円調達
NPSやテキストデータなどに含まれる感情データを活用し、顧客や従業員のロイヤルティ向上に必要な体験価値を創出するクラウドサービスを提供しています。現在、顧客体験(CX)マネジメントサービス「EmotionTech CX」、従業員体験(EX)マネジメントサービスEmotionTech EX、投資家体験(IX)マネジメントサービス「EmotionTech IX」およびプロフェッショナルサービスを提供しています。日立やセブン&アイ、住友生命などの大手企業を含め、500社以上を支援してきており、2021年8月に株式会社プレイドのグループに参画以降、スイングバイIPOを目指して成長を続けています。本ラウンドには、フェムトパートナーズ、プレイドなどが参画しています。
患者を中心としたプラットフォームを提供するBuzzreach、シリーズAエクステンションラウンドで3億円調達
Buzzreachは治験実施医療機関向けに治験業務管理システム「Study Works」を開発、提供しています。Study Worksでは、大学病院や大規模病院グループ、がんセンターなどが治験業務/プロジェクトを管理できるシステムです。治験の実務を担う治験コーディネーター(CRC)を中心に、関わるステークホルダー(製薬企業/CRO/患者/医療機関内の他部門等)との業務/プロジェクト管理がワンストップで可能となります。日本では年間800本の新規治験届が申請されていますが、このうち60%〜70%は計画通りに治験を終えることができておらず、治験業務の効率性を上げていくことを目指しています。今回は、日本政策金融公庫より新株予約権付融資及び資本性劣後ローンによる調達を行なっています。
建設業界のDXを支援するグローバ、プレシリーズAで総額2.2億円調達
建設業界向けのコミュニケーションアプリ「クラフタ」を提供しています。建設業界におけるスマートフォンの普及率の上昇により、従来の電話やFAXに代わるコミュニケーションツールとして活用されています。現場単位で施工情報を一元管理するため、パソコン、スマホ両方で最新の現場情報が確認可能です。ユーザーは全機能を完全無料で利用することができ、ツール内で広告掲載を行いながらマネタイズをしています。 今回のラウンドには、DIMENSION、SMBCベンチャーキャピタル、ココナラスキルパートナーズ、ちゅうぎんキャピタルパートナーズなどが参画しています。
建築現場の品質向上を支援するNEXT STAGE、追加調達を実施
住宅の施工品質を可視化するDXクラウド「QualiZ」を提供しています。住宅建築、施工管理の生産性と品質向上を支援するクラウドサービス「QualiZ」を提供しています。施工現場で生じている不備の範囲や要因などを分析し、住宅事業者の施工に関する課題を解決するサービスです。製造プロセス全体を細かく項目に分解することで自社のリソース配分を最適化でき、それら項目を法令基準などと紐付けて最低限守るべき品質を維持することを支援します。今回のラウンドには、レオス・キャピタルパートナーズ、オプティマ・ベンチャーズが参画しています。
- OpenAI CEO サム・アルトマンやビル・ゲイツらが「疫病や核戦争と並び、世界的かつ大規模な人類絶滅のリスクとして、グローバルでAIに対する優先順位を上げるべきだ」とする共同声明を発表(Center for AI Safety)
- OpenAIがプロセスごとの推論に報酬を与えることで、数学的な問題解決を向上させる「Process Supervision」という最新モデルを発表(OpenAI)
- Nvidia CEOが「COMPUTEX Taipei」にて生成AIのさらなる技術革新に向けたイノベーションを発表(VentureBeat)
- Red Hat、生成AIに対応したコンテナ化ソリューション「OpenShift AI」を発表(BRIDGE)
- ServiceNow CTOが「Knowledge 23」にて生成AIに対する戦略を発表(ZDNET)
- 米IBMのクリシュナCEO「生成AI活用で雇用創出」(日本経済新聞)
- 伊藤忠テクノソリューションズが生成AIの活用のコンサルティングサービスを提供開始(クラウドWatch)
- 中国版ChatGPTを開発する中国発スタートアップMiniMaxが、評価額$1.2Bで$250M以上の調達を完了予定(Deal Street Asia)
- 生成AIスタートアップRunwayがGoogleらから評価額$1.5Bで約$100Mを調達(The Information)
- 会話型AIを開発するHyroがシリーズBでMacquarie Capitalなどから$20Mを調達(CISION)
- 非構造化された顧客データを分析する特化型AIを開発するBeehive AIがシードで$5.1Mを調達(The SaaS News)
- ChatGPT強化型カスタマーサクセスプラットフォームを提供するUpdateAIがAndreessen HorowitzのスカウトファンドやZoom Venturesから$2.3Mを調達(Yahoo! Finance)