AI:来るべき革命
Coatue「AI: The Coming Revolution」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
米有数のグロース投資家であるCoatueによる現在起こっているAIの技術進化と今後の展望についての151ページにも及ぶレポート。インタネットが知識革命を起こし、携帯電話がオンデマンド経済を生み出したように、今日のAIは世界をより良くする大きなポテンシャルを秘めています。2023年は、AIの波が具体化し、一気に勢いを増しはじめた年です。これは、スタートアップエコシステムだけでなく、技術スタック全体、そして広範囲な経済全体にも影響を及ぼしはじめています。AI革命には、まだ課題や欠点もありますが、AIによる真の革命はこれから起こってくるとCoatueは楽観的にまとめています。
成長SaaSスタートアップは、いつ「1人目プロダクトマネージャー」を採用したか?
Lenny Rachitsky氏のX投稿一部を日本語で紹介したものです。全投稿内容はリンク先をご覧ください。
プロダクトやグロース戦略に特化したポッドキャストや記事を提供するLenny Rachitsky氏による投稿です。彼がこれまでインタビューしてきたプロダクトカンパニーが、どのタイミングで1人目プロダクトマネージャーを採用したのか、それを図にまとめTakeawayをシェアしています。今回は、そのTakeawayの中でも気になった部分を抜粋してご紹介します(Deeplにて翻訳後、一部修正)。
- 多くの企業は、最初のプロダクトマネージャーを採用するのに創業から2~3年待っています。エンジニアが10~15人、従業員は15~25人になったタイミングで採用に踏み切っています。
- 特にB2Bの領域では、半数以上の企業がPMFを見つける前に最初のプロダクトマネージャーを採用しています。
- 1人目プロダクトマネージャーのほとんどは、以前は個人プレーヤーとして活動している人か、もしくはシニアなプロダクトマネージャーでした。ディレクターやVPクラス、プロダクト責任者だった人はほとんどいませんでした。そして意外なことに、約4分の1がエンジニア出身でした。
- 興味深いことに、CEOが強力なプロダクトリーダーでもある企業の多くは、非常に早い段階でプロダクトマネージャーを採用しています。CodaとSnykは実質的に最初の社員としてプロダクトマネージャーを採用し、Slackは1年ほどで採用をしています。
First Round Review 10年間のインタビューコンテンツから、我々が学べること
First Round Review「The 100 Best Bits of Advice from 10 Years of First Round Review」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
2013年から10年に渡りテックスタートアップに関する記事をまとめ上げてきたFirst Round Reviewが、リーダーシップ、マネジメント、起業、グロース、プロダクト開発などのテーマから100個の金言をピックアップし、まとめています。約600の記事のアーカイブには、DropboxやZapier、Githubなどのスタートアップに加え、特定領域の専門家の知恵が集約されています。ボリュームはかなり多いですが、お時間のある時に関心のあるテーマからぜひチェックされることをお勧めします。
AIは非効率なSaaS企業を救うのか?
OnlyCFO's Newsletter「Will AI Save Inefficient Software Companies?」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
Only CFOによるAIがSaaS企業に与える財務的な影響について、Batteryのレポートを解説している記事です。学びになったポイントをいくつかピックアップします。
- AI などの強力な新テクノロジーの出現はこれまで当然のように見ていた指標(Rule of 40など)は再評価する必要がある。
- その中でも特にOPExの削減はAIが大きく寄与する。例えば、従来SDR:AEの比は1:2というのが標準だったが1:4 まで効率性を高められたり、ランプタイムが 9 か月から 6 か月に短縮することが可能となる。
- そしてこれは他部門(G&AやR&D)においても同様である。これらの事実は企業価値評価にも影響を与える。
- 結論としては、非効率なソフトウェアはそもそものPMFが不十分であることが起因しており、AIによって効率性が上がるわけではない。
動物病院やペット向けサービス事業者向けSaaS Petvisor、$100M(約150億円)を調
Pedvisorは、動物病院やトリマーなどペット向け事業者向けに、カスタマーエンゲージメント、予約管理、マーケティングなどのモバイルベースSaaSを提供するスタートアップ。アメリカではペットの飼育が急増しており、2023年には全米世帯の66%がペットを保有しているとされます。Petvisorは、1万以上の動物病院、400以上のトリマーで導入されています。今回、戦略投資家として、Apax Digital Fundsなどから$100Mを調達しました。
ブランド企業向けクレジットカード・プログラム管理SaaS Imprint、シリーズBで$75M(約113億円)を調達
2020年設立のImprintは、世界中のトップブランドと提携し、現代の消費者に合った提携クレジットカード・プログラムを設計、立ち上げ、管理を支援するFintech・SaaSスタートアップです。Imprintによって、ブランド企業は、固有のニーズに合わせてカスタマイズされた特注プログラムを提供することが可能です。顧客には、ホリディインやH-E-Bなどのホテルチェーンや食品業界の企業を抱えています。本シリーズBでは、Ribbit Capital、Thrive Capital、Kleiner Perkinsなどが参加しています。Volanteは、レガシーな金融サービスをモダンなFintech技術を導入するためのSaaSを提供するFintech×SaaSスタートアップ。Volanteのカバー範囲には、リアルタイム決済、米国内の電信送金、企業対銀行の統合、組み込み前処理(取引時間の短縮)などがあります。現在、CitiやBNY Mellon、Goldman Sachsなどの150の大手銀行や金融サービスを提供する企業で利用されています。競合にはすでに上場しているTemenos、Thought MachineやMambuなどのユニコーン企業が存在します。本ラウンドでは、Sixth Street Growth、Wells Fargo Strategic Capitalなどが参加しています。
強化学習を活用したパーソナライズ・マーケテイングSaaS OfferFit、シリーズBで$25M(約38億円)を調達
米・ボストンに3年前に設立されたOfferFitは、「A/Bテストは死んだ」をスローガンに、最適なタイミングで最適なチャネルに最適なメッセージを、一人一人の顧客に送ることを自動的に割り出すデジタル・マーケティングソリューションを提供しています。小売・EC、旅行・ホスピタリティ、メディア・エンターテインメント、電気通信・公益事業、金融などの、各分野の顧客にサービスを提供しています。本シリーズBには、Menlo Ventures、Ridge Venturesなどが参加しています。
3D画像作成向けコラボレーションSaaS Bezi、シリーズAで$13M(約20億円)を調達
Beziは、3Dデザインツールを再定義し、UnityやUnrealのような既存の技術エンジンよりもアクセスしやすく、コラボレーティブなものにすることを目指しています。Beziの創業チームは、OculusでQuestヘッドセット用の3Dソフトウェアを開発を経験したチーム。現在、何千人ものデザイナーがBeziを使って、3Dデザイン、3D体験のプロトタイプを作成しています。今回のラウンドは、Benchmarkがリードしました。
■資金調達
ゼロコードAIのRUTILEA、シリーズCを総額約6億円でファイナルクローズ
リアルタイムで作業認識をサポートするシステム「REO (Rutilea Efficient Operations)」を開発、提供しています。主には製造業の現場に対し、業務の効率性や品質、安全性を向上させるべく、作業分析や工程保証、安全保証といった多岐にわたる機能を提供しています。ゼロコードのためセットアップは不要で、作業現場にカメラを設置するだけで即日導入が可能です。今回のラウンドにはAbies Ventures、Monozukuri Ventures、CBC、スター・マイカ・ホールディングス、ラストワンマイル、ウイングアーク1st株式会社、Shimadzu Future Innovation、その他事業会社1社及び個人投資家等の投資家が参画しており、累積資金調達額は約12億円となりました。
セキュリティコンプライアンスを強化するSecureNavi、シリーズAで4.6億円調達
ニーリーが提供するモビリティSaaS「Park Direct(パークダイレクト)」では、駐車場の募集から契約業務、契約後の月額使用料の収納代行や顧客管理まですべてをオンラインで実現し、不動産会社や借主の駐車場契約・管理にまつわるムダなコストを削減することが可能です。今回の資金調達は、主に三菱地所グループが管理する月極駐車場・住宅付随の駐車場活用や「Park Direct for Business」との取り組み実施を目的としており、中長期的にはモビリティデータの活用などを通じてスマートシティの実現に向けた駐車場ビジネスのデジタル化・高度化を目指しています。尚、三菱地所グループでは駐車場事業を運営するほか、三菱地所パークスなどにおいて駐車場の管理運営受託事業やコンサルティング事業を展開しており、両社の総管理台数は23万台に及んでいます。
■ IPO / M&A / 業務提携
ヒューマンテクノロジーズ、東証グロース市場への新規上場承認
ヒューマンテクノロジーズはクラウド勤怠管理システム「KING OF TIME」、PC認証強化システム「DigitalPersona AD」、指紋認証開発キット「DigitalPersona SDK」を提供しています。NTT DocomoやKDDI、Softbank、TOPPAN、NECなどの大手企業を主要取式先としたクラウドサービスの開発及び提供を行う企業です。2001年に設立され、連結で313名が在籍しています。2024年3月期の業績予想では、売上高49億円、営業利益5億円、経常利益4.8億円の見込みとなっています。主幹事証券会社は、みずほ証券株式会社です。
エムスリー、TOBでベネフィット・ワンを子会社化
エムスリーは医療従事者専門サイト「m3.com」を運営し、製薬会社向けマーケティング支援サービスや治験支援サービス等の提供を行っています。一方、ベネフィット・ワンは、福利厚生代行サービス事業を行う企業です。エムスリーは、医師会員基盤を活用したサービスとベネフィット・ワンが持つ企業顧客基盤を組み合わせることで、他社と差別化されたヘルスケアサービスを提供する狙いです。
うるる、Sansanと資本提携を伴う業務提携契約を締結
うるるは、クラウドワーカーを活用したCGS事業、BPO事業、クラウドソーシング事業を行っている企業です。全国の官公庁・自治体・外郭団体の入札情報を検索・管理できるサービス「NJSS」を運営しています。今回の提携により、Sansanが運営する一部サービスの改善や追加機能開発に向けたソリューションの提供、並びに両社が保有する技術やリソースの活用による新規事業の共同開発が検討される見込みです。
- OpenAI CEO サム・アルトマン氏の電撃解任の発表と復帰の可能性。こちらのnoteで経緯が良くまとまっています(Bloomberg)
- ハリウッド俳優組合、生成AI利用のルールや報酬で合意(Nikkei)
- デル・テクノロジーズ、急成長を遂げるAIスタートアップの米国Hugging Face社とのコラボレーションを発表 オンプレミスITで生成AIの簡素化を実現(PR Times)
- KDDIアジャイル開発センター「Generative AI Lab」設立、生成AIを活用しコーディング業務を短縮(CodeZine)
- 「Yahoo!知恵袋」にOpenAIの生成AIによる回答を表示する「AI回答機能」の試験提供を開始(Yahoo!ニュース)
- Divergent Technologies - 3Dプリント技術と生成AI技術を活用した次世代デジタルメーカー。シリーズDで$230Mを調達。投資家はHexagon ABなど(Crunchbase)
- Puzzle - 生成AIを活用した会計ソリューションプロバイダー。$30Mを調達。投資家はGeneral Catalyst、S32、XYZ Capitalなど(Fintech Global)
- Martian - 個別のクエリから最適なLLMに接続するモデル・ルータースタートアップ。$9Mを調達。投資家はNEA、General Catalystなど(FinSMEs)
- Atlas - 3D画像生成AIプラットフォームを開発するスタートアップ。シードで$6Mを調達。投資家は、6MV、Collab+Currency(TechCrunch)
- Siena AI - 共感力の高いAIカスタマーサービスエージェントを開発するスタートアップ。シードで$4.7Mを調達。投資家は、Sierra Ventures, Pari Passu Venturesなど(TechCrunch)
- Artisan - YC2024 冬バッチに参加する予定のAIで生成されたデジタルワーカーを開発するスタートアップ。シードで$2.3Mを調達(tech.eu)