
Toast、ServiceTitan、GuildのSaaSユニコーン企業のCFOに聞く!厳しい市場環境における財務リーダーが果たす役割とは?
Bessemer Venture Partners「Three SaaS CFOs share financial leadership advice for tough market environments」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
米VC Bessemer Venture Partners主催で行った1時間の対談イベントのサマリー記事です。最高のCFOは、経験と知的な誠実さに基づいて意思決定を行い、どのような環境にも対応できるリスク管理計画を持ち、ハイレベルの戦略と現場を結び付ける重要な役割です。特に過去2年間は、SaaSへの逆風に対応するためにステークホルダー管理におけるCFOの役割の重要性は高くなりました。そこで、優れたCFOがこの厳しい環境で意識すべきことについて、解説してくれています。
- 予算・財務プラニングはサイエンスであり、アートである
すべてのCFOは、全社的な計画プロセスを経て、戦略的優先事項とビジネスの現実を反映した予算を作成します。適度に野心的であることと同時に、不測の事態に備えて、常に予算枠を設けておくことはとても大切です。
- インプットとアウトプットの指標を知る
SaaS企業のCFOは財務指標だけでなく、あらゆるビジネス指標に精通している必要があります。利用率やエンゲージメント指標などの非財務的な指標は、新規および継続的な売上の先行指標です。正しい指標にたどり着くためには、「戦略に軸足を置き、企業として最も重要なNorth Star(北極星)」から必要な要素を逆算することです。
- 財務リーダーがAI活用を推進する
社内のAI活用は、生産性や顧客向けプロダクト開発にも有効です。Toast CFOは、社内に「AI協議会」を持っていて、すべてのアイデアを検討し、顧客と従業員にとって最もインパクトのあるものに優先順位をつけています。
- CFOにはコミュニケーションスキルが重要です
この3人の議論で得られたことは、社内外の期待値を管理し、組織全体から意見をつのることが、CFOとして成功するために不可欠な要素であるということです。最高のCFOは、結果と予測、つまり "何 "を、"誰" と "どのように" 進む可能性のある道筋に結びつけます。
プロダクトマネージャーとプロダクトリーダーの違いとは?
svpg「Product Managers vs Product Leaders」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
プロダクトマネジメントの名著『INSPIRED』著者で、シリコンバレープロダクトグループを主催するマーティ・ケーガン氏による記事です。テック業界では、「プロダクトマネージャー」と「プロダクトリーダー」がほぼ同義に使われることが多いですし、日本でも区別されてないように思います。しかし、「プロダクトマネージャー(PM、PdM)」はあくまでも個人の貢献者であり、「プロダクトリーダー」はピープルマネージャーです。プロダクトリーダーの最も重要な責務は、部下の能力を開発することです。
日本においては、プロダクトマネージャーが足りないとよく言われますが、私個人の見解では、プロダクトリーダーがそれ以上に不足しているため、プロダクトマネージャーが増えておらず、悪循環に陥っているように思います。SaaSスタートアップの経営としても、中長期的な成長には「PMの質と量」が欠かせません。それ担保する「プロダクトリーダー」の育成支援することが、経営としても非常に大切だと思います。

SaaSにおける「プラットフォーマー」に関する考察
SaaSletter「Platforms vs Pure Plays」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
SaaSにおけるマルチプロダクト戦略を考える上で、本記事はプラットフォーマー(複数の領域にプロダクトを展開するプレーヤー)として戦うことについてまとめた内容になっています。バイヤー目線で考えた時の課題解決力、ベンダー目線で考えた時の収益性など、双方の目線で考察したものになります(Deeplで翻訳後、一部修正)。
バイヤー目線でベンダーに求めるもの
アンケートの回答では、ピュアプレイヤーよりもプラットフォーマー型を好む傾向にあります。
- バイヤーの84%が、複数のツールを部分的に購入するよりも、複数のビジネス上の問題を解決するできる1つのまとまったツールを購入することを希望しています。
- 78%の回答者は、1つのベンダーから、そのベンダーが連携するプロダクトをまとめて購入することを好んでいます。
Fintechソリューションを提供するBrexが考えるプラットフォーマーとしての戦略や利点
- 自社で開発するか、それとも他企業とのパートナーやホワイトラベルなどによって提供価値を付加するのか、2つの選択肢を考える際に参考にしているのは「顧客側のコストの大きさ」です。最高のソリューションを提供するにあたり、ソリューションのオンボーディングを減らし、全体的な学習曲線を短縮することで、顧客側のチェンジマネジメントの工数をどれだけ削減できるかが重要であると考えます。
- 顧客にとって、プラットフォーマーと付き合うということは、プロダクトの購入や導入、セキュリティチェック、従業員への教育などを、すべて1つのベンダーに頼ることができ、チェンジマネジメントなどが大幅に容易になることを意味します。
プラットフォーマーとして戦う他企業の実績
- Hubspot:Executive ChairmanであるBrian Halligan氏が提唱する「Clydesdale Rule(クライズデール・ルール。2頭の馬によって出力されるパワーは、それぞれが出力できるパワー以上のものになること)」を踏襲しており、2023年のアナリスト・デーで発表された内容によると、商談取引の62%がセールスやマーケティング、カスタマーサポートなど複数のプロダクトを購入していることを明らかにしました。
- Cloudflare:8つ以上のプロダクトを利用する顧客の割合が、2018年度の24%から2022年度には48%まで毎年増加しています。
- Datadog:4つ以上のプロダクトを使用する顧客の割合が、2021年第2四半期の28%から2023年第2四半期の45%へと四半期ごとに増加しています。
- その他、CACの効率性の高さ、チャーンの低さ、NRRの高さなど、さまざまな利点をもたらしています。

SaaStrのJason Lemkinが2024年を予想する
Jason Lemkin氏のX投稿一部を日本語で紹介したものです。全投稿内容はリンク先をご覧ください。
SaaStrのJason Lemkinが、先日2024年の予想をXに投稿していたので、その内容を以下要約しました。
- 金利低下がSaaSマルチプルの拡大につながる(2024年下半期に顕著に)
金利とSaaSマルチプルの関連性は完全には明らかではありませんが、全体的な相関関係は明らかです。インフレ率の低下と連邦準備制度の金利引き下げにより、SaaSマルチプルが拡大すると予想されます。SaaS企業の過大評価に関する強い議論もありますが、金利低下により市場が回復すると予測されます。 - 困難を乗り越えたカテゴリーリーダーの回復(ただし限界あり)
アプリの解雇や厳しい時期を経て、OutreachからGong、Zoominfo、Boxなどのカテゴリーリーダーは2024年に向上が見込まれます。 - B2B SaaSにおける「AIイノベーションの一時停止」
AIは技術とソフトウェアにおける最大の力の一つですが、多くのSaaSリーダーはまだいくつかの明確な方向性で学習と実験を続けています。2024年にはイノベーションの面で部分的な停滞が見られるかもしれません。 - 強力なSaaSスタートアップが市場を誤解し、シリーズA/B後の資金調達に苦戦
後期段階の投資エンジンを再稼働させるためには、ポイント1で述べたマルチプルの拡大が必要です。これは年末までに起こると予想されますが、それまで優れた企業であってもシリーズA/Bの締め付けは続くでしょう。 - 効率性の継続、しかし予測不可能な方法で
ほとんどのSaaSリーダーは、18ヶ月前に非常に非効率的から現在は営業利益率がプラスに転じています。今後、事業拡大の圧力がかかり、販売拡大やマーケティング再開への動きが見られます。しかし、販売の達成基準は厳しくなり、オートメーションへの依存が増えるでしょう。マーケティングは短期的な焦点を強いられるが、マーケットリーダーはブランドに深く注力し、先行するでしょう。

現市況下でのスタートアップファイナンスの基礎
Bessemer Venture Partners「How CFOs build a Goldilocks "just-right" budget」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
Shopify、Toast、ServiceTitanなどクラウド企業投資のTop TierVCであるBVPによる、現在の市況環境におけるスタートアップがおさえておくべきファイナンスの基本というタイトルのメルマガの要約です。いかに最適化された成長を実現するか、ベンチマークとなる指標、予算策定の考え方について解説されています。
効率よい成長=売上(ARR)の伸びが投資金額を反映すること
- 強気の景気環境では、急速な顧客獲得や売上成長しているならば高いバーンレートは正当化される。
- しかし、資本が「タダ」ではなくなった今の環境ではできるだけランウェイを伸ばすためにバーンレートを低く抑えることが求められる
効率の良い成長のベンチマーク:アーリーとレイターのSaaS企業では期待水準は異なる。
- ARR40億円以下:Net new ARR/ Net cash burn >1.5 を目指したい
- ARR40億円以上:ARR Growth + FCF margin of ARR ≥ 45%
最適なリソース配分に頭を使う:そのために重要なのは予算編成
- 予算編成で重要なのは確率の観点。今までのQなどで何回予算を達成したのか?を振り返る
- 売上、利益などそれぞれのパートにそれぞれの確率を当てはめる
例)セールス予算は野心的に、利益については保守的に - 第四四半期の収益予測を楽観視してはいけない。
ARR1億から10億のプロセスの中でランウェイの計画を立てる
- 明確なマイルストーンの設定でその達成を目指す
- 成長率の維持:
このスピードを維持できる資本投下を考慮する - 成長と収益性をバランスを取る:
基本的にスタートアップは「掘る」ことから始まる。しかしROIを念頭に置きながらビジネスの意思決定を行うことは非常に重要である。
ペイパル・スクエアの競合Fintech×SaaSユニコーン SumUp、Fintechの嵐を乗り切るために€285M(約439億円)を調達
英・ロンドンを本拠とするSumUpは、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアの中小企業に決済と関連するSaaSなどのサービスを提供するFintech×SaaSユニコーン。決済カードリーダーとPOSと共に、請求、顧客ロイヤリティ管理などのSaaSも提供しています。2022年第4四半期時点ですでにEBITDA黒字化を達成しており、年率+30%以上の売上成長率も実現しています。ただし、顧客社数は約400万社で2年前から変わっていません。アメリカの競合であるペイパルやスクエアの株価の低迷にみられる通り、大手Fintech企業の多くが非常に厳しい状況にあります。M&Aではなく、自力での成長を加速させるために、今回Sixth Street Growthリードで€285Mを調達しました。Bain Capital Tech Opportunities、Fin Capitalなども参加しています。
社内コミュニケーションの改善に焦点を置いたEmail SaaS ContactMonkey、シリーズAで$55M(約78億円)を調達
カナダ・トロントを本拠とするContactMonkeyは、従業員にとって使い勝手がよく、企業がEメールを通じて従業員のエンゲージメントを向上できるEメールプラットフォームを提供するスタートアップです。Outlook、Gmail、Teamsだけでなく、SMSやWorkdayのようなHRシステムとも統合され、会社からのお知らせやアラートを連携させる支援をしています。また、エンゲージメント分析を通じて、セグメント化された従業員リストの作成、フィードバック収集、開封率・既読率などの確認も可能です。現在、顧客数はトヨタ、KPMGなど約1,000社に達しています。ContactMonkeyは、これまで外部からの資金調達はしておらず、今回のUpdata Partnersリードで実施したシリーズAが初の資金調達です。
メーカーの調達管理を合理化するサプライチェーンOS Tacto、セコイア・キャピタルなどから€50M(約77億円)を調達
ドイツを本拠にするTactoは、中規模(Mid-Market)のメーカーをターゲットにした、AIベースのサプライチェーンOSを提供するスタートアップです。平均的な工業系の企業は、売上の50%を資材調達に費やしています。しかし、何百ものサプライヤーから生産に必要な資材を調達・管理する複雑さにもかかわらず、手作業と不透明なエクセルに依存しています。彼らのAIベースのSaaSでは、調達ワークフローを合理化し、コンプライアンスと持続可能なサプライチェーンを容易に確保し、効率的な材料調達を可能にします。Tactoがなければ、企業は今後予定されているESG規制を遵守するためだけに、約2人を追加雇用する必要があります。今回のラウンドでは、セコイア・キャピタルとIndex Venturesがリードしました。
フィールドサービスのワークフロー全体を効率化するSaaS Zuper、シリーズBで$32M(約45億円)を調達
米・シアトル本社のZuperは、製造業、施設・不動産メンテナンス、エネルギー産業などの、中規模やエンタープライズ企業向けにフィールドサービス業務管理のSaaSを提供するスタートアップです。Zuperは、ワークフロー全体を網羅するように設計されており、CRM、決済、ロケーション・インテリジェンスなど、サービス組織の技術スタックと統合されています。この1年間で顧客数は150社から500社に増加しており、ユーザー数は5万人を超えています。最近では生成AIを搭載したチャットボット「ZIVA」もリリースしました。今回のラウンドは、FUSEがリードし、Prime Venturesなども参加しました。
オラクルやCoupaを超える企業の調達管理SaaS Pivot、設立わずか数ヶ月のシリーズAで$21.6M(約31億円)を調達
フランス発のPivotは、ラクルのNetSuiteの調達コンポーネント、やCoupaよりも優れた機能を持つとされる最新の調達管理SaaSを提供するスタートアップです。Pivotは、既存の財務スタックやERPと可能な限り統合することに焦点を置いています。このために重要な点が、内部ワークフローを構築するためのノーコード・インターフェースを備えていることです。今回のシリーズAでは、Visionaries、Emblem、Anamcaraなどから調達しました。
■資金調達
検索SaaSを展開するHelpfeel、シリーズDで総額20億円調達
検索SaaS「Helpfeel」、アイディエーションツール「Scrapbox」、メディアキャプチャー「Gyazo」を提供しています。「Helpfeel」では、ユーザーが思いつくままの言葉で、求めている答えを探せるFAQシステムを利用することが可能です。主にJALや小田急などのエンタープライズ企業から国・地方自治体まで広く利用されており、導入社数200社を突破しています。今回のラウンドにはグロービス・キャピタル・パートナーズ、インベストメントLab、One Capital、Salesforce Ventures、トレイダーズホールディングスが参画しています。
■IPO / M&A / 業務提携
イタンジ、不動産仲介会社向けSaaS開発・運営のHousmartを買収
GA technologiesの連結子会社であるイタンジが、売買仲介会社向けの不動産営業支援SaaS等の開発、運営事業を行うHousmartの発行済み株式の全株を取得し、子会社化しました。Housmartは、不動産仲介業者向けSaaS「PropoCloud」を開発、提供しています。イタンジは、Housmart社のグループ参画による連携を通じて、賃貸仲介・売買仲介両方の領域をカバーしたSaaSプラットフォーム構築による事業領域の拡大を目指します。
- グーグルがGemini APIを公開(Google)
- グーグルの新AIツール「MusicFX」はたった数単語で音楽を作曲する(BRIDGE)
- マイクロソフト、小規模言語モデルAI「Phi-2」を公開——Meta「Llama 2」やMistral AI「Mistral 7B」の性能凌ぐ(BRIDGE)
- 自民党AIプロジェクトチームが、AIの安全性確保と活用促進に関する緊急提言を発表(自民党)
- 包括的なAI規制で欧州が大筋合意 - 新技術がもたらすリスクに歯止めはかかるのか(WIRED)
- AI画像生成のエネルギー消費量、スマホのフル充電に匹敵(MIT Technology Review)
- 三井住友海上、社内利用の生成AIチャット「MS-Assistant」に損保業務の照会応答機能を追加(IT Leaders)
- Glean AI - グーグルリサーチチーム出身者が立ち上げた、OpenAIのLLMを使って企業の社内データを検索するAIを提供するスタートアップ。評価額$2Bで最低$200Mの調達に向け投資家と交渉中(The Information)
- Harvey - 創業1年のAI活用型リーガルソフトウェア・スタートアップ。評価額$700Mで$70-80Mの調達を計画中。投資家はKleiner PerkinsとElad Gilなど(The Information)
- Essential AI - 企業の働き方を改革するため、単調なワークフローを自動化することで生産性を向上させることを素早く学習するフルスタックAIプロダクトを開発するスタートアップ。シリーズAで$56.5Mを調達。投資家はMarch Capital、AMD、Google、NVIDIAなど(Yahoo! Finance)
- Rhythms - AIでエンタープライズ企業の生産性向上を目指すOSを開発するスタートアップ。シードで$26Mを調達。投資家は、Greenoaks、Madrona、Accelなど(Yahoo! Finance)
- Distributional - エンタープライズ企業向けにAIテスト・評価のプラットフォームを提供するスタートアップ。シードで$11Mを調達。投資家はAndreessen Horowitz、SV Angelなど(Yahoo! Finance)
- DataCebo - 生成AIを活用してエンタープライズ向けアプリケーションを開発するスタートアップ。シードで$8.5Mを調達。投資家はLink Ventures、Zetta Venture Partners(FinSMEs)
- Delphina - 元UBERのデータ・エンジニアリングマネージャー2人が立ち上げたAIモデルを開発するスタートアップ。シードで$7.5Mを調達。投資家はRadical Ventures、Costanoa Venturesなど(Bloomberg)
- Noetica AI - コーポレートデッド取引のベンチマークをするAIソフトウェアスタートアップ。シードで$6Mを調達。投資家はLightspeed Venture Partnersなど(FinSMEs)
- FeatureForm - AI開発のためのフィーチャーストアを開発するスタートアップ。シードで$5.5Mを調達。(Enterprise Talk)
- Arcane - マーケター向けのAI Copilotを開発するスタートアップ。シードで$5Mを調達。投資家はAccel、Seedcampなど(tech.eu)
- Inverted -自動運転システムに特化した生成AIを開発するスタートアップ。シードで$4M超を調達。 投資家はYaletown Partnersなど(FinSMEs)
- Signum AI - B2B企業向けにカスタマーインサイト調査に特化したAIスタートアップ。シードで資金調達。調達額は非公開。投資家はRTP Globalなど(FinSMEs)