会社の拡大や成長に伴い、「経営企画」の機能を取り入れようと、部門の立ち上げを検討するタイミングがあります。一方で、その役割が曖昧なままで立ち上げを進めたり、キーマンを先に採用しても十分に機能しなかったりするケースも散見されます。
立ち上げ時に気をつけるべきこと、アサインすべき適任者などを、実践者の声からお聞きするべく、今回は株式会社ベーシックで執行役員CAOを務める角田剛史さんにお話を伺います。
角田さんはソニーで法人営業や経営企画を経験し、アメリカの現地法人にも赴任。その後、ディー・エヌ・エーで海外向け新規事業の立ち上げ責任者を務めました。その後シンガポール本社のベンチャー企業の創業期メンバーを経て2018年にベーシックにジョイン。経営企画の機能をゼロから立ち上げ、現在は執行役員CAOとしてコーポレート機能を管掌しています。
社員規模としては数万、数千、数百、一桁と、さまざまな会社を経験し、管理側と事業側を行き来してきた経験を持つ角田さんに、「経営企画とは何か」から採用のポイントまで、広範に教わりました。
聞き手は、ALL STAR SAAS FUNDのTalent Partnerとして、投資先企業の人材採用支援などを手掛ける楠田司。経営企画へのニーズの高まりを肌身に感じるなかから質問を投げかけました。
経営企画とは「ジャングルガイド」である
楠田:スタートアップのシリーズAやBあたりで、経営者の方から「経営企画を採用したい」という声をよく頂戴します。一方で「経営企画」の定義が曖昧だったり、採用したものの十分に機能してなかったりするケースも結構ある。そこで僕なりに調べていたところ、角田さんがそれらを具体的にまとめてくださっていたnoteが、とても参考になりました。
・事業責任者として入社した私が、経営企画を0から立ち上げることになった話 https://note.com/takeshisumida_/n/n9eb8e36d4d7e
・「経営企画の立ち上げ」は型化できるのかを考えてみた話 https://note.com/takeshisumida_/n/n35996b46424f
・「経営企画」はいつ立ち上げるべきなのかを考えてみた話 〜立ち上げを検討すべき5つのアラート〜 https://note.com/takeshisumida_/n/nd1241aeed12a
楠田:しかも、経営企画のコミュニティも運営されていて、もう500人以上のメンバーがいらっしゃるそうですね。
角田:コミュニティを立ち上げたのは3年ほど前でした。きっかけは、自分自身が経営企画を担うなかで、現場と経営の間で板挟みになることが多い職種だと感じていたこと。周りに相談できる人もおらず、孤独にもなりがちです。ある時、経営企画のメンバーがTwitterでそんなことをつぶやくと、結構な反応があったんです。「あぁ、そういうふうに感じているのは、我々だけじゃないんだ」と感じて。
それで、メンバーと共にコミュニティとして立ち上げてみようと、最初は細々と運営してみることからはじめました。先ほど触れていただいた経営企画に関するnoteや公開イベントなどを繰り返すうちに知られていき、「経営企画 コミュニティ」のGoogle検索結果でも上位に記事が載るようになり、いつの間にか500人規模に成長していましたね。
楠田:早速、角田さんが考える「経営企画の役割や定義」から伺いたいです。
角田:記事や書籍などあれこれ読んでも、結局定義がよくわからないですよね(笑)。それで、noteを書いた時に僕が決めたのが「ジャングルガイド」でした。「経営企画とは会社におけるジャングルガイドである」と考えたら想像がつきやすいのではないかと。
企業が成長することとは、ジャングルの面積が広がったり、木が生い茂って見通せなくなったりするようなものです。自力では脱出しにくくなるため、全体を俯瞰して正しい道へ導いたり、その道を効率的に歩けるように整えたりする必要も出てくる。まさに、その役割を担うのが経営企画だと考えています。ジャングルを抜けるためなら何でもする。だから役割も幅広くなるんですね。
楠田:ジャングルガイド、とてもわかりやすいたとえです。具体的に立ち上げるステップを表すと、どうなるでしょうか?
角田:ステップを考えるために、まずは経営企画の業務を6つに要素分解してみます。
(1)常に出口を指し示すこと。事業計画や中期計画の策定に当たります。
(2)道の誤りを指摘すること。予実管理や計画の進捗確認といった「見える化」です。
(3)効率的かつ最速最短で歩けるように草木を伐採すること。業務改善やBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)をイメージしています。
(4)伐採を行なうための必要な道具を調達すること。SaaSなどのシステム導入やプロセス改善による効率化も、大きな役割だと考えています。
(5)隊列を整えること。人事の領域でもありますが、組織や人員配置を適切に変えることも、出口へ効率的かつ最速最短で着くためには重要です。
(6)補給を適切に行なうこと。いくらルートがわかって進めても、食糧や水がなければ進めません。企業でいえば資金調達ですね。
最終的にこの6つの役割を担っていくうえで、ステップとしては(1)と(2)からはじめるのが定石だと考えます。出口を指し示すために計画を立て、その計画に基づいて予実管理のプロセスを作ることですね。
ビジョン・ミッション達成のために、まずは自社の問題解決を
楠田:ここからは角田さんがベーシックに入られて、経営企画の立ち上げから組織拡大まで担ってきた経験に沿って聞かせてください。そもそも、なぜ立ち上げることになったのでしょう?
角田:前々職や前職では、どちらかというと事業側に籍を移して仕事をしてきたので、ベーシックでは元々は新規事業の立ち上げに関わるために入ったんです。そのため仕事の割合も、最初は新規事業の立ち上げが80%、社長が感じていたコーポレート関連の課題発見・解決が20%でした。
ただ、新規事業の検討を進めていくなかで、問題解決を生業とするベーシックが目指しているビジョンやミッションを達成していくためには、ベーシック自体が現状抱えている課題を解決していかなければならない、と考えるようになりました。
その観点ですでに抱えている課題の大きさを見た時に、今のベーシックは新規事業を追加するよりも既存事業をコーポレートとして支えていくほうが、企業の成長という意味ではより近道だと感じました。そこで「会社のためにも今はコーポレートに100%で携わったほうがいい」と社長に提言して、経営企画を立ち上げるほうへシフトしていった流れです。
楠田:その段階で、経営企画の社員は何名いらっしゃいましたか?
角田:兼務で行なっていた時は私一人でした。その後、先ほどお伝えした100%の体制になってからは、内部からの異動で1人加わってもらって、2人で立ち上げてきました。今も経営企画の規模としては3名ほどです。ただ、私自身の関わる範囲が経営企画から、総務、経理、財務、法務、人事といったコーポレート全般を見るように変わっていっています。
経営企画の適任者、5つの必須スキル
楠田:経営企画の立ち上げ経験を通して、「必要なスキル」はどのように考えますか?
角田:一般的には「数字を見る人」というイメージを持たれがちで、確かにベーススキルとしては重要ではあります。ただ、ジャングルガイドを務める上では、数字だけがわかっても不十分だと思っています。僕が思うに、5つのスキルが必要だと定義しています。「巻き取り力」、「プロジェクトマネジメント力」、「現場理解力」、「整理整頓力」、「コミュニケーション能力」です。
特にスタートアップの経営企画においては「現場理解力」が肝になります。会計などのバックオフィス能力だけではなく、事業側に入り込んで、現場のメンバーと同じ目線で会話をしたり、オペレーションを理解して具体的な改善が提案できたりする力ですね。
ですから、バックオフィスの出自ではなく、現場をよく知る事業部の人間を内部登用して、経営企画の立場へ据えるのも一案だと思います。現場理解力が高いほど立ち上がりも早いですからね。実際にベーシックで立ち上げた際にもそのようにしました。
その上で、自分で何でもやれるジェネラリストな方が向いているとは思います。経営企画に限らず、スタートアップにおいては守備範囲はあってないようなもの。自分の将来のキャリアにこだわり過ぎるあまり、そのキャリアに関係あることだけ取捨選択するような方は向いていないと言えるでしょう。
楠田:シードやシリーズAといった初期フェーズのスタートアップにジョインされた方に多いタイプなので、古株メンバーに意外と適材がいそうです。内部から登用するという観点は興味深いです。経営者とお話をしていても「経営企画はコーポレート機能である」という印象に陥りやすい方が多いようですから。
角田:確かに、規模の大きな企業だと役割分担が明確になりますから、経営企画も数値管理に特化してきた一面はあるかと思います。ただ、スタートアップの経営企画であれば、「その数字を改善するためには、このオペレーションを変えるべきですよね」といった、数字を見ながら自分からアクションすることが必ずセットになると思います。
だからこそ、現場の理解がないと、的を射たアクションや仕組み作りにつながってこないんですよね。そして各種アクションを実行するために、人からタスクを巻き取る、プロジェクトとして管理する、現状を整理整頓するといった力が重要になります。
そのためにも事業部とコミュニケーションがとれる能力も大切になるわけです。自分も所属していたような大手企業ではありがちなのですが、数字を盾に頭ごなしに指示するだけではうまくはいきません。あくまで現場と同じ目線でコミュニケーションできる能力が重要です。
楠田:そういった人材がいてくれると頼もしいですね。内部登用という話もありましたが、人材の新規採用も含めて、専任を据えるタイミングはいつが適切だと考えますか?
角田:自分の基準としては、社員数が100人を超えてきた時、もしくはそれに一定比例しますが事業が多角化・複数化してきた時です。
ベーシックも、僕が入社した時点で10以上の事業があり、社員も100人超の規模でしたが、経営企画のような横串で俯瞰する機能がなく、ある意味個別最適の集まりのような形になってしまっていました。まさにジャングルが大きくなって、木が生い茂って周囲が見えにくくなるころです。
多くの物事が事業部ごとに決まっているけれど、「それは個別最適ではなく、全体最適の観点で見た時にも会社として最速かつ最短距離でゴールに向かえていると言えるのか?」を問うてみて、自信を持ってYESと答えられないのであれば、それは立ち上げを検討する良いタイミングです。
より具体的な例を出すとすると、全社で一度決めたはずのことがいつの間にか部門によっては形骸化することが多い組織は要注意です。過去のベーシックでも、経営企画ができる前はそのようなケースがよく起きていたんですよね。これが経営企画を立ち上げて、横串で見える化や仕組み化を徹底した結果、常に同じゴールに向かう共通認識が図れて変わっていきました。もし皆様の会社でも、そういった取り組みやルールの形骸化を危ぶむ声が現場から上がってきたら、それも経営企画の立ち上げを検討すべき一つのわかりやすいアラートではないかと思います。
やることを抱えすぎて、自身がボトルネックになってはならない
楠田:角田さんが経営企画を立ち上げていく過程でぶつかった壁や、それを超えるために必要だった機能は何でしょうか?
角田:ジャングルを進むためには基本的に何でもやる。そのスタンスであるがゆえに、いくらでも「やること」が出てくるんですよね。結果として、自分自身が抱えすぎてボトルネックになる課題が起きやすく、一時期の僕もそうだったと思っています。経営企画やコーポレートの責任者という立場で、自分自身が事業推進のスピードを遅くするような事態は本末転倒なため避けなければいけません。
超えるために意識したことは2つあって、一つは適切に外へ頼ること。言い換えると、内製にこだわりすぎないことです。もう一つは、外に頼る適切なパートナーを探す意味でも重要になるのですが、コア業務とノンコア業務を分離することです。特に基本的には内部に十分なリソースを抱えている大企業出身はこの外に頼るということが得てして苦手なのですが、スタートアップにおいては、外部のパートナーも含めチームと考え組織を設計する力がとても重要です。
楠田:「自分がボトルネックになる」というワード、私も経営者や経営企画の方から本当によく聞くお悩みです……経営企画はお一人で進めるケースも多いと思いますが、1on1で経営者から客観的に壁打ちしてもらうといった工夫をしてもいいのでしょう。
角田:あくまで経営陣が考えるゴールや方向性に、ジャングルガイドとして全員を導いていく役目なので、経営陣とコミュニケーションをしっかり取るのは必須ですね。
楠田:経営企画も立ち上げを経て、規模や事業のフェーズによって、どのように役回りが変わってくるのでしょうか?
角田:まずは冒頭で説明した、計画の策定とそれに基づく予実管理を徹底することが第一ですが、それを継続的に行なうためにも徹底的な仕組み化が必要になるフェーズが来ます。まずは課題を徹底的に見える化する。
見えてきた課題に対しては、決して対応を属人化させず徹底的に仕組み化して解決する。この一連の取り組みが「コーポレートの基盤整備」といえます。経営企画の領域としては新規事業の立案やM&Aなどの大きめの戦略も最終的には入ってきますが、ジャングルを着実に進行するための基盤が整わず、足元がぬかるんでいる状態のままで次なる打ち手はありえません。
この仕組み作りについては、何かこれをすればできるという特別なものは正直ありません。ベーシックでも、各々の業務プロセスにおいて、属人化しないようなフロー決めや担当割りを実装していきました。会議ルールの制定、フォーマットやマニュアルの作成、期限にアラートが飛ぶ仕組みを設けるなど、各会社や部署の状況に応じて、細部にいたる施策を細かに積み上げる他はないです。
地道な作業ではありますが、これを疎かにして属人化を放置していると、異動や退職、組織変更があった際に一気に破綻し結局二度手間が生じます。時間も資金も本当に限られているスタートアップで回り道をしている余裕はまったくないため、この仕組み化を早期から行なっていることが、結果的には会社の成長を早めることに繋がっていきます。
「採用広報」は集客よりもアトラクトを重視する
楠田:外部から経営企画の人材を採用するとして、適性を見極めるために有効な質問はありますか?
角田:まずは「今までに出合った一番の困難は何か」と「それをどのように乗り越えたか」を聞いて、深掘りしますね。理由は、スタートアップは本当に多くの困難が出てくるので、それに対して「再現性」を持って取り組めるかを見たいからです。
たとえば、困難は確かに大きそうだけれども、克服における本人の関与度が小さい。困難は乗り越えたけれども、乗り越え方を言語化して振り返れていない……こういう状態だと、再現性があるとは言えないため、あまり意味をなさないと思うんです。次々に表れる課題に、これまでの知識や経験を応用できて解決できることが大切ですからね。
楠田:採用活動で、おすすめの媒体や採用手法はあるでしょうか?
角田:採用広報としてnoteを使うのはおすすめですね。ただし、ここでいう採用広報は、一般的に想像される「応募の増加」を意味してはいません。人をより集めようと思ったら、スカウトやエージェント経由のほうが、圧倒的に効率が良いからです。
「noteを使う採用広報」でおすすめしているのは、いろんなチャネルから上がってきた候補者に対しての意向度を、noteで徹底的に高めることです。当然面接のなかでは事業内容や仕事の魅力などを話してアトラクトしていきますが、そういった場で話すようなことが文章で体系的にまとまっていて、それらを候補者へ面接前に共有しながら理解してもらうことが大切です。
ベーシックでも実感していますが、これを行なうことは、面接通過率や内定承諾率にも大きく影響してきます。自分たちの強みや課題、挑戦の大きさといったことを、noteでしっかりと言語化しつつ、それを候補者に共有していくのが効果的だと捉えています。事前に理解してもらうことで、面接ではより深掘りした話ができますしね。
楠田:僕も採用やクロージングの支援をしていて、その重要性を感じていました。極論ですが、noteに付く「いいね」が少なくても構わず、候補者がたどり着ける導線を持っておくことのほうが大切ですね。
角田:そうです。僕らも採用広報という言葉に引っ張られて、「いかにnoteが世間に知られ、結果としてサイトからの直接応募が増えるか」を重要な指標として、取り組み当初はnoteや採用サイトのPVをとにかく注視していたんです。
でも、それまでの実績を踏まえて、採用の母集団の形成という意味ではnoteよりも他のチャンネルを頑張ったほうがいいという結論に達し、今はそれらは全然見ずに、いかに興味を持ってくれた候補者へ、ベーシックの取り組みや魅力が伝わるか、課題や挑戦を熱く伝えるかにフォーカスしています。
そのために地味ながら重要なのは、noteを公開して終わりではなく採用プロセスに入れ込むことです。具体的には候補者と面接する前に、その候補者の部署や職種に関係するnoteを個別にピックアップしてお送りしています。セールスの候補者ならセールスに関するnoteを送るのは基本として、「女性社員の活躍」を気になさっている方なら職種が異なったとしても女性社員の事例を紹介します。
ただ会社のnoteの存在を伝えるだけではなく、個別にカスタマイズして導線を作るのが、意向度や内定承諾率を上げるという観点でも大切だと考えています。
楠田:確かに納得します。以前、採用が強い企業のブログやnoteを分析したことがあるのですが、そういった項目が抜け漏れなく、ちゃんとコンテンツとして用意されていました。
角田:採用候補者に送るものがないとアトラクトしようもないですからね。ベーシックは網羅的に、採用したいポジションに関してはコンテンツもセットで出しています。
「会社が前に進むためなら何でもやりたい人」には適任
楠田:ぜひ最後に、これから経営企画に取り組もうとする企業へ、アドバイスとなるメッセージをいただけますか。
角田:経理や総務といった初期から必要なイメージがつく職種と比べて、経営企画は実際にその機能を持つまでは、置くべき理由がわかりにくいのは事実です。だからこそ、経営企画を既に据えてワークしている会社に話を聞いて、自分たちにとっての必要性や、なぜその会社ではワークしているのかを考えてみると良いでしょう。その一環として、僕らのコミュニティも活用していただけると思います。
今回ご紹介した経営企画業務の一定の型はあるものの、それぞれにおける問題はどの程度か、また既存の体制を考慮した場合に特にどの部分を経営企画として支援するのかということは、それぞれの会社の状況によって異なります。立ち上げを検討すべき規模の基準も途中でご紹介しましたが、それはあくまで一つの目安です。会社の状態や課題を具体的に認識せずただ闇雲に立ち上げを行なっては、それこそ立ち上げ自体が非効率になるのでそれは絶対に避けるべき行為です。
経営者と経営企画はセットであり、経営者が俯瞰して見きれないところを、代わりに経営企画がジャングルガイドとして導いていく立場です。ただ戦略を描いたり、数字を管理したりするだけではなく、本当に泥臭く現場に入りながら、そのような課題の紐解きや仕組み作りができる人をぜひ見つけ出してください。
楠田:今、お伺いしながら思ったのは、外部から採用する場合で、緊急度が非常に高くないフェーズなのであれば、一旦は事業サイドに回ってもらって理解を深めたうえで経営企画に移ってもらうのも良いかもしれませんね。
角田:それはアリですね。現場理解力が必要だということを考えると、もし立ち上げの期間に多少余裕があるのであれば、むしろ必要なステップといっていいでしょう。ベーシックでも現場理解のために、あえて部門をまたいで兼務という形で他の業務を行うことがありますので、そのような形態も考えられるかと思います。
外部からスタートアップに参加しようとする人には、やはり会社内が整っていないからこその面白さは実際にあります。まさに、僕もそういう動機でベーシックに加わったからこそわかりますが、逆にその状態を楽しめる人ならきっと向いているはずです。
自分もかつては、真逆といえる大企業に在籍していたからこそ感じますが、大企業は安定していますし、いろいろと整備されてはいるのですが、それゆえに業務が部署や人ごとに細分化されていますから、自分がやるべきことも決まっていることが多くて窮屈でもあります。会社のためにと思って越境すれば、それこそ怒られるようなこともありますしね(笑)。
「会社が前に進むためなら本当は何でもやりたい」という想いを持つ人がいるなら、今の環境から思い切って飛び出て、スタートアップの世界に来るのも良い挑戦になるでしょう。ベーシックも「このサービスで世界を本気で変えるんだ」と日々奮闘しています。そういうビジョンを持ちながらも、人手が足りないスタートアップは本当にたくさんありますから。