PMMのための勝てる「プロダクト・ポジショニング」設計徹底ガイド
MKT1 NEWSLETTER内、EMILY KRAMER氏「The MKT1 Guide to positioning」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
AsanaやCartaなどのSaaSユニコーン企業でマーケティング責任者を歴任した、エミリー・クレイマー氏による「ポジショニング」設計に関する詳細なメソッドをまとめたブログです。クリアなポジショニング設計は、プロダクトマーケティングにおいて、最も難しく、かつ急成長していく上で最も重要なトピックと言えます。このフレームワークでは、以下のステップでポジショニング設計を進める方法を詳細に紹介しています。ちなみに、各ステップの詳細は、長いためここでは割愛します。
- ステップ1:プロダクトのマーケティングリサーチする
- ステップ2:プロダクトタイプと比較対象を特定する
- ステップ3:ポジショニングを決める
- ステップ3.5:ポジショニングで差別化を図る
- ステップ4:ポジショニングをメッセージ・コピーに変える
この記事が特に優れている点は、顧客側の課題とソリューションの認知レベルによって、プロダクトタイプを4つにパターン分けをして、それぞれで重要なポイントを解説しているところだと思います。ちなみに、4つのプロダクトタイプは以下の通りです。
- 10X BETTER:すでに存在するカテゴリーの中で10倍優れている(例. Mercury)
- NEW WAY:存在していない新たなカテゴリーを創る(例. Slack)
- VERTICAL SOLUTION:特定のニッチな顧客群・業界に特化する(例. Toast)
- BUY VS BUILD:顧客内の内製プロダクト/オペレーションをプロダクト化する(例. Stripe)
通常のSaaSより難しい!AIプロダクトの価格設定ガイド
GitHub「Pricing AI products is an engineering nightmare」の一部を紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
AIプロダクトの価格設定はとても難しいです。なぜなら、AIモデルの実行は、計算能力とGPUパワーを必要とするため高コスト、かつユニットベース(従量)だからです。AIプロダクトを基本的な月額プランに抽象化することは、売っても損するリスクがあるので、非常に危険です
- 従量単位をどうするか?- リクエスト数、トークン数、成功数、物理量(GPU)
- 価格階層(Tier)をどうするか?- モデルティア、サブスクティア、BYO
- 契約タームをどう設計するか?- 前払い、閾値請求、最低契約額、エンプラ個別契約
- 課金インプリ(AI利用追跡)をどう実行するか - スナップショット記録、イベント記録
KlarnaがAI7を活用し700人分のサポートを削減
The Logan Bartlett ShowのYoutube「Sebastian Siemiatkowski (CEO, Klarna) on the Future of Klarna, Valuation Changes and AI in Finance」の一部を紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
KlarnaのCEOは『AIを活用して組織の効率を向上させた方法』について語りました。以下はその要点です。
- ビジネスに関しては、リスクが少ない分野からはじめました。GPTチャットボットを作成し、AIが各従業員に「Klarnaでの仕事に対して実際どう思っているか」などを要約させました。これは従業員サーベイの代替として最初に導入しました
- 次に、カスタマーサービスエージェントのクレーム対応のためのコパイロットを構築しました。コパイロットにより、顧客に関する情報を引き出してカスタマーサービスエージェントがより効率的に働けるよう支援できるようになりました
- 現在は、カスタマーサービスエージェントが行なっていた多くのタスクと業務をこなせる完全なチャットボットを実装済み。これにより700人分のフルタイムエージェントのポジション削減に繋がりました。そして空いたリソースは会社内の他の部門に再配分されました
- 昨年末から新しい従業員の採用を停止しました。自動化とAIを導入することで、従業員一人当たりの給与を増加させることにコミットしています
NRR(Net Revenue Retention)の重要性
SaaStr「The Single Digit Growth Club: One With Too Many New Members」の一部を紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
SaaStrのJason LemkinによるNRRについてのコメント。SalesforceやAsanaが1桁成長になってしまう要因に、「NRRの低下」を挙げています。国内市場に限定すると、市場規模が比較的小さい日本のスタートアップにとって、このNRRという指標はさらに重要性を増していくと思います。
- Salesforce の NRR は歴史的に 110% を大きく上回り、Asana も最近まで、多くの中小企業のセールスにも関わらず、素晴らしい数値を叩き出していた
- NRR が 110%になると年間 20% ~ 30% の成長が常に期待でき、NRR が 120% の場合、ARRが1000億円を超えていたとしても少なくとも年間 40%を超える成長が期待できる
- SaaS企業はほぼすべての企業がNRR100%以上を達成しており、SaaSの素晴らしさを証明しているが、期待を超える数値を叩き出しているわけではない
- NRR が 10%、20% 低下すると、成長がさらに難しくなり、それはSalesforceのようなリーダー企業においても例外ではない
エンタープライズ
- Hebbia - 膨大な文書を検索して回答を返す生成AI。シリーズBで$100Mを調達。評価額は$700‐800Mの見込み。投資家はAndreessen Horowitzなど(TechCrunch)
- Emergence - より複雑な自動化タスクに必要な高度な計画や推論を可能にする生成AIエージェント。$97.2Mを調達。投資家はLearn Capital(TechCrunch)
- Klarity - 会計・コンプライアンス部門向けの受注処理、請求、収益認識を自動化する文書レビュー生成AI。シリーズBで$70Mを調達。投資家はNat Friedman、Scale Venture Partnersなど(Crunchbase News)
- Prewave - サプライチェーンのサステナビリティ・リスク・コンプライアンス評価SaaS。シリーズBで€63Mを調達。投資家はHedosophia、Creandumなど(EU Startups)
- Orby AI - ルールベースのRPAでは対応できない、複雑な反復業務を自動化する生成AI。シリーズAで$30Mを調達。投資家はNew Enterprise Associates、Pear VCなど(VentureBeat)
データ統合・管理
- CData Software - リアルタイムデータ連携SaaS。グロースラウンドで$350Mを調達。評価額は$800M以上の見込み。投資家は米PEファーム Warburg Pincus(Reuters)
- Odaseva - SalesforceユーザーとSalesforce環境に特化したデータセキュリティSaaS。シリーズCで$54Mを調達。投資家はSilver Lake Waterman、Eight Roadsなど(TechCrunch)
- One house - 元UBERのデータアーキテクトが設立した、DWHとデータレイクのいいとこどりをした「データレイクハウス」SaaS。シリーズBで$35Mを調達。投資家はCraft Venturesなど(TechCrunch)
- Cloudian - S3との互換性があり、堅牢なセキュリティを持つAIデータレイク。グロースラウンドで$23Mを調達。投資家はMorgan Stanley Expansion Capital(Yahoo! Finance)
- Dust - フランス発の社内データと連携するエンタープライズ向けカスタムAIアシスタント。シリーズAで$16Mを調達。投資家はSequoia Capital、Seed Campなど(TechCrunch)
マーケティング・セールス・CS
- Creatio - ノーコードCRM+ワークフローSaaS。評価額$1.2Bで$200Mを調達。投資家はShappire Ventures、StepStone Groupなど(TechCrunch)
- Clay - 見込み客のニーズや関心に合わせてメール文面などをパーソナライズする営業・マーケティング向け生成AI。シリーズBで$46Mを調達。評価額は$500M。投資家はMeritech、Sequoia Capitalなど(Silicon Angle)
- Deskpro - エンタープライズ向けに柔軟性の高い次世代ヘルプデスクAI×SaaS。シリーズAで$25Mを調達。投資家はElsewhere Partners(PR Newswire)
- Rocketlane - SaaS企業などのオンボーディング&プロフェッショナル・サービスチームのためのプロジェクト管理・コミュニケーションSaaS。シリーズBで$24Mを調達。投資家は8VC、Matrix Partners Indiaなど(Forbes)
ヘルスケア
- Formation Bio - サム・アルトマンも出資する臨床試験プロセスを高速化するAIスタートアップ。シリーズDで$372Mを調達。評価額は$1B以上。投資家はAndreessen Horowitz、Sequoia Capitalなど(TechCrunch)
- EvolutionaryScale - バイオテック・創薬発見を支援する生成AIモデル開発スタートアップ。シードで$142Mを調達。投資家はNat Friedman、Amazon、Lux Capitalなど(TechCrunch)
- Sensi.AI - 在宅介護支援事業者の業務支援をするAI×SaaS。シリーズBで$31Mを調達。投資家はInsight Partners、Zeev Venturesなど(TechCrunch)
- Zuub - 歯科業界特化の収益サイクル自動化SaaS。シリーズAで$9Mを調達。投資家はVertical Venture Partners、Bonfire Venturesなど(FinSMEs)
フィンテック
- Norm Ai - 金融業界などに法規制コンプライアンス分析を自動化するAIエージェント。シリーズAで$27Mを調達。投資家はCoatue、Blackstoneなど(Fintech Futures)
- Reinforest - Stripeの牙城にチャレンジする、SaaS企業向け組み込み型決済SaaS。シリーズAで$20Mを調達。投資家はMatrix Partners、Accelなど(TechCrunch)
- Payabli - 過去1年間で340%以上の急成長をする、ソフトウェア企業向け決済インフラSaaS。シリーズAで$20Mを調達。投資家はQED Investorsなど(Fintech Global)
HRTech
- KarmaCheck - 600%超の急成長する、高速バックグラウンドチェックSaaS。シリーズBで$45Mを調達。投資家はParameter Ventures、PruVen Capitalなど(Yahoo! Finance)
- TechWolf - ベルギー発の社内人材の興味やスキルを評価するAI×SaaS。シリーズBで$42.8Mを調達。投資家はFelix Capital、SAP、ServiceNow、Workdayなど(TechCrunch)
その他バーティカル
- Daydream(EC) - 生成AI、機械学習、コンピュータ・ビジョンを活用し、パーソナライズされたショッピング結果を提供するEC特化検索ツール。シードで$50Mを調達。投資家はForerunner Ventures、Index Venturesなど(TechCrunch)
- LiveEO(インフラ) - 高解像度衛星データから、AIで気候リスクに関する実用的な洞察をインフラ事業者に与えるAI x SaaS。シリーズBで€25Mを調達。投資家はNordicNinja、DeepTech & Climate Fondsなど(SpaceWatch Europe)
- Sift(製造) - 元SpaceXのソフトウェアエンジニアが設立した、大量のセンサーデータを統合・分析し、製品開発を加速させるSaaS。シリーズAで$17.5Mを調達。投資家はGoogle Venturesなど(SpaceNews)
- MagicSchool AI(公教育) - 教師のクイズ作成、読解レベルのテキスト調整、授業計画、単語問題生成などの50以上のタスクを支援し、学生にもAIリテラシー向上を支援するSaaS。シリーズAで$16Mを調達。投資家はBain Capital Ventures、Adobe Venturesなど(Businesswire)
- Clearstory(建設) - 建設業向けの変更指示コミュニケーションSaaS。シリーズBで$16Mを調達。投資家はPrudence、Industry Venturesなど(Yahoo! Finance)
- TOKIUM - 経費精算や請求書処理などの支出管理にまつわるクラウドサービスを提供。TGVest Capital(台湾)から約15億円を資金調達(PR Times)
- Quollio - エンタープライズ企業向けに、メタデータ管理技術を主軸とするデータインテリジェンスソリューションを提供。シリーズAで7.5億円を調達。投資家はDNX Ventures、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、Incubate Fund(PR Times)
- FISTBUMP - セミオーダー型kintoneサービスを提供。ライトアップベンチャーズ、ちゅうぎんキャピタルパートナーズ、サイボウズを引受先とする第三者割当増資を実施(PR Times)