Snowflake CEO Frank Slootmanのリーダーシップと平凡さとの闘い
ICONIQ「Snowflake chairman and CEO Frank Slootman on leadership and the war against mediocrity」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
ServiceNowやSnowflakeなど、シリコンバーレーを代表するSaaS企業で急成長をリードし続けてきたFrank Slootmanが考えるリーダーの役割をまとめたICONIQ Growthの記事。前例の無い非連続な成長を実現するリーダーには、常識にとらわれず、平凡さと闘い続け、執拗なまでにミッションにフォーカスすることの重要性を説いています。昨年のALL STAR SAAS CONFERENCEの記事と共に読んでみることをオススメします。
- 戦略にばかり気を取られず、執行とのバランスをとる
- 失敗には迅速に適応し、軌道修正を測る
- チームに緊張感とスピード感を醸成する
- 組織がサイロを超えて直接行動をする
- 全社員でカスタマーサクセスをする
SaaS企業のGo-to-Marketプランを成功させる4つの重要ドライバー
STAGE 2 CAPITAL「The Four Drivers of a Successful GTM Plan」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
ハーバード大学で講師を務める、HubSpot 元CRO Mark Roberge氏率いるStage 2 Capitalによる、SaaS企業がPMF後にスケールする上で重要なGTMプランにおける4つのドライバーを解説している記事。多くの日本のSaaSスタートアップでは、T2D3をベースにしたトップダウンでの年間計画が作られがちですが、ここで紹介しているようなボトムアップ・モデルも活用することで、年間計画達成の可能性は飛躍的に高まります。このGTMプランを作るためのエクセルテンプレート(こちら)も公開しています。
- セールス1人当たりの生産性
- Qualifiedリード獲得コスト
- 戦力化されたセールス(Ramped Sales)人数
- カスタマーリテンション/エクスパンジョン
MiroのグロースPdMとして過去5年間で得た14個の学び
Bootcamp「14 lessons after 5 years at Miro as a Growth Product Manager」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
Miroで55番目の社員(現在1,700名超)のグロースPdMの方による、過去5年間の急成長下での学びをまとめたブログ記事。日本ではグロースPdMは、まだメジャーな職種ではないので、PdMやPMMが担うケースが多いですが、参考になるポイントも多いと思います。ここでは、私の独断と偏見で選んだ良かった内容を5つピックアップします。
- グロースチームは、指標の高速の最適化や多くの実験を行うことだけではない
既成概念にとらわれず、革新的な機能やソリューションを実装する必要があります。 - チームカルチャーは最も重要です。
全メンバーにグロースマインドセットを維持し、明確なプロセスを設定し、誰がどんな指標や課題に取り組んでいるかを明確にし「一緒に頑張って楽しく」する文化作りに多くの時間と労力を費やしました。 - チーム内で権限移譲をし、共通のオーナーシップを作る
チームの成果とエンゲージメントが大幅に向上し、メンバーの成長スピードが上がり、多くの時間と集中力を保つことができました。 - ユーザーを完璧に理解する必要がある
ユーザーリサーチは、問題の定義、ソリューションテスト、実験後の分析など、すべてのステップで行われ、ユーザーがプロダクトに対してなぜその行動をとるのかを完全に理解する必要があります。 - あなた自身のキャリア開発は、100%あなたの責任です
マネージャーとの1on1はタスク進捗の議論ではなく、自身の成長の機会に使うべきです。
現市況下でのスタートアップファイナンスの基礎
Bessemer Venture Partners「How CFOs build a Goldilocks "just-right" budget」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
Shopify、Toast、ServiceTitanなどクラウド企業投資のTop TierVCであるBVPによる、現在の市況環境におけるスタートアップがおさえておくべきファイナンスの基本というタイトルのメルマガの要約です。いかに最適化された成長を実現するか、ベンチマークとなる指標、予算策定の考え方について解説されています。
効率よい成長=売上(ARR)の伸びが投資金額を反映することだ
- 強気の景気環境では、急速な顧客獲得や売上成長しているならば高いバーンレートは正当化される。
- しかし、資本が「タダ」ではなくなった今の環境ではできるだけランウェイを伸ばすためにバーンレートを低く抑えることが求められる
効率の良い成長のベンチマーク
- アーリーとレイターのSaaS企業では期待水準は異なる。
- ARR40億円以下
- Net new ARR/ Net cash burn >1.5 を目指したい
- ARR40億円以上
- ARR Growth + FCF margin of ARR ≥ 45%
最適なリソース配分に頭を使う
- そのために重要なのは予算編成
- 予算編成で重要なのは確率の観点。今までのQなどで何回予算を達成したのか?を振り返る
- 売上、利益などそれぞれのパートにそれぞれの確率を当てはめる
例:セールス予算は野心的に、利益については保守的に
- 第四半期の収益予測を楽観視してはいけない
ARR1億から10億のプロセスの中でランウェイの計画を立てる
① 明確なマイルストーンの設定でその達成を目指す
② 成長率の維持
- このスピードを維持できる資本投下を考慮する
③ 成長と収益性をバランスを取る
- 基本的にスタートアップは「掘る」ことから始まる。しかしROIを念頭に置きながらビジネスの意思決定を行うことは非常に重要である。
お客さまへのプロダクト導入を攻略する
First Round Capital「Pull, Don’t Push: How Catalysts Overcome Barriers and Drive Product Adoption」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
ペンシルベニア大学ウォートン校の教授であるJonah Berger氏と米VC First Round Capitalによる投稿を共有します。本記事では、スタートアップの創業者やリーダーがプロダクトを開発しセールスする上で、いかにしてカタリスト(触媒)となって企業や人々の変化に対する障壁を低くするべきかを論じています。今回はスタートアップが直面する3つの難題に対して、どのような考え方を持つべきか、著者の見解についてご紹介します。
価格の同意を取り付ける場合
- 例えばB2B SaaS企業が自社のソフトウェアの価格を100ドルで設定して販売したいのに、お客さまは80ドルしか払いたくない、というケースは多くあるはず。前提として、人々は自分の選択は自分でコントロールできると思いたがる。優れたカタリストは人々に複数の選択肢を与えることが多く、それはつまり複数の価格プランを提供することで解決される
お客さまが現状から脱却できない場合
- 人々は今までやってきたことに執着する。変化を促すためには「何もしないこと」には思っているほどコストがかかることを実感してもらう必要がある。例えば、具体的にコストを計算し、何もしなかった時の状態と比較をすることは効果がある。加えて、いかに企業にとって致命傷で、救急治療をするべきことか認識してもらうように工夫することも、相手に緊急性の高さを示すことにつながる(人々は大きな怪我をした場合、それを治すために救急病院に行ったり、ギブスをつけたり、難しいことを全でやるが、軽いケガ(腰痛など)がたまに出る程度であれば、それを治すための努力はしない)
創業者がフリーミアムを提供したいが、無料で利用させることに効果があるか不明な場合
- お客さまが自社のソフトウェアシステムに乗り換える理由は「お金の節約だけでなく、長い目で見れば時間と労力の節約にもなるから」。一般的な取引において、利益が出る前にはコスト(時間、お金、労力など)が発生するが、この「コスト・ベネフィット・タイミング・ギャップ」(コストは今かかっているが、ベネフィットはあとからついてくるということ)を理解した上で、フリーミアムの力学を活かすべき
- プロダクトを採用する際の金銭的な障壁ばかりに目を向けていると、多くのことを見逃す。コストには時間や労力、エネルギーもあるが、これらについては私たちがしばしば気づかないものである。取引において、変化に関わる真のコストはいつ発生するのか考え、その不確実性に焦点を当てること
ファウンダーが犯しがちな失敗とは?
SaaStr「Dear SaaStr: What Are the Top Mistakes You See New Founders Make?」の一部を日本語で紹介したものです。全文はリンク先をご覧ください。
米SaaS VCのJason Lemkinが考える、特に0⇒1のフェーズで「SaaSファウンダーが犯しがちな失敗」のまとめ。
- GoodであるがGreatではない人を共同創業者にしてしまう
- 共同創業者が同じぐらいのコミットメントがない
- 最低でも20-30人のポテンシャル顧客をインタビューしない
- 24ヶ月間維持できるプランを持たない
- 競合を深く理解していない
- 最初の10人の顧客を獲得するための戦略がない
- 間違った相手から、資金調達に時間をかけすぎる
- v1プロダクトのリリースに時間をかけすぎる
SMB決済Fintech×SaaSデカコーンStripe、ダウンラウンドで$2.5B(約3000億円)の調達を実施中
Forbes Cloud 100 2022で堂々の1位に評価された決済Fintech×SaaSデカコーン Stripeが、$2.5Bの大型の資金調達を計画中であると、New York Timesが報じました。記事によると、Thrive Capitalがリード投資家に名乗りを上げており、$1Bをコミットしているとのことです。今回のバリュエーションは、$55-60B(約7.3-7.9兆円)と目されており、2023年のインターナルラウンドで-11%下げた$63Bよりも低い水準です。今回の資金使途は、税金の支払いや従業員の株式売却に使われる見込みです。先日、Stripeは上場に向けてGoldman SachsとJP Morganをアドバイザーに起用したことは発表しておりますが、上場が難しい現状の市況では、今回の調達により、財務的には安定する可能性があります。
Generative AIの雄OpenAIのライバル Anthropic、$300M(約396億円)の調達を実施中
Anthropicは、ChatGPTで知られるOpenAI出身のベテランが2021年に創業したGenerative AIのスタートアップ。The New York Timesによると、Anthropicが$300Mの調達間近であると報じた。AnthropicもOpenAIと同じことを目指しており、現状ではチャットボットClaudeをクローズドβを提供しています。今回の資金調達により、同社のバリュエーションは、$5B(約6,600億円)に達するとみられています。
元Googleの研究者が創業したAIチャットボットの新星 Character、$250M(約300億円)をセコイア・キャピタル等から調達を計画中
Characterは、Noam ShazeerらGoogleの元研究者2人が2021年に創業したAIチャットボットのスタートアップ。Characterのプロダクトでは、ハリー・ポッターに登場するドラコ・マルフォイや、ビリー・アイリッシュやイーロン・マスクなどの著名人などになりきったチャットボットを作成、やり取りがすることができます。Characterはこれまでに、ソロキャピタリストの代表格Elad Gil氏や、Gmailの生みの親Paul Buchheit氏、元GitHub CEOのNat Friedman氏などからシードで資金調達をしています。同社は今回の資金調達では、セコイア・キャピタルなど複数の投資家と話をしており、最低でも$1B(約1,300億円)のバリュエーションを狙っています。
アプリ、データ、インフラのIDを統合管理できるSaaS Saviynt、$205M(約271億円)を全額融資で調達
2010年創業のSaviyntは、企業がアプリケーション、データ、インフラを単一のプラットフォームでID管理できるSaaSを提供するスタートアップ。Saviyntを使用することで、企業はオンプレミス、ハイブリッド、複数のクラウドを問わず、ITアセット、アプリケーション、インフラへのアクセスを安全に管理することができます。ID管理は、サイバーセキュリティにとって重要であるため、現在のような不安定な経済期においても、ミッド・マーケットやエンタープライズでは優先的に支出される分野です。詳細は非公開ですが、売上と顧客数ともに、2020年対比で2倍以上で成長しているとのことです。今回の資金調達は、AB Private Credit Investorsから全額融資で調達しています。
民間航空機特化のデータ分析SaaS Portside、シリーズBで$50M(約66億円)を調達
Portsideは、航空運行スケジュールに応じて、乗組員と航空機を自動的に割り当て、ビジネス航空のレポート業務を標準化するSaaSを提供しています。SaaSに加えて、人材派遣のマーケットプレイスを提供しており、雇用主がパイロットと乗務員のデータベースにアクセスでき、専用アプリで乗務員の宿泊施設を管理することもできます。パンデミック時にビジネスジェットへの依存度が高まったと答え、63%がフライトの遅延やキャンセルなど、民間航空セクターの課題になっていると挙げています。Portsideもここ数年、年間約3倍の成長を遂げました。Portsideは、現在30カ国以上で、自家用機、ビジネス機、政府専用機の約1,000のオペレーターをサポートしています。本シリーズBでは、Insight Partnersがリードしました。
金融サービスを簡単に組み込めるオープンソース型Fintech×SaaS Moov、シリーズBで$45M(約59億円)を調達
2017年創業のMoovは、クラウドネイティブAPIによる資金獲得、保管、払い出しなどの情報へのアクセスを簡素化・統合することで、複数当事者との連携が必要な複雑な決済フローに革命を起こそうとしているSaaSスタートアップ。現状は、EC事業者が様々なカードブランド、連邦準備制度システム(FRS)、クリアリングハウス(生産期間)と直接リンクを提供しており。今後、顧客がワークフローを自動化し、支払いと照合を統合できるウォレットと台帳管理を提供する予定です。本シリーズBは、Commerce Venturesがリードし、Andreessen HorowitzやVisaも参加しました。
クラウドデータのセキュリティ・レイヤーを提供するSaaS Sentra、シリーズAで$30M(約40億円)を調達
2021年にイスラエルで創業したSentraは、クラウド上のデータを機密性によって分類し、企業のデータセキュリティチームに改善策を提供するSaaSスタートアップ。パンデミックにより、クラウドシフトが加速した一方で、パブリッククラウドにおけるデータの損失や漏洩は、企業の技術スタックにおける最大の懸念事項の1つになっています。Sentraは、組織のクラウド環境に接続した後、個人を特定できる情報やパスワードなど、すべての機密データを見つけ出し、誰がそれにアクセスし、何に利用したかのデータアクセスグラフを提供しています。本シリーズAは、Standard Investmentsがリードし、Bessemer Venture Partners、Zeev Venturesなども参加しました。
介護ヘルスケア領域のDX推進を加速するRehab for JAPAN、シリーズDで11.3億円調達
介護事業所向けにリハビリ支援ソフト「リハプラン」を開発、提供。「リハプラン」では、介護施設利用者の情報を一元管理できるようになるとともに、利用者の身体機能の評価等を考慮した利用者の運動プログラムを自動提案することができる。約15万人の高齢者の生活情報を分析可能なケアデータプラットフォームを構築。約4年で10倍以上の成長。累計導入事業所数は1,400社を超え(2023年1月時点)。本ラウンドに参画した投資家は、下記の通り。
- SMBCベンチャーキャピタル、JPインベストメント、小野デジタルヘルス、オムロンベンチャーズ、Aflac Ventures、やまと社会インパクトファンド(南都キャピタルパートナーズ、キャピタルメディカ・ベンチャーズによる共同ファンド)、MTG Ventures、エンジェル投資家
貿易手続きの完全電子化・業務効率化の実現を目指すトレードワルツ、資金調達を実施
ブロックチェーンを活用した貿易情報連携プラットフォーム「TradeWaltz®︎」を開発、提供。NTTデータが事業準備会社となり、2020年に創業。2017年に荷主、銀行、保険、物流などの貿易業務に携わる企業とNTTデータを含む計13社により、ブロックチェーン技術を活用した貿易情報連携プラットフォームの実現に向けた「貿易コンソーシアム」が発足され、これまで国内外における実証実験やプラットフォームの運用を検証。コンソーシアム参画企業のうち7社が共同出資を行なっている。現在は、三菱商事プラスチックなどがユーザーとして利用。貿易取引の進捗管理やデジタル上で関係者とのやり取りが可能となるコミュニケーション機能を搭載。今回調達した資金は、海外プラットフォームとの連携強化とグローバル化に充てられる。本ラウンドに参画した投資家は、下記の通り。
- 丸紅
建機レンタル業界のDXを目指すSORABITO、資金調達を実施
建機レンタルのオンライン注文をアプリで実現する「i-Rental 注文」、建機レンタル業務を効率化するクラウドサービス「i-Rental 受注管理」、建設業界専用のクレジットカード「建設スマートカード」などを開発、提供。「2024年問題」が間近に迫る中、機労材の調達DXに着目し建設業界の人材不足や高齢化に関わる「労」の課題解決を目指す。過去にはIVS 2016 Fall優勝などの受賞歴もあり。今回調達した資金は、サービスの企画・開発・拡販を担う人材の採用に充てられる。本ラウンドに参画した投資家は、下記の通り。
- パーソルベンチャーパートナーズ