最初のプライシング設計は手がかりに乏しく、多くの起業家が直面する課題です。売上を最大化したいけれど、価格が高すぎて顧客を獲得できなかったらどうしよう……と悩んでしまっているのでは?
確かにプライシングに正解はありません。それでも、フレームワークを意識すると同時に顧客との対話を重ね、柔軟に対応していくことで、あなたのSaaSに見合った価格に調整していけます。
最初のプライシング設計においては、以下の考え方を踏まえてみてください。
- 競合他社がいる場合は、プライシングモデルも似せるのが王道。ただし、ビジネスモデル自体にイノベーションを起こしている場合は除きます。
- 事前に、プロダクトの方針を、次に挙げるいずれかに定めます。「競合他社よりも10倍良いプロダクトを作っているのか?」または「競合他社よりも10倍安価なプロダクトを作っているのか?」。基本的には、SaaSでは前者が9割以上となりますが、これによって最終的に目指すべき価格帯が変わります。前者は競合価格より10〜30%ほど高い設定を、後者は競合価格の半分を目指しましょう。
- ローンチ初期は顧客からすれば不安要素が大きいので、価格が理由ではじかれないように柔軟に割引をして、導入企業を増やすことに注力する。
- 初期顧客の満足度が高まったタイミングで、価格を上げます。ただし、新価格は新規顧客のみに適用。既存顧客の値上げで売上を最大化させようとするのは解約リスクが大きい場合が多い)
- 3〜4を繰り返します。年間で1〜4回の改訂を行い、最終的には20%程度を引き上げていくイメージです。
- 人件費の削減か、顧客売上のアップにより、10〜15%くらいのROIを達成するように設定しましょう。
- フリーミアムはネットワーク効果が強いサービスでないかぎりは、基本的にNGとするのがオススメ。サービス提供者はネットワーク効果を過信しすぎているようです。
- フリートライアルはOKですが、セールスサイクルが長くなるので要注意。
上記の項目で、最も大切なのは4番です。値上げの実行を恐れると、低価格のサービスのままになってしまいます。イメージは「10社から100円ずつ」ではなく、「9社から120円ずつ」いただくビジネスへと進化させていきましょう。
ALL STAR SAAS FUND
10/12/2021