メディアではSaaSスタートアップの成功譚が取り上げられがちですが、失敗談が載ることはなかなかありません。しかし、全てが成功しているわけはなく、表に出ないだけで失敗例も数多いものです。
そこで今回は、SaaSスタートアップが失敗する主な4つの原因について回答します。先駆者に敬意を払いながら、彼らの姿に学びましょう。
1.プロダクトが顧客に愛されていない
大半のSaaSスタートアップの失敗は、これに起因します。そもそも既存の企業は、新しいプロダクトを導入しなくても、概ね無事に経営されています。
その中で、顧客がお金を払ってでも解決したい課題を見つけ出し、さらに競合他社よりも良いプロダクトを提供するだけでなく、結果として愛されるようなプロダクトとなることは非常に難しいのです。逆に言えば、愛されるプロダクト作りを達成できれば、他の問題の多くは解決可能とも考えられます。
2.共同創業者との軋轢
特にプロダクトローンチ前において、共同創業者との関係性は非常に大切です。仲違いすればプロダクト開発のスピードは一気に落ちますし、精神的にも苦境に立たされることが多いです。ぎくしゃくしないようにコミュニケーションを日頃から取るのはもちろん、そもそも焦らず、慎重に共同創業者を選びましょう。どのように選ぶべきかについては、以前に回答しているので参考にしてください。
3.創業者が諦めてしまう
2番目の内容と近いのですが、創業者が諦めればスタートアップは即終了です。そうならないためにも、これは成功譚でよく聞くワードではありますが、創業者の情熱と粘り強さは欠かせません。「自分がこれから10年以上の人生を賭けてでも取り組みたいテーマなのか?」「本当に起業する覚悟はあるのか?」など、しっかりと考えてから挑戦しましょう。
4.成長に投資しない
SaaS経営では、成長への先行投資が肝心です。SaaS経営において、顧客獲得コストの回収期間のベンチマークは1年間です。つまり、契約金額の1年間分の先行投資が必要になるということです。
特に競争が激しい市場で、成長期のスタートアップであれば、3年分などの先行投資をする場合もあります。計画を練り、十分な資金を確保し、先を見通した採用を行い、成長軌道に乗り遅れることのないようにしましょう。
全く同じように成長や失敗するスタートアップはありませんが、主な失敗の要因には一定の共通項があるようです。他社や先行事例の成功ばかりに気を取られず、ぜひ失敗例についても目を向けていきましょう。