SaaSスタートアップが長きにわたって成功する上では、顧客満足度の高さが最も大切です。満足度が高まれば解約率も下がり、口コミでの新規顧客獲得につながります。
顧客満足度を最大化する施策は数あれど、CEOに勧めたいのが「顧客との対話」です。CEOが顧客と直接話す利点はいくつかあります。
- 顧客との良好な関係性の構築につながること
- 顧客からのフィードバックを直接受けられること
- 顧客に自社のビジョンを直接伝えられること
もちろん、カスタマーサクセスが担える部分でもありますが、CEOが直接行うことで、それぞれのインパクトはより大きくなります。より強固な関係性から得られたフィードバックは、プロダクトや課題解決の解像度をさらに高めますし、ビジョンを自ら伝えることで連帯感を持ち合えるようにもなるでしょう。
主な利点は上記の通りですが、このように私がおすすめすると、CEOから「お客様との打ち合わせで何を話せばよいのか?」と質問をもらうことがあります。
具体的なアジェンダとしては、基本的に既存顧客へのQBR(Quarterly Business Review、四半期ビジネスレビュー)と近いもので構わないでしょう。
- 顧客からのフィードバックを元にしたセッション
- KPIに関するレビュー
- KPI向上のための議論
- 自社ロードマップ紹介
といった内容が主になります。
<yellow-highlight-half-bold>対話の頻度としては、対象となるセグメント内の売上順位を算出し、その上位25社の顧客と、年に1回以上がおすすめです<yellow-highlight-half-bold>。平均すると2週間に1社の頻度となりますので、多忙なCEOでも実現可能ではないでしょうか?
また、以下は対話に関する補足のTipsです。
対話の機会に、自社のフェーズやサイズは関係ありません。いかにサービスが始まったばかりのスタートアップで、社員数が少なかったとしても、顧客は常に取引先のCEOから直接話を聞きたいものだと思ってください。自ら積極的に対話をしていきましょう。
また、CEOが打ち合わせに参加するときは、顧客の役員に参加いただくチャンスです。窓口となるカスタマーサクセスの担当者に「弊社CEOのXXXも打ち合わせにぜひ参加したいのですが、貴社役員のYYY様にも何卒ご参加いただけないでしょうか?」などと働きかけていきましょう。同席が叶えば、より強固な関係性を築けるかもしれません。。
最後に、打ち合わせ後のフォローアップメールを、CEOから送ることがとても大事です。自らメールを送ることには、感謝の意を添える以外にも「緊急連絡先」を伝える意味もあります。将来的に急ぎで対応すべき問題などが起きたときに、顧客がCEOへメールで直接連絡してくれる場合があります。
対話には多くのメリットと得られるチャンスがあります。CEO自らが行動力を発揮すべき施策と捉えてみてください。参考になれば幸いです。