成長し続ける会社は、現場が強い。その強さは、一朝一夕では得られません。いつもそこには、具体的な施策や工夫、改善を続けてきた人たちがいます。
彼らにスポットライトを当てるように、ALL STAR SAAS FUNDでは「チームメンバー」の取り組みに目を向け、“現場を強くするための学び”を探るべきだと考えました。
会社をたくましくドライブさせる推進力の源となる「立役者」にお話を聞く、インタビュー連載『ALL STAR TALENT』シリーズ。第3回は、カスタマーサポートに特化したAIソリューション「KARAKURIシリーズ」を提供するカラクリ株式会社の中山智文CTOが登場。
数学者への夢を抱き「数学漬け」の大学生活を送りながら、大学3年生で始めた企業インターンが転機に。ウェブやアプリの開発、ビッグデータ分析を会得し、フリーランスとして活動を始め、大学卒業後はシリコンバレーで学びを深めます。帰国後に入った大学院時代にカラクリ創業者・麹池貴彦さんと出会い、共に事業を進めていくことになったといいます。
聞き手は、ALL STAR SAAS FUNDのVenture&Enablement Partnerの神前達哉です。
超優秀な同期と会社を立ち上げてみた
神前:まずは、これまでのキャリアや入社の背景から教えていただけますか。
中山:青森県の三沢で育ちました。いつも米軍三沢基地が側にあった影響からか、海外に興味を持って、高校在学中にイギリスへホームステイ留学しました。大学は数学科に進んで、数学研究部にも入って朝から晩まで……それこそ夜中も(笑)、数学に明け暮れましたね。
数学者志望でしたが、3年生のときにインターンをしてみようと、ウェブやアプリの開発、ビッグデータ処理を手掛ける企業で1年間在籍しました。その会社はインターン生に受注から納品まで、それこそお客さま対応も担うところで、今振り返るとそれで大丈夫かとは思うのですが(笑)、いろんな経験ができました。
メインはビッグデータ処理やビッグデータ分析でしたが、アプリ開発もiOSとAndroidの両方を経験したり、ウェブのシステム開発からサービス設計も全て経験して、それこそ泊まりがけで社員よりも会社に長くいるような1年間でした。その経験を元にフリーランスのエンジニアとなり、インターン先の企業を含めた数社からお仕事をいただいていました。
「この働き方ならリモートワークも可能だな」と感じて、大学卒業後はシリコンバレーに滞在して、日本からの仕事をこなしつつ、「なぜ、シリコンバレーにはこれほど世界トップクラスのIT企業が集まり、優れたエンジニアが多いのか」を知ろうとしました。
現地では語学学校からコミュニティカレッジに進み、知り合った人の企業を見学させてもらったり、日本から現地調査の依頼を受けたりして過ごしました。コミュニティカレッジでは情報セキュリティを学んだのですが、現役FBIのハッカーみたいな人から「ハッキングの方法」を学ぶような授業もあったんです。日本では聞けない授業ですよね(笑)。
当時はちょうど2014年頃で、まさにAIブーム。帰国後は東京大学の大学院を受けて、AIや人工知能、機械学習を扱う岡田研究室に入りました。岡田教授が提唱する「データ駆動科学」の研究をする一方で、同期たちが超の付くほど優秀な人だったから、何をするかも決まっていないけれど、とりあえず会社を立ち上げてみたんです。
「何か面白いことをしたいな」と思っていたところに、カラクリの創業者である麹池貴彦に、たまたま夏休みに会う機会があって。麹池から「チャットボットサービスをやりたい」とアイデアを聞き、それで会社をパッとまた立ち上げて始めてみました。途中からは大学院同期との会社も含めて一本化してやっていこうと、カラクリに合流した形です。
2016年から大学院へ進んで、卒業したのが2021年の3月でした。だから、カラクリの創業時からずっと学生で……というか、ここまでのキャリアは、ずっと学生との二足のわらじでずっとやってきた感じですね。
アカデミアとスタートアップを両立することのメリット
神前:大学院での研究とスタートアップ経営を両立されてきた5年間には、当然に苦労もされたと思うのですが、メリットもありましたか?
中山:お互いの領域の最先端技術に触れられることですね。「アカデミアの最先端」では人類の限界というものを知り、「スタートアップの最先端」ではビジネス的な限界を学べました。その両方に価値があるんですよね。アカデミアでは学べないことがスタートアップで学べて、それは逆でもいえる。
たとえば、スタートアップビジネスをする上でも、アカデミアで最先端技術の本当に先端の先端を知っていれば、「ソフトウェアでどのような自動化が実現でき、現状では何ができないのか」を切り分けられる。他にも「研究するとは何か」「科学的や客観的とは何か」といった観点もアカデミアでないと学べないことです。
一方で、研究する際にも、実際に使うことをイメージして研究を考えられる、言わば「社会的な研究の価値」を見やすくなったと思います。ビジネスの周辺知識やプロジェクトの進め方も仕事を通して学べました。あとは両立したことで、疑問に思ったときにすぐ聞ける人が、お互いの領域にいることの価値も大きかったです。
僕のいた研究室は「共同研究」も多くて、地球惑星科学など異分野の研究者と会話をする経験も生きていますね。そこで身についた「専門外の人と会話する能力」はスタートアップでも役立っています。現場とコミュニケーションを取る重要性は、ある意味では研究から学んだところがあります。
現場とコミュニケーションを取らないと良い共同研究にならないのですが、それはビジネスでもおそらく一緒です。エンジニアだけで考えて作っても良いものはできない。「本当に必要なものは何か、本当の課題はどこなのか」を現場と一緒に考えていくスタイルは、両立していたからこそ出来たと思っています。
あと、学生という立場は何かと良くて、いろいろな支援が受けられるんですよね。本当にいろんな界隈の人たちが助けてくれる。「中山くんみたいな学生いるんだ」みたいに(笑)。
神前:カラクリの前身に「超優秀な同期との会社」があるように、それも両立していたからこそのメリットといえそうです。
中山:東大で人工知能を研究していた優秀な人は、単なるスタートアップなら採用できないでしょうからね。カラクリも研究室出身の先輩たちが、一度は違う企業に入ってから、リファラルでどんどん入社してくれているんです。アカデミアのつながりあってこそですし、転身前の企業も優れたところが多くて。これは優秀な人たちがいる場所のメリットですね。
分業されていないことの良さもある
神前:ファーストキャリアで、スタートアップへ就職するメリットを学生に伝えるなら?
中山:大手企業や官公庁で働いた経験がないので、比較は難しいところですが、スタートアップで働くのは新卒でなくともメリットがあるはずです。特に「裁量と責任」は新卒で大手企業に入るよりずっと大きいでしょうし、見える世界が全然違うんですよ。
新卒は「目の前のタスク」や「仕事を学ぶ」くらいが見えることだと思いますが、スタートアップを主体となって動かしていく立場になると、もっともっと社会全体を見て、知ることができます。
さまざまな分野の人たちとの関わりが持ちやすいのも、スタートアップのメリットです。新卒で大手企業に進むと、お客さま以外は同期や同僚くらいしか関わらないでしょうから。スタートアップにはコミュニティがあったり、いろんなイベントがあったり、異分野のお客さまのところにも飛び込めるんですよね。
一方で「分業されてない」という点を悪い面に挙げる人もいるはずですが、僕としてはそれってすごく良いことだと捉えていて。自ら顧客のもとに足を運んで、ユーザーの使用状況を調査して、課題をヒアリングして……そういう分業の無さは、学べる範囲がとにかく広いともいえると思います。
優秀な人が揃うと、超えられない壁を「ぶち抜ける!」
神前:今はCTOとしてエンジニアのマネジメントをされている立場から、「カラクリのエンジニア組織の魅力」を、どのように捉えていらっしゃいますか。
中山:カラクリの魅力は人材の素晴らしさにあって、一緒に仕事していて楽しいです。本当に優秀なエンジニアが奇跡的に採用できています。一度、社内で「全社ハッカソン」をやってみたんですが、社内でランダムに6つのチームを分けてみても、個別のスタートアップ企業のエンジニア組織に見えるくらい、メンバーが強いのは大きいですね。
優秀な人がいることの良さは、普通では越えられない壁を越えられること。迂回をしたくなるような壁でも正面突破でぶち抜けるみたいな(笑)。たとえば、カラクリには優秀なデータサイエンティストたちがいるので、通常ならデータサイエンスなんて入ってこないような管理画面の小さなUXの改善にも技術が組み込まれているんです。
それこそGoogleレベルの巨大組織なら、そういう細かなところにもデータサイエンスが入るかもしれないけれど、それをスタートアップの規模で実現できている。むしろ、規模がコンパクトだから、データサイエンティストとエンジニアが関わりあえる距離にいるから、よほど面白いかもしれないです。
神前:カルチャー面や開発体制の特色は?
中山:4つあるバリューの一つに“Scrum CS(スクラム・カスタマーサクセス)”を掲げています。「顧客の成功は私たちの成功」という意図ですが、SaaSにとって最も大事なカスタマーサクセスをカルチャーにしており、エンジニアたちもその意識を強く持てています。
だからこそ、エンジニアやデータサイエンティストが自らお客さまを訪問したりと、距離の近いコミュニケーションができています。彼らがお客さまと会食することも普通で、密なコミュニケーションが取れるからこそ、生まれてくる新しいアイデアがたくさんありますね。
カラクリは「今までにないカラクリで世の中を豊かに」というミッションを掲げていますが、そういう新しいアイデアから本当に「カラクリ」を作れているんです。顧客とのコミュニケーションから課題を見つけて、エンジニアたちが実際にサービスを作って解決する。それを推奨しているので、どんどんアイデアを出して、作ってもらっています。
一般的に言えば、カラクリではチャットボットやFAQを手掛けている会社ですが、その中身はかなり独自路線。オリジナリティがあるな、と感じています。だから……僕としては、自分が細かくマネジメントしているというよりは、僕が大きな方向性を示し、その大きな方向性に対して各自でアイデアを考え、どんどん実装していくスタイル。
それを支えるためにも、採用面ではとにかく自分より優秀なメンバーを集めてきて、最大限の成果を発揮できるように環境を作っています。彼らが動きやすい環境を整え、十分な裁量や予算をもっと与えてあげられるように。それから、人をつなぐことは重視しています。
「メンバーが優秀ならマネジメントは不要じゃない?」
神前:エンジニアたちが顧客と密なコミュニケーションを取るのは、あまり聞かない例だと思うのですが、どういったステップを経ていったのですか?
中山:もともと、自分がそういうタイプのフリーランスだったんですよね。フリーランスにもいろんなパターンがあって、大きなエンジニア組織の業務委託として働く人もいれば、僕はビジネスサイドの人たちと一緒に提案から開発まで取り組むことが多かったんです。ミーティングにもよく参加していて、そこから関わるのが僕にとっての「普通」だったから。
でも実際、そうやってお客さまと一緒に作ることで、認識が大きくズレることもなくなりまます。エンジニアとの1on1は2週間に一度実施して、そこで方向性を修正できているから、自主的に動いてもらえるんです。
実は僕も、今いるメンバーがもう全員自分より圧倒的に優秀なせいで(笑)、一時期はマネジメントスタイルに悩んだこともあったんです。そんな時、当時はDMM.comのCTOだった松本勇気さん(現・LayerX代表取締役CTO)や、メルカリCTOの名村卓さんにメンタリングしてもらう機会を得て。
マネジメントスタイルの悩みをぶつけたら「<yellow-highlight-half-bold>メンバーが優秀ならマネジメントなんてしなくていいのでは?大きな方向性だけ示せば勝手に走ってくれるよ<yellow-highlight-half-bold>」と言われて。確かにそうかもしれない、と思ったんですよね。
スタートアップこそ初期段階から評価制度を整えるべき
神前:業績評価はどのようにしていますか?
中山:「バリュー評価」として、バリューに合う行動をしていたか否かでの評点制度があります。これはALL STAR SAAS FUNDの前田ヒロさんから、インプリメンティクスの金田宏之さんを紹介していただき、金田さんが一緒に整えてくれたものです。自分としては金田さんがうまく作ってくれた評価制度を生かせた形で、スタイルにもすごく合っていました。
バリュー評価やOKRの仕組みといった人事評価制度を、エンジニアが10名に満たない初期段階で整えられ、フィードバックができていたからこそ、こういったカルチャーを作っていけたと思いますね。「なりたいカルチャー」が人事制度に反映され、その制度がカルチャーを生み出していった、というサイクルが機能していました。
神前:今挙がった評価制度について、より内容を教えていただけますか。
中山:いくつかあって、バリュー評価、OKRのミッション評価、それから新卒社員が多いこともあってビジネスパーソンとしてのベース評価ですね。
バリュー評価とミッション評価は年に2回、4月と10月に行われて、そこで給与の上げ下げが決まります。現状では下がることはほとんどないですが。方針としては、今後半年間で会社としての大きなOKRを定め、そのために達成すべきのキーリザルトを決めます。次に各部門ごとにチームOKRを決め、各個人が半年間の目標へ落とし込んでいきます。
組織としてはトップダウンですが、個人のOKRはボトムアップなんですよね。個人がアイデアの草案を持ってきて、上司が会社の方針から照らし合わせ、すり合わせます。そして、言わば「半年間の約束事」を交わし、その客観的な指標としての達成度合いを見るため、評価者によって評定がブレないんです。
要は、本人が言った約束事を守れたか否かなので。約束を守るためなら手段は問わないし、必要なリソースは惜しみなくサポートします。その進捗過程を2週間に一度の1on1で確認するのがメインですね。
バリュー評価は、カラクリが掲げる4つのバリューに対して、具体的な行動によって「いかに体現されていたか」を算出して、合算値を求めます。それに上司の評価、サブ評価者からの評価、自己評価をそれぞれ見えない形で出し合い、ズレがないかを確認しています。
ここで「自己評価がすごく高いのに上司の評価がひどく低い」といった状況は良くないですから、マネジメントに何かしらの間違いが起きたと判断し、修正をかけていきます。
神前:かなりシステマチックに決められている印象を受けました。
中山:そうですね。採用活動時に評価制度まで話してしまうことも多いです。「スタートアップなのにこんなにしっかりしてるんですね」とよく言われます(笑)。ただ、僕らとしては評価制度まで見せることで、候補者の入社意欲が強くなるのを感じています。スタートアップこそ評価制度を整えておくのは大事なのではないか、と思いますね。
採用は、とにかく長期に、諦めないことが大事
神前:他にも、候補者を引きつけていくための心がけがあれば、ぜひ教えてください。
中山:<yellow-highlight-half-bold>時間が何年かかってもいいから何度も会って、深く知り合って、「この人と一緒に働きたい」と絶対に諦めないことです<yellow-highlight-half-bold>。カラクリにも入社まで3年ほどを重ねた人も最近は増えています。本当なら創業時から一緒に働きたいと思っていた人が、その時には叶わなかったけれど、それこそここ最近で入社してくれるケースも繰り返されていて。
諦めないことが大事。短期で終わる採用もありますが、長期的に考えることです。仮に候補者が別の会社を選んでも、3年後にはカラクリに入ってきてくれるかもしれない。スタートアップなら3年ほどで転職するのはよくあるサイクルですし、3年なんてすぐです。カラクリは創業して5年経ちましたが、3年後も絶対に成長し続けますし、そうなれば絶対に人は足りていない。出会えた良い人とは全員ずっと連絡を取り続けて、3カ月に一度ぐらいは会話をする機会を持って、つながりを保ち続けようと心がけていますね。
神前:それだけの人材の母集団形成は、どういうふうに取り組まれていますか?
中山:エンジニア組織の半分はリファラル、ウェブエンジニアも半分はリファラル、データサイエンティストは全員がリファラルですから、まずはリファラルが筆頭。おそらく誰もが「自分より優秀な人」って、どこかで絶対に会ったことがあるはずなんですよ(笑)。だから、「自分より優秀な人を紹介してね」とは全員に言っています。
あとは、一緒に働きたいと思える人は、尊敬できる面など何かしらの「良いところ」があるわけです。スタートアップは何もかもが足りないので、その人の「良いところ」もいずれどこかのフェーズで必ず合うタイミングが来る。それが現在のフェーズでなかったとしても、紹介された人には自分で全員ちゃんと会いに行くようにはしていますね。
お客さんと密にコミュニケーションすることしかり、採用者とひたすら会うことしかり、理解を深めるためにはとにかく話すしかないような気がするんです。経営メンバーとの関わり方も同じです。たとえば、経営メンバーとは前提知識をそろえようと、一人ひとりに「人生を変えた本」や「オススメの本」を聞いて、それらは全部読みました。
僕も大学院を卒業して、ちゃんと社会人として独り立ちしようと気持ちが高まったタイミングで(笑)、本当にこの4カ月くらいは多読しました。どういった本から影響を受けてきたのかを知るためでもあり、僕の勉強でもあり、深く話し合うためにも必要な時間でした。
CTOが商談動画をお風呂で見続けている理由
神前:実はカラクリの方から、「中山さんがインサイドセールスやフィールドセールスの商談の録画をお風呂で見ている」という話を聞いたのですが……。
中山:あぁ、それは本当です。iPadに防水カバーを付けて持ち込んで。あまりに疲れたときはYouTubeを見ているときもあるんですけど(笑)、商談動画はよく見ます。全ての商談がオンラインになった恩恵といえるでしょうか。現場の温度感、お客さまの放つ言葉の強さ、思いを込められているポイントは、動画だからこそ感じられますし、リモートワークが進んでいるからこその良さですよね。
神前:録画データでは、どういったところに注意していますか?
中山:「どういったワードに引っかかったのか」と「何に価値を持っているのか」ですね。相手を理解しようとするなら価値観を知るのが大事だと思っています。その人はどういう言葉を用いて、何に重きを置き、どういった指標を追っているのかなどを把握したいからです。たとえば、カスタマーサポートの方だと、実は業務効率化ではなく「お客さまへのより良い体験の提供」を求めているといったことは、よくあるものです。
他にも、言葉遣いなどからお客さまのIT知識量も見ています。知識量に応じて、使いやすい機能と使いづらい機能が出てくるはずだからです。プロダクトはなるべくシンプルにして、誰でも使えるようにするのが当然ですが、その分だけ機能を削除するトレードオフは多少出てきます。カラクリは必ずしも全ての機能をお客さまに見せているわけではありません。
それを判断するためにも「この担当者さんなら、これくらい複雑な管理画面でも使いこなせるはずだ」といった見当をつけるべく、知識量を把握したいんですね。
神前:最後に、ぜひ今後に実現していきたいこと、あるいは野望を聞かせてください。
中山:やりたいことは無数にあるのですが、まず今関わっているカスタマーサポート業界を大きく変えていきたいですね。妻がカスタマーサポートの仕事をしていて、そばで様子を見ていると、「ちゃんとこの業界を変えていかなければ」と沸き立ちます。
カラクリの力によって業界を変えるという体験ができれば、それを他の業界においても変化を促すための原動力にできると思っています。そして、将来的には社会の大きな仕組みを変えていきたい気持ちがあります。人の生産性を10倍、100倍、1000倍と高めていきたいですし、仕事を楽しんで取り組めるようにすることも、引き続きやっていきたいです。
そのための組織を、僕は作っていきたい。本当に社会を変える会社って、どういう会社なのか。それを模索していきたいですね。
中山 智文
カラクリ株式会社 取締役 CTO(人工知能・データ分析スペシャリスト)
大学の学部卒業後、フリーランスエンジニアとして仕事を続けながら、シリコンバレーに1年間留学(情報セキュリティを専攻)。帰国後、東京大学大学院で機械学習技術の応用研究を行う。 修士課程1年の夏、他のメンバーたちと共にカラクリ株式会社を創業。取締役CTOに就任。2足の草鞋を履き続け、2021年3月に博士号(科学)を取得。